症例報告 学校給食関連 職員の食物 ア レルギー と ア ナ フィ ラキ シーに 対する 認識 とそ の問題点 要 村井宏生 岡碕新太郎 林 仁幸子 河北亜希子 安冨素子 大嶋勇成 旨 学校給 食の調理 ・配膳過程 は,食 物 ア レルギ ー症状誘発の危険匿子 とな りうる。福井市の給食 関連 職員 を対象 にア ンケー ト調査 を行 い,食 物 アレルギー に関す る認識 と対応 の問題点 を検討 した。その 結果,栄 養士 に比べ調理 師の食物 ア レルギ ーの理解度 は低 く,症 状誘発閾値の認識 も甘かった。給食 調理 施設 にお いて,調 理師1人 あた 疹の対応食提供 数 は多 くは2∼3食 程 度で あった。専用調理 区域 を設 定 しているの は12.5%に 過 ぎず,専 用調 理器具 を使用 して対応 しているの は51.8%で あった。配 繕時 のダブルチェ ック も12%し か行 われて いなかった。対応食提供の 問題点 と して は調理師不足 を上 げた回答 が多 かったが、 混入予防対策 を問題 視す る回答 は少なか った。対応食 の擾 供状況は重症患者 には不十分 と考 え られ、 調理師 の食物 アシルギ ーに対す る理解度 を高 めることが必要 と考え られた。 KE YWORDS ア ナフィ ラキシー 食物 ア レルギー 給食 給食関達職員 査 した。 は じめに 学 校 給 食 の 提 供 に は,調 理師,栄 養 士,学 員 な ど 複 数 の 職 種 が関与 す る た め,ヒ 校教 ュー マ ンエ ラ ー に より 食 物 ア レル ギ ー を 持 つ 児 童 ・生 徒 が ア ナ フ ィ ラ キ シ ー を起 こす 危 険 が 潜 ん で い る.各 種 の 食 物 ア レ ル ギ ー に対 す る 理 解 度 は,給 職 食 に関 方 法 平 成25年7月 に 福 弁 市 小 中 学 校 の 栄 養 士,調 理 を対 象 に した 食 物 ア レ ル ギ ー と ア ナ フ ィ ラ キ 師 シ ー の 講 習 会 の 前 に ア ン ケ ー ト調 査(図1)を 行 い,調 査 の 主 旨 に 同 意 し回 答 が 得 られ た73入 を 解 連 した ア ナ フ ィ ラ キ シ ー を予 防 す る観 点 か ら も重 析 対 象 と した 。 な お,本 調 査 は福 井 市学 校 保 健 会 要 と考 え ら れ る 。 そ こ で,本 の 承 諾 を 得 て 実 施 し,ア ン ケ ー トへ の回 答 は 無 記 研 究 で は 栄 養 士,調 理 師 を対 象 に ア ン ケ ー ト を行 い,ア ナ フ ィ ラキ シ 名 自 由 回 答 と した 。 講 習 受 講 前 に食 物 ア レル ギ ー ー に 対 す る 認 識 と給 食 提 供 施 設 に お け る現 状 を 調 や ア ナ フ ィ ラ キ シ ー の 認 知 度 に 関 す る項 目,勤 務 臨床研究 参加 者 の皆 様 ヘ ア ン ケー トのお願い 1 食分, 食分 食分 その他 一 日平均1 除去食の提供数はどれだけですか? 食分 食分 牛乳 食分 4・豪 鮒 その他 食物アレルギーの患児によって除去の程度が異なる場合に除去食はどうされていますか? 栄養 士 す る もの にOを 謂理師 付 けてください. そ の 他{ 卵 あな たの 職 種 に つ い て,該当 具体的に 4 1 講習を受 けられ る前 にどの程 度.食物 ア レルギーについて知っていたかおたずね します 食物ア レル ギー で ど の よ うな症状 が で るが ご存じ で した か, 2 該 当す る もの にOを つ け て 下 さい. 少しわか る程度 だいたい わか る アナワィラキシーの具体 的な症状についてご存 じで したか? 全 く知 らな い 少 しわかる程 度 だいたいわかる 一般に原因植物をどの程度摂取する とア レルギー症状がおきるとお考えで したか 量 3 全 く知 ら な い 4 0.01g程度 10g程度 15 原因 食物に関して完全除去対応 のみ とする 原因食物 の除去の程度にあわせ て除去食を準備する その他 代替食 ・除去食 の提供はどの ような書類に基づ きおこなっていますか?該当 ものす べ でにoを 100g 程度 医師 からの診断書 医師か らの除去指示書 医師 かちの学校生活管理指導表 5 加 工 食 品の ア レ ルギ ー表示 に つい て お たず ね しま す. 保護者 か ら の代替 食 ・除去食 の申請書 7 表示義務の ある食品が何 かご存 じで したか? 全 く知 らない 少 しわ か る 程 度 ・ 表示奨励 の食品が何かご存じで したか? 全 く知 らな い 少 しわかる程度 表示対象が不要な加工品 が何かご存 じで したか? 全 く知 ら ない する つ け で下さ い. だいたいわかる 16 少 しわ か る程度 だい たい わか る 学校側 が作成 した保護者との面談記録 その他 代替食 ・除去食の準備について全職員の共通理解 をするため,ど の ようにされて い ます か?該当 す る もの全 て にOを つ け て下 さ い. 特にしてい ない 調 理開始 前 の ミー テ ィ ン グで の確 認 を作成し、掲示す る その他 自由記載 代替食 ・除去食は一般食 とは別の職員が調理 していますか? だい たい わ か る 勤務 されている施設の状況についておたずね します いいえ 給 食の提供方法について該当する ものにOを つけて下さい 各学校単独調理方式 配 給給食 セ ン ター その弛 自由記載 一 日平 均 給食の提供数は何 食分ですが? 食分 一日平均 1日あたり給食の調理に携わ る方の人数は 食物 アレルギー対応の基本方針は どれですか? 該 当 す る ものにOを つ け で 下 さ い. 代 替食提供 除表食のみ 献立表に よる食材情 報の提供のみ, 除 去 は児 童 ・生徒 に して も ら う 専 用の調理 区域を設け対応 専用の調理器具を使 用 して対応 ア レルギー対応食 を先に詞理することで対応 調理器具 を洗浄する こ とのみで対膳 その他 献 立表に よ る食 材情 報の提供 の み, 調 理後 の他 の食材 の混入防止策 一日 平均 代替食 ・除去食の調理は何名の職員で行っていますか? 人 代替食 ・除去食の調理は どのようにされています か,該当 するものに全 てにOをつ け て下 さ い. 除去は担当 教 諭 に して も ら う ア レルギー対応食 の捷供 は無理なため家庭か ら弁当持参 と して どの よ う な こと を されて いますか?該当 す る もの に0を つ け て 下 さい. その他 専用の容器にいれて配送 に配膳 した もの を用意 して 配 送 食物ア レルギーの給食対応をされている施 設の方におたずね します .一日平 均 代替食の提供数はどれだけですか? 21 い い 耳. はい 保護者が 除去する献 立を聞違えて子 ど もに伝えていた その他 対象児童 ・生徒用の給食を区別するためにどのようなことをされていますか?該 当す る もの にOを つ け て下 さ い. 児 童 ・生 徒 名 前 の名札,シ 再 発予防策 と して ど の よ うな方 法 を と る こ とに な った かお 書 き くだ さい. ー ル をつけ て対応 除法 内容 を名札.シ ールに詑載 し対応 ・生 徒 の 名前 と 除去 内 容 を記載 した名 札 その他 食物アレルギーの子 どもに給食 を提供する上でお困りの点は何ですが?該当する ,シ ール で対応 ものに全てOを 自由 記載 代替 食 ・陰 去 食 の準備 の確認 は どの よ うに さ れて い ます か?該当 す る もの にOを 医師か らの指示書 の内容が理解 しに くい 加工品 食材に原困となる食材が含まれているかわかりに くい 献 立を作成するのが煩雑 調理が煩雑 他の 食材の混人を防ぐのが困雛 調理ス ペ ー ス が足 りな い 調理する人が 足りない 調理器具の管理が大変{ 調理施設職員間の情報共有 講理現場 と学校教室の現場 との連絡 ・情報提供 事故 対応方法 保議者への対応 給食の材料 費 その他 自由記載 講理 した職員それぞれが 自分の調理 した内容を確認 調理 した職員 とは別の調理員が調理 した内容 を確認 調理 した職員 とは別の職種の職員が調理内容を確認 その他 名 代 替食 ・陰去食の調理を行う上 で理想的には何名の調理師が必要と思われ ますか? に提供す る献立表 につ いて お た ず ぬ し ます 食 物アレルギー児専用の献立表 を別に作成 していますか? いいえ 食物ア レルギー児の保護者に提供す る献立表に はどのよ うな内容を認憶 もています か? 該当す る もの にOを つ けて 下 さい, 主食 おかずの名葡 主食 ・おかず の食材名 主 食 おが ず の 食材 の製 造 メー カ ー その他 自由 記載 過 去1年間に提供し はい 31 献立を作成,調理する立場から医師側か らどのような指示書 を提出してもらいたいですか. お魯 き く だ さい. て給 食 に よ り食物 ア レル ギー に症状 が お きた 経 験は あり ます か? b茎 い 凡 はい と お 答 え に な っ た方にお たず ね します. 給食で食物 アレルギ ーがおきた原因はなにで したか?該 当す るものみ全てOを つ けて下 きい 患者 が食物ア レルギーであるこ とを施 殻が把握 していなか った 原因 となる食材を使用 した献立 を作戒 していた 調 理の段階で,原因 食材が混入 した 配膳の段陵で,原因 食材が混入 した 他 の子 の給 食 を ま ち が え て 与え て しま っ た 子 どもが他の子の給食をもらって しまった おかわりで普通食を食べ てしまった 1 89 卵 6 1 2 牛乳 小麦 13 0.1g程度 1g程度 10 人 20 18 17 準備リスト はい 個別 12 食分 対象児童 22 29 24 23 児童 自由記載 30 除去 保護者 25 27 28 つ け て下 さい. 原因食品の 多様化! を希望する食品があ いまい つけ て く だ さい は い その他 自由記載 生徒用の食器には専用のものを使用していますか? ア ンケ ー トへの ご協力 有 難 う ご ざい ま した. ア ンケ ート 結 果は、 医 療側 か ら どの よ う な詣 示書 を作成 す れ ば よい か の 参考 に さ せて い た だ きた い と存じます A.食 物 ア レル ギ ー に 対 す る 知 識 B.ア C.食 ナ フ ィラ キ シ ー に対 す る知 識 物 ア レル ギ ー症 状 が 誘覚 され る の に必 要 と な る 原 因 食品 の一 般 的摂取量 の 認 識 図2給 食 に 関 わ る職 員(調 理師,栄 養士)の 食 物 ア レル ギー,ア ナ フ ィ ラ キ シ ー に関 す る理 解,認 識 す る 給 食提供 施 設 に お い て の 除 去 食.代 応 状 況 に 関 す る 項目,そ れ らの対 応 を行 う うえ で の 調 理 方 法 や 混 入 防 止 策,調理 の際 の 職 員 間 の 情 報 共 有 に 関 し て の 質 問 を 行 い,そ た 。 な お,職 Fisherの 種 間 の比較 の 解 析 を行 っ は,X2検 定あ るい は 正 確 検 定 を用 い て行 っ た。 結 1.回 替 食 の対 が 栄 養 士 で あり,調 が調理 理 補 助 な どそ の 他 師 の で あ った 。 物 ア レ ル ギ ー,ア の(p=0.95),調 理 師 の う ち4人(7.8%)は g程 度 の 摂 取 に より 初 め て 症 10状 が で る と認 識 し ナ フ ィ ラキ シー に対 す 栄養 士 と比 べ 甘 い傾 向 を認 め た(図2C)。 3.除 9人(81.8%)が 計 学 的 に は 有 意 差 は 認 め な か っ た もの て お り,講 理 師 の 症 状 誘 発 リス ク に 対 す る 認 識 は 食 物 ア レ ル ギ ー に 対 す る 理 解 度 は,栄 養 士11人 だ い た い わ か る.2人(18.2 中 少 しわ か る と回答 し,調 (25.9%)が 栄養 士 と比 較 す る と,調 理 師 の 食 物 ア レ ル ギ ー や ア ナ し て は,統 る理 解 度 %)が が 有 意 に 多 か っ た(p<0.001)(図2B)。 ア レ ル ギ ー 症 状 を 誘 発 す る一 般 的 な閾値 量 に 関 ア ンケ ー トに回 答 し た73入 の う ち,59入 2.食 方 が 調 理 師 よ り,だ い た い わ か る と回 答 した 割 合 た。 果 職 種 が3人 ア ナ フィラ キ シ ー に 関 す る 理 解 度 も ほ ぼ同様 の 結 果 で ,栄 養 士 の フ ィ ラ キ シー に 関 す る理 解 度 は 低 い と考 え られ 答 者 の 背景 ,11入 か っ た(P=0.001)(図2A)。 理 師58人 中15入 だ い た い わ か る,43人(72.9%)が 去 食 ・代 替 食 提 供 状 況 ア ンケ ー ト回 答 者73人 中67入(91.7%)が,各 学 校 単 独 調 理 施 設 に 勤 務 して お り.そ の 他 は 給 食 配 給 セ ン タ ー 勤 務 で あ っ た 。 給 食 の提供 にか か わ る調理 師 数 は 平 均4.8人 で,1調 理 師 あ た りの 給 少 しわ か る と 回 答 して お り,栄 養 士 の 方 が 調 理 師 食 提 供 数 は 平 均91.8食 分 で あ っ た 。 食 物 ア レ ル ギ よ り,だ い た い わ か る と回答 し た割合 が 有 意 に 多 ー 児 童 ・生 徒 に 対 す る 給 食 の対応 方 針 は36%の 施 し た も の が29回答(51.8%),対応 食 を先 に 調 理 し て 対 応 し て い る と回答 し た も の は34回答(60.7 %)で あ り)(図4B>。 あ っ た(重 5.配 複回答 膳 時 の混 入 防 止 策 混 入 防 止策 と して ほ ぼ 全 例 が個別 配 膳 配 送 を 行 っ て い た(デ ー タ 略)。 誤 配 膳 の防止 に は,名前 の 記 載 の み で識別 して い る の が31回 答(51%)を 占 め,除 去 内 容 の み の 記 載 で 対 応 して い る の は7 回 答(12%) あり、両者 の は22回答(37%)に を記 載 し て 識 別 し て い る す ぎ な か っ た(図4C). 対 応 食 の準 備確 認 は調 理 した者 の み で行 うもの が 53図 答 中28回 答(53%)で,別 は16回 答(30%),調 図3食 物 ア レル ギ ー を 持 つ 児 童 ・生 徒 へ の 給 食対応 応 レベル の 職 員 に よ る確 認 理 者 と別 の 職 員 の 複 数 で ダ ブ ル チ ェ ッ ク を 行 っ て い る の は6回答(12%)に 過 ぎ な か っ た(図4D)。 6.食 設 が 除 去 食 対 応 の み と し て お り,弁 み の 施 設 は な い もの の,約12%の施設 当持 参 対 応 の で は対 応 食 に 加 え 弁 当 持 参 が 行 わ れ て い た(図3)。 食物 除 物 アレルギー対応食提供の うえでの問題 点 ア レ ル ギ ー対応 食提 供 上 で の 問 題 点 と して ,原 因 食 品 の 多 様 化 を あ げ た も の が32回答 と最 も多 去 の 程 度 が 異 な る 児 が い る 場 合 の 対 応 と して は, く,以 完 全除去 りは除 去程 度 食 材 を含 有 して い る か ど う か が わ か りづ ら い17回 ー タ略)。 答 な どが 続 い た 。 そ の 一 方 で,対応 と して い る の が 半 数 で,残 に 合 わ せ た 対 応 が 行 わ れ て い た(デ 代 替 食 ・除 去 食 の 提 供 は 診 断 書,学 指 導 表,医師 校 生 活 管理 か らの 除 去 指 示 書 と何 らか の 形 で 医 師 の指示 に基 づ き 対 応 を決 定 し て い る と した も の は,有 効回答55入 中20人(36.0%)に す ぎ ず, 医 師 か ら の 指 示 に 基 づ か ず 対 応 が 決 定 され て い る もの が35入(64%)と 多 か っ た。 具 体 的 な除 去 内 下,調 理 員 不 足27回 答,加 工品 食 材 に 原 因 器 具 の管 理 や 混 入 を 防 ぐの が 困 難 と い っ た,調 理方 法 自体 食材 に 関 連 した 事 項 を 問 題 点 と し て あ げ た回答 は 少 な か っ た(表)。 考 察 給 食 の 提 供 に伴う 食 物 ア レル ギ ー の 事 故 発 生 要 容 を決 定 す る う え で 学 校 と保 護 者 と の面談 記 録 を 因 と し て,調 理指示,調 用 い て い る も の は 有 効 回 答73入 大 き な 割 合 を 占 め るD。 そ の た め こ れ らの 業 務 の に す ぎ な か っ た(デ 4.対 中40人(55%) ー タ 略)。 よ び ア ナ フ ィ ラ キ シ ー に 関 す る 正 しい 知 識 を持 つ 食 の 担 当 調 理 師 数 は 施 対応 設 規 模 に か か わ らず で あ り,調 理 師1人 る対 応 食 は,大 多 数 の 施 設 で1人 程 度 で あ る が,な 在 し た(図4A)。 す ぎず,ほ 故 を 予 防 す る う え で 重 要 とい え る 。 今 回 の 調 査 に お い て,栄 あ たり2∼3食 物 ア レ ル ギ ー,ア 対 応 食 の 調 理 は専用 区 域 を 設 答(12.5%)に と ん どが 一般 食 の 調 理 との 共 用 区 域 で 調 理 さ れ て い た 。 共 用 区 域 で 調 理 して い る と した 56回答 中,専 こ と は,事 あ た りが担当 す か に は20食 分 提 供 す る 施 設 も存 け て 行 っ て い る の は64回 答 中8回 膳 の 段 階 は非常 に 大 部 分 を担う 栄 養 士 や 調 理 師 が 食 物 ア レル ギ ー お 応 食 の 準 備 ・提 供 体 制 1人 か ら2人 理,配 用 器 具 を 用 い て 対 応 し て い る と回答 養 士 に比 べ る と調理 師の 食 ナ フ ィ ラキ シ ー に対 す る 知 識 と 危 険 度 の 認 識 が低い こ とが明らか ル ギ ー 対 応 食 を 準 備 す る う え で,栄 とな った。 ア レ 養 士 ,調 理 師 で の 情 報 共 有 が 必 須 と な るが、 両 者 の 食 物 ア 間 レ ル ギ ー に 関 す る 理 解 度 の 格 差 を埋 め る だ け で な く の 認 識 を 高 め る た め に,栄 養 士,調 す る 啓 蒙 が 必 要 と考 え られ た 。 理師 こ対 両者 A,調 理 師1 人 あ た り の食 物 ア レル ギ ー B.食 対 応 食 の提 供 数 C、 誤 配膳 防 止 の た め の対 応 方 法 D.食 医4対 去 食,弁 当 持 参,詳 物 ア レル ギ ー対 応 食 の準 備 確 認 の 方 法 応食の準備 ・提供体制 食 物 ア レ ル ギ ー 児 へ の 対 応 レベ ル と して は,代 替 食,除 物 ア レル ギ ー対 応 食 を一 般 食 と共 通 の区 域 で 調 理 して い る施 設 での 調 理 方 法(複 数 回答 あ り) 細 な献 立 の順 にな っ て い る2)。 食 物 ア レ ル ギ ー 診 療 ガ イ ドラ イ ン2012 て い る 施 設 の 一日 あ た りの対応 食 の 提 供 数 は 多 い 旛 設 で も20食 で あ る こ とか ら.個別対応 も し れ な い 。 しか し なが ら,細 分 北 され た 除 去, に お い て も,給 食 の 提 供 を前 提 と し た 対 応 が 推 奨 代 替 対 応 は,献 さ れ て い る3) 今 回 調 査 対 象 と した福井 市 の 給 食 で な く,誤 提 供 状 況 は,除 去 食,代 る3)5) 。 提 供 数 が 多 い 場 合 に は,誤 替 食 が ほ ぼ半数 ず つ を 占 は可 能 か 立 作 成 や.調 理 が 煩雑 に な る だけ 食 の リス ク を増 や す 可 能 性 が あ っ た 除去 程 度 め て お め,食 物 除 去 の 程 度 に 合 わ せ て 除 去 食 を 提 の 食 事 が提供 さ れ る危 険 を避 け る た め 完 全 除 去 対 供 して い る 割 合 も多 く,他 県 と比 較 し て ア レ ル ギ 応 に 一 本 化 す る こ と も検 討 す べ き で あ る 。 ー 児 童 ・生 徒 へ の 対 応 努 力 が 行 わ れ て い る と い え る4)。今回,除 去 程 度 に 合 わ せ て対応 食 を提 供 し 2008年 に 日本 学 校 保 健 会 か ら発 行 さ れ た 「学 校 の ア レ ル ギ ー 疾 患 に 対 す る 取り 組 み ガ イ ド ラ イ 表 食物アレルギー対応食を提供するうえでの問題点 (対応 決 定段 階 での 周顯 〉 を希 望 す る 食品 が 除去 あい ま い 13人 医 師 か らの 指 示 書 の 内容 が 理 解 し難 い 3入 〈 献 立 作 成段 階で の問題 〉 食品 の 多 様 化 原因 32入 加 工 品 食 材 に原因 とな る食 材 が 含 まれ て い るか わかり に くい 17 人 給食費 3人 献立 を作 る のが 煩 雑 2人 く 調 理 の人 員 ・設 備 の問 題 〉 調 理 す る入 員 が 足り な い 27人 調 理 ス ペ ー スが 足 りな い 10人 く 調 理 工 程 で の問 題 〉 調理が煩 雑 10 人 食 材 の混 入 を防 ぐの が 困難 7人 器具管 理が大変 6人 共 有 ・事 故<情報 時 の問題 〉 ン」 によれば 職 員間 で の 情 報 共有 11入 事故時 の対応方法 5人 保 護 者 へ の対応 2人 食物ア レルギー対応 食の対応 にあ と 考 え られ る 。 ま た,施 設 の 大小 、提 供 す るア レ たっては,ま ず,医 師の診断 を基礎 とした書類 の ル ギ ー対応 食 数 に か か わ らず,対 提 出が必要 とされ,そ の後,面 談調書 が作成 され ぼ1∼2入 た後 に,そ の他 の資料作成が行 われ ることとなっ 対 応 食 の 種 類.提 てい る。 しか し,今 回の調査結果か らは保護者か 配 膳 が起 きる リス クが高 くな る と考 え られ る。対 らの 申請 のみ で対応 してい る施 設が かな り存 在 応 食 の 準 備 を す る調 理 師 の 数 と そ の 職 員 の 食 物 ア し,ガ イ ドラインの徹底 が不 十分 であることが明 レル ギ ー に 関 す る理 解 度 に 応 じ て,施 設 毎 に対 応 らか とな った。保護者 か らの申請 のみに よる対応 可 能 な 範 囲 を決 定 して お く こ と が 重 要 と考 え ら れ は過 度な食物 除去や複雑 な食物 除去 とな る危険性 る。 があり,栄 養 管理,安 全 な食事 の提供 とい う観点 応 食 の調 理 は ほ の 調 理 師 で 行 わ れ て お り,ア 供 数 が 多 くな る と誤 っ た 調 理 ・ 配 繕 搬 送 段 階 の 混 入 は,石川 らに よ れ ば,医 か ら も問題 となるこ とか ら.ガ イ ドライ ンの普及 機 関 を 対 象 に した イ ン シ デ ン トの約16%を 徹 底 を図 ることが喫緊 の課題 といえる7)。 混 入 事 故 の 第3位 調理 方法に関 しては,専 用調理 区域 を設 定す る は,ほ レルギ ー 療 占 め. を 占 め て い る1) 。 今 回の調 査 で ぼ全 例 にお い て学 校給 食 の個 別 配膳 配送 が ことが理想 であるが、 ほ とん どの施設は共有 区域 行 わ れ て い た 。 しか し な が ら,対 で調 理 を行 っており,食 物 ア レルギー対応食用 の の 識別 法 と して は,児 童 ・生 徒 の 名 前 と除 去 内 容 専用 調理器具 を使用 しているのは約半数 にす ぎな の両者 を記 載 して い る も の は 半 分 に す ぎず,準 かった。調理 の順番 を工夫す るな どの対応 は行 わ 過 程 に お い て も ダ ブ ル チェ ッ ク が 行 わ れ て い な い れて いる ものの,微 量 の原因食物 の混入 を完全 に 例 が ほ と ん どで あ っ た 。 名 前 に よ る 識 別 は.食 予 防す ることは困難で あ り,重 症 の食物 アレルギ ー患 者 に対 し対応食 を提供す るには不十分 な環境 ア レル ギ ー 患 児 と直 接 の 面 識 が な い 調 理師 に と っ 304(136)小児科臨床 Vol.68 No.2 2015 応 食 と普 通 食 と 備 物 て 原 因 食 品 の イ メ ー ジ が つ き に く く,調 理 過 程 で 一 とア ナ フ ィ ラ キ シ ー に対 す る 正 しい 知 識 の 啓 蒙 誤 って原 因食品が混入 した場合 や,配 膳過程で の ミス の時 に事 後対 策が とり に くい。 ま 取り扱い は必 要 不 可 欠 で あ る。 調 理 現 場 の ソ フ ト,ハ ー ド た,他 の職員 による ダブルチェ ックが行われて い の現 状 に 応 じて,食 物 ア レ ル ギ ー 児 童 ・生 徒 へ 面 ないこ とか ら混 入予 防のためのセーフティネッ ト の 給 食 対 応 を 決 定 す る こ と が 安 全 な 給 食 提 供 に重 は働 い てお らず,個 々の調理 師の認識 に依存す る 要 と考 え ら れ る 。 処が大 きい。名前 と同時 に除去食 品の記入,ダ ブ ルチ ェ ックの徽底 をすす める必要があ ると考え ら 本 論 文 の概 要 を 第26回日本 ア レル ギ ー学 会 春 撃 臨 床 大会 尋 こお い て 発 表 した 。 れ る。 アレルギー対応食提供 にお ける問題 点 として, 文 原因食 品の多様化 を上 げた回答 と,調 理師不足 を 1)石川 上げた回答 が多 かった。 しか しなが ら一部 の例外 雅 彦:栄 献 養 ・食 事提供 に関する イ ンシデ ン き ・ア ク シ デ ン ト事 例 の 検 討 一 ア ナ フ ィ ラ キ シ ー シ ョ ッ ク 例 の 再 発 防 止 策 .日 本 臨 床 栄 養 学 会 はあ る もの調理師1 人あた りの平均対応食数 は3 雑 誌35:137∼141,2013 食前後 であるこ とか ら,単 に調理師数 を増 やす こ とで問題 が解決 で きる とは考 えに くい。食材へ の 2)愛 知 県 教 育 委 員 会:学 校 給 食 に お け る 食 物 ア レ ルギ ー対 応 の 手 引 き.20IO 混入 や器具管理 を問魎点 に上げた回答 は少 な く, 3)日 給 食関連 職 員 の食 物 ア レルギー全 般の 理解 度不 食 物 ア レ ル ギ ー 診 療 ガ イ ドラ イ ン2012.2012 4) 吉 原 重 美:学 校 給 食 に お け る 食 物 ア レ ル ギ ー の 足,特 に原因 食物の混入 によるアレルギー症状誘 現 状 と対 応.学 理師の理解度 を上げ る努力が必要 と考 え られる。 結 語 育 斬 ・幼 稚 園 ・学 校 に 対 す る 指 導 と 助 言.日 本 小児 科 医 会 会 報45:57∼65,2013 7) 宮 本 元 子: 安 全面 に 配 慮 し た個別 指 導 体 制,学 学 校 給 食 で の 食 物 ア レルギ ー に よる アナ フ イ ラ 員,と 校 給 食Aug:26∼32,2012 5) 小 谷 ス ミ子:新 潟 県 の 病 院 給 食 に お け る食 物 ア レ ル ギー 児 へ の 対 応.十 文 字 学 園 女 子 大 学 人 間 生 活 学 部 紀 要10:39∼48,2012 6)有 田 昌彦:食 物 ア レル ギー児 の 管 理 指 導 票 と保 発 の危険牲 に対 す る認識 の甘 さを考慮す る と,調 キ シ ー を 予 防 す る う え で,学 本小児 ア レ ル ギ ー 学 会 食 物 ア レ ル ギ ー 委 員 会: 校 給 食 Jul:26∼32,2011 校 給 食 に携 わ る 職 めわ け 現 場 の 調 理 師 に 対 す る食 物 ア レ ル ギ Knowledge and understanding of food allergy of cooks and dietitians who prepare school lunch for children with allergies Hiroki Murai, Shintaro Okazaki, Motoko Yasutomi Department Hisako Hayashi, Akiko Kawakita, and Yusei Ohshima of Pediatrics, University of Fukui
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