H27 分科会研究題・研究の視点

・第1分科会
「教育課程」
(担当
防府地区
提案者
大道中学校長
【研究協議題】
「生きる力」を育成する教育課程の編成・実施・評価
~ 小中連携の取組をとおして ~
品川
典之)
【解説】
今日、教育現場では、いじめ・不登校・社会性の低下など、教育の根幹を揺るがす課題が山積
している。また、小一プロブレムや中一ギャップに見られる異校種間の接続に係る課題に対して
もその解決が強く求められている。
このような中、子どもの学びと育ちの連続性を考え、小・中学校の連携を深める教育課程の編
成は、これらの教育課題の解決への糸口となると考える。校長は現状を把握するためのアンケー
トや調査結果を分析し、綿密な計画を立て、組織をあげ、強いリーダーシップを発揮して課題解
決にあたらなければならない。
防府市中学校校長会では、「小中連携の取組をとおして」を副題に設定し、昨年度から市内 11
中学校が4部会に分かれて実践研究を進めてきた。
今年度は、昨年度の課題を解決する過程で新たに生じた問題に校長としてどのように対応した
か、また、編成・実施した教育課程の評価についての新たな取組を研究することにした。
【研究の視点】
○ 学びと育ちの連続性を生かした取組
○ 共通点、相違点を生かした取組
○ 組織づくりや人材活用を生かした取組
・第2分科会
【研究協議題】
「学習指導」
(担当
萩・阿武地区
提案者
相島中学校長
山縣賢夫)
生涯にわたり学習する基盤を培う「確かな学力」の定着と向上
~小・中連携や地域連携を生かした取組をとおして~
【解説】
生徒たちが生きていく未来は知識基盤社会の進展とともに、グローバル化が一層進む変化の激
しい社会であることが予想される。このような社会をたくましく生き抜くためには基礎的、基本
的な知識・技能やそれらを活用する力、さらには自ら学ぶ意欲を高めることが欠かせない。
萩・阿武地区の中学校は全17校であるが、萩市中心部の2校以外は山間部、島嶼部等にある
小規模校である。特にその内の6校は校長が小学校と中学校を兼務する併設校である。規模や立
地によって連携の仕方は異なるが、すべての中学校が小学校と密接に連携している。また、コミ
ュニティ・スクールとしての取組を進めており、地域との連携も密接なものとなっている。この
ような縦や横の連携を生かしながら、校長がリーダーシップを発揮し、全校体制で組織的な学習
指導を実践していくことにより、生徒一人ひとりの「確かな学力」の定着と向上をめざすための
研究を進めていきたいと考えている。
【研究の視点】
○ 9年間を見通した研修体制づくりの手立て
○ 家庭での学習習慣を確立するための手立て
○ コミュニティ・スクールの機能を生かして地域の多様な教育資源(ヒト・モノ・コト)を活
用するための手立て
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・第3分科会
「道徳教育」
(担当
下関地区
提案者
垢田中学校長
【研究協議題】
心に響き、心を耕す道徳教育の充実
~「道徳の時間の教科化」を踏まえた学校づくり~
酒井
宏高)
【解説】
道徳教育を通じて育成される道徳性は、「豊かな心」はもちろん、「確かな学力」や「健やか
な体」の基盤ともなり、児童生徒一人ひとりの「生きる力」を根本で支えるものである。また、
道徳教育は、個人のよりよい人生の実現はもとより、国や社会の持続的発展にとっても極めて
重要な意義をもっている。
国においては、道徳教育の充実を図るため、道徳の時間を教育課程上「特別の教科 道徳」
(仮
称)として新たに位置付け、道徳教育の趣旨を踏まえた効果的な指導を学校の教育活動全体を
通じてより確実に展開することができるよう教育課程を改善することしている。
こうした中、道徳教育を一層充実させていくためには、各校において、その実情や課題を踏
まえ、教科化に備えた計画的かつ具体的な準備を進める必要がある。
下関市中学校長会としては、現在、市内で共通に実践している「コミュニティ・スクール」、
「互見授業」「小中連携」等も効果的に活用しながら、次の3つの視点で、教科化を踏まえた道
徳教育の工夫改善を試みることとする。
【研究の視点】
○ 教科化に対応した学校組織づくり(CS の取組を含め)
○ 「私たちの道徳」の効果的な使い方
○ 道徳教育推進教師の育成と教職員一人ひとりの授業力の向上
・第4分科会
【研究協議題】
「健康教育」
(担当
山口地区
提案者
秋穂中学校長
嶋岡
博昭)
健やかな身体の育成と体力の向上を図る教育の充実
【解説】
近年の社会や環境の急激な変化は、私たちの生活の広範囲におよび、それにともなって衣食住
はおろか、生活の仕方自体も大きく変化しその多様化も進行してきている。それは、子どもた
ちの健康を取り巻く環境にも大きく影響を及ぼしてきている。
例えば、核家族化の進行は地域の共同体意識を薄くさせ、子どもが安心して外で遊べる環境を
奪ってしまっている。また、情報化の波に乗った情報機器の濫用は、外で仲間と体を動かして
遊ぶ機会を奪ってしまったように見える。
そこで、18校で構成される本市中学校長会では、「健やかな身体育成部会」と「体力向上部
会」に分かれ、「健やかな身体育成部会」では、「健康という視点からの情報機器とのつきあい
方」を、「体力向上部会」では、「地域と共に創るという視点からの子どもの体力向上」を研究
していくことにした。
【研究の視点】
○ 健康という視点からの情報機器とのつきあい方
○ 地域と共に創るという視点からの子どもの体力向上
○ 地域コーディネーターを活用した取組の推進
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・第5分科会
「キャリア教育」
(担当 柳井地区 提案者 大畠中学校長 窪田 雅明)
【研究協議題】
未来を切り拓くためのキャリア教育の視点に立った進路指導の充実
~立志の教育 「しなやかさ」と「なごやかさ」を育てる~
【解説】
平成26年12月に発表された中央教育審議会答申で、大学入試の抜本的改革が打ち出された。子ども
たちにせまる新しい時代に通用する力を育む教育改革が待ったなしとの指摘に大きな責任を感じるのは皆同
じであろう。答申の中で、社会で自立して活動していくために必要な力という観点からとらえ直した学力の
三要素の再定義は、まさにキャリア教育の視点からのとらえ直しとも言えよう。
柳井地区では、夢や目標をもち、
「しなやかさ」と「なごやかさ」を兼ね備えた社会人・職業人として自
立できるよう、必要な基礎となる能力や態度を育成することを通して、一人ひとりの自己実現を促していく
とする“柳井市のキャリア教育”に取り組んできた。
これまでの実践を踏まえ、以下の3つの視点から、研究協議題にせまる校長の役割について研究を進め
ていきたい。
【研究の視点】
○ 体系的、組織的なキャリア教育の推進
○ キャリア教育の視点で見直した授業スタイルの確立と共有化
○ 学校・家庭・地域が一体となったスクール・コミュニティによる人づくり
・第6分科会
【研究協議題】
「生徒指導」
(担当 周南地区 提案者 太華中学校長 小山義記)
自己肯定感や達成感のある豊かな学校生活を築く指導の充実
~生徒指導の3機能を生かした教育活動~
【解説】
周南市では、
「確かな学力の育成」のために、生徒指導の3機能(
「自己決定の場を与える」
「自己存在
感を与える」
「共感的人間関係を育成する」
)を生かした授業づくりを「確かな学力の育成」のために推進
している。
市校長会では、授業づくりの場面だけでなく、様々な教育活動において、生徒指導の3機能を生かす場
面や方法を研究することで、生徒の自己肯定感や達成感のある豊かな学校生活を築く指導の充実を図って
いきたいと考える。
そこで、これまでの特色ある教育活動により、市内15校を「授業づくり」
、
「異校種との連携」
、
「地域
・家庭との連携」にグループ分けした上で、それぞれのグループの代表校を核に、生徒指導の3機能を生
かした具体的な教育活動の場面やその方法を研究する。
研究に際しては、校長のはたらきかけを主眼とするとともに、市内全小・中学校が指定を受けているコ
ミュニティ・スクールの強みも生かしていきたい。
【研究の視点】
○ 生徒指導の3機能を生かした授業づくりの在り方
○ 異校種との連携の在り方
○ 地域・家庭との連携の在り方
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・第7分科会
「現職教育」
(担当
岩国地区
提案者
灘中学校長
【研究協議題】
質の高い教育を実現するための人材育成の推進
~信頼に応えられる教員の育成をめざした校長の取組~
升本
雅巳)
【解説】
学校を取り巻く環境は、今後急速に変化することが予想され、また、教職員の大量退職を迎え
ることから、これまで以上に、教育に対する高い意欲と指導力を有する教職員の育成はもとより、
経験豊かなベテランの教職員の知識や技能を若手の教職員に継承する体制づくりなど、今日の教
育現場において人材育成は喫緊の課題である。
質の高い教育を実現するための人材育成を研究する。特に、信頼に応えられる教員の育成をめ
ざした意図的・計画的な校長の取組について考える。
校長としての視点は、①人材育成に向けて、現在と将来、組織と個人、能力と意欲に対して
の方策と②教員の育成をめざした意図的・計画的な場づくりである。校長としての働きかけは、
「若手」「中堅」「ベテラン」のキャリアステージに応じて意図的・計画的に仕組んでいく。そ
の働きかけを、「①仕事で教師を育てる」「②管理職や先輩で教師を育てる」「③職場で教師を育
てる」「④評価で教師を育てる」「⑤生徒・保護者によって教師を育てる」「⑥外の風によって教
師を育てる」の六つの場面で具体的に実践して研究を深めたいと考える。検証は、教職員や生徒
へのアンケート調査等の学校評価などのデータで実施する。
【研究の視点】
○ 教員の育成をめざした意図的・計画的な校長の働きかけ
○ 課題解決に向けてのキャリアステージに応じた具体的な実践
○ 検証と成果と課題の把握
・第8分科会
【研究協議題】
「学校経営」
(担当
光地区
提案者
大和中学校長
神村
信男)
時代の要請に応える学校経営の充実
~学校、家庭、地域と連携した防災教育の取組~
【解説】
防災教育のねらいは、「『生きる力』をはぐくむ学校での安全教育」(文科省、2010)に示され
た安全教育の目標に準じて、次のような3つにまとめられる。
ア 自然災害等の現状、原因及び減災等について理解を深め、直面する災害に対して、的確な思
考・判断に基づく適切な意思決定や行動選択ができるようにする。(能力の育成)
イ 地震、台風の発生等に伴う危険を理解・予測し、自らの安全を確保するための行動ができる
ようにすると共に、日常的な備えができるようにする。(災害に対する備え)
ウ 自他の生命を尊重し、安全で安心な社会づくりの重要性を認識して、学校、家庭及び地域社
会の安全活動に進んで参加・協力し、貢献できるようにする。(生命尊重と人間関係づくり)
光市内の中学校では、光市教育委員会や学校運営協議会と連携し、生徒の発達段階を考慮しな
がら、関連する教科、総合的な学習の時間、特別活動などで防災学習を実践している。それぞれ
の行事や活動に対する校長の働きかけとその成果及び課題について述べることで、山口県の子ど
もたちを守るための防災教育の在り方を探りたい。
【研究の視点】
○ 災害に対応する能力の捉え
○ 日常からの安全確保と災害時の備え
○ 安心安全な社会づくりにおける学校の役割
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