ソフトウェア GNSS 環境を用いた受信機開発

ソフトウェア GNSS 環境を用いた受信機開発
GNSS receiver development using the software GNSS environment
最上谷真仁
末武雅之
近藤徹
今村祐輔
山腰智之
西出 隆広
Masahito Mogamiya Masayuki Suetake Toru Kondo Yusuke Imamura Tomoyuki Yamakoshi Takahiro Nishide
株式会社コア
CORE Corporation
1. はじめに
GNSS の近代化・多様化に伴い、製品化をする上では、
PC 環境でスピーディな検証を行い、その後組み込み機器
への移植といった流れを作ることが必要であると考える。
その為弊社では独自のソフトウェア GNSS 環境を構築し、
GNSS 技術の検証、研究を行っている。
検証、研究段階では、すべての機能をソフトウェアで
実現するのだが、最終的な目的を組込み型受信機とし、
HW に移植をする機能と、SW で実装する機能を明確化し開
発を行っている。
GNSS ベースバンド層
Search Engine
Correlator
3. 研究成果
Front End
Correlator制御
また、ソフトウェア GNSS 環境では、新たなアルゴリズ
ムなどの検証も行っている。
ここでは、その成果の 1 つとしてマルチパス軽減アルゴ
リズムの成果を以下に示す。
データ
output
FPGA
OS
CPU
GNSS アプリケーション層
User I/F
Tracker
PVT
図 3 LEX デコード性能: Elevation vs Symbol Error
想定通りの性能が移植後でも確認出来ており、実運用上
問題ない性能である。
Baseband Manager
Monitor
Data Base
Decoder
GNSS フレームワーク層
スケジューリング管理機構
タスク間通信機構
図1
外部入出力
組込み化イメージ
2. 実績
ソフトウェア GNSS 環境で検証を行った機能を組込み基
板上の FPGA 及び CPU に移植し、組込み型受信機での動
作確認、性能評価を行っている。
図 2 組込み環境 検証用プラットフォーム
実際に L1C/A、L2、LEX(L6)などの機能を移植している
が、直接 FPGA+CPU に機能を実装する今までの手法に
比べ、効率的に作業を進める事が出来ている。
以下の表、図は、LEX デコード機能を移植し性能を評価
した時の結果である。
表 1 LEX デコード機能 Frame Error Rate
Frame Error Rate [%]
Antenna
> 30°
30-20°
20-10°
<10°
Novatel
Trimble
0
0
0
0
23
16
79
40
図 4 マルチパス軽減アルゴリズム効果確認
図 4 は、コリレータ出力を周波数軸にて操作し、マルチ
パスの影響を軽減した時の測位結果(赤)とマルチパス対策
を何もしない時の測位結果(黄)を比較したものである。マ
ルチパス軽減アルゴリズムにより、測位精度の改善を確
認できる。
4. 今後の予定
システムの多様化に向け、様々な信号に対応する予定で
ある。
また、センサ情報と GNSS 技術を融合し、独自の推測航
法アルゴリズムの確立を進めている。