脳梗塞に対する外科的治療 仙台医療センター脳神経外科 井上敬 脳卒中 虚血性脳卒中 出血性脳卒中(脳溢血) 脳出血 くも膜下出血 脳卒中 虚血性脳卒中 頚動脈内膜剥離術・頭蓋外内バイパス術 出血性脳卒中(脳溢血) 脳出血 くも膜下出血 開頭血腫除去術 未破裂脳動脈瘤クリッピング術 脳卒中慢性期治療 予防的治療 将来起こりうる脳卒中を予防する (一次予防・二次予防) 診断・適応・治療法の選択 頚部頚動脈狭窄症の診断と治療 ○ 症候性 ○ 無症候性 頚部頚動脈狭窄症の診断と治療 ○ 症候性 ○ 無症候性 脳梗塞 ○ ラクナ梗塞 ○ アテローム血栓性梗塞 ○ 心原性塞栓 ○ その他 NINDS-III分類 脳梗塞 ○ 小血管性梗塞(ラクナ梗塞) ○ 大血管アテローム血栓性梗塞 ○ 心原性塞栓 ○ その他 ○ 原因不明 TOAST 分類 TOAST 分類 ラクナ ラクナ ラクナ 脳梗塞 ○ ラクナ梗塞 ○ アテローム血栓性梗塞 ○ 心原性塞栓 ○ その他 狭窄度 C B ECST: B/Ax100 NASCET: B/Cx100 A A:想定される内径 B:最大狭窄部位の内径 C:遠位部の内径 頚部頚動脈狭窄症の治療方針 ○ 症候性 NASCET ECST 頚部頚動脈狭窄症の治療方針 ○ CAS (ステント留置術) SAPPHIRE EVA-3S SPACE ICSS CREST ステント 頚部頚動脈狭窄症の治療方針 ○ 症候性 薬物療法 ○ 無症候性 薬物療法 降圧薬 糖代謝異常 脂質代謝異常 抗血小板剤 禁煙 薬物療法 降圧薬 家庭血圧 125 mmHg 未満 糖代謝異常 HbA1c で 7.0 未満 脂質代謝異常 LDL で 120 未満 抗血小板剤 禁煙 薬物療法・禁煙 に加えて血行再建術の適応を検討する 頚動脈内膜剥離術 (CEA) 頚動脈ステント留置術 (CAS) CEA か CAS か SAPPHIRE EVA3S CREST ・ ・ ・ 年齢・合併症・病変の性状・・・ 症例毎 CEA の実際 脳波・脳血流をモニター 顕微鏡手術 合併症率 3% 未満 頚部頚動脈狭窄症の治療方針 ○ 症候性 NASCET CEA の有効性 ECST ACAS ○ 無症候性 ACST CEA の有効性 頚部頚動脈狭窄症の治療方針 ○ 症候性 薬物療法 + CEA の有効性 ○ 無症候性 薬物療法 + CEA の有効性 ? Asymptomatic Carotid Surgery Trial ACST • randomised 3120 “無症候性” • CEA 群 vs. BMT (薬物療法) only 群 • 1993 年から 2003 年 • 無症候性病変における、CEA の重症および 致死的脳卒中再発予防効果を証明 ACST-1 結果:全脳卒中・死亡 NNT = 25 (5y) = 23 (10y) Best medical treatment が行われていたのか? 降圧薬 (89%) 抗血栓療法 (89%) スタチン (82%) 抗血小板薬 降圧薬 1991 1995 1999 2003 2007 1991 1995 1999 2003 2007 ACST-1 考察 ( vs. BMT) 抗コレステロール薬のみ 抗コレステロール薬、抗血栓薬 抗コレステロール薬 抗血栓薬 降圧薬 0.7%/人年 vs. 1.3%/人年 (CEA 群 vs. BMT only 群) ACST-1 結語 70%以上の無症候性頚部頚動脈狭窄性病変に対し BMT に加え CEA を行うことによりその後 10 年間の 脳卒中発症率を有意に低下させる (17.9% → 13.4%) Halliday A, Harrison M, Hayter E, Kong X, Mansfield A, Marro J, et al: 10-year stroke prevention after successful carotid endarterectomy for asymptomatic stenosis (ACST-1): a multicentre randomised trial. Lancet 376:1074-1084, 2010 無症候性頚部頚動脈狭窄症 絶対リスク比: 1%/年 ACST-1 結果:サブ解析 ACST-1 結果:サブ解析 全脳卒中 287 例中、166 例が重症または死亡に至 る脳卒中 (57.8%) Asymptomatic carotid surgery trials 1 & 2 ACST-1: Surgery (CEA) vs BMT 1993-2008 ACST-2: CEA vs CAS on BMT started 2008 - continuing ACST-2:対象 6ヶ月間無症候性頚動脈狭窄症 エコーで70%以上狭窄 薬物療法がすでに行われていること ACST-2:方法 国際共同ランダム化比較試験 CEA : CAS = 1 : 1 BMT 経過観察:5年以上 解析: ITT ACST-2:評価項目 主要評価項目 1) 周術期リスク(1ヶ月以内) 2) 長期経過観察(最低5年) 脳卒中予防効果 ACST-2:登録状況 26 ヵ国79 施設(日本含む) 2015 年 1月:1669名 ACST 2 web site: http://www.nds.ox.ac.uk/acst/ 67歳女性 (ACST2 登録) 59歳男性 (CEA 希望) 74歳男性 (CEA 希望) 76歳男性 (Study 前) 66歳男性 仙台医療センター (倫理委員会申請中) 無症候性例のCEA 頚部頚動脈狭窄症の治療方針 ○ 症候性 薬物療法 + CEA/CAS 80歳以上でも ○ 無症候性 薬物療法 + CEA/CAS 進行中 75歳以下 頚動脈病変の診断と治療 ○ アテローム血栓性梗塞とラクナ梗塞の鑑別 ○ 薬物療法・リスクファクター管理 ○ CEA・CASの適応 頚部頚動脈狭窄症 ECST 頭蓋外内バイパス術 脳梗塞予防に有効なことがある (すべての患者さんに必要ではない) 再発の 危険性 手術の 危険性 頭蓋内主幹動脈閉塞症 浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術の再発予防効果 Grubb RL et al. for COSS investigators J Neurosurg 2013 (否定) Powers WJ et al. for COSS investigators JAMA 2011(否定) Ogawa A et al. for JET Study investigators 脳卒中の外科 2002 (有効) COSS (The Carotid Occlusion Surgery Study ) JET Study (The Japanese EC-IC bypass Trial) 全脳卒中・死亡 同側脳梗塞 RR=0.395 RR=0.265 SE=0.177 SE=0.173 p=0.039 p=0.042 頭蓋外内バイパス術 73歳以下 脳梗塞を起こしたことがある 脳循環予備能低下 PETで酸素摂取率上昇 SPECTで脳血管反応性低下 PWVで脳血液量上昇 脳血管拡張 脳血液量 脳血流量 脳酸素摂取率 脳酸素代謝量 低下 脳灌流圧 正常 CVR CBV OEF Patients Eligibility CBF Criteria Baseline CBF Exclusion ≧80%* Inclusion Moderately Severely <80%* <80%* CVRC or and and *: of normal control value ≧10% <10% < 0% 頭蓋内主幹動脈閉塞症 頭蓋内主幹動脈閉塞症: POD 7 頭蓋外内バイパス術 まとめ 脳梗塞に対する外科的治療 頚動脈内膜剥離術 頭蓋外内バイパス術 予防的治療 将来起こりうる脳卒中を予防する (一次予防・二次予防) 診断・適応・治療法の選択
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