第178号 (平成27年6月1日)

178
vol.
2015年6月
口腔外科医として私は、主に顎変形症を担当して
まいりました。「顎変形症」とはいわゆる出っ⻭や
うけ⼝といわれるもので、あごの⼤きさや形の異常
が原因で起こる病態です。診断後、まずは⻭列矯正
を1〜2年⾏ったのち、⼿術となります。
この治療には、かみ合わせだけでなく美容的な要
素も加わるので、最終的な顔全体のバランスを予測
して治療計画を⽴てることが重要です。かみ合わせ
は良くなっても、顔の⾒た目は改善しなかった・・
・ということがないようにしなくてはなりません。
そのため、患者さんの思いを把握するためにも十分
話し合った上で、レントゲン画像で綿密な計測を⾏
い、模型上で復元し、手術を⾏います。本当に繊細
さの要求される奥の深い分野だと、担当するたびに
思います。
⻭科部⻑・⻭科⼝腔外科部⻑
荒木 郁子
近隣の諸先⽣⽅にはいつもお世話になりありがと
うございます。このたび、大津赤十字病院 ⻭科・
⻭科口腔外科部⻑を平成27年4⽉1⽇付けで拝命い
たしました。このような大任を仰せつかり、身の引
き締まる思いです。
ご挨拶を兼ねて自己紹介をさせていただきます。
私は、平成12年に大学を卒業し京都大学医学部附
属病院・口腔外科に⼊局しました。⾆癌や⻭⾁癌等
の悪性腫瘍や顎骨異常をはじめ、全⾝疾患を持つ患
者さんの⻭科治療等の研修を⾏ったのち、京都大学
医学部附属病院・麻酔科でも1年間研修を⾏い、本
当に貴重な経験を積ませていただきました。
その後は医仁会武田総合病院、福井県⽴病院、京
都第一赤十字病院、京都大学医学部附属病院、市⽴
⻑浜病院の勤務を経て、この春大津赤十字病院へ着
任となりました。市⽴⻑浜病院在籍中には出産を経
験し、仕事と⼦育ての両⽴の大変さを痛感する毎日
です。
手術以外では、他科で手術のために入院されてい
る患者さんの手術前後の口腔内清掃指導や、絶食が
⻑期間にわたる患者さんの⾷事再開前の嚥下訓練等
に、⻭科衛⽣⼠・⾔語療法⼠とともに関わっており
ました。手術は成功したけれど誤嚥性肺炎になって
いては、チーム医療として成功ではありません。そ
のようなことがないように、他科と密な連携をとる
ことが重要となってきますので、大津赤十字病院で
もチーム医療や他科との連携はもちろんのこと、地
域の医療機関との連携も重視し、⻭科⼝腔外科の役
割を担っていきたいと考えております。
まだまだ⼒不⾜ではありますが、病院と地域医療
の発展のために全⼒を尽くす所存です。ご指導・ご
協⼒のほど、よろしくお願いいたします。
裏面は『外来紹介』です!
⻭科・⻭科⼝腔外科外来のご紹介
いつも笑顔がステキな
スタッフです!
日頃は、当科に多大なるご協力を賜りましてありがとうございます。
歯科・歯科口腔外科では、歯科医師2名、歯科衛生士3名のスタッフで、外来患者さま
の歯科治療に取り組んでおります。主に、紹介患者さまや、当院の他科で入院中の患者さ
まを中心に、有病者の一般歯科治療ならびに、口腔領域の疾患や外傷などの外科的治療を
行っております。
近年では、当院でがん治療を受けておられる患者さまの口腔に関しての相談も承ってお
ります。また、がんの手術を受けられる患者さまや、がん化学療法、放射線治療、造血幹
細胞移植術を実施する患者さまを対象に、肺炎や口腔粘膜炎を予防・軽減するための口腔
ケア・口腔衛生指導を行っております。他にも、ビスホスホネート製剤を投与予定の患者
さまの口腔スクリーニングや、投与中の患者さまの口腔管理を行っております。また、入
院中の誤嚥性肺炎を発症しやすい患者さまに対しての口腔ケアも積極的に取り組んでおり
ます。
今後も、歯科・歯科口腔外科スタッフ一同、患者さまの情報を共有し、より安全に歯科
診療を受けて頂けるよう努力していきたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろし
くお願い致します。
よろしくお願いします。