紐帯アーツ」その成立と意義に関する研究 ~次世代型

「紐帯アーツ」
その成立と意義に関する研究
~次世代型共同体のあり方を巡って~
藤原恵洋研究室
東 真理絵
「紐帯アーツ」とは
「紐帯アーツ」は現在藤原研究室で検証中の
新しい概念である
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‘結びつき’に着目
アート(Art)の複数形アーツ(Arts)
従来の芸術という言葉よりも広い意味での芸術
⇒人と人を結びつける芸術
論文で提案すること
① これからの共同体のあり方について
② 「紐帯アーツ」に求められる要素
③ 「紐帯アーツ」の役割
「弱い紐帯の強さ (The Strength of Weak Ties)」
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論文の基盤となっている考え方
社会学者マーク・グラノヴェターが1973年に発表
強いつながりがいいと信じられてきた
↓
弱いつながりが生み出すつながりの力に注目
この考え方をヒントに新しい共同体のあり方を考える
社会背景
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2007年の内閣府が行った意識調査
地域とのつながりは強いか?
→ 52.5%が「弱い」「どちらかと言えば弱い」と回答
家族内のつながりは強いか?
→ 87.8%が「強い」「どちらかと言えば強い」と回答
52.5%
87.8%
天草ハイヤ(丸尾會というチーム)
祭りという‘ハレの日’の
高揚感・結束力
熊本県天草市の「天草ハイヤ祭り」に参加している丸尾會
に参与調査を行った。丸尾會は天草内外から集まった、
様々な年齢・職業のメンバーで構成されている。
‘ハレの日’のイベント性や楽しさを加えることで、ゆるやか
ではあるけれど強固なつながりを作り出すことができる。
結論① これからの共同体のあり方
一つの考えを持ってまとまる共同体
↓
混在する多様な考えをゆるやかに結ぶ共同体
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これからの共同体に求められているもの
ゆるやかな関係
結論② 「紐帯アーツ」に必要な4つの要素
1.ソーシャルキャピタルという考え方
個人と共同体が共に支えあう社会の実現
2.アートの力を活用する
アートの力で人々が出会う。アートと社会もつなぐ
3.人々を巻き込んで当事者にしていく仕組み
ほんの一端でも担ってもらう。魅力的な中心人物
4.‘気軽に’‘何となく’参加できる仕掛け
「知っている」を「参加する」につなげる
結論③ 「紐帯アーツ」の役割
「紐帯アーツ」の二つの役割
1.強すぎる紐帯はゆるやかに、
紐帯がないところには新たな紐帯を創り出す
人の出入りが自由なゆるやかなコミュニティ
2.人々の‘根っこ’を作る
人と人のつながり。
それぞれが持つ‘ルーツ’。