5月 - さいたま市立大谷口中学校

平成 27 年度 5 月号
平成 27 年 5月1日
さいたま市立大谷口中学校
[学校教育目標]かしこく
美しく
たくましく
根 気 強 さ
校 長 千 葉 和 博
校地内のあちこちに色とりどりの花が咲いています。
新学期が始まり約 1 ヶ月が経とうとしています。保護者の皆様、地域の皆様には、本校の教育活動にご
理解、ご支援をいただきまして、心より感謝申し上げます。お陰様で、順調なスタート切ることができま
した。
さて、1 年生の皆さんは、中学校の生活に慣れるのに精一杯でしょうが、日に日に大谷口中学校の制服
やジャージが似合ってきています。また、仮入部した部活動での練習や教室での授業の様子などから、新
しい生活への意欲やひたむきさが伝わってきます。どうか、この時期の新鮮な気持ちをいつまでも忘れず
にいて欲しいと思っています。
2年生の皆さんは、
「偉そうな先輩」ではなく、
「頼られる先輩」になるべく、部活の用意から片付けま
で、1 年生と一緒にやりながら教えてくれていると思います。後輩は先輩の姿を良く見ています。口ばか
りの先輩のいうことなど聴けるはずがありません。一生懸命やっている先輩の姿についてくるはずです。
3年生の皆さんは、授業やその他の活動にも意欲的で、正に大谷口中学校の代表としてふさわしくなっ
てきました。このプライドを忘れずに、全てにおいて、後輩たちの手本になり、さらに大きく成長して欲
しいものです。
話しは変わりますが、皆さんは『青の洞門』の物語(恩讐の彼方に・菊池寛)を読んだことがあります
か。あらすじは、罪を犯した男(市九郎)がその罪滅ぼしのための修行の途中、豊前(大分県)の鎖(く
さり)渡しといわれる難所を通りかかり、村人から一年で十人ほど命を落としているとの話を聞き、罪滅
ぼしに絶壁をくりぬいてトンネル(青の洞門)をつくったという話です。
掘り始めて、一年経っても3m ほどの穴しかできず、約370m ほどもある絶壁をくり抜くには、何
十年かかるかわからぬと村人はあざ笑って、だれも力を貸そうとしませんでした。ところが、その男はま
ったく気にせず、
「何年も掘り続ければ必ずいつかは貫通するはず」と根気よく掘り続けていたのでした。
そして、十八年の歳月が流れました。しかし、まだ、二分の一を掘ったにすぎませんでした。男の顔は青
ざめ、目は落ちくぼみ、やせ細っていました。この頃から村人も男の根気に感心して助けるようになり、
奉行所も三十人ほどの石工に手伝わせました。ところが、工事が順調にいくかに見えたのですが、ここで
新たな問題が持ち上がったのです。かつてあやめて(殺して)しまった主人の子どもが成長して、親の仇
を討つためにやってきたのでした。石工たちは、完成まで仇討を待ってくれるように頼みました。その主
人の子どもも仇討の期日を早めるために、工事を手伝いました。そして、苦労を共にするうちに、男の根
気強さや、やり遂げようとしていることの大きさに感心してしまいました。そして二十一年目を迎え、工
事はついに終わり、完成した時には互いに手を取りあって喜ぶ関係になっていました。まさに恩讐の彼方
に恨みは消えてしまったのでした。
この物語から様々なことを学ぶことができます。コツコツ根気強く取り組めば、たいがいの事はやり遂
げられることや、何か一つのことに打ち込む姿に、人の心も動くものであることを教えていると思います。
みなさんは、勉強や部活動で「こうなりたい」という姿がありますね。そのなりたい姿を目指して、日々
頑張っているのだと思います。それを続けることは、とても簡単なことではなく、ややもすると楽な方へ
流れてしまいがちです。そこを、踏ん張って、諦めずに根気強く頑張り、やり抜くという気概が欲しいと
思っています。