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パーキンソン病は重症度によって公的援助がうけられます。
目安となるのはヤール重症度と日
常生活機能障害度です。
ヤール重症度が3度以上で、
日常生活機能障害度が2度以上にな
※詳しくは各市区町村の担当窓口にお問い合わせください。
11
stage
度
22
stage
33
stage
44
stage
55
11
stage
度
度
先生
stage
日常生活機能障害度
近藤 智善
ヤール重症度
度
stage
22
stage
33
度
度
度
度
【参考情報】全国パーキンソン病友の会事務局
TEL 03-5318-3075 FAX 03-5318-3077
ホームページアドレス http://www.jpda-net.org
パーキンソン病と診断された患者さんが、申請の上認定されると公費助成、介護保
険、身体障害者認定や公的サービスが受けられます。ひとりで悩まず、各市区町村
の担当窓口に問い合わせてみましょう。
また全国パーキンソン病友の会では、医療
情報の発信を行っており、
さらに患者さんや家族の相談事にも応じます。
2015年3月作成
ALL-P-53(2)
監 修
上なら介護保険の対象となり、
障害の程度により身体障害者認定も受けられます。
リハビリテーション花の舎病院 院長
一般社団法人 パーキンソン病治療研究所 理事長
ると特定疾患医療費助成制度の認定を受けることができます。
また、
65歳未満でも40歳以
パーキンソン病と
上手につき合うには
公的援助を受ける目安とは?
パーキンソン病って
どんな病気ですか?
パーキンソン病の
主な症状とは?
パーキンソン病は、脳のある領域の神経細胞内などに
静止状態での
手足のふるえ
「レビー小体」
という特殊な構造物が現れることで、
脳内伝
(安静時振戦)
達物質の「ドパミン」が減り、脳からの指令がうまく体に伝
わらなくなる病気です。思うように体が動かせない、
思考の
重症度が高い場合は、国の指定難病(厚生労働省特定
疾患)に認定され、
公費助成を受けることができます。
◉ 主要な傷病の総患者数
パーキンソン病の発症のピークは60歳代か
ら。高齢化に伴って増えています。
日本国民の1,
000人に1人はパーキンソン
病患者です。
主な発症年齢は50歳代∼60歳代(20歳代
∼40歳代で発症することも)です。
発症後15年∼20年間は病気のコントロー
ルが可能です。
胃がん
186,000人
大腸がん
233,000人
パーキンソン病
141,000人
アルツハイマー病
366,000人
9,067,000人
虚血性心疾患
1,612,000人
脳血管疾患
1,235,000人
「平成23年厚生労働省調べ」より一部抜粋
パーキンソン病
1
パ ー キンソン 病 の い わ れ
パーキンソン病という病名は、
1800年代初頭、その症状に注目して論文を発表したジェームズ・パーキンソン氏に
由来しています。発表当時は注目されませんでしたが、数十年後にフランスの神経学者ジャン・マルタン・シャルコー
氏が論文の価値を見出し、
「パーキンソン病」
と名づけて、広く世に知らしめました。ちなみに、パーキンソン病の症
状そのものは意外に古くから知られており、
14∼16世紀のルネッサンスを代表する万能の天才・レオナルド・ダ・ヴ
ィンチも、書物に記載しています。
動きがゆっくり
になる
(動作緩慢、無動)
動作がおそく、
少なくなり、
顔も
無表情になります。
だ液の
えん下回数が減るため
よだれが出ます。歩き始めや
方向転換するときなどに
足がすくんでしまう
「すくみ足」
も
よく見られる症状です。
運動以外に現れる症状
高血圧性疾患
運動に現れる症状
低下、便秘、発汗異常などのさまざまな症状が現れます。
じっとしているときや力を
抜いているとき、
自然と
ふるえてくるのが特徴。
病気が進むとふるえる時間や
範囲が広がっていきます。
筋肉のこわばり
(筋固縮・筋強剛)
肩・膝・指などの関節が
固くなり、
動かしづらく
なります。
バランスが
うまくとれない
(姿勢保持障害、姿勢反射障害)
体のバランスがとりにくくなって
転びやすくなります。
歩行も前のめりに
歩幅が小刻みになります。
気分の落ち込みや
注意力の低下
(精神症状)
気分が落ち込んでしまう抑うつ症状、意欲の低下や、
考えがまとまらなくなり注意力が低下するといった症
状、
病気が進行すると認知障害が生じることも。
うまく眠れない
(睡眠障害)
なかなか眠れない・いったん眠っても途中で目が覚め
てしまうといった「不眠」の人と、
日中も強い眠気を感じ
て寝てしまう
「過眠」の人、
両方の症状が見られます。
においを感じにくい
(嗅覚障害)
嗅覚に関わる脳の一部分が、病気によって
障害されて生じる症状。患者さんの7割程
度に現れますが、
自覚症状は乏しいのが特
徴です。
便秘・頻尿・立ちくらみなど
(自律神経系の症状)
病気のせいで自律神経の働きが低下し、
便
秘・頻尿・立ちくらみなどの症状が現れるこ
とも。
その他、
手足の冷え・むくみなどの症状
が出ることもあります。
パーキンソン病って
どんな病気ですか?
パーキンソン病の
主な症状とは?
パーキンソン病は、脳のある領域の神経細胞内などに
静止状態での
手足のふるえ
「レビー小体」
という特殊な構造物が現れることで、
脳内伝
(安静時振戦)
達物質の「ドパミン」が減り、脳からの指令がうまく体に伝
わらなくなる病気です。思うように体が動かせない、
思考の
重症度が高い場合は、国の指定難病(厚生労働省特定
疾患)に認定され、
公費助成を受けることができます。
◉ 主要な傷病の総患者数
パーキンソン病の発症のピークは60歳代か
ら。高齢化に伴って増えています。
日本国民の1,
000人に1人はパーキンソン
病患者です。
主な発症年齢は50歳代∼60歳代(20歳代
∼40歳代で発症することも)です。
発症後15年∼20年間は病気のコントロー
ルが可能です。
胃がん
186,000人
大腸がん
233,000人
パーキンソン病
141,000人
アルツハイマー病
366,000人
9,067,000人
虚血性心疾患
1,612,000人
脳血管疾患
1,235,000人
「平成23年厚生労働省調べ」より一部抜粋
パーキンソン病
1
パ ー キンソン 病 の い わ れ
パーキンソン病という病名は、
1800年代初頭、その症状に注目して論文を発表したジェームズ・パーキンソン氏に
由来しています。発表当時は注目されませんでしたが、数十年後にフランスの神経学者ジャン・マルタン・シャルコー
氏が論文の価値を見出し、
「パーキンソン病」
と名づけて、広く世に知らしめました。ちなみに、パーキンソン病の症
状そのものは意外に古くから知られており、
14∼16世紀のルネッサンスを代表する万能の天才・レオナルド・ダ・ヴ
ィンチも、書物に記載しています。
動きがゆっくり
になる
(動作緩慢、無動)
動作がおそく、
少なくなり、
顔も
無表情になります。
だ液の
えん下回数が減るため
よだれが出ます。歩き始めや
方向転換するときなどに
足がすくんでしまう
「すくみ足」
も
よく見られる症状です。
運動以外に現れる症状
高血圧性疾患
運動に現れる症状
低下、便秘、発汗異常などのさまざまな症状が現れます。
じっとしているときや力を
抜いているとき、
自然と
ふるえてくるのが特徴。
病気が進むとふるえる時間や
範囲が広がっていきます。
筋肉のこわばり
(筋固縮・筋強剛)
肩・膝・指などの関節が
固くなり、
動かしづらく
なります。
バランスが
うまくとれない
(姿勢保持障害、姿勢反射障害)
体のバランスがとりにくくなって
転びやすくなります。
歩行も前のめりに
歩幅が小刻みになります。
気分の落ち込みや
注意力の低下
(精神症状)
気分が落ち込んでしまう抑うつ症状、意欲の低下や、
考えがまとまらなくなり注意力が低下するといった症
状、
病気が進行すると認知障害が生じることも。
うまく眠れない
(睡眠障害)
なかなか眠れない・いったん眠っても途中で目が覚め
てしまうといった「不眠」の人と、
日中も強い眠気を感じ
て寝てしまう
「過眠」の人、
両方の症状が見られます。
においを感じにくい
(嗅覚障害)
嗅覚に関わる脳の一部分が、病気によって
障害されて生じる症状。患者さんの7割程
度に現れますが、
自覚症状は乏しいのが特
徴です。
便秘・頻尿・立ちくらみなど
(自律神経系の症状)
病気のせいで自律神経の働きが低下し、
便
秘・頻尿・立ちくらみなどの症状が現れるこ
とも。
その他、
手足の冷え・むくみなどの症状
が出ることもあります。
パーキンソン病の
治療とは?
パーキンソン病の治療は薬によるものが中心です。近年、
新しい
タイプの薬が続々と登場して治療の選択肢は大幅に広がりまし
た。難病指定されているパーキンソン病ですが、多彩な薬の組
よく使われるパーキンソン病の薬
レボドパ製剤(L−ドパ)
パーキンソン病治療で中心的に使われている
神経伝達物質のドパミンは、神経細胞から放出されると受
薬。減少してしまったドパミンを補充する役目を
容体にくっついて信号を伝えます。
ドパミン受容体作動薬
します。病気が長くなり進行してくると、薬の効
は、
この受容体に「ドパミンが来た」
と勘違いさせ、受容体を
果が短くなってしまう
「ウェアリング・オフ(P.5参照
うまく働かせる役割をします。眠気・むくみ・衝動性・幻覚・妄
)」
や、体が勝手に動いてしまう
「ジスキネジア」
想などの副作用が出ることも。
という副作用が生じることがあります。
み合わせで、
症状を軽くし天寿がまっとうできるようになってきています。
MAO−B阻害剤(セレギリン)
ここの何年かで様変わりした治療薬の使い方
パーキンソン病治療に欠かせないレボドパ製剤(L−ドパ)
は大変効果的な薬ですが、
病気が進行してくるとこの
薬の欠点が目立つようになります。かつてはL−ドパが神経に毒素として作用するという仮説もあり、
使用開始時
レボドパ製剤を服用すると、その大部分は脳に入る前の段
脳内のドパミンは、酵素の働きによって分解さ
階で酵素によって分解されてしまうのですが、
コムト阻害剤
れます。
この酵素を「モノアミン酸化酵素(MA
はこの酵素の働きを抑えます。コムト阻害剤とレボドパ製
O)」
といいます。MAO−B阻害剤は、B型M
剤を同時に飲むことで、血液中から消えさるレボドパの時
AOの働きを妨げてドパミンの分解を食い止
間が遅くなり、効果時間が長くなります。
有効ですが、
レボドパ製剤の補助薬として使わ
れることの多い薬です。
欠点を補う薬が登場したことなどもあり、
「レボドパ製剤の使用開始は遅い方がよい」
という考え方は改められま
抗コリン作動薬
正常ではドパミンとアセチルコリンのバランスが保たれて
す。最近では早い段階からレボドパ製剤を始めとした、
薬による治療を積極的に行うことがよいとされています。
アデノシン拮抗薬(イストラデフィリン)
ドパミンが不足すると、それを受ける神経路の
一部が異常興奮します。
アデノシン拮抗薬はそ
新しい治療薬の登場
の異常興奮による神経伝達の放出を抑え運動
機能を改善させます。
この薬には、
ウェアリング
いるのですが、パーキンソン病になり、脳のドパミンが不足
するとこのバランスが崩れ、体を動かしづらくなります。
この
アセチルコリンの働きを阻害するのが抗コリン薬です。
レ
ボドパ製剤の補助をする薬ですが、物忘れなどの副作用が
あるので高齢者には使わないといった配慮が必要です。
・オフ現象を改善させる効果があります。
抗けいれん剤(ゾニサミド)
●ドパミンを効率的に脳内に運ぶため、異なる効果を持つ複数の薬を1つに配合した薬
アマンタジン塩酸塩
●アデノシン受容体を遮断し、
ドパミンの減少で生じた異常な神経伝達物質の放出を抑え、症状を軽くする薬
アマンタジン塩酸塩はもともとインフルエンザ
●皮膚からの吸収効率がよく、血中濃度が一定に保たれるパッチ製剤(皮膚に貼り付けるタイプの薬)
の薬ですが、パーキンソン病患者が服用したと
●レボドパ製剤の服用時、急に薬の効果がなくなってしまうオフ症状を一時的に改善させる注射薬
●24時間かけて有効成分が放出され、薬の血中濃度が下がりにくい薬(徐放錠)
コムト阻害剤(エンタカポン)
め、その減少を抑える役目をします。単独でも
期はできるだけ遅い方がよいとされていました。
しかし、
いくつかの臨床報告でその仮説は否定され、
L−ドパの
ここ数年で、
パーキンソン病の治療薬には次々と新しいものが登場してきています。
ドパミン受容体作動薬(ドパミンアゴニスト)
ころパーキンソン病の症状が改善され、治療薬
として使われるようになりました。なぜ効くのか
詳しいことはわかっていませんが、副作用が少
なくジスキネジアの改善にも効果があります。
もともとはてんかんの薬でしたが、近年、パーキンソン病
の治療薬として用いられるようになりました。てんかんを
合併したウエアリング・オフ現象のあるパーキンソン病
患者が、この薬を服用したところオフ症状が軽くなること
がわかり、パーキンソン病の治療に応用されるようにな
りました。なぜ効くのかについてはまだ詳しくわかってい
ません。
薬以外の治療方法
●リハビリ療法
症状の日内変動が激しい人やふるえの強い人、薬
運動機能が障害されることで生じる筋力の低下
の効果の変動によってあらわれる筋硬直や不随意
を抑えるためのエクササイズ。
できるだけ早い段
運動を抑えるため、脳内に電極を埋めこんで電気
階からリハビリを行うのが望ましいといえます。
刺激を与えつらい症状を軽減させる手術療法。
パーキンソン病
●新しい手術療法「DBS手術」
2
薬の影響による「病的賭博」や「買い物依存」
ドパミン受容体作動薬には、衝動的に沸いてくる欲望を抑えることのできない「衝動性調節障害」
という副作用が見
られることがあります。男性に多くみられるのが「病的賭博」
といわれるギャンブル依存。もともとやらなかった人が
突然ギャンブルにのめりこみ、家庭問題や社会問題に発展することもあります。その他、買い物依存や極端な性欲
亢進が見られる場合もあります。
パーキンソン病の
治療とは?
パーキンソン病の治療は薬によるものが中心です。近年、
新しい
タイプの薬が続々と登場して治療の選択肢は大幅に広がりまし
た。難病指定されているパーキンソン病ですが、多彩な薬の組
よく使われるパーキンソン病の薬
レボドパ製剤(L−ドパ)
パーキンソン病治療で中心的に使われている
神経伝達物質のドパミンは、神経細胞から放出されると受
薬。減少してしまったドパミンを補充する役目を
容体にくっついて信号を伝えます。
ドパミン受容体作動薬
します。病気が長くなり進行してくると、薬の効
は、
この受容体に「ドパミンが来た」
と勘違いさせ、受容体を
果が短くなってしまう
「ウェアリング・オフ(P.5参照
うまく働かせる役割をします。眠気・むくみ・衝動性・幻覚・妄
)」
や、体が勝手に動いてしまう
「ジスキネジア」
想などの副作用が出ることも。
という副作用が生じることがあります。
み合わせで、
症状を軽くし天寿がまっとうできるようになってきています。
MAO−B阻害剤(セレギリン)
ここの何年かで様変わりした治療薬の使い方
パーキンソン病治療に欠かせないレボドパ製剤(L−ドパ)
は大変効果的な薬ですが、
病気が進行してくるとこの
薬の欠点が目立つようになります。かつてはL−ドパが神経に毒素として作用するという仮説もあり、
使用開始時
レボドパ製剤を服用すると、その大部分は脳に入る前の段
脳内のドパミンは、酵素の働きによって分解さ
階で酵素によって分解されてしまうのですが、
コムト阻害剤
れます。
この酵素を「モノアミン酸化酵素(MA
はこの酵素の働きを抑えます。コムト阻害剤とレボドパ製
O)」
といいます。MAO−B阻害剤は、B型M
剤を同時に飲むことで、血液中から消えさるレボドパの時
AOの働きを妨げてドパミンの分解を食い止
間が遅くなり、効果時間が長くなります。
有効ですが、
レボドパ製剤の補助薬として使わ
れることの多い薬です。
欠点を補う薬が登場したことなどもあり、
「レボドパ製剤の使用開始は遅い方がよい」
という考え方は改められま
抗コリン作動薬
正常ではドパミンとアセチルコリンのバランスが保たれて
す。最近では早い段階からレボドパ製剤を始めとした、
薬による治療を積極的に行うことがよいとされています。
アデノシン拮抗薬(イストラデフィリン)
ドパミンが不足すると、それを受ける神経路の
一部が異常興奮します。
アデノシン拮抗薬はそ
新しい治療薬の登場
の異常興奮による神経伝達の放出を抑え運動
機能を改善させます。
この薬には、
ウェアリング
いるのですが、パーキンソン病になり、脳のドパミンが不足
するとこのバランスが崩れ、体を動かしづらくなります。
この
アセチルコリンの働きを阻害するのが抗コリン薬です。
レ
ボドパ製剤の補助をする薬ですが、物忘れなどの副作用が
あるので高齢者には使わないといった配慮が必要です。
・オフ現象を改善させる効果があります。
抗けいれん剤(ゾニサミド)
●ドパミンを効率的に脳内に運ぶため、異なる効果を持つ複数の薬を1つに配合した薬
アマンタジン塩酸塩
●アデノシン受容体を遮断し、
ドパミンの減少で生じた異常な神経伝達物質の放出を抑え、症状を軽くする薬
アマンタジン塩酸塩はもともとインフルエンザ
●皮膚からの吸収効率がよく、血中濃度が一定に保たれるパッチ製剤(皮膚に貼り付けるタイプの薬)
の薬ですが、パーキンソン病患者が服用したと
●レボドパ製剤の服用時、急に薬の効果がなくなってしまうオフ症状を一時的に改善させる注射薬
●24時間かけて有効成分が放出され、薬の血中濃度が下がりにくい薬(徐放錠)
コムト阻害剤(エンタカポン)
め、その減少を抑える役目をします。単独でも
期はできるだけ遅い方がよいとされていました。
しかし、
いくつかの臨床報告でその仮説は否定され、
L−ドパの
ここ数年で、
パーキンソン病の治療薬には次々と新しいものが登場してきています。
ドパミン受容体作動薬(ドパミンアゴニスト)
ころパーキンソン病の症状が改善され、治療薬
として使われるようになりました。なぜ効くのか
詳しいことはわかっていませんが、副作用が少
なくジスキネジアの改善にも効果があります。
もともとはてんかんの薬でしたが、近年、パーキンソン病
の治療薬として用いられるようになりました。てんかんを
合併したウエアリング・オフ現象のあるパーキンソン病
患者が、この薬を服用したところオフ症状が軽くなること
がわかり、パーキンソン病の治療に応用されるようにな
りました。なぜ効くのかについてはまだ詳しくわかってい
ません。
薬以外の治療方法
●リハビリ療法
症状の日内変動が激しい人やふるえの強い人、薬
運動機能が障害されることで生じる筋力の低下
の効果の変動によってあらわれる筋硬直や不随意
を抑えるためのエクササイズ。
できるだけ早い段
運動を抑えるため、脳内に電極を埋めこんで電気
階からリハビリを行うのが望ましいといえます。
刺激を与えつらい症状を軽減させる手術療法。
パーキンソン病
●新しい手術療法「DBS手術」
2
薬の影響による「病的賭博」や「買い物依存」
ドパミン受容体作動薬には、衝動的に沸いてくる欲望を抑えることのできない「衝動性調節障害」
という副作用が見
られることがあります。男性に多くみられるのが「病的賭博」
といわれるギャンブル依存。もともとやらなかった人が
突然ギャンブルにのめりこみ、家庭問題や社会問題に発展することもあります。その他、買い物依存や極端な性欲
亢進が見られる場合もあります。
毎日の生活で
気をつけること。
家族がして
あげられること。
活を心がけましょう。
また、周囲の人に病気を十分理解して
パーキンソン病患者さんにとって、
家族の存在は大きな助け
もらうことも大切です。
になります。
患者さんのつらい気持ちに寄り添い、
突き放し
病気のことをあまり意識しすぎず、
できるだけ今まで通りの生
体が動きづらくなることで、
日常生活に支障が生じがちな
過ぎず甘やかし過ぎない距離を保つことが大切です。
薬の作用との関連で気になることとは
□薬の必要性を理解して、飲み忘れがないようフォローする。
レボドパ製剤は非常にすぐれた薬ですが、
病気が進行してくると欠点や副作用が現れることがあります。
ジスキネジア
ウェアリング・オフ現象
レボドパ製剤を何年間か使っていると薬
自分の意思とは関係なく、体が勝手に
筋肉に勝手に力が入ってしまい、
の効果がだんだん短くなり、薬の効かな
動いてしまう不随意運動を「ジスキネ
手足をつっぱる、震えが生じる、
い時間帯ができてしまうことがあります。
ジア」
といいます。手足がクネクネと動
両目をぎゅっとつぶってしまう、
これがウェアリング・オフ現象です。薬の
く、顔がゆがむ、口をモグモグさせて何
のけぞる、
こわばって痛みが生じ
効いているオン状態と、効いていないオ
か食べているように見えることもありま
るといった症状が現れます。
フ状態が交互に現れて、症状がよくなっ
す。ジスキネジアを生じさせないよう、
たり悪くなったりします。
薬を調整する必要があります。
食事
仕事
趣味
□散歩などに連れ出し、積極的に体を動かすよう働きかける。
□食べやすい食事と水分補給に充分注意する。
□多少動きが遅くても、患者さんのペースを尊重する。
適度に体を動かそう
その他
パーキンソン病に安静は必要ありませ
◉ 体を動かさないでいると出やすい症状
足元を明るく照らす、
ん。安静にしていると筋力が衰え、関
筋
肉
筋力の低下、筋肉の委縮
は、
そのまま続けたいも
段差をなくす、手す
のです。
大事をとりすぎ
りをつ けるなど、住
節が固くなってますます体が動かしに
関
節
関節の動きが悪くなる、関節の変形
りを与えるとともに、日常生
て病気のことばかり考え、
まい の 工 夫 で 転 倒
くくなってしまうからです。
また、
日中しっ
骨がもろくなる
(骨粗鬆症)
にするため、食材を細かく刻
活で体を動かすことによるリ
落ち込んでしまっては体
事故を防ぎます。ま
かりと体を動かして良質な睡眠がとれ
心 臓・血 管
起立性低血圧、血栓
んでとろみをつけたりスー
ハビリ効果もあります。職場
によくありません。好き
た、快適な室温調節
プやお吸い物にして食べる
に病気を理解してもらい、で
な趣味を楽しむことで、
を心 が け、ストレス
れば、翌日の症状を軽くすることも可
精
神
うつ、意識の混濁、認知機能の低下
とよいでしょう。水分を多め
きる範囲で仕事を続けるこ
心身ともにリフレッシュ
をためこまない生活
能に。
自らの意思で積極的に体を動か
消
器
食欲低下、便秘、逆流性食道炎
に摂ることも大切です。
とが望ましいといえます。
していきましょう。
を目指しましょう。
し、
良好な体調をキープしていきたいも
腎・泌 尿 器
尿路結石、尿路感染症
のです。
皮
床ずれ
便秘しやすくなるので根菜
肉体的・精神的に可能であ
今までやっていた趣味
類、きのこ類、海藻などの食
れば、仕事を続けた方がメリ
物繊維を積極的摂るのがお
ットは多いもの。気持ちの張
勧め。飲み込みをスムーズ
低たんぱく食事療法
たんぱく質を構成しているアミノ酸の摂り過ぎが、
レボドパ製剤の効果を薄めることがありま
す。それを防ぐため、朝食と昼食でたんぱく質の摂取量を減らし、
夕食で一日に必要な量のた
んぱく質を摂るのが「低たんぱく食事療法」です。薬の効き目が弱い場合のみ、医師の指導の
もとで行う食事療法です。
パーキンソン病
パーキンソン病
3
5
□患者さんの体調に気を配り、転倒事故を防ぐ生活空間を心がける。
ジストニア
4
骨
化
膚
期待が高まる最新治療∼再生医療・遺伝子治療∼
近年、
ノーベル生理学・医学賞の受賞で話題となった万能細胞「ips」は、パーキンソン病の研
究にも応用されています。動物実験では運動機能が改善したという報告もあり、治療に役立
つ可能性が期待されます。また、遺伝子治療の研究も進んでおり、今後さまざまな治療方法
が登場してくると期待が高まっています。
毎日の生活で
気をつけること。
家族がして
あげられること。
活を心がけましょう。
また、周囲の人に病気を十分理解して
パーキンソン病患者さんにとって、
家族の存在は大きな助け
もらうことも大切です。
になります。
患者さんのつらい気持ちに寄り添い、
突き放し
病気のことをあまり意識しすぎず、
できるだけ今まで通りの生
体が動きづらくなることで、
日常生活に支障が生じがちな
過ぎず甘やかし過ぎない距離を保つことが大切です。
薬の作用との関連で気になることとは
□薬の必要性を理解して、飲み忘れがないようフォローする。
レボドパ製剤は非常にすぐれた薬ですが、
病気が進行してくると欠点や副作用が現れることがあります。
ジスキネジア
ウェアリング・オフ現象
レボドパ製剤を何年間か使っていると薬
自分の意思とは関係なく、体が勝手に
筋肉に勝手に力が入ってしまい、
の効果がだんだん短くなり、薬の効かな
動いてしまう不随意運動を「ジスキネ
手足をつっぱる、震えが生じる、
い時間帯ができてしまうことがあります。
ジア」
といいます。手足がクネクネと動
両目をぎゅっとつぶってしまう、
これがウェアリング・オフ現象です。薬の
く、顔がゆがむ、口をモグモグさせて何
のけぞる、
こわばって痛みが生じ
効いているオン状態と、効いていないオ
か食べているように見えることもありま
るといった症状が現れます。
フ状態が交互に現れて、症状がよくなっ
す。ジスキネジアを生じさせないよう、
たり悪くなったりします。
薬を調整する必要があります。
食事
仕事
趣味
□散歩などに連れ出し、積極的に体を動かすよう働きかける。
□食べやすい食事と水分補給に充分注意する。
□多少動きが遅くても、患者さんのペースを尊重する。
適度に体を動かそう
その他
パーキンソン病に安静は必要ありませ
◉ 体を動かさないでいると出やすい症状
足元を明るく照らす、
ん。安静にしていると筋力が衰え、関
筋
肉
筋力の低下、筋肉の委縮
は、
そのまま続けたいも
段差をなくす、手す
のです。
大事をとりすぎ
りをつ けるなど、住
節が固くなってますます体が動かしに
関
節
関節の動きが悪くなる、関節の変形
りを与えるとともに、日常生
て病気のことばかり考え、
まい の 工 夫 で 転 倒
くくなってしまうからです。
また、
日中しっ
骨がもろくなる
(骨粗鬆症)
にするため、食材を細かく刻
活で体を動かすことによるリ
落ち込んでしまっては体
事故を防ぎます。ま
かりと体を動かして良質な睡眠がとれ
心 臓・血 管
起立性低血圧、血栓
んでとろみをつけたりスー
ハビリ効果もあります。職場
によくありません。好き
た、快適な室温調節
プやお吸い物にして食べる
に病気を理解してもらい、で
な趣味を楽しむことで、
を心 が け、ストレス
れば、翌日の症状を軽くすることも可
精
神
うつ、意識の混濁、認知機能の低下
とよいでしょう。水分を多め
きる範囲で仕事を続けるこ
心身ともにリフレッシュ
をためこまない生活
能に。
自らの意思で積極的に体を動か
消
器
食欲低下、便秘、逆流性食道炎
に摂ることも大切です。
とが望ましいといえます。
していきましょう。
を目指しましょう。
し、
良好な体調をキープしていきたいも
腎・泌 尿 器
尿路結石、尿路感染症
のです。
皮
床ずれ
便秘しやすくなるので根菜
肉体的・精神的に可能であ
今までやっていた趣味
類、きのこ類、海藻などの食
れば、仕事を続けた方がメリ
物繊維を積極的摂るのがお
ットは多いもの。気持ちの張
勧め。飲み込みをスムーズ
低たんぱく食事療法
たんぱく質を構成しているアミノ酸の摂り過ぎが、
レボドパ製剤の効果を薄めることがありま
す。それを防ぐため、朝食と昼食でたんぱく質の摂取量を減らし、
夕食で一日に必要な量のた
んぱく質を摂るのが「低たんぱく食事療法」です。薬の効き目が弱い場合のみ、医師の指導の
もとで行う食事療法です。
パーキンソン病
パーキンソン病
3
5
□患者さんの体調に気を配り、転倒事故を防ぐ生活空間を心がける。
ジストニア
4
骨
化
膚
期待が高まる最新治療∼再生医療・遺伝子治療∼
近年、
ノーベル生理学・医学賞の受賞で話題となった万能細胞「ips」は、パーキンソン病の研
究にも応用されています。動物実験では運動機能が改善したという報告もあり、治療に役立
つ可能性が期待されます。また、遺伝子治療の研究も進んでおり、今後さまざまな治療方法
が登場してくると期待が高まっています。
パーキンソン病は重症度によって公的援助がうけられます。
目安となるのはヤール重症度と日
常生活機能障害度です。
ヤール重症度が3度以上で、
日常生活機能障害度が2度以上にな
※詳しくは各市区町村の担当窓口にお問い合わせください。
11
stage
度
22
stage
33
stage
44
stage
55
11
stage
度
度
先生
stage
日常生活機能障害度
近藤 智善
ヤール重症度
度
stage
22
stage
33
度
度
度
度
【参考情報】全国パーキンソン病友の会事務局
TEL 03-5318-3075 FAX 03-5318-3077
ホームページアドレス http://www.jpda-net.org
パーキンソン病と診断された患者さんが、申請の上認定されると公費助成、介護保
険、身体障害者認定や公的サービスが受けられます。ひとりで悩まず、各市区町村
の担当窓口に問い合わせてみましょう。
また全国パーキンソン病友の会では、医療
情報の発信を行っており、
さらに患者さんや家族の相談事にも応じます。
2015年3月作成
ALL-P-53(2)
監 修
介護保険の対象となり、
障害の程度により身体障害者認定も受けられます。
リハビリテーション花の舎病院 院長
一般社団法人 パーキンソン病治療研究所 理事長
ると難病医療費助成制度の認定を受けることができます。
また、
65歳未満でも40歳以上なら
パーキンソン病と
上手につき合うには
公的援助を受ける目安とは?