HHT JAPAN 2015 透析患者に合併した巨大肺動静脈奇形の1例 下平政史

HHT JAPAN 2015
透析患者に合併した巨大肺動静脈奇形の1例
下平政史(しもひらまさし)
河合辰哉、橋爪卓也、鈴木一史、芝本雄太
名古屋市立大学放射線科
症例は75歳女性。24年前より慢性腎炎により人工透析を開始された。14年前、近くの総合病院を呼
吸不全にて受診したが、原因不明としてHOT導入後、経過観察されていた。
2014.6月、右上腕の透析シャントが閉塞し、血栓除去術が施行されたが、術後に意識障害が出現し
MRIにて脳梗塞が診断された。さらに胸部CTにて右肺中葉に巨大な肺動静脈奇形(Feeder 8mm,
Sac 27x20x16mm, Drainer 11mm)が指摘され、これに対するコイル塞栓術が計画された。しかし、
術前の心エコーでは肺高血圧症が疑われた。
透析シャントのような左右シャントを有する患者に併発した、肺動静脈奇形の治療方針決定には、
塞栓術後の肺循環、体循環の変化を考慮することが重要と思われる。今回我々は、透析患者に合併し
た巨大肺動静脈奇形を経験したため、若干の文献的考察を加え報告する。
Key Words: 人工透析、左右シャント、肺高血圧症
Shimohira M, et al