経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定の 署名

経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の協定の
署名に当たっての共同声明
我々、安倍晋三日本国内閣総理大臣及びチメド・サイハンビレグ・
モンゴル国首相は、本日、東京において会談を行い、
「経済上の連携
に関する日本国とモンゴル国との間の協定」が約3年間続いた交渉の
末に署名に至ったことを共に祝福し、以下の共同声明を発出した。
1.我々は、自由・民主、平和及び助け合いの精神こそが、日本国と
モンゴル国の良好な関係の礎、価値観となっていることを改めて
確認するとともに、両国の発展及び両国間の国民の交流を更に深
めていく上で、この協定が重要な意義を有することを強調した。
また、この協定が、経済分野における協力を通じて両国間の「戦
略的パートナーシップ」を強化していく上で、大きく貢献するこ
とになるとの認識で一致した。
2. 我々は、この協定が、両国間の投資、サービス及び物品の流れ、
更に両国の国民の相互交流を増加させ、両国間の個人及び民間企
業によるビジネスの拡大や投資の新たな可能性をもたらし、それ
によって、相互補完性を有する両国の経済関係を新たな段階に引
き上げるものとなるとの認識で一致した。
3. 我々は、モンゴル国にとって初めての経済連携協定となるこの
協定が、物品及びサービスの貿易、投資、貿易円滑化、知的財産、
競争、ビジネス環境の整備等の幅広い分野を対象とし、高い水準
の協定となったことを強調した。
4. 我々は、両国間での経済分野における協力を一層活性化させる
ことの重要性を強調するとともに、この協定に係る協力の分野を
この共同声明の別添に記載した。
5. 我々は、この協定が、両国が地域及び国際場裡での経済分野に
おける協力を深め、更に、モンゴル国が世界の経済統合の流れと
結び付いていく上で重要な意義を有するとの認識で一致した。
6. 我々は、この協定を可能な限り早期に発効させるために必要な
それぞれの国内法上の手続を進める決意を確認した。
東京にて 2015年2月10日
日本国内閣総理大臣
安倍晋三
モンゴル国首相
チメド・サイハンビレグ
(別添)
経済上の連携に関する日本国とモンゴル国との間の
協定に係る協力の分野
1.農業、林業及び漁業
・ 乳製品、牛肉及び有機食品の生産
・ 家畜の衛生及び獣医のサービス
・ 模範となる農場の設置
・ 灌漑及び種子の生産
・ 飼料の生産及びペットフードの加工
・ 食品の加工(加熱加工をした食肉の生産を含む。
)
・ 有害動植物又は病気の無発生区域の設置
・ 家畜の改良に関するバイオテクノロジー
・ 専門家の交流及び職業訓練の実施
2.製造業
・ 製造業の多角化
・ 工業団地及び技術団地の開発
・ 製造業の経営、競争力及び能力の強化
・ 国際的かつ高度な任意規格の導入による技術の普及
3.貿易及び投資
・ 貿易及び投資の促進
・ 貿易円滑化のための税関協力の推進
・ 貿易及び投資に関する知識の普及及び改善のための専門家、研
修生及び研究者の交流の奨励
4.公共基盤、建設及び都市開発
・ 高度道路交通システムの導入及び開発
・ 車両に関する安全基準の向上
・ 道路及び輸送についての監視能力及び監督能力の向上
・ エネルギー効率のための技術の導入
・ 耐震技術の導入
・ 建設廃棄物の再使用及び再生利用のための技術の導入
・ 技師及び技術者の能力の開発
5.金融サービス
・ 金融市場の基盤の整備
・ 金融サービスの分野における規制に関する協力の促進
・ 銀行以外の金融及び保険の機能の強化
・ 人材養成並びに経験及び技能の交流のための研修の実施
6.教育及び人材養成
・ 高度な知識及び技術を有する人材の養成
・ 専門家、学者及び教員の交流の奨励
・ 技師及び技術職員の技術訓練及び職業訓練の提供
・ 大学において得る教育又は経験の認定の奨励
7.環境
・ 環境の保全及び改善
・ 浄水技術の導入
・ 廃棄物の管理及び廃棄物に係る技術の改善
・ 車両からの排出ガスの削減
8.保健
・ 高度な科学技術の開発及び促進
・ 人材養成
・ 共同研究開発の奨励
・ 医療専門家の交流及び研修の奨励
9.情報通信技術
・ 情報通信技術における経営、競争力及び技術的能力の強化
・ 高度な知識及び技術を有する人材の養成
・ 共同研究開発の奨励
・ 科学者、技術者その他の専門家の交流の奨励
(日本国政府及びモンゴル国政府は、この協定及び同実施取極の規定
に従い、いかなる分野で、どのような範囲及び形態で協力するかにつ
いて、その都度協議する。)