D006:包除定理とその利用

包除原理とその利用
包含と排除の定理(包除原理)は非常に有用な定理であるが、高校では 𝑛 = 3 の
例までしか扱わないので、その有用性は殆ど知られていない。
以下で |A1 | は事象 A1 の要素数を表す。
𝐴1
〔 𝑛 = 2 の例〕
𝐴2
|𝐴1 ∪ 𝐴2 | = |𝐴1 | + |𝐴2 | − |𝐴1 ∩ 𝐴2 |
𝐴1
〔 𝑛 = 3 の例〕
|𝐴1 ∪ 𝐴2 ∪ 𝐴3 | = |𝐴1 | + |𝐴2 | + |𝐴3 |
− |𝐴1 ∩ 𝐴2 | − |𝐴1 ∩ 𝐴3 | − |𝐴2 ∩ 𝐴3 |
+ |𝐴1 ∩ 𝐴2 ∩ 𝐴3 |
𝐴2
𝐴3
(1)包含と排除の定理の 𝑛 = 4 の場合を証明せよ。
(2)任意の 𝑛 で包含と排除の定理が成り立つことを証明せよ。
(3)見ただけでは区別のつかないワインの銘柄を試飲して当てる競技会がある。
この競技会は、
予め知らされた 𝑛 銘柄のワインが全く同じ形状の 𝑛 個のグラス
に入れてあり、これらを試飲し、どのグラスがどの銘柄かを当てるものである。
この競技会において、全く味の分からない人が当てずっぽうで 1 つでも当てる
ことのできる確率を求めよ。
またこの確率は、𝑛 が大きくなるとどのような値に近づくか。