ロドリゲス出版

恋の微分積分
ロドリゲス出版
!1
禁断の手法
• さまざまな限界をやぶって、人は愛の地平を
築きあげてきた
• ときに後退しつつ、のろいにかかりながら、
すこしでもましなほうこうにいけるよう、人は
ななめ前を向いてはなしをすすめていく。
!2
どのようなことにつかわ
れているのか?
• 微分法は速度や加速度の計算、曲線の接線の
傾きの計算、最適化問題の計算などに使われ
ている。
• 積分法は、面積、体積、曲線の長さ、重心、
仕事、圧力などの計算につかわれている。
!3
微分積分すると、何が起
こるのか?
• たとえば
• 移動した距離を時間で微分すると速度が得られる
• 速度を時間で微分すると加速度が得られる
• 逆に、加速度を時間で積分すると速度が
• 速度を時間で積分すると移動距離が得られる。
• 互いに互いの演算を補う関係なのがわかる
!4
自動車のスピードメーター
に例えてみる
• スピードメーターが今の速度を割り出すのに使っ
ているのが距離と時間の微分
• 時速40キロで三十分走った場合の距離を求めるの
が速度と時間の積分
• メーターのあがり具合をメモしておき、速度の変
化から加速度を割り出すのが速度と時間の微分
!5
微分する、とはどういう
ことか?
• 微分とはある関数のある時点の微分係数(変
化率)differential coefficientをもとめることを
いう
!6
微分係数を知り導関数を
知る
•導関数derivativeとは関数のある時点での任意の
微分係数(変化率)を知ることができる関数で
ある
•微分においてはこの微分係数(変化率)と導関
数(変化率がわかる関数)の導き出しが重要と
なる
!7
積分する(integrate)、とは
どういうことか?
• 積分(integral)とはある関数の原始関数primitive
を求めることをいう
• 原始関数とは、ある関数を導関数とみたとき、
その導関数がみちびきだす関数のことをいう
• つまり
!8
微分(きみ)と積分(ぼく)
は逆演算の関係にある
• 逆演算はたしざんとひきざんの関係と同じ
• 微分によってもとめられた導関数は、積分に
よってもとの関数にもどるし、積分によって
原始関数になった関数は、微分によってもと
の関数にもどる
!9
きみはぼくの逆演算
• 微分と積分の関係性については、近代まで知
られていなかった
• もともとは関係の無いとおもっていた計算上
の手続きに関連をもたせることができるよう
になり、計算が楽になった(特に積分)
!10
愛のリテラシー
係数
!11
係数coefficientの大切
• 係数とはここではものごとの対応関係をあら
わすたいせつな数字である
!12
係数は数字だ
• 係数はものの対応関係をあらわすため具体的
な数字のかたちをとる
!13
係数の大事
• 数式にとって係数は、ネジや骨子、かすがい
のように、ものごとの関係をあらわすのに不
可欠な数字となる
!14
係数と定数
• 場合によっては、係数と定数の意味は限りな
く近くなり、似た役割を担う場面も多い
!15
係数は、力だ
• 係数、定数は、物理では物事の力をあらわす
大切な数字なんだ。
• そうして、力学にはさまざまな比例係数、定
数がある。力学にはさまざまな比例係数、定
数がある。
!16
さまざまな係数、定数
•摩擦係数、万有引力定数、反発係数など、あら
かじめ決められた数がたくさん
•係数や定数といった具体的な数値が、物理学な
どの学問の要となってささえている
!17
多項式と係数、と変数
• 式を項からなる多項式とかんがえる。このと
き文字で表される不確定な項についた数字の
部分を係数と呼ぶ。逆に不確定な項部分を変
数と呼ぶ
• 係数は確定しているので、不確定な項どうしの
対応関係をあわらしているとかんがえられる
!18
比例と係数
• ある数字に対応した別の数字の動きを比例と
呼ぶ。対応を数字であらわすときもその数字
を係数とよぶ。
• 比例をグラフで表した場合、比例係数がグラ
フの傾きをあらわす
!19
関数も変数と係数からな
る
• 関数も変数と係数からなる式である。
• 導関数も、変数と係数からなる式である。
!20
極限での愛
微分積分に至るある道のり
!21
• 微分積分は、
• 曲線の下の面積、量を求める方法
• 動きを瞬間的に捉える方法
• を考えてきた先人の成果の上に成り立っている。
• それは、極限を考える歴史でもある。
!22
まっすぐな定規を用いて、
円を真四角に変えよ
• 円積問題(えんせきもんだい)とは「与えら
れた長さの半径を持つ円に対し、その円と同
じ面積の正方形を作図することができるか」
という古代から伝わる話題である。
!23
円積問題、古代人の方法(
méthode des anciens)
• アンティポンは、円の周りに多角形を内接さ
せ、それから外接させ、最後に多角形の面積
を計算することで、円周率の値の上限と下限
を求めた。
!24
ソクラテスの思い出
• アンティポンは円に或る多角形,おそらく正 3 角形か正方形を内
接させる.そして弧の 2 等分によって,辺数が 2 倍の多角形,つ ま
り正 6 角形か正 8 角形を得る.このように続けていくと,その 各
辺が次第に小さくなるため,究極的には円周と一致する一つの 多
角形が得られるだろう,と彼は信じていたのである.
• そうなれ ば,どんな多角形に対しても,それと面積の等しい正方形
は作図 できるし,一方、得られた多角形は円に等しいとみなされ
るのだ から,円もまた正方化されると,彼は結論したわけである.
(クセノポン:ソクラテスの思い出)
!25
とりつくし法
• 取り尽くし法(英: method of exhaustion、羅:
methodus exaustionibus)は、与えられた図形
の面積や体積を求める手法の1つで、その図形
に内接する一連の多角形を描き、それらの面
積を元の図形に収斂させる方法である。この
方法はアンティポンが起源だが、彼がどこま
で明確に理解していたのかは不明である。
!26
とりつくし法
•取り尽くし法には一般に背理法の一種を必要とする。
これは、ある領域の面積を第2の領域の面積と比較
することによって求めることに相当し、それを「取
り尽くす」ことで真の面積に恣意的(わざと)に近づ
けていく。
•取り尽くし法は微分積分の先駆けと言える。
!27
背理法:ひとつになれ
ない
•ある判断を否定し、それと矛盾をなす判断を真
とすれば、それから不条理な結論が導き出され
ることを明らかにすることによって、原判断が
真であることを示す証明法。帰 (きびゅう)
法。間接還元法。間接証明。→直接証明
!28
ぼく(アキレス)ときみ
(亀)
• あるときアキレスと亀が徒競走をした。亀は
足が遅いので、アキレスよりもいくらか進んだ
地点から出発した。
!29
ぼく(アキレス)ときみ
(亀)
• スタート後、アキレスが亀の出発地点に達し
た時には、亀はアキレスが達するまでの時間
分だけ先に進んでいる。
• アキレスが今度は次の亀のいた場所に達した
ときには、亀はまたその時間分だけ先へ進ん
でいる。
!30
ぼく(アキレス)はきみ
(亀)に追いつけない
• 結果、いつまでたってもアキレスは亀に追い
つけない。
• リクツではそうなのか?でも、現実は違うだ
ろう?そうでないとしたら、なぜか?
!31
パラドックスとの
戦い
•古代ギリシアの哲学者ゼノンは、アキレスと亀
の話にあるようなパラドックスの例を示してい
る。
•微分積分、特に極限と無限級数を使えば、それ
らのパラドックスを解決することができる。
!32
ゼノンの誤りは「無限に加算しつづけた
数は無限である」と解釈した点にある
• アキレスと亀の問題は『計算をいくらでも続
けられる』ことから『いつまでたっても追い
つけない』という結論を導いている箇所に飛
躍があった
• 実際は、無限に数字を加算した場合でも、答
えが有限である場合はあることが近世以降に
明らかとなった。
!33
微分積分が生まれ、愛
はうまれる
ニュートン、ライプニッツ
!34
ニュートンとライプニッ
ツふたりはライバル
• デカルトから始まる近代的な数学、代数と変
数、関数の整備によって、数学は近代的な表
現を手に入れた。
• その次世代の数学体系をうけて、微分積分の
近代化を現代に橋渡したのがニュートンとラ
イプニッツである
!35
ニュートン、
• ニュートンは、積の微分法則、連鎖律、高階
微分の記法、テイラー級数、解析関数といっ
た近未来の概念を独特の記法で導入し、それ
らを数理物理学の問題を解くのに使った。
!36
ライプニッツ、
•ライプニッツはライプニッツ則と連鎖律を規定
した。また、微分の記号としてdxおよびdy
を,積分の記号として∫を用い、次の世代へと
橋渡しをした。
!37
ニュートンとライプニッツ
ふたりはともだち
• ふたりの共通点
• 微分と積分の法則の理解(互いに逆演算の関係
であること
• 二次および高次の導関数(導関数の導関数の導
関数のもとめかた、その法則、とか)
• 多項式級数の近似(多項式展開)
!38
アルゴリズム(計算法)の時
代
• それでは、あとに残されたものは、これらの事実を
ひとつの体系に統合することだけだったのだろう
か。いや統合のためには、なによりも決定的なこ
と、この無限小解析の総体を認識し把握するため
のアルゴリズム(計算法)が必要であった。 (森毅、
すうがくのれきしより)
• ニュートンとライプニッツがもたらした時代、それ
はアルゴリズム(計算法)の時代でもあった
!39
• ニュートン・ラフソン法
• オイラー法
• ラグランジュ補間
• ガウスの消去法
• ホーナー法
• 多くの計算法が、目的や用途に応じて分類、細分化していく。
!40
恋のアルゴリズム
微積方程式から解析学へ
!41
数値解析と科学の時代
• アルゴリズム(計算法)の整備は、数値解析の時
代を呼んだ。
• 解析学とともに物理方程式(微分方程式)も進歩
していく。
• コンピュータの発展もあり、数値解析は前進
を続ける。
!42
微分方程式
• 物理学の基礎方程式は微分方程式である
ニュートンの運動方程式
マクスウェルの方程式
ナヴィエ・ストークス方程式
アインシュタイン方程式
シュレディンガー方程式
ハイゼンベルクの運動方程式
クライン-ゴルドン方程式
ディラック方程式
!43
方程式と解(こたえ)
• これまで私たちは、多項式(係数と項)→関
数(係数と変数)→方程式(関数と解)とそ
の論を拡大してきた。
• 方程式は、ある事柄についての答えを定める
!44
方程式と解(こたえ)
• ひとたび方程式と名がつけば、それは解と関
係がある
• 微分方程式も同じで、どんなに複雑になろう
と、方程式が持つ性質を、微分方程式も持つ
!45
方程式と解(こたえ)
• 方程式のもっとも典型的なかたちは未知数と
よばれる項をふくんだ等式である。
• 様々な式が等式によって結ばれて行く
• 式が結ばれ、条件を狭めることで方程式は解
をもつ
!46
バビロニアと方程式
• 古代バビロニア人は、今日一次方程式や二次
方程式、不定一次方程式を使って解くような
問題を計算するための公式を開発した。
• 同時代(紀元前1千年紀)のエジプトやギリシ
アや中国では、そのような問題は幾何学的に
解かれていた。。
!47
デカルトと方程式
• 1637年のルネ・デカルトの『幾何学 (La
Géométrie)』は解析幾何学の先駆けであり、
近代的な代数的記法を導入したものである。
!48
ニュートンと方程式
• 数値解析の分野において、ニュートン法(ニュートンほ
う、Newton's method)またはニュートン・ラフソン法
(Newton-Raphson method)とは、方程式系を数値計
算によって解くための反復法による求根アルゴリズム
の1つである。対象とする方程式系に対する条件は、領
域における微分可能性と2次微分に関する符号だけであ
り、線型性などは特に要求しない。収束の速さも2次収
束なので古くから数値計算で使用されていた。
!49
求根(Root-finding)アルゴ
リズム
• 求根アルゴリズムは、与えられた関数fについて、f(x) = 0を満た
す値xを得るための数値解法、もしくはアルゴリズムである。
• f(x) − g(x) = 0の求根は、方程式 f(x) = g(x)を解くことと同値で
ある。ここで、xを方程式の未知数と呼ぶ。逆に、任意の方程式
は標準形f(x) = 0を取りうるので、方程式の求解は関数の求根と
同値である。
• 数値的な求根アルゴリズムでは反復法を用いて、根となる極限
(いわゆる極値)に収束する(と期待される)数列を生成する。
!50
方程式とアルゴリズム(計算
法)
• アルゴリズム(計算法)は方程式をわかりやすい
形に置き換えて、解をもとめやすくする。答
えは近似値であることが多い
• 近似値をもとめるため、変換、線形性や連続
性などの性質をみきわめ、最小の努力で、最
大限もつともらしい答えを紡いでいく
!51
数値解析と近似
• 数値解析は、コンピュータの発明以前から多く
の国々で行われていた。
• 線型補間は2000年以上前から行われている。
• ニュートン法、ラグランジュ補間、ガウスの消
去法、オイラー法などの名称からも分かるよう
に、歴史上の偉大な数学者の多くは数値解析に
夢中だった。
!52
数値解析と近似
• 計算を手で行うため、方程式と数表を掲載し
た分厚い書籍が生み出された。例えば、関数
の小数点以下16桁まで計算された数表を使っ
て、与えられた方程式にその値を代入し、関
数の正確な近似値を得ることができた。
!53
数値解析と近似
• この分野での正統的な業績として、
Abramowitz と Stegun が編集したNISTの書籍
などを挙げることができる。これは1000ペー
ジを超えるもので、典型的な方程式や関数の数
表を多数集めている。
• 今は計算はコンピュータがあるため、アルゴリ
ズム(計算法)だけが人間の手元に残っている
!54
常微分方程式と偏微分方
程式
!55
多変数関数の世界
• 一対一の対応に対し、多変数関数では複数の
変数に対して値がひとつ決まる
• 複数の変数によって、ひとつの値が定められ
る。
!56
偏微分方程式 多変数関数の微分
• 複数の変数を扱う場合に、微分方程式は. 偏微
分方程式と呼ばれ、ラウンドディーがつかわ
れる
!57
多重積分
多変数関数の積分
!58
変数分離と積分
• 変数分離(へんすうぶんり、separation of variables)
は、常微分方程式や偏微分方程式を解くための手法。
方程式を変形することにより、2つあるいはそれ以上
の変数が式の右辺・左辺に分かれるようにすること。
• 両辺の積分を実行すれば、微分方程式の解が求まる。
変数分離は実際のところ、導関数 dy /dx を分数とみ
なして分母を払うのと同じことである。そうすること
によって解くのがもっと簡単になる。
!59
微分方程式の解法
• 置換積分法の公式
• そのほかの解法としては斉次方程式の解を利
用して解く定数変化法やグリーン関数を用い
た解法、差分方程式を用いた解法、ラプラス
変換や逆ラプラス変換を用いた解法など様々
な解法が知られている。
!60
ラプラス変換
• ラプラス変換によりある種の微分・積分は積
などの代数的な演算に置き換わるため、制御
工学などにおいて時間の(とくに超越的な)
関数を別の(おもに代数的な)関数に変換す
ることにより、計算の見通しをたてるための
便法として用いられる。
!61
三つの運動方程式
• 古典力学の運動方程式には、3つの表現形式があります。
• ニュートン、ラグランジュ、ハミルトン。
• ニュートンのものが一番の基本で、最もシンプルです。
• 後の2つは解析力学と呼ばれる分野に登場します。
•
!62
超越関数
• 超越関数(ちょうえつかんすう、英:
Transcendental Function)とは、係数が多項
式であるような多項式で表せない関数である。
より正確に言えば、1変数の関数が超越的であ
るのは、その変数について代数的独立性があ
る場合である。
!63
グリーン関数による解法
• グリーン関数 (Green's function) とは、微分方
程式や偏微分方程式の解法の一つであるグリー
ン関数法に現れる関数である。
!64
数値解析と解
• 微分方程式の多くは、実際のところ殆どのものが解を
求めるのが困難であり、よく知られている関数の組合
せでは記述できないものが多い。
• 従って、解析的な解法に加えて、計算機を利用した数
値計算による解の探索が重要視される。常微分方程式
にはオイラー法やルンゲ=クッタ法、偏微分方程式に
は有限要素法などを利用し、近似値をもとめる。
!65
ルンゲクッタ法による
近似
• ルンゲ=クッタ法(Runge-Kutta method)と
は、数値解析において常微分方程式の近似解
を求める一連の方法である。
!66
オイラー法による近似
オイラー法(ーほう)(Euler's Method) とは、1
階常微分方程式の数値解法の一つ。
!67
離散化(discretization)
と近似
• 微分方程式を数値的に解くには、有限長のデー
タでなければならず、定義域が連続であっても、
有限個の点を選んで値を計算する。
• 連続問題を近似的に離散問題に変換して解く、
この変換過程を「離散化(discretization)」
という
!68
連続(アナログ)から離散(デジ
タル)へ
• 極限が整備されつつ、さまざまな近似手法が
確立されていく
• 無限連続したある事象を、有限個にしてとり
だし、離散化する
!69
多項式展開と近似
• 数学において、多項式の展開(てんかい、expand)
とは、複数の多項式の積をひとつの多項式で表すこ
とをいう。これは、因数分解と逆の操作である。
• 展開は分配法則を用いて機械的に行うことができ
る。この法則は、冪級数に対するものに自然に拡張
される。
• 多くの場合多項式展開によって計算は単純になる。
!70
テイラー展開による近
似
テイラー展開(テイラーてんかい: Taylor
expansion)とは、無限回微分可能な関数
f(x) から、テイラー級数(テイラーきゅう
すう、Taylor series)と呼ばれる、負冪の
項を持たない冪級数を得ることを言う。
多項式展開で近似化することで、計算が
単純になる。
!71
偏微分方程式を解く
• 偏微分方程式を解くには、まず方程式を離散化
し、有限次元の部分空間で計算を行う。
• そのような計算手法として、有限要素法、差分
法、特に工学分野で使われる有限体積法などを
挙げることができる。
• これらの手法によって、問題を代数方程式の求
根に還元することができる。
!72
有限差分法による近似
• 関数のいくつかの点における値の差を用いて、そ
の関数の微分係数(変化率)を近似することを差
分近似という
• このことを“ 微分係数を差分商で置き換える ”と 表
現する.またこの近似法を有限差分法(finite
difference method)とよぶ
!73
FEM(有限要素法)による近
似
• 有限要素法(ゆうげんようそほう、英語:
Finite Element Method、FEM)は数値解析手
法の一つ。解析的に解くことが難しい微分方
程式の近似解を数値的に得る方法の一つであ
る。方程式が定義された領域を小領域(要素)
に分割し、各小領域における方程式を補間関
数で近似する。
!74
有限体積法による近似
• 1960年代にLos Alamos研究所において開発された。この方
法は、有限差分法と有限要素法の両方の特徴を合わせ持つ
手法と言える。
• 解析領域をセル(cell)と呼ばれる小領域に分割し、セルの
格子点を中心とする領域であるコントロールボリューム
(control volume)あるいは検査領域を定義する。そして、
有限要素法と同様にその離散化には重み付き残差法を適用
する。ただし有限体積法では、コントロールボリュームご
とに、重み関数を1として重み付き残差式を離散化する。
!75
なまえのきまり
• たいがい
• 「法」「変換」とつけば数値解析アルゴリズム
• 「係数」「定数」とつけば物理係数
• 「展開」とつけば多項式展開アルゴリズム
• 「方程式」とつけば微分方程式
!76
直接解法と反復解法
• 直接解法は、問題の解を有限個のステップで計算する。
• 反復解法は、ある初期予測値から開始して、反復的に計算を行って徐々
に解に収束させていく。数値線型代数の大規模な問題には、反復解法が
一般に必要とされる。
!77
線形性と行列
• 微分方程式が線型である場合は線型代数学の
範疇で解を探すことができる
!78
線形性とはなにか?
!79
線形性による答えのも
とめかたのちがい
• 線型方程式を解く手法については研究が進んでいる。標準的な直接解法としては何らかの
行列分解を使うものがあり、ガウスの消去法、LU分解、対称行列やエルミート行列に関す
るコレスキー分解、非正方行列に関するQR分解がある。反復解法としては、ヤコビ法、ガ
ウス=ザイデル法、SOR法、共役勾配法があり、大規模な方程式系でよく使われる。
• 非線型方程式には求根アルゴリズムが用いられる(根とは、関数がゼロとなる変数の値を
意味する)。関数が可微分で導関数が分かっている場合には、ニュートン法が利用される
ことが多い。他にも線型化などの手法がある。
!80
解の存在をたしかめる
• 特別な情况がない場合、 常微分方程式の解は一意
的であることがしられている。。 ただし、上の例
でも見た通り、一般に 常微分方程式はある点での
解の値とそのまわりの点での解の値を 関係づける
方程式なので、まず最初の一点の値を与えること
を しないと、解が構成できないことが分かる。
よって、解を厳密な意味で一意的に定めるにはそ
の解に対する 初期値も定める必要がある。
!81
リプシッツ(Lipschitz)連続
• 微分方程式の理論では、リプシッツ連続はピ
カール-リンデレフの定理の中心となる条件で
あり、初期値問題に対して解の存在と一意性
を保証する。
!82
極限とはなんだ
!83
イプシロン-デルタ論法
誤と差の論法
• ε-δ 論法とは、解析学において、無限小や無
限大を用いず、有限な大きさの実数を値にと
る変数 ε(誤) や δ(差) などを用いて極限を扱
う方法である。
!84
数値解析からシミュレー
ションの時代へ
!85
不気味の谷
• ロボット工学者の森政弘・東京工業大学名誉教授が
1970年に提唱した。森政弘は、人間のロボットに対
する感情的反応について、ロボットがその外観や動
作において、より人間らしく作られるようになるに
つれ、より好感的、共感的になっていくが、ある時
点で突然強い嫌悪感に変わると予想した。人間の外
観や動作と見分けがつかなくなると再びより強い好
感に転じ、人間と同じような親近感を覚えるように
なると考えた。
!86
!87
• 極限をもとめたり近似値をもとめたりしながら
• ひとはある真理に近づこうとした
• 誤差や精度といったものが、十分に理にかなうあたり
になったころ
• 数学の近代化は終わり、科学の時代がきた
• 数式と自由に恋をし、愛でることのできる時代がきた
• この文章はそのいりぐちにあり、ひとが、めいめい自
由に恋愛することの後押しをする
!88
おわり
!89
この文書について
• これは数学や計算方法の入門書ではない
• その前段で、訳語やターミノロジーの整理をすこし行
い
• 計算方式そのものが表現の歴史を持つ(表出史)とか
んがえたときに
• 編める文章はどんなものか、ありていの情報をよせあ
つめて作られた、いわば一つの恋のうたである
!90
!91
番外編というか順番未
定
学校の微分積分
!92
学校の微分
• ある関数の平均変化率から極限をさぐり微分
係数(極限下の変化率)を割り出す、割り出
した微分係数から導関数をつくりある関数の
ある地点での変化率を知る
!93
学校の積分
!94
学校の微分方程式
!95
コンピュータの微分
• コンピュータ上の計算は離散化と近似が前提
であり、誤差を常に意識する必要がある
!96
逆二乗の法則
• 最初に発見された逆2乗の法則は、ヨハネス・
ケプラーが発見した、光の減衰の法則である。
ケプラーは「光の強さが光源からの距離の2乗
に反比例する」ことを証明した。
• ここでは、逆二乗という比例係数が登場する
!97
逆二乗の法則
• エドモンド・ハレーが1684年の夏にケンブ
リッジ大学を訪問したのだが、そこで「惑星
が距離の二乗に反比例する力で太陽に引き寄
せられると仮定した場合、惑星が描く曲線は
どのようなものであろうか?」とニュートン
に質問した。この質問に対してニュートンは
「楕円だろう」と即答した。
!98
放射能と逆二乗
•距離を倍数で考えてみる
•「距離の逆2乗に比例する」という意味は、例えば「距離が2倍になれば線量は
2^2で4分の1、距離が3倍になれば3^2で9分の1、4倍になれば16分の
1・・・」になるということです。
•つまり、50cmが60cmになった場合、距離は60/50=1.2倍になったというこ
とですから、線量は1.2^2=1.44分の1になるということになります。
•距離が何倍になったかを考え、その数字を2乗したもので割れば答えが出ま
す。
!99
連鎖律 チェインルールと
結合法則
• 微分法において連鎖律(れんさりつ、英:
chain rule)とは、複数の関数が合成された合
成関数を微分するとき、その導関数がそれぞ
れの導関数の積で与えられるという関係式の
こと。積分法においては、置換積分に対応す
る
!100
カヴァリエリ(Cavalieri)
の原理
• 2つの平面図形を、平行な直線で切ったとき
の切り口の長さがいつも等しければ、2つの
図形の面積は等しい。
!101
数学的基盤
リテラシー、インフラ
•微積分の定式化の研究により、カヴァリエーリの微
分と、有限差分法が組み合わされるようになる。
•この統合を行ったのがジョン・ウォリス、アイザッ
ク・バロー、ジェームズ・グレゴリーであり、1675
年ごろ微分積分学の基本定理の第2定理を証明した。
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微分積分の第二定理
微分と積分の逆演算の関係性
• 微分して積分すると、高々定数の差を除いて
もとの関数が現われること
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ニュートン
• ニュートンは微分積分の手法を使い、天体の
軌道、回転流体の表面の形、地球の偏平率、
サイクロイド曲線上をすべる錘の動きなど、様々
な問題について『自然哲学の数学的諸原理』
の中で論じた。
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