第10章 造血器 腫瘍の放射線治療

乃木坂RT2013 第10章 造血器 腫瘍の放射線治療 国際医療福祉大学病院 放射線治療・核医学センター 北原 規 造血器腫瘍 悪性リンパ腫 ホジキンリンパ腫 非ホジキンリンパ腫 皮膚T型リンパ腫 白血病 骨髄腫 1.造血器腫瘍 1)悪性リンパ腫 ホジキンリンパ腫 非ホジキンリンパ腫 皮膚リンパ腫 (Cutaneous T-­‐cell lymphoma) 2)その他:白血病,骨髄腫 悪性リンパ腫
ホジキンリンパ腫
非ホジキンリンパ腫(NHL)
皮膚T細胞リンパ腫(CTL)
2.血液
悪性リンパ腫の疫学
人種差が大 (人口10万人中、日本8人、米国20人)
20 ∼ 30才と60 ∼ 70才に多い
日本:ホジキンリンパ腫 10%、非ホジキンリンパ腫 90%
(米国:ホジキンリンパ腫が30∼50%)
日本は米国に比べ、T細胞系が多い (日本:4割、米国:1割)
国内でも地域によりT細胞系が占める割合が異なる
病因:一部の症例でEBV、HIV、HTLV-I、臓器移植、
膿胸、橋本病、Helicobactor Pyloriなど
2.血液
悪性リンパ腫一般 さまざまな原因により,リンパ系臓器だけでなく 全ての器官に発生する多様なリンパ増殖性疾患群 2001年新WHO分類が出版 予後因子: 患者に関する予後因子-­‐-­‐-­‐年齢,性,PS,合併疾患 LDH,soluble IL-­‐ϮƌĞĐĞƉƚŽƌ͕ɴϮŵŝĐƌŽŐůŽďƵůŝŶ B症状 38.5度C以上の発熱,6か月間に10%以上の 体重減少,着替える程の寝汗 リスク群別治療方針の決定 International Prognostic Index:IPI 2.血液
International prognostic factor and index Prognostic factor Prognostic index
1.年齢(>60歳) low risk
0-1
2.血清LDH(>正常値) low intermediate 2
3.PS(2-­‐4) high intermediate 3
4.Stage III or IV high risk
4-5
5.節外病変の数 (>2個) 2.血液
悪性リンパ腫一般ポイント 1.予後因子:年齢,性,PS,合併疾患 LDH, 可溶性IL-­‐2 R, ɴϮ-­‐microglobulin 2.B症状を把握 3.International Prognostic Index 造血器腫瘍のWHO分類 予後不良因子とリスクグループ 臨床病期分類 悪性リンパ腫の放射線療法 2.血液
ホジキンリンパ腫の治療推移 1962年 Kaplan らによるマントル照射/逆Y字照射の導入 ї根治治療の対象となることが示された 1969年 MOPP療法(ナイトロゲンマスタード、ビンクリスチン、 プロカルバジン、プレドニゾロン)の発表ї治癒率向上 їABVD療法:生殖機能への影響少なく、二次発癌が 低い ї無再発生存率を向上、ホジキンリンパ腫の標準療法 1980年代後半 治療に由来する数々の晩期障害が明らかマントル照射 や逆Y字照射ї二次癌や心血管障害の発生 ⇒照射野を小さく絞り、線量を低く抑え、照射野外の非 肉眼的病変は、少ないサイクル数の化学療法で治療 する趨勢 2.血液
ホジキンリンパ腫の病理分類 nodular lymphocyte predominant Hodgkin lymphoma (NLPHL) nodular sclerosis Hodgkin lymphoma (NSHL) mixed cellularity Hodgkin lymphoma (MCHL) lymphocyte-­rich classical Hodgkin lymphoma (LRHL) lymphocyte depleted Hodgkin lymphoma (LDHL) classical Hodgkin lymphoma 2.血液
ホジキンリンパ腫:Ann Arbor分類 2.血液
ホジキンリンパ腫 Cotswolds分類 ホジキンリンパ腫の治療方針
‡ 病期 IA∼IIA(予後不良因子なし):照射単独、短期化学療法+照射
‡ 病期 I∼II(予後不良因子あり): 化学療法+照射
‡ 病期 III∼IV:
化学療法 照射
•
マントル照射
•
逆Y字照射
ホジキンリンパ腫における
放射線治療の意義
1. 早期例における根治的放射線治療
現在は毒性を考慮し、短期の化学療法と小さめの範囲
照射が行われることが多い
2. 巨大腫瘤における局所再発の減少
完全寛解に達した場合でも、30-40%が再発
領域リンパ節へ照射により再発率を10-20%まで減少
3. 進行期における局所再発率の減少
完全寛解後の再発は治療前に腫大したリンパ節から
ただし、進行期における照射の意義は確立していない
ホジキンリンパ腫の治療成績 2.血液
ホジキンリンパ腫のポイント 1)かってのような大照射野の 放射線治療はすたれつつある 2)化学療法ї残存部や原発部のみに 限局して放射線治療 ї治癒をめざす方向 非ホジキンリンパ腫 Non-­‐,ŽĚŐŬŝŶ͛Ɛ
lymphoma (NHL) 2.血液
NHL(中等度悪性群)の特徴
*あらゆる臓器から発生する(脳、鼻、腸管...)
*あらゆる場所から再発する(非連続進展)
⇒ 基本的には早期例でも化学療法が中心
*発生する部位により治療法が異なることあり
節性と節外性(脳、皮膚、鼻腔 ....)
*化学療法・放射線の感受性は極めて高い
*5年以降の再発は比較的少ない
NHLになりやすい 原因薬剤や状態 NHLの予後因子 2.血液
NHL(中等度悪性群)の治療
A) 多剤併用化学療法
第1世代:CHOP療法
第2世代:ProMACE-MOPP
(非交叉耐性薬剤を併用)
第3世代:MACOP-Bなど
(治療強度の増強)
現在は、CHOP療法が標準
今後はR-CHOP療法が標準となる
(R:リツキサン)
B) 放射線療法
照射の併用で局所再発が減少
(照射野内再発は数%以下)
局所に40Gy/20回/4週間を投与
Involved-­‐field radiotherapy 眼窩原発のMALT:線量分布
4.胃
胃悪性リンパ腫 特にMALTリンパ腫 ピロリ菌除去ї改善しないものは 放射線治療 2.血液
胃原発MALTリンパ腫
‡ 化学療法の有効性は不明
‡ 照射単独で治癒の可能性が高い
‡ 低線量で制御でき、高線量では
消化管障害を生じる
‡ 現在は切除しなくてよい病気
HPの除菌
放射線治療
化学療法?
手術?
30 Gy/20回/4週間
4.胃
Marginal zone B cell lymphoma に対する放射線治療 限局期胃原発例-­‐-­‐-­‐ピロリ菌除去 その後,放射線治療単独25-­‐30Gyで 高い治癒率一般には30-­‐36Gy non-­‐bulky MALT lymphoma 25-­‐45Gyで治癒 61M, 胃MALT
4.胃
胃 MALTリンパ腫のまとめ 胃のリンパ腫(MALTリンパ腫)に対しては 胃温存の観点から放射線治療が非常に 重要となりつつある 2.血液
放射線治療の急性合併症 ‡ 放射線照射による急性有害反応 grade 3 їŐƌĂĚĞϮになるまで休止する grade 4 ї放射線治療を中止 ‡ 化療後の照射 遷延する骨髄抑制による感染症,免疫低下に よる帯状疱疹,重傷皮膚炎など ‡ BLM使用後 放射線肺臓炎の危険性が高まる 2.血液
放射線治療の後期合併症 脊髄障害:大照射野の接合に注意,10%のgapをおく 甲状腺機能低下:TSH 6か月毎に測定,低下には補充 唾液腺障害,う歯:回復しにくいので,口腔衛生管理 心毒性:アドリアマイシン投与後は心筋への照射を 13-­‐18Gyまでとする 二次発癌:ABVD治療後10年間の白血病発症は1%以下 15年間で肺癌,乳癌など固形癌は13% 脾臓照射例では二次癌の頻度が高くなる 二次発癌と心毒性による治療関連死のため系統的 リンパ領域照射は行われなくなってきた 2.血液
非ホジキンリンパ腫のポイント 1)早期例でも化学療法が中心(感受性高い)
→残存部や原発部に追加照射で治癒を
めざす(放射線感受性も高い)
2)発生する部位により治療法が異なる
節性と節外性(脳、皮膚、鼻腔 ....)
3)化療と放射線治療して治癒した後は
長期に亘る後期合併症チェック必要
菌状息肉症(Mycosis fungoides) *indolent malignancy of skin-­‐homing CD4+ T-­‐cells * early stage: limited to the skin ĂĚǀĂŶĐĞĚ͗ŶŽĚĞƐїďůŽŽĚїǀŝƐĐĞƌĂ *1806年 MFとして記載 1938年 Sezaryらがleukemic variantを発表 MFの分類 ‡ Blood 90:354, 1997 長期にわたる生存:MF ‡ NCIのSEERプログラム(2830人) 皮膚所見と病理:MF ‡ patch stage ‡ plaque stage ‡ tumor stage ‡ erythroderma MFのTNM分類 全身電子線照射:EORTC guidelines ‡ J Am Acad Dermatol 47:364, 2002 Geometry of dual field TSE 全身電子線照射時の体位 ‡ 1日に3つの体位їϮつのパターンを交互に行う 血液疾患:その他 白血病 1)小児白血病 2) 骨髄移植前の全身照射 2Gy 2回/日 3日(12Gy) 3) 腫瘤の緩和照射:20Gy程度 骨髄腫 骨折予防や疼痛除去:20-­‐30Gy前後 非常に良い効果 フィラデルフィア染色体(Ph染色体) t(9;22)、BCR/ABL
分子標的薬
Imatinib イマチニブ:
ablチロシンキナーゼ阻害剤
切断点
ABL 遺伝子
(9q34)
5·
1b
1a
2
3
4・・・・・・11
3·
BCR 遺伝子(22q11)
切断点
1
m-BCR
1¶2·
M-BCR
2 3-11
12・・・16
ȝ
m-BCR
17・・・・・23
5·
24
3·
9;22転座後(BCR-ABL遺伝子)
切断点
慢性骨髄性白血病 (Chronic myeloid leukemia; CML)の臨床経過 4
慢性期
移行期
5 6年
6 9ヵ月
慢性期
白血球数
芽球
好塩基球
血小板
骨髄の細胞性
染色体
≧20 103/ȝ/
<15%
Ĺ
正常もしくはĹ
Ĺ
Ph染色体陽性
移行期
急性転化期
3 6ヵ月
急性転化期
Ĺ
Ĺ
15 30%
>30%
≧20%
‐
ĹĻ
Ļ
Ĺ
Ĺ
Ph染色体陽性 Ph染色体陽性
イマチニブ抵抗性・不耐容の 慢性期CMLに対する治療フローチャート 同種移植の準備 T315I イマチニブ抵抗性 (Failure) イマチニブ 不耐容 点突然変異の検索 第二世代TKI 点突然変異あり ダサチニブの ニロチニブの IC50>3nM IC50>150nM ダサチニブ ニロチニブ 点突然変異なし/ 両者に感受性 病期も考慮に入れ薬剤選択 高齢者 糖尿病 高血圧 膵炎 心疾患の既往 自己免疫疾患 松村到 臨血 51;1389, 2010より改変 ニロチニブ ダサチニブ 急性白血病の治療 Total Cell Kill (全ての腫瘍細胞を根絶する)
寛解導入後療法(リスク別の治療)
寛解導入療法
地固め療法
維持療法
1012
約1kg
109
108
106
総
白
血
病
細
胞
3
数 10
再発
完全寛解
塗末標本の検鏡
血液学的
染色体検査
FISH、G-バンド
Real-time PCR
分子的
顕微鏡で白血病細胞が見えなくなる
白血病細胞
100
治癒
完全寛解(complete remission; CR)の基準(JALSG)
骨髄中
芽球≦5%
正常赤芽球系、顆粒球系、巨核球の確認
末梢血中
芽球=0%、髄外白血病病変なし
好中球≧ȝ/、血小板≧10万ȝ/
AML M3(APL)
急性前骨髄球性白血病
APL:acute promyelocytic leukemia
染色体異常: 染色体転座 t(15;17) ĺ PML-RARa 融合遺伝子
線溶系優位のDIC:出血傾向、致命的な場合がある
all-trans retinoic acid (ATRA)による分化誘導療法
高い治癒率 CR率:93%、6年OS:83.9%
染色体転座:t(15; 17)
異常染色体 正常染色体 (短腕) p 3 2 1 1 2 3 4 5 1 1 (長腕) q 2 1 2 3 4 5 6 A t(15;17)
B (第15染色体) AとBが入れ替わって 異常染色体となる p 1 1 1 2 q 2 1 2 3 4 5 B (第17染色体) A 融合遺伝子
PML-RARDの形成
(レチノイン酸受容体Į)
致死量の超大量の
抗癌剤/放射線
患者自身:自家移植
患者以外:同種移植
造血幹細胞:
骨髄
末梢血幹細胞
臍帯血
化学療法
自家移植
同種移植 HLA一致血縁 HLA一致非血縁 HLA不一致 GVHD: Graft-­versus-­host disease 移植片対宿主病 GVL効果: Graft-­versus-­leukemia effect 移植片対白血病効果 同種移植
長所
QOL良好
QOL良好
大量化学療法
再発が少ない(GVL効果)
短所
再発
再発
禿頭、不妊
QOL不良(GVHD)
治療関連死亡(GVHD、免疫能低下)
AML寛解後療法:同種移植 vs 自家移植 vs 化学療法
染色体によるリスク分類(SWOG)
Risk status
Favorable
SWOG coding
inv(16)/ t(16;16)/ del(16q),
t(15;17) with/without secondary
aberrations,
t(8;21) lacking del(9q) or
complex karyotypes
Intermediate
Normal, +8, +6, -Y, del(12p)
Unfavorable
del(5q)/ -5, -7/ del(7q), abn 3q,
9q, 11q, 20q, 17p, t(6;9),
t(9;22) and complex karyotypes
(≧3 unrelated abn)
Unknown
All other abnormalities
Slovak ML et al. Blood 96: 4075-4083, 2000
AMLの寛解後療法
成人AML(M3以外)のリスク分類
低リスク群
●CBF白血病:t(8:21)、inv(16):core binding factor (CBF) 遺伝子の異常を有する。
t(8;21):AML1/ETO融合遺伝子
(AML1=CBFD2)
inv(16), t(16;16):CBFE/MYH11融合遺伝子
※CBFD2 とCBFEはheterodimerを形成して転写因子として機能
●MPO陽性芽球比率、白血球数、寛解導入回数などによる層別化で低リスク
標準リスク群
●予後不良の染色体異常が無い
●MPO陽性芽球比率、白血球数、寛解導入回数などによる層別化で標準リスク
高リスク群
●3q、11q、5番、7番の染色体異常、hypodiploid、t(9;22)、複雑核型
●MPO陽性芽球比率、白血球数、寛解導入回数などによる層別化で高リスク
造血幹細胞移植の適応ガイドライン(JSHCT monograph Vol.6 2002 4)
日本造血細胞移植学会
AMLの寛解後療法
JALSG AML 97 試験
JALSG Score
・中間 リスク
・高 リスク
寛解導入
CR
ドナー なし
地固め化学療法
HLA一致同胞間ドナー あり
短期 地固め (3コース)
同種移植
Disease-free Survival
(同種移植)
Overall Survival
(同種移植)
(地固め化学療法)
(地固め化学療法)
中間・高リスクAMLの寛解後療法は、化学療法よりも同種移植が優れた
Sakamaki H et al. Int J Hematol 91: 284-292, 2010
AMLにおける染色体異常の頻度 ƒ11
急性骨髄性白血病(AML)の予後因子
代表的な遺伝子異常・遺伝子発現異常
・NPM1 遺伝子変異
予後良好
・CEBPA 遺伝子変異
予後良好
・c-KIT 遺伝子異常
予後不良
・FLT3-ITD 遺伝子異常
予後不良
・BAALC遺伝子過剰発現
予後不良
・ERG遺伝子過剰発現
予後不良
・NM1遺伝子過剰発現
予後不良
・FOXO3a遺伝子過剰発現
予後不良
・MLL-PTD変異
予後不良
・NRAS遺伝子変異
予後不良
・TP53遺伝子変異
予後不良
・WT1遺伝子変異
予後不良
・IDH1遺伝子変異
予後不良
NPM1
CEBPA
FLT3-ITD
BAALC
ERG
NM1
FOXO
MLL-PTD
NRAS
TP53
WT1
IDH1
Nucleophosmin(5q35)
CCAAT/enhancer binding protein, alpha(19q13.1)
Fms-related tyrosine kinase 3(13q12)internal tandem duplication
brain and acute leukemia, cytoplasmic
Ets-related gene(21q22)
meningioma1(22q12)
FOXO family(6q21)
mixed-lineage leukemia partial tandem duplication
neuroblastoma RAS viral oncogene homolog
がん抑制遺伝子
Wilms' tumor gene WT1
isocitrate dehydrogenase 1 gene
(細胞質イソクエン酸脱水素酵素1)
成人急性リンパ性白血病 (Acute lymphoblastic leukemia; ALL)
小児ALL:薬物療法の進歩により約80%が長期生存している。
成人ALL:長期生存率は20∼40%程度で予後不良。
満足できる標準的治療法が確立していない。
グループ
症例数
薬剤
CR(%)
OS(%)
263
DOX, VCR, CY,
L-Asp, PSL
78%
30%(6y)
197/
198
DOX, VCR, CY,
L-Asp, PSL
85%/82%
50%(3y)/
40%(3y)
922
IDR or DNR, CY,
PSL. VCR
84%
33%(5y)
1521
DNR, VCR, CY,
L-Asp, PSL, MTX, Ara-C, 6-MP
91%
38%(5y)
GIMEMA ALL 0288(Itary)
778
PSL, CY, DNR,
VCR, L-Asp
82%
27%(9y)
Hyper-CVAD(MDACC, USA)
288
CY, VCR, DOX,
DEX, MTX, Ara-C
92%
38%(5y)
JALSG ALL 93(Japan)
CALGB 8111/9111(USA)
LALA-94(France)
MRC XII/ECOG 2005(UK/USA)
寛解率は比較的高いが、予後が不良 ALLの寛解後療法
リスク別生存曲線(JALSG ALL93)
成人ALLの予後因子
100
予後不良因子
(t(9;22)/BCR-ABL)
年齢
t(4;11)/ALLI-AF4
>35歳
初診時白血球数
>30,000(B-lineage)
>100,000(T-lineage)
80
Probability
(%)
遺伝子・核型
CR到達までの期間 >4週間
MRD
Low-risk (n=63) :$JH:%&ȝ/
Intermediate-risk (n=97): $JHRU:%&ȝ/
High-risk (n=69) :Age ≧ 30&WBC ≧ ȝ/RU3K
Low-risk
60
Intermediate-risk
40
High-risk
20
p<0.0001
(log-rank test)
Positive/High
0
0
1
2
3
4
5
6
7 (年)
Hoelzer, Semin Oncol 27, 540-559, 2000
Takeuchi J et al. Leukemia 16: 1259-1266, 2002
Ph+ALLは予後不良
Ph=t(9;22)=フィラデルフィア染色体
染色体異常
German ALL study
成人ALLの生存予後:Ph+ vs Ph1.0
14q11-q13 転座
del(9q)/t(9q)
del(12q)/t(12q)
14q32 転座
正常核型
t(4;11)
OS
AF4-MLL
0.8
数の異常のみ
t(9;22)
BCR-ABL
0.6
Ph-
Philadelphia染色体
0.4
Ph+
0.2
0.0
0
1
2
3
4
5
6
7 8
治療開始後経過年数
p=0.0001(log-rank)
*OHLȕQHU%HWDO%ORRG-1543, 2002
Philadelphia染色体陽性ALLの年齢別頻度
day 1,2,3
8
15
22
CPA 1,200mg/m2*1
3時間点滴静注
DNR 60mg/m2*1
1時間点滴静注
VCR 1.3mg/m2*2静注
PSL 60mg/m2 経口
imatinib 600mg経口
髄注
21日間*2
56日間
MTX 15mg
Ara-C 40mg
DEX
4mg
Yanada M et al.: J. Clin Oncol. 24(3): 460, 2006
29
63
成人ALL:病型別治療
z ALL(Ph陰性ALL、非Burkitt型ALL)
寛解導入療法
寛解後療法
高リスク群
低リスク群
サルベージ療法
VCR/PSL/DNR (orADM)/L-ASP
CPA
他に Hyper-CVAD (CPA, VCR, ADM, DEX)
同種造血幹細胞移植(可能な場合)
地固め療法:Ara-C/MTXの組み合わせ等
維持療法 :6-MP/VCR/PSL/MTX等
中枢神経白血病の予防
満足できる成績に至らず
z Ph陽性ALL
寛解導入療法
寛解後療法
Imatinib と化学療法の併用
同種造血幹細胞移植(可能な場合)
z 若年ALL (15~25歳)
z Burkitt型ALL
小児ALLプロトコール?
MTX大量とCPA分割投与の短期強力療法
R-CODOX-M/R-IVAC, R-Hyper CVADなど
小児白血病 ‡ 急性リンパ球性白血病:ALL ‡ 急性骨髄性白血病 : AML 1.小児腫瘍
小児白血病:ALLの予後因子 1.小児腫瘍
ALLの治療アルゴリズム RT適応:高リスクでCNS予防の全脳照射,CNS浸潤
睾丸再発時に睾丸へ,BMT時のTBI
1.小児腫瘍
ALLの4年生存率 ‡ J Clin Oncol 14:20, 1996 AMLの分類:French-­‐American-­‐British (FAB) system RTの適応:骨髄移植時のTBI
骨髄移植の一環としての全身照射 骨髄移植を目的とした全身照射
【適応疾患】AML、ALL、CML、
再生不良性貧血、骨髄異形性症候群等
【 幹細胞の種類】
骨髄、末梢血、臍帯血
【照射線量】
2Gy/f,BIDでtotal dose 12Gy/6f
又は 2Gy/f, BIDで 4Gy/2f
全身照射による急性障害 ‡
‡
‡
‡
吐気、嘔吐、頭痛、全身倦怠感 造血機能障害 激烈な宿酔状態 日和見感染 ± ヘルペス、サイトメガロウイルス、
カリニ肺炎 ± 常在菌などの細菌感染 全身照射中の副作用 ‡ 化学療法 ± 出血性膀胱炎、心筋障害、消化管障害、
脱毛 ‡ 放射線 ± 唾液腺、腸管粘膜、口腔粘膜などの消
化管障害により、口腔、咽頭、食道粘膜
の強い炎症、悪心、嘔吐、食欲低下 ± 全身疲労、熱発、皮膚障害、宿酔 骨髄腫 ‡ International myeloma WG stage 1.小児腫瘍
晩期有害事象 知能低下:5歳前の全脳照射 (放射線治療しない例も低下) 内分泌低下:成長ホルモン 成長障害 二次発癌:3∼12%(5-­‐24年) 4.ABVD療法(ABVd療法) 2.DHAP療法 DPHA療法の適応症例 DPHA療法の投与スケジュール 3.EPOCH療法 EPOCH療法の適応症例 EPOCH療法の投与スケジュール AVBD療法の適応症例 AVBD療法の投与スケジュール