S21 口腔外科学 09年度講義まとめ


小テスト(毎回の講義の最後に実施)
5点×8回=40点
なお、08年度には「配布した紙と提出された紙の枚数が違う」ということが
問題となり、試験当日になって出席点がノーカウントになったそうである。
本年度も不正行為が行われていた可能性はあるが、それについて文句を
言っても始まらないので、小テストを過信せず、本試験に備えて真面目に
勉強しておくことが重要であろう。

本試験
15点×7問=105点満点
計145点中60点以上であれば、合格とする。
8 7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7 8
8 7 6 5 4 3 2 1 1 2 3 4 5 6 7 8
歯の種類
顎の側
右上
左上
右下
左下
たとえば、 右上顎なら」
左下顎なら「 となる。
切歯
犬歯
小臼歯
大臼歯
歯式
中切歯
1
側切歯
2
犬歯
3
第1小臼歯
4
第2小臼歯
5
第1大臼歯
6
第2大臼歯
7
第3大臼歯(智歯、親不知)
8

歯冠、歯頚部、歯根
エナメル質、象牙質、歯髄

歯周組織を構成する組織





セメント質
歯肉
歯根膜
歯槽骨
歯冠
歯頚
歯根

歯科領域の2大疾患
 歯の疾患---齲蝕(症状名としては虫歯)
 歯周組織の疾患---歯周病(症状名としては歯槽膿漏)

口腔外科領域







遺伝性---顎変形症(奇形)
外傷性---顎顔面骨骨折、歯の損傷
嚢胞---顎骨内嚢胞(歯原性/非歯原性)、軟組織嚢胞
口腔粘膜疾患---紅板症、白板症、扁平苔癬、アフタ口内炎
口腔腫瘍---上皮由来、外胚葉性間葉由来、骨関連病変
神経疾患(口腔心身症)---舌痛症、非定形顔面痛
睡眠時無呼吸症候群

誤嚥性肺炎
唾液が逆流して気管に入り込むことで口腔内細菌が肺に到達して炎症を起こす。

歯性病巣感染の二次疾患






骨関節疾患;関節炎、関節リウマチ、筋炎
心血管系疾患;心内膜炎、心筋炎、動静脈炎
腎疾患;腎炎、ネフローゼ
神経疾患;神経炎、神経痛、神経症
アレルギー性疾患;蕁麻疹、気管支喘息、湿疹
皮膚疾患;掌蹠膿胞症、多形滲出性紅斑
歯性感染症の治療・予防はこれらを防ぐ上で重要
(特に高齢者・易感染性患者の多い総合病院)

概念
歯面に付着した細菌の産生する酸によって歯の組織が脱灰・破壊される疾患

原因菌
ミュータンスレンサ球菌(Streptococcus mutans)
グラム陽性、通性嫌気性の口腔内常在菌

症状
歯痛、歯の欠損、咀嚼障害

分類
C0
C1
C2
C3
C4
歯質の不透明化、
白斑、色素沈着
エナメル質に進行
象牙質に進行
歯髄に進行
歯冠の崩壊
残根状態
①
プラーク(歯垢)の形成
S. mutansがスクロースをフルクトースとグルコースに分解し、
さらに酵素(グリコシルトランスフェラーゼ)の働きによって
グルコースを連結し、不溶性の多糖(グルカン)を生成する。
この多糖は菌体を保護するバイオフィルムとして働き、こうして
菌が歯表面に定着してプラーク(歯垢)を形成する。
(歯垢が石灰化して除去しにくくなったものを歯石という。)
②
乳酸の産生
S. mutansによる糖質(スクロースなど)の代謝で乳酸が生じる。
③
脱灰
歯垢の中に酸が産生されることで口腔内のpHが低下し、
歯表面のエナメル質が溶け始める。

目的
齲蝕の進行を止めることによる歯の保存、合併症の予防
(構造は再生しない)

治療
 齲蝕部位の歯質の切削
 歯の形態修復---コンポジットレジン、アマルガム、インレーなど
さらに、以下の予防法も行う。

予防
 ブラッシングによる歯垢の除去
 フッ素の摂取
 シーラント

概念
歯周組織に生じる炎症性疾患で、歯肉炎と歯周炎からなる。
歯肉炎;病変が歯肉内に限局しているもの
歯周炎;病変が歯槽骨まで及ぶもの
※生活習慣病としての側面をもつ
(食事、肥満、糖尿病、喫煙などと関連が大きい)

原因菌
 Pg菌(成人)、Aa菌(13~20歳)
グラム陰性、偏性嫌気性、コラゲナーゼ陽性

症状
歯肉膨張、出血、排膿、歯の動揺

歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)の形成促進
歯表面のプラークまたは歯石の中で菌からの内毒素(LPS)が放出されると、
周辺のマクロファージにより炎症反応が引き起こされ、歯肉の腫れを生じて
ポケットが深くなる。歯周ポケット内は嫌気的環境なので菌が増殖しやすく、
この過程は進行性に繰り返されて次第にポケットが深くなっていく。

骨吸収の促進
歯周ポケットがある程度深くなると、ポケットの底に存在する菌が骨に対して
毒素を放出し始め、骨の分解・吸収に関するホルモン(PTH、カルシトニン、
ビタミンD3)のバランスを乱すために骨吸収が起こる。
歯肉溝
歯周ポケット
歯周ポケット
歯石
正常
歯肉炎
歯周炎

治療
 初期;歯石・膿瘍の除去
 進行期;歯肉切除、骨移植連続固定
 晩期;抜歯
さらに、以下の予防法も行う。

予防
 正しいブラッシングによる歯垢・歯石の除去
 咬合の調整
 禁煙、食生活の改善

概念
歯肉の過形成(歯周病の一種)

分類
 単純性歯肉増殖(歯垢の蓄積による歯肉炎が原因)
 歯肉線維腫症(非炎症性)
 薬物誘発性歯肉増殖
フェニトイン(抗痙攣薬)
ニフェジピン(Ca拮抗薬)
シクロスポリン(免疫抑制薬)

概念
上顎骨・下顎骨の一方または両方の大きさ・形・位置などの異常、
上下顎関係の異常により、顎顔面の形態異常と咬合異常を来して
美的不調和を呈するもの

分類
先天性、後天性、遺伝的要因による顎発育異常

二次疾患




歯の障害;歯周病、齲蝕、補綴不可能
軟組織の障害;頬粘膜・舌の咬傷、潰瘍
顎骨の障害;他の顔面骨の変形症
顎関節の障害;顎関節症
①
術前歯科矯正治療
②
顎矯正
③
術後歯科矯正治療
④
術後リハビリテーション(顎機能訓練)
⇒咬合異常および顎骨の位置異常を防ぐ
咬合異常→軟組織由来のものであれば顎変形症再発
顎骨位置異常→咀嚼筋・表情筋の機能異常

概念
顎骨・歯周囲組織の位置の最適化によるバランス美の構築

目的
①
②
③
④

正常な咬合関係の確立による各種口腔機能の回復
顔面の審美的改善
精神心理学的障害の排除
社会適応性の向上
注意点
 軟組織(皮膚・口唇、表情筋など)は構築された骨格に基づいて再配列される
 皮膚切開はなるべく避ける
 患者の希望を最大限に具現化しつつ、正常を逸脱する手術は行わない

下顎に対する手術法
SSRO
下顎枝矢状分割法(SSRO)
下顎枝垂直骨切り術(IVRO)
下顎前歯部歯槽骨切り術

上顎に対する手術法
現在では多くがLe Fort I 型骨切り術

顎骨延長法

補助的手術法
オトガイ形成術、皮質骨骨切り術、舌縮小術(Egyedi-Obwegeser法)など

概念
従来は骨移植を行うしかなかった大きな骨欠損・骨短縮がある疾患に対して、
近傍の骨切りを行った上で徐々にその骨を移動させられる装置を設置し、
周囲の軟組織とともに骨の新生添加を促す治療法

問題点







骨切り手術と装置の設置が必要(装置の除去手術も必要)
治療期間が長い
後戻りや機能的な評価が不十分
延長の部位・量・方向
現在は、レーザー粉体焼結モデルを
他の顎矯正手術との併用の有無
用いた手術シミュレーション技術や
術前・術後の矯正との関係
外固定型装置(RED)が開発され、
より適切な応用が可能になっている。
成長予測、手術時期

全身的なもの
破傷風、関節リウマチ

局所的なもの
 炎症性;智歯周囲炎(口底膿瘍、頬部膿瘍、扁頭周囲膿瘍、翼突下顎隙膿瘍)
放線菌症
 外傷性;下顎骨骨折(下顎骨体部・関節突起)
頬骨骨折、病的骨折(顎嚢胞、骨壊死)
 顎関節周囲疾患;顎関節症、顎関節強直症
咀嚼筋腱・腱膜過形成症、顎関節脱臼、
顎関節腫瘍、放射線治療後


開口筋;外側翼突筋、舌骨上筋群
閉口筋;咬筋、側頭筋、内側翼突筋
外側翼突筋
側頭筋
咬筋
舌骨上筋群
内側翼突筋

概念
主な症状として顎関節痛(顎運動痛)・咀嚼筋痛(圧痛)、顎関節雑音、
開口障害などがみられる慢性疾患群

分類と頻度
 Ⅰ型;咀嚼筋障害(疼痛)
 Ⅱ型;関節包、靭帯障害
 Ⅲ型;関節円板の位置異常(主に前方転移)
10%
12%
70%
復位を伴うものをクリック、伴わないものを(クローズド)ロックという。
 Ⅳ型;変形性関節症
 Ⅴ型;その他(精神的因子など)
5%
3%
1.
薬物療法
筋弛緩剤、消炎鎮痛剤
2.
保存的療法
円板徒手整位術、スプリント療法、関節洗浄療法
3.
外科的療法(最初から行うことは避ける)
関節鏡視下剥離授動術(+円板縫合固定術)
関節円板縫合整位術
関節円板切除術

眼窩骨折
眼窩底吹き抜け骨折(blowout fracture)

頬骨骨折
頬骨骨体部骨折、頬骨弓骨折(M型・N型)

上顎骨骨折
Le Fort I~III型、縦骨折

下顎骨骨折

特徴
 好発部位;正中部・骨体部・隅角部・下顎頚部
 骨片の偏位が多い(咀嚼筋が付着し、多方向に力が作用する)
 関節突起骨折は介達骨折や顎関節強直症に注意
顎関節強直症;顎関節の骨性・瘢痕性癒着による開口障害(外傷や感染に起因)

治療
目的=咬合の改善
 非観血的処置;顎間固定は成人で約4週間
 観血的処置;顎間固定は数日~1週間
 後療法;開口訓練(上下切歯間で約4cmを目標とする)

意義;咬合の回復・安定化
顎関節は数十μmのずれでも咬合に違和感を来すため、
精密度が求められる。

適応





顎骨骨折時
外科的矯正手術後
腫瘍切除、嚢胞摘出後(→骨折予防)
腫瘍切除後の顎骨再建
固定方法
プレート、ミニプレート、ラグスクリュー、キュルシナー鋼線、ワイヤー

定義
1.
2.
10秒以上の換気停止(無呼吸)が7時間の睡眠中に30回以上
または1時間あたり5回以上起こり、臨床症状を呈する病態。
低呼吸と無呼吸が合計で1時間あたり10-15回以上起こる病態。
低呼吸;10秒以上続く50%以上の呼吸運動低下または3-4%以上のSaO2低下

症状
 主症状
睡眠過剰または不眠、昼間の眠気、激しいいびき、睡眠時無呼吸
 副症状
肥満、二次性赤血球増多、チアノーゼ、右室肥大、右心不全、
高血圧、不整脈、頭痛、全身倦怠感
I.
肥満(単純肥満、病的肥満)
日本人の発症原因としては少ない
(⇔形態(long face)、食事(咀嚼回数の減少)の問題によるものが多い)
II.
上気道、口腔の異常
小下顎症、下顎後退症、舌肥大、軟口蓋下垂、アデノイド、扁頭肥大、
鼻中隔弯曲、上気道粘膜への脂肪沈着、上気道うっ血、末端肥大症
III.
神経筋疾患
Shy-Drager症候群、脊髄小脳変性症、咽頭・喉頭部神経麻痺など
IV.
薬物
抗不安薬、睡眠薬、抗てんかん薬、アルコール
1.
保存的治療
減量療法、経鼻持続陽圧呼吸療法(nasal CPAP)
口腔内装具(スプリント療法)、睡眠時体位の矯正、薬物療法
2.
外科的治療
口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)
アデノイド切除術、口蓋扁頭摘出術
レーザー下口蓋形成術(LAUP)
鼻腔整復術、下顎骨前方移動術、仮骨延長法など

適応
nasal CPAP無効例または外科的治療不適応例において、
①いびき、閉塞性睡眠時無呼吸の治療
②重度の睡眠時無呼吸の緩和
を目的として用いられる。

スプリント療法の効果に影響を与える因子
•
•
•
•
•
•
口腔、上気道の形態
機能的要因
睡眠時無呼吸の型(閉塞性、中枢性)
睡眠時の体位
閉塞部位
重症度
歯原性
顎骨部嚢胞
非歯原性
その他
軟組織嚢胞
歯根嚢胞、含歯性嚢胞、角化嚢胞、歯肉嚢胞、
石灰化嚢胞
鼻歯槽嚢胞、鼻口蓋嚢胞、正中口蓋嚢胞、
球状上顎嚢胞、正中下顎嚢胞
術後性上顎嚢胞、静止性骨空洞、脈瘤性骨嚢胞、
単純性骨嚢胞
類皮嚢胞、甲状舌管嚢胞、鰓嚢胞、
粘液嚢胞(粘液腫、ガマ腫)
歯原性腫瘍
エナメル上皮腫、エナメル上皮線維腫、歯牙腫など
良性腫瘍
非歯原性腫瘍 線維腫、脂肪腫、血管腫、神経症腫など
腫瘍類似疾患
前癌病変
悪性腫瘍
骨形成線維腫、線維性骨異形成症など
白板症、紅板症、扁平苔癬
歯原性癌腫
転移性エナメル上皮腫、エナメル上皮癌、
原発性骨内扁平上皮癌、歯原性明細胞癌など
歯原性肉腫
エナメル上皮線維肉腫、上皮性悪性腫瘍など
上顎癌
線維肉腫、骨肉腫、軟骨肉腫、平滑筋腫、骨髄腫、
悪性リンパ腫、悪性黒色腫など

特徴






歯堤上皮・エナメル上皮・Malassez上皮などに由来する外胚葉性の真性腫瘍
歯原性腫瘍の中で最多(約60%)
20歳代に好発し、各年代に広く分布する。性差はほとんどない。
好発部位は下顎角部付近(約60%)、上顎への発生は少ない。
周囲組織への侵襲が多く、まれに悪性化する→準悪性腫瘍として扱う
症状
顎骨の無痛性・びまん性腫脹

治療
観血的処置(術式は腫瘍の進展範囲や患者の年齢により異なる)

白板症
 摩擦によって除去できない白斑で、他の診断可能な疾患に分類されないもの
 40歳代の男性に多い、頬粘膜に好発、10%の頻度で悪性化

扁平苔癬
 皮膚・粘膜の炎症性角化病変で原因は不明(精神的要因が関与?)
 30~60歳の女性に多い、頬粘膜に好発
 病変は網状またはレース状に配列し、周囲に紅斑がみられる

口腔カンジダ症
 ガーゼで拭去可能な白斑で、原因はC. albicansなどの感染
 幼児・老人に多い

アフタ性口内炎
 アフタ=周辺に炎症性発赤・浮腫を伴う楕円形の偽膜性小潰瘍
 全身性疾患(Behçet病など)によっても起こる
 自然治癒と再発を繰り返す

急性期では器質的・機能的要因によるものが多いが、
慢性化するほど心理的要因の影響が大きくなる。

舌痛症が最も多く(55%)、味覚異常、非定型顔面痛、
顎関節症、口腔乾燥症、自臭症などがある。

社会の複雑化(ストレス社会、格差社会)・高齢化、
医療情報の散乱(マスメディア)、医療側の対応などを
背景として増加傾向にある。

女性に多い
1.
2.
3.
4.
5.
6.
痛みと関連する器質的な病変がない
痛みの発現と関連した心理的要因が明らかである
痛みの訴えが誇張的で比喩的で執拗である
状況によって痛みの程度が変わりやすい
経過により痛みの部位も変わりやすい(同時多発性)
局在的に乏しいものが多く、安静時でも運動時でも不変、
痛みが移動しやすい
7. 痛み以外の不安定愁訴を伴っている
8. 鎮痛剤、理学療法の効果が乏しい
9. 自己洞察が困難である
1.
2.
3.
4.
診療時間が長い(経済効果に乏しい)
病態が不確か、一般的に治癒しないと思われがち
訴訟
患者側の問題
①
②
③
④
ほとんどの人が心理的要因で起きている事象と考えない
不信感(攻撃的な態度)
病院や医師を替えやすい(doctor shopping;「さまよえる患者」)
マスコミの情報に弱い

特徴
中高年の女性に多く、舌尖部・舌側縁部に好発する。
主な誘因は、歯科受診の既往、社会的環境(転職・介護・夫婦関係)、
睡眠不足、近親者の舌癌、鏡で自分の舌を見る行為などによる不安

主な症状
ピリピリした舌の痛み(痺れ、違和感)、咽頭神経症の併発

治療
薬物療法;抗うつ剤>緩和精神安定剤、漢方薬(舌診)
CO2レーザー
簡易精神療法(精神科・心療内科とのリエゾン)

歯科領域
① 医師の不適切な発言、不誠実な態度
② 歯牙の削合
③ スケーリング
④ 鎮痛剤の投与

医科領域
⑤ H2ブロッカーをはじめとする抗潰瘍薬投与、胃カメラ

共通
⑥ ステロイド軟膏の長期投与
⑦ 神経科・心療内科への丸投げ

特徴
顎顔面部における、器質的疾患を伴わない慢性疼痛性障害
器質的病変(三叉神経痛など)との鑑別が重要

主な症状
不定期で持続的な疼痛(鈍痛)

治療
トリガーポイント注射(SSRI、ドグマチール)
光線療法;CO2レーザー、直線偏光赤外線照射
低周波治療器
①
薬物療法;第1選択は抗うつ剤
抗うつ効果に加えて鎮痛効果が期待でき、副作用が少ないため
SSRI(パキシル®など)、SNRI(トレドミン®など)が用いられる。
ただし、薬物療法に頼らないことが重要である。
②
患者が納得するまで説明する
③
簡易精神療法
傾聴→受容→共感(支持)→尊重(保証)
④
社会的背景を洞察する
高齢化社会、格差社会、ストレス社会

歯牙欠損に関連した苦痛




生存・長期性---治療期間、装置の劣化、歯・歯周組織の状態
機能的---咀嚼・発語機能の低下
心理的---満足度の低下
経済的---治療費
これらの苦痛を改善することで口腔の健康の観点からQOLの回復を図ることが
歯科インプラントをはじめとする補綴治療の目的である。

治療計画
医療面接
スクリーニング
プロブレムリスト作成
スクリーニング
治療の説明
(負担、リスク、代替治療)
検査・評価
治療設計
インフォームドコンセント
顎口腔・残存歯の評価
齲蝕・歯周病罹患性
欠損部の形態的評価
機能的・審美的評価
処置
口腔衛生管理・指導
上部構造の設計
前処置の有無の決定
インプラントの選択

構造
上部構造
アバットメント
インプラント体

アバットメントはチタン製の
スクリューにより固定される
術式
上顎;上顎洞底挙上術
上顎洞粘膜を上顎洞底から剥離、挙上し、
その間にできた空隙に移植材を填入
下顎;骨移植の応用
下顎管から2mm以上離す

インプラント成功=Osteointegrationの達成
光学顕微鏡レベルの観察で、チタンインプラント表面に
繊維性結合組織が介在することなく新生骨組織が直接接触し、
その状態が維持されることをOsteointegrationという。
①
②
③
④
⑤
⑥
インプラント材料
インプラント体のデザイン
表面性状
周囲組織の状態
外科術式
負荷状態

インプラント体の問題
 Disintegrationによる早期の動揺・脱落
 過重負担や感染症(歯科インプラント周囲炎)による動揺・脱落
 上顎洞炎による異常

上部構造の問題
 歯根膜を欠く⇒噛んだ時の違和感、衝撃による破損が生じる

患者の問題
 全身的要因;重症、易感染性、材料に対するアレルギーなど
 局所的要因;軟組織・硬組織の質・量・形態、咬合、唾液分泌など
 自己管理能力;口腔衛生管理や生活習慣病に対する意識の欠如

施術者の問題
 術後の痛み、腫れ、出血、アザ、麻痺など

講義資料(シラバス、レジュメ、スライド)

過去問集&解答(by尾市さん)

Wikipedia

Yahoo!画像検索

各種教科書