大阪教育大学 Moodle2014 の運用 情報処理センター 尾崎 拓郎 [email protected] 1 はじめに 近年,ネットワーク通信の高速化やインフラ整備が進んできたこともあり,ネットワークを土台とした授業 も多々展開されるようになってきている.大阪教育大学(以下,本学と記す)においても e-Learning サイトや その土台となる学生ポータルサイトも開設しており,学習者にとって,いつでもどこでも学習用コンテンツに アクセスできる環境が整備されつつある.最近では,スマートフォンやタブレット端末といったいわゆるス マートデバイスの普及に伴い,学習者が個人的に所有している端末を利用した学習活動も展開されるように なってきている. 本稿では,現在本学で運用している e-Learning サービスのうち,Moodle について取り上げ,その運用につ いて述べる. 2 大阪教育大学 Moodle2014 2008 年度より試験運用を開始した大阪教育大学 Moodle であったが,当時のシステムには,Moodle 1.9 を 利用していた.Moodle 1.9 では,フォーラムに複数のファイルをアップロードできないことや,添削課題ファ イルを学習者に返送できないといった問題点が存在した. Moodle 2.x では,前述の問題が解決していることに加え,多くの機能改善がなされている.ここでは,実際 に 2013 年度より導入した Moodle 2 で加わった機能を紹介する. •「課題」のオフライン採点(2.4) • 課題等を.zip ファイルでダウンロードする際に,日本語ファイル名でも可能になった.(2.4) • 入力画面の簡素化(2.5) • アドオン(追加プラグイン)が Moodle のサイト上でインストール可能に(2.5, 管理者向け) • レスポンシブデザインの導入(パソコン,タブレット端末,スマートフォン等にも対応)(2.5) • バッジの利用(2.5) ・・・ 進捗具合を確認できる. • 成績一覧のスクロールが柔軟に(2.8) その他,次に示す機能を持ち,課題提示や提出,出欠管理,アンケート調査も行うことができる. • リソース リソースは資料置き場という位置付けである. – URL・・・URL のリンク提示 – ファイル・・・教師がアップロードしたファイルがダウンロードできるようになる – ページ・・・簡単な Web ページやテキストを作成,閲覧できる. • 活動 課題機能では,教師がレポート等の課題を,学生に提出させたり,意見を入力させたりする機能があ る.本機能には採点・評価を行うことができるものが多い. – フィードバック・・・名前がややこしい.アンケート調査が可能である. – フォーラム・・・いわゆる掲示板.クラス内で意見交換をするのに有用. – 課題・・・何かしらのファイルを提出できる.期限を設定もできるので,レポート課題にお薦め. – 小テスト・・・オンラインで試験・課題を行うことができる.文法が難しいが,うまく記述できれ ば解答の自動採点も行うことができる. なお,課題は次のようなときに利用すると良い. – Moodle 上で文章を書いてもらい,提出する. – 何かしらのファイルを提出する. – Moodle で評価を行う(点数・ルーブリック評価シート代わり). – 授業の出欠カードの役割を Moodle で行う. 2.1 端末の対応 従来は PC で閲覧を行い,課題に取り組むことを想定していた Moodle であったが,レスポンシブデザイン の導入や,スマートフォンのネイティブアプリ化等の動きもあり,スマートフォンやタブレット端末からでも 柔軟な閲覧が可能となっている. 3 統計情報 簡単な統計情報を報告する.2015 年 2 月末時点で,大阪教育大学 Moodle2014 に登録されているコース数 は 80 であった.なお,1 つ以上のコースを開講している教職員数は 22 人であった.なお,すべてのコース開 講をしている教職員の作成しているコース数は 10 コース以内であった.教職員によっては,7∼10 コース程度 作成している方もおられた. 学生の登録数が多いコースは一番数値が大きい物から順に,849 人,404 人,364 人,285 人,224 人となっ ていた.小規模なゼミで活用していたり,就職支援活動,授業資料置き場等,教職員によって利用方法は様々 であった.なかでも,教員採用試験対策講座のアクセスは 2014 年度,2015 年度合わせて 1,000 人を超える登 録者となっており,本学において非常によく利用されていることがわかる. 4 おわりに 約 7 年近く運用を続けている本学での e-Learning プラットフォームであるが,登録コース数から,まだま だ普及しているとは言いがたい.教員の授業資料提示やレポート回収の作業の簡便化を図るためにも学内講習 会等を定期的に開催し,更なる普及を目指したい. なお,Moodle のログイン方法は次のとおりです.次の本学のトップページから,次のリンクをたどって下 さい.学内構成員であれば,普段お使いのユーザー ID でログイン可能です. 【大学トップページ】 → 【在学生・保護者の方へ】 → 【e ラーニング】 → 【Moodle(2014∼)】 参考文献 [1] 大阪教育大学 Moodle2014, http://moodle2.osaka-kyoiku.ac.jp/ [2] Moodle, https://moodle.org/
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