Taro-p1 巻頭言.jtd - 後志教育研修センター

~ 主 な 内 容 ~
1.巻頭言
2.調査研究委員会から
3.実践の広場
4.学校紹介
5.保健室から
6.コラム&エッセイ
7.研究団体紹介
8.研修センター日誌
№137
2006.2月号
後志教育研修センター所報
(1)
総合的な学習 『新聞社見学』(第2学年)
岩内町立岩内第二中学校
さらなる成果を地域と共 に
後 志小 中 学 校 教 頭 会
会 長
佐 藤 尚 武
いずれの学校においても学校評価の真っ直中で あると
思 い ます。昨年十 月の中 央教育審議会の答申を 待つまで
もなく 、内部評価を実施し、それを 公開することや外部
評価に代表さ れる 保護者、地域の方々 の協力を 得て 、よ
り よ い 学 校 づ く り を 進 め る 姿 勢 は 、学 校 に お いて 、 も は
や 不 可 欠 の も ので あ り ま す 。
こ れ まで 教 育 現 場 に お いて は 、 地 域に 子 ど も たち の 成
長や 活動のよ さを 主体的に発信することに 対して 、それ
ほど 積極的で なか ったり、必要性を 感じて いなかったり
という傾向がありました。また、教育を受ける側の意識
に立って 、教育の理念や方策を構築することに欠けて い
た感もあり ます。そのことが、教育の閉鎖性や画一性と
い う 指 摘 に 直 結 し て い た 要 因で あ ろ う と 思 う の で す 。
後志管内各地に は 、確かな学力や豊かな心、健や かな
体を 育み 、 地 域を 生 か す 特 色 ある活 動や 素 晴ら し い実 践
が 数多く あり ます 。今こ そ、学校として 、学年・学級と
して 、あ る いは 、各係担 当と して 、教職員 一人一人が自
校の教 育活動のよさを 改めて 確認し、アピールして いく
こと が求められて い ます。そのような具体的なよさやそ
の 発 展を 追求する 姿 勢を 評 価規準と して 、外部 評価や 対
話に 努め 、教育 活 動を 地域の理解と 協力を 得て 展開して
い き た いと 考 え る か ら で す 。
教育活動へ のさら なる成果を求め、校内研修はもとよ
り 、後志 教育研修センター並びに、後志教育研究会事業
などの 充実を図 り、私 たち の学校力、教師力を高め、子
ども たち の人 間力を 豊かに育てていきたいもので す。
平成17年度 調査研究事業の報告
《学習指導研究委員会》
昨年度は,
「管内各校アンケート調査と考察」と「前年次の研究」を受け,「研究主題」
「研究仮説」
「研究の視点」など,研究の概要を整えました。
本年度は,それらを見直し,よりよく修正を加えていくために,理論の構築と具現化された検証授
業作りに重点をおき,研究を推進していきました。
研究主題 基礎・基本を大切にした学習展開と評価の工夫
目指す子どもの姿 基礎・基本を身に付け,それを進んで次の学びや生活に生かそうとする子ども
研究仮説
基礎・基本を明らかにし,それを生かした学習展開の工夫と,計画的な評
価との一体化を図った学習活動を行うことにより,
意欲的に学習に取り組み,
身に付けた基礎・基本を進んで次の学びや生活に生かそうとする子どもを育
てることができる。
3つの視点は,それぞれに
かかわりあっています。
○指導計画(Plan),
○授業(Do),
○評価(Check)
があり,それらを常に見直し
ていくこと(Action)
が,よりよい授業へ,子ども
たちの伸びへとつながってい
くことになります。
視点1(Plan)
基礎・基本を明確に位置付け,効果的な指導を進
めるための指導計画の工夫
(Action)
視点2(Do)
基礎・基本を重視し,意欲的な学びを促す
問題解決の場面設定や指導方法の工夫
「意欲・関心・態度」
を高めるために
など
視点3(Check)
一人ひとりの学びを共感的にとらえ,観点や場面
・方法を明らかにした指導改善に生かす評価の工夫
「思考力・判断力」
を高めるために
など
「思考力・判断力」
を見取るために
など
今年度発行される中間報告書№79に,上記についての詳しい理論や実践例が掲載されます。ぜひ,
お読み頂き,皆様方のご意見をお待ちしております。
次年度は3年次目となり,本研究のまとめです。実践検証を軸として,研究を推進していきます。
<心の教育に関する研究委員会>
【はじめに】
本研究委員会は、子どもたちの豊かな人間性
や社会性を育成するために、日々の授業の中で
具体的にどのようなアプローチ(指導方法の工
夫)が考えられるかを、授業実践を通して検証
することを目的として、昨年度より3カ年計画
で研究を進めてきました。
これまでは、教科・特別活動・総合などで授
業実践を行ってきました。しかし、今日の社会
情勢や教育現場での子どもたちの実態を踏ま
えた上で、委員会として、より直接的な「心の
教育」を重視していく必要性を感じ、今年度よ
り「道徳」での授業実践を通して、検証してい
くこととしました。
【研究主題】
『自らの思いや願いを心豊かに表現する力を
育む~「自己の確立」と「共生・共創」の教育
活動を通して~』
●キーワードのおさえ=めざす子ども像
『自己の確立』~「自分の考えや意見を持つ」
「自分の良さに気付く」
「自分の生き方を高める」
『共生・共創』~「相手の存在を意識する」
「立場の違いを理解する」
「お互いの良さを生かし
共に高まる」
【研究内容・視点】
道徳で検証するにあたって、
『道徳における
指導方法の工夫』
『自己の確立・共生・共創の
場づくり』という研究内容の視点をより具体的
なものにしました。
(研究の視点①)学習に対する意欲を高める教
材との出会いや単元構成の工夫
※ジレンマ教材を活用
(研究の視点②)子どもの思考や友達とのかか
わりを広げる学習過程や教師の支援の工夫
(研究の視点③)子どもの良さや可能性を共感
的・継続的にとらえ、次の学習や生活に生かす
評価の在り方
【平成17年度の授業実践から】
●検証授業①『かんけり』9/26(月)
内容項目:「公正・公平」「規則遵守」「思いやり・親切」
倶知安町立倶知安小学校 3年2組
授業者:山下 秀一所員
●検証授業②『二つの約束』10/19(水)
内容項目:
「規則遵守」
「信頼友情」
倶知安町立東小学校
3年1組
授業者:芳川 卓巳所員
●検証授業③『だれのために?』11/30(月)
内容項目:
「思いやり・親切」
「規則遵守・公徳心」
倶知安町立北陽小学校
3年1組
授業者:中村 和男所員
【研究の成果】
●自分の考えをしっかり持つために!<自己の確立の場>
<学習素材・学習過程の工夫>
『かんけり』→事前にかんけり遊びで導入
『二つのやくそく』→約束の経験の発表
『だれのために?』→休み時間という想起しやすい場面設定
<教材作りの工夫>
『かんけり』→ぺープサートの活用
『二つのやくそく』→2段階に分けて資料提示
『だれのために?』→絵、具体物の活用
●友達の考えと比較検討しやすいように!<共生・共創の場>
<学習過程の工夫と教師の支援>
『かんけり』
『二つのやくそく』→ネームプレート
『だれのために?』→紅白帽を使って立場の明確化
<教材作りの工夫>
『かんけり』
『二つのやくそく』→ゆさぶり発問
『だれのために?』→ゆさぶり発問、役割演技
【次年度に向けての課題】
●授業における道徳的価値項目の扱い
(多様な考え方→絞り込み・価値付け)
●授業実践検証の積み上げ(中学校)
●道徳の時間における評価の在り方
《
社会教育研究委員会
》
本研究委員会では、家庭、学校、地域、職場、行政が一体となって連携し、親子の「学び」と「育
ち」を支援し、家庭の教育力を向上させていくことが、豊かで住みよいまちづくりにつながることか
ら、家庭教育がその中核としての機能を果たしていくための方策などを理論的・実践的に研究するこ
とを目的とした。
調査研究期間は平成 16 年 4 月~18 年 3 月の 2 ヵ年継続研究とした。
平成 16 年度の調査研究は各種研修会・ブロック会議等で家庭教育支援を推進する必要性と背景の把
握をし、概念を明確にし、問題点の整理と課題把握に努めた。
平成 17 年度の調査研究は 1 年次目で明確化された課題解決及び 1 年次目のまとめを踏まえ、ネット
ワークを生かした家庭教育支援事業の方向性について検討した。
【
平成 16 年度社会教育部会調査研究で把握した課題
】
□関係機関・団体との連携が不十分なため、今後は住民との関係づくりにさらに取り組む必要がある。
□協議会運営等の基盤整備が必要である。
□縦割り行政から横断的体制をもった行政システム作りを検討する必要がある。
□学校・PTA 等との関係機関との連携を強化する必要がある。
研
①
②
③
④
⑤
【
究
平成 17 年度社会教育部会調査研究の内容について
の 視 点
社会教育に求められている家庭教育の支援のあり方
市町村における家庭教育支援の現状と課題の把握
課題解決に向けたネットワークのあり方
ネットワークをいかした学習プログラムの開発
事業の具体化と評価
調査体制
研修センター
所員
4 名
】
後志社会教育主事会
・北後志ブロック
・岩 宇ブロック
・山 麓ブロック
・南後志ブロック
【2年次目の調査研究の方法】
各研修会・ブロック会議等で課題解決のための学習会を深め、家庭教育を支援する必要性とそ
の背景をとらえ、対象者を明確にし事業展開を行う。
基本的な流れ
課題解決のための目標設定
→
状況の把握・整理
結果分析・考
→
推進する必要性と背景の把握(理論研究)
察
→
ま
と
め
( ま と め )
少子化が年を追うごとに加速している昨今、誰もが安心して子供を産み、育てることができる
地域環境の整備が必要であり、子供たちを社会の一員として自立させるために、学校・家庭・地
域がそれぞれの役割と責任を認識しつつ、子供に向き合っていく必要がある。
現代の社会情勢や地域の実態に即した、家庭教育支援関係機関や団体等をハブとした意図的、
組織的に作り上げる、新しいスタイルのネットワークを形成することが急務である。
※詳しくは、後志研修センター社会教育研究委員会発行の H17 年度中間報告書・紀要 No80 をご覧頂きたい。
◆
各種研修等
・H.17.6.2
・H.17.6.16~17
・H.17.6.24
・H.17.11.10~11
・H.17.12.1~2
・H.18.3.1
第 1 回後志管内社会教育主事等会議
道央ブロック社会教育研究協議会
後志研修センター社会教育研修講座
全道社会教育主事等研修会
第 2 回後志管内社会教育主事等会議
第 3 回後志管内社会教育主事等会議
教諭 宮 村
直 人
寿都町立寿都小学校
~価値ある活動を目指して~
『総合的な学習の時間の取り組み』
一.はじめに
が○○になってほしい」とい
う形で、自分達の願いを何度
も子ども達に問いかけながら
徐々に課題を作っていきます。
そして、出てきた課題の内容
についてリサーチ活動をし、
安易な考えのもとで行っていたような気がします。
験し、その中から学ぶものがあれば、という程度の
た。教科書のない学習…まあ、とにかくいろいろ体
をやってもよい時間」というような考えがありまし
然と見出すことができるものと考えます。この課題
も 達は 活動 に 対 す るビジ ョ ンや 活動 の ゴ ー ルを 自
らです。そうやって課題を決定していく中で、子ど
必 要 の な いこ と を して い る の で は も っ た いな い か
ます。せっかく活動しても、
活動の価値があるのか確認し
どんな学習にも、必ず「学び」がなければいけま
作 り の 活 動 が 、 他 教 科で の 活 動 に も 生 き て い ま す 。
「総合的な学習の時間」が導入された頃、正直「何
せん。そして、その学習で何をするのかという「課
題」が当然設定されてなければいけません。その課
時間)の実践から「課題作り」と「次への意欲」と
今回は本校での「ふうタイム」(総合的な学習の
成長へとつながり、さらなる意欲が生まれてきます。
方々からの評価(声)を
なげています。その他に、活動で関わるさまざまな
教師側の評価によって喜びや反省、そして意欲につ
子ども達の活動に対して、友達同士の相互評価や
の声BOX」というアンケート箱を設置していただ
きました。すると町の方々から活動に対して感謝の
声やねぎらいの声、または活動に対しての意見がた
くさん寄せられました。子ども達は目を輝かせなが
ら、その声一つ一つに目を通しながら、活動への満
足感や達成感を味わうことができました。活動を通
して、さまざまな方と関わることで、今回の活動だ
けでなく「ようし、じゃあ次はこんなことをしてみ
よう」という次の活動への大きな意欲付けにもなり
ました。
四.終わりに
「 あ ま り に 多 く のこ と を 教 え る な か れ 。 し か し 、
教えるべきことは徹底的に教えるべし」という言葉
があります。子ども
達が自ら課題を見つ
け、解決方法を選び、
解決していく力を培
うために、教師とし
ての指導力を高め、
より「学び」のある
充実した活動ができ
るよう、これからも
研究を重ねていきたいと考えています。
南後志身体障害者研修大会での太鼓演奏前
どの子も気合がみなぎっています
三.さまざまな人達との関わりから…
いう点に視点を当て、実践の中で大切にしているこ
いただけるようにしてい
題 を 解 決 し て い く こ と で 学 び が 生 まれ 、 学 ぶ 喜 び 、
とを紹介したいと思います。
ます。
内クリーン大作戦」として
ふうタイムの活動で「町
「総合的な学習」の活動を考える時、活動のテー
町内の清掃活動や看板設置
二.
「活動の価値」を大切にした課題作り
マ(課題)を決定するまでに時間をかけます。この
での啓蒙活動をした際、町
内のいくつかの施設に「町
活動で何をどうしたいのか、何のために何をするの
かということを「○○のために○○したい」「○○
「お助け戦隊!ロクネンジャー」
南後志身体障害者研修大会より
漁師体験活動より
水揚げされた大きな鮭を手に
(6)
後志研修センター所報
2006 .2月号
はじめに
教諭 播 磨 正 典
小樽市立菁園中学校
証明の力を
少しでも・・・
一
現在、二年生の担任をして いる私は、昨年の
年 度当初、 今年は 「 証明 」 の内容 に重点をおい
て み よ う と 漠 然 と 思 って い ま し た 。
そ ん な 折 り 、『 数 学 的 思 考 法 』 ~ 説 明 力 を 鍛
えるヒント~(芳沢 光雄 著)を読み大変共感
し 、 漠 然 と 思 っ て い た 事 柄を 強 く 意識 す る よ う
に な り ま し た 。 そ の 本 の ま え が き の 中 に 、「 ・
・ ・( 中 略 )・ ・ ・ い ま 日 本 人 に 求 め ら れ て い る
最 も 重 要 な 能 力 は 、「 ね ば り 強 く 考 え る 」 こ と
と「 論 理 的 にきち んと説明す る」こ とで あ る
とあり、また、高校の先生方と話した折りに
。」、
「ここ 二、三年の高校生は 証明 の答案が とにか
く書けないし、論理的な構成で結論を導いてい
る 答 案 が 少 な い 。」 と 聞 き 、 中 学 校 に お け る 証
明 の 指 導 の 重 要 性 を 強 く 認識 し ま した 。
二
そこで
例年の進度より早
く進むことを意識し
て証明の内容に入り
ました。とにかく、
面倒臭がらずに書く
ことに抵抗をなくす
こと、たくさん練習
することだと考えま
した。十一月下旬か
ら授業の最初の五~
証明 を 書け る よ うに 七
、分で、上記のよう
な既習内容の証明練
習を十回行い、その
都度○をつけ、次時
に模範解答を配って
から○だった人数だ
け言って返し、○で
ない生徒には、問題
用紙の裏に再度解答
し再提出してもらう
ことにしました。初
めは慣れていない様
子でしたが回を重ね
るごとに、次の問題
を予想し、授業前の
休み時間等に教科書
やノートを見直して
いる生徒が増えてき
ました 。
三
終わりに
練習 問題終了の際 に机から上げ る顔の表情に
笑みがこ ぼれ る生徒、満足げな生徒、悔しがる
生徒 等様々な表情が 見られ るよう にな りました 。
二学 期末に今まで の 復習として 十題中四 題出
題してまとめの練習をしました 。結果、できて
いる生徒、全然できていない生徒等様々でした
が、間違って いる答案でも白紙ではなく随分と
書け るよう にな って き て いました。今 までは、
すぐ諦めて 何も書けな い答案 も多かったのです
が 少 し ず つ で も 抵 抗 感 が な く な り 、書 き 方 に慣
れてくれたのかと思います。
証明で必 要な 力と いうのは 、 数学の みならず
様々な場 面においても必 要だ と 思うので 、今後
も 練 習 問 題 を 続 け て いこ う と 思 い ます 。
2月号
2006.
後志研修センター所報
(7)
『 心豊かで 思いやりのある生
徒 の 育 成 を 目 指 して 』
仁木町立仁木中学校
教 頭
井 坂 行 廣
本 町は 北 後志地方 にあ って、 人口四、 000
人の果 樹と野菜・稲作栽培の農業を中心とした
町である。開拓の歴史は、明治一二年四国の徳
島県一一七戸の集団移住に始まり、現在では道
内屈指 の果 樹 園 芸作 物 の産 地 『果 実とやすらぎ
の 里 』 とし て 有 名で あ る 。
校 下は 、 仁木・大江か らなり本 校生徒は 仁木
小学校と大江小学 校の 卒業生からなって いる。
本校は 、果 樹園に囲 まれ実 りの 時期には 甘い
果実の 臭いの中で学 校生活を送 っている。生徒
は 、 明 るく 元 気 に挨 拶が で き 、 授 業時 間は 教師
の 質 問 に 対して も真 剣 に 考え よ う とす る姿 勢が
見 ら れ る 。 学 校 行 事 に も 意 欲 的 に 取り 組 んで い
る。生徒会 活動や 当番 活動では、言われたこと
や 決 め られ た こ とを 確 実 にこ な し、自 ら 工夫し
て行おうという姿勢が 見られる。また、自ら進
んで発表した り、課題を追求した りす る態 度も
身に付いている。教職員が一丸となり、日常的
によ り高い 目 標を持ち 、それ を目指す 生徒の育
成に力を入れ 、 一人ひ とりの「よさ」や「可能
性 」 を 伸 ば す 教 育 活 動 を 推進 し て いる 。
平 成 一 九 年 度 に 開 校 六 〇 周 年 を 迎え るが 、そ
の 間 、 作 文 ・ 詩コ ン クー ルや 児 童 生徒 文 芸作 品
コンクールで の受賞や 教育実践論文表彰、冬季
スキ ー ジャ ン プ の 選 手 輩 出な ど で 全道 ・ 全 国に
名 を は せて い る 。
豊 かな心 を持 ち、未 来 を切 り拓 く力 をはぐくむ道
徳教育の推進
~生徒の心に響く授業を目指して~
本 校で は 数年前か ら学校教育目標の「心豊か
で 思 いや り の あ る 生 徒 」 の 育 成 に 重点 を 置 き、
全教育 課程を 通して 心 の 育成を図 ってきた 。中
学 校では 、 教科の専門性が強く、 教科研究が全
体のものにな りにくい。そのため 研修テーマを
道 徳 教 育 と し 、 効果 的 な 教材 の 開 発や 他の 領域
と の 関 連を 研 究 し 、 道 徳 の 授 業 を は じ め と して
学 校生 活 全般 にわた り実践を 積 み重ねてき た。
今年 度は 、三年 継 続研究の まとめの年と いうこ
とで 昨年一一月本校の道徳教育公 開研究大会に
お い て 研究 の 成 果 を 発 表 す る こ と がで き た 。
【研究の成果と課題】
一、 研究の成果
① 教材(資料 )の 開 発や 指 導方 法や 指導 体制
の工夫を図るこ とにより、心豊かな生徒を 育
成す ることが できた 。
②評価方法を工夫す
るこ と によ り 、 子 ど
も一人ひ とりが心の
成長を 実感で きた 。
二、今後の課題
①他領域との関連
性 の あ る 、 全 体 計画
や年間指導計画の充
実を進めていく必要
がある。
②道徳の時間の指
導方 法 ・評価 方法の
研究に ついて 子ども
の 変容 を 見 つめ な が
ら 進 めて い く 必 要が
ある。
四国・徳島川島中学校との交流会
仁 木 町で は 、町にゆか りの ある 地(徳 島県川
島市・山口県萩市・兵庫県豊岡市)へと延べ三
八四名もの児童を派遣し、各地で交歓・交流を
重ね て きて い る 。交流派 遣事 業は 、平成一 七年
度で一区切りとなった 。しかし、受け入れ事業
は 継続し毎年のよう に仁木町の「 姉妹町」だっ
た徳島県吉野川市立 川島中学 校の生徒が本町を
訪 問 し た 。 今 年 も、 ゆ か りの 地 交 流事 業の 一環
として 山口 教頭を団長
に引率 者と二年 生合わ
せて 八四名が 、 三 泊四
日の修学旅行の日程に
組み入れ来校した。今
年は、 悪天 候のため 、
到 着 が 二 時 間 程 遅れ た
が到着するなり仁木中
二年生が校舎周辺に準
備した会場に移動。早
速、雪だるま作りに挑
戦 。 な か には 、 雪だ る
ま作 りよ り雪 合戦や ソ
リ滑りに夢中になった
りす る生徒 もいて全員雪まみれ になり北国の遊
び に 熱中し た 。
校舎に戻ってからの歓迎会では、二年生のP
TAのお母さんたちがみそおで んを差し入れし
冷 え た 体を 温 め て く れ た 。 両 校 を 紹介 し 合 った
り、プレゼント交換
をし、川島中学校の
生徒たちは総合的な
学習の時間で取り組
んだ本場の阿波踊り
を披露。仁木中の生
徒は、学校祭で取り
組んできた合唱を発
表し和やかな雰囲気
の中で今年の交流会
は終了。一行は、交
流会後、ニセコひら
ふに向かい翌日スキ
ー研修に挑戦した。
2006.2月号
後志研修センター所報
『輝く笑顔 美しい 歌声
夢と希望をもって
未来にはばたけ 緑の子』
名で 参加し、市民会館のステー ジで、市内の児
は 、小樽 市 小学 校音 楽 発表会 に 全 校児童 二三〇
子ども達の歌 声に耳を 傾ける。また、昨年から
では 、 ゲー ムを 教え て あげる 子 ども達も、将 棋
る。あやとり・将 棋・オセロなどを楽しむ交流
老人ホー ム「福寿荘」のお年寄りとの交流があ
が総 合的な学習の時間に取り組んでいる地域の
『輝く笑顔』の見られ る学習の中に、五年生
童・ 保護者の 方々にも聴 いて いただいている。
な ど を 教え て く だ さ る 福 寿 荘 の 方 も笑 顔 で いっ
、保護者・地域の方々も関心をもって
去る十二月二日に開催し、道外・管外を含め
褒め の 言 葉 を
らしい」とお
し て 、「 す ば
楽集 会 」に対
会」での 音
念公開研究
出して 聞く子
ずメモする
る言葉を逃さ
話して くだ さ
は 、 一 生懸 命
聞く 」 活動 で
「 昔 の話を
ぱ いで あ った 。
いた だ き 、 精
、
一杯自分を表
ども達の姿
一六〇名の参加をいただいた「開校八五周年記
現した 子ども
が、福寿荘の
小 樽 市立 緑 小 学 校
教 頭
本校は 、子ども達に 卒業まで の六年間 に一度
達は 、 充 実 感
方の 楽 しそ う
夏 秋 久 子
は 周年 行事 を 体 験さ せ る と い うこ とで 、五年ご
披露 さ れ
とに周年行事を持つことになっており、今年度、
で い っ ぱ いだ
美しい歌声
子、 身 を 乗 り
八五 周年を記念し、全校児童・職員で考えた
開 校 八 五 周年 を 迎え た 。
夢と希望
な笑顔とな
スローガン『輝く笑顔
った 。
全 校 朝 会 や 歌 声 朝 会 の な い 日 の 一 日 は 、『 朝
かけてくれた「また来てね」の声で、子ども達
未 来 には ば た け 緑 の 子 』が 、 校 舎 玄
関上には PTAから寄贈された看板が、体育館
の読書』から始まる。八時三〇 分のチャ イムと
は満足そうな 笑顔で いっぱいになる。
をもって
壁 面には 職員の 手作りの 発砲スチ ロール の文字
共 に 、 そ れ まで の 子 ど も 達 の 元気 な 挨 拶や 話し
の歌 声が 一 つ になる 。 そ の成 果 は 学 芸発表 会で
か ら も 児 童 の 歌 声 が 響 き 、「 歌 声 集 会 」 で 全 校
動を与える。朝の会・帰りの会では、どの学級
を 持 って 歌 う子 ど も達の 姿は 、 聴 く人たち に感
れ て い る 『 美 し い 歌 声 』、 大 き な 口 を 開 け 自 信
緑小学校の伝統であり、脈々として受け継が
二 七 冊 の 本 を 寄 贈し て く だ さ っ た 。
ためにと、PTAは 八五周年 記念事業として一
に、表現力や語彙力を育んで いる。子ども達の
書 」 の積み重ね によって 、豊かな心の育成と共
組 み 、 シ ー ン と 静 ま り か え る 校 舎 。こ の 朝 の 読
声が 止 まり、 一〇分 間、 どの学 年も読書に取り
た 緑 の 子 を 育む 学 校で あ り つ づ け た い 。
笑顔』と『未来 にはばた く力』をしっか り蓄え
伝 統 の 『 美し い歌 声』 を 守 り、 いつも『 輝く
り、帰る時に
が色鮮や かに掲げられた 。
「
(8)
「
2006.2月号
十年 一年
まだまだこ れから・・
越 後 真 紀
島 牧 村 立 島 牧小 学 校
養護 教諭
ヤモヤ、焦ってバタバタな私。そんな私を島牧
不安と気負いと期待が入り混じり、ドキドキモ
こ れ まで の 数 ヶ月 、す べて が 一から の毎日。
五 名 の 職員 と の 新 し い 生 活が 始 ま り ま し た 。
村 にあ る 島牧小学 校。九三名 の 子どもたちと十
って まいりました。赴任 先は 、 後志南 端の島牧
を 涙ナ ミ ダで 後 にし 、 四 月 にこ こ 後志 管内 にや
三月、初任からの十年間を過ごした網走管内
れ
+
後志研修センター所報
(9)
の青い海(夏は本当にきれいです
冬は厳しい
れしいか・・・・。子ども達の強さを感じまし
た。
二 つ 目は 、 四年 生 の 保健 学習 で 、から だ と心
の成長について 数回に渡り担任の先生と勉強し
てきた最終日。その場にいた私にも一言の時間
が も ら え ま し た 。「 み ん な は お 父 さ ん お 母 さ ん
泣けなくなったら、この仕事の終わり時かなっ
を 見 て 、「 子 ど も た ち が 頑 張 っ て い る 姿 を 見 て
ン大会で ゴールに向かって くる子どもたちの姿
くて涙が出そうになりました 子どもたちの「
子も。そ んな子どもたちを見て いたら、愛おし
の十 八 人。中 には 大き く 頷き な が ら聞 いて いる
だ か ら 一 人 一 人 大 切 な ん だ よ 。」 真 剣 な 眼 差 し
、愛されて生まれてきているんだよ
て 思 う の よ ね 。」 目 に は 涙 が 浮 か ん で い ま し た
直さ」「尊さ」を感じました。
どち らも 保健 室で の関わ りだけでは得られな
れます 。そ んなこ とが、 島牧小学 校に来てから
こんな十一年 目。まだ まだこ の仕事、続けられ
な子どもたち とどう向き 合い、どれだけ一緒に
。
素
歩けるか・・・・ 。自分自身の大きな課題です 。
いこ とでした 。後は 私が、 保健室を通してそん
すで に何度もありました 。その中でも、特に印
そう で す ・ ・ ・ ・ 。
。
もと変わらない日常が、どんなにありがたくう
の歌 声。ジーンとしました。当たり前の、いつ
、元気な元気な『手のひらを太陽に
代替教室として使用している音楽室から聞こえ
日間の休業の後の久々の登校日。朝、一年生が
象的だ ったこ とを 二 つ紹 介さ せて くだ さ い 。
に 望 まれて
一 つ 目は 、 島 牧小学 校が 火 災に 見舞 わ れ 、 数
ど も っ てす ご いな ぁ 」 と 思 わ さ れ 、 目が 潤む こ
、
とが 多々あ り 、 その た び にそ の 言 葉が 思 い 出さ
)
。子
生 来 涙 もろ い 私 で す が 、 そ の 後 幾 度 と な く 、
「
(もちろん今もバリバリ教員されています
一 言 が 、 今 で も 心 の 中 に 残 っ て い ます 。 マ ラ ソ
私が初任で 勤めた中学 校で 、ある先輩先生の
が 、 日 々 楽し く 過ご し て います 。
そして職員の面々。まだ まだ戸 惑いなが らです
、助けてくれている子どもたち、地域の方々
で す が ・ ・ ・・ ) のよ う に大 き く 包 んで 受け入
=
( 10 )
誕生の際、ニコンはFマウントを継続し、そ
はや電子化へのながれは避けて 通れない時代
子 フ ァ イ ルで 送ら れて く る よう に な っ た 。も
。確かに電子化にする利点は大きい
れ まで の MF レ ン ズとの 互 換性 の 道を 選択し
た。対するキャノンはマウントを新設計し、
0
1
私 たち 事 務職員を 取り 巻く 仕事の 環境の 変
う の だ から 、 も は や 時代 の 波に は 逆ら え ない
となった
と いう こ と なの だろ う 。
なニコンが事実上フィルムから 撤退するとい
使用して みると実感で きるだろう。その 堅実
で あ る 。 そ れ は 専 門 誌で の 評 価 や 実 際 に 比 較
ン は も の づく り の 視 点に お いて も 堅実 な 企 業
と いう イメー ジを 与えるこ とと なった。 ニコ
コンは 、「既存のユーザーを大切にする企業」
に置き忘れら れて きたように感じるのは私だ
世の中。日本の古き良き文化・伝統がどこか
を主張し、個人主義に陥った世の中。そうし
。
たことから事件・事故が多発し、殺伐とした
わない世の中。義務・責務を果たさずに 権利
個人の利益、会社の利益のためなら手段を厭
も あると 思う。 金拝 主義 が 第一主義に なり、
いに歓迎だが、一方で 変えてはならないこと
豊かになり、人々が幸せになるので あれば大
社 会はどんどん 移り変わ って いく 。生活が
.転
.動
.車
.と 自
.車
.く ら い の
交通手段に例えれば自
化も大きい。教科書事務が平成十六年度の需
けだろうか。「冬のソナタ」や「夏の香り」に
MFを切り捨て た。後にデジタル一眼の時代
要数 報告 から 電子化になり、ホームページ上
代 表 される韓国ドラ マを 見てこと さら そのこ
較差がある。データの流出や損失のリスクが
で ダウン ロード した システムに より処理する
とを 強く 感じるとともに、汚れた自分を 癒す
が到来し、撮像素子への入射角の関係から大
こととなった。旅行経費調査回答に見られる
今 日こ の 頃で あ る 。
伴うことも事実だが、それを差し引いても導
調査物関係、北海信金に提出する 諸経費口座
きなサークルを持つEFマウントの方が設計
、『
ら事実上撤退』の見出
しに目が止まった。最
振 替 依 頼 書など も 電 子 フ ァ イ ルで の提 出 と な
入する 価値が あると 言え よう 。
(M
った。共済関係、給与関係の手引きなども電
上 有利 に なるこ と に なる の だが 、この 点で ニ
F )を 除いて 生産を 中止 する そう だ 。AF 機
コラム
&
エッセイ
事務職員
フィル ムか
森 末 武 雄
ニコン
高級 機のF 6 (A F )と 廉 価版のFM
一 月 十二 日 道新 朝 刊
余市 町立 西中学 校
『置き忘れてきたもの』
後志研修センター所報
2006.2月号
算数数学を通して、子どもと教師が確かな力を
学教育会後志支部
後志算数数学教育を語る会
研究団体紹介
後志算数数学教育を語る会
事務局長(倶知安町立倶知安小学校教諭)
中 田
恭太郎
算数数学の指導に情熱を傾けられていた先輩
材研究』
『 効 果 的 な 授 業 構 築 』な ど 、ど の 教 科 ・
私 た ち は 、『 共 感 的 な 児 童 理 解 』『 確 か な 教
《大切にしていること》
方が、昭和六十二年ころ、倶知安町の喫茶店や
領域の指導にも大切なこ とを算 数数学 を通して
《はじめに》
余市町の公共施設などを会場にして始められた
学び合い、教師として基本的な力を身につけた
。そ し て 、専 門 性 を よ り 高 め
学習会が本会の前身です。その後、平成六年に
『 後 志 算 数 数 学 教 育 を 語 る 会 』( 北 海 道 算 数 数
授 業での算数的活動を豊かなものにし、子ども
達に学ぶ意欲や思考力、判断力など生きる力を
)と し て 正 式 に 活 動 を 開 始 し
現在に至っています。
平成十八年十月二十日、北海道算数数学教育
培いた いと考えて いるのです。
長期休業中に一日日程で開催しています。
会全道大会〈小樽・後志大会〉の小学校部会が
《現在の主な活動》
北数教本部の先生方や、算数数学教育に特に
余市町で 開催され ます 。私たちは今、その成功
《来年度の取組》
造詣の深い先生を講師としてお招きし、教育
に向けて準備を進めているところです。
☆夏季・冬季学習会
観、指導観から実践事例に至る講話をいただ
近隣町村で 全道大会が行われる機会は 多くは
ありませんから、たくさんの先生方にご参加い
いて学習を深めています。
☆授業研究会
ただきたいと考えています。
、
《おわりに》
嫌いの子も増えているようです。このような時
近年、子どもの学力低下が叫ばれ、算数数学
年に数度、授業を公開し合い、研究協議に
いと考えています
よって実践力向上を図って います。多くの会
、員が集まることはなかなか難しいですが、毎
年積極的な授業公 開が行われています。
毎年、本会から一名が、研究実践の発表者
力を注ぎたいものです。みなさんも私たちと一
考えたり、共に学び合ったりする授業づくりに
こそ、子ども達が生き生きと目を輝かせて自ら
として北数教全道大会に参加しています。全
緒に、算数数学を通して学び合いませんか。
☆北数教全道大会への研究発表
道的な視野で実践を見つめるよい機会です。
所員出向日(各研究委員会)
一 月
○
所員出向日(学習指導研究委員会)
道研連共同研究推進委員会
○
第三回所員会議
○
○
センター組合運営委員会
二 月
○
研修講座講師団会議
センター組合教育委員会
○
道研連第一回委員会
○
○
道研連共同研究推進委員会
中間報告書)
○
研究紀要第七九号発刊
(学習指導研究委員会
センター組合議会
三 月
○
○
あとがき
向春の候、皆様におかれましては、
いかがお過ごしでしょうか。
さて、今月末に次年度の研修講座
講師団会議が予定されております。
ご多忙な中、講師を快くお引き受け
いただいた先生方、本当にありがと
うございました。
次年度も「親しまれる研修センタ
ー」を合い言葉にして、管内教育関
係職員の皆様のお役に立ちたいと考
えております。
研修講座はもとより、調査研究事
業の充実や情報提供に努めてまいり
たいと思います。
今後もどうぞよろしくお願いいた
します。
平 成 18年 度
ミニ道研のお知らせ
例年行われている「ミニ道研 」(主催:北海道
立教育研究所 主管:後志教育研修センター)
が次年度も予定されており、『学校組織マネジメ
ント』 ということで2日間日程で開催いたしま
す。
期日:11月7日(火 )、8日(水)
会場:後志教育研修センター
内容:学校経営分野と教育課程経営分野
(コース別)
<発行所>
後志教育研修センター
〒 044-0013
虻田郡倶知安町南3東4
TEL 0136-22-1337
FAX 0136-22-2681
E-mail [email protected]
http://www.shiribeshi-etc.jp/
<発行者>
赤
塚
洋
昭
<印刷所>
有限会社
旭太陽堂印刷
学校経営分野では 、「特色ある学校づくりに向
けての課題整理」等の講義や「学校経営ビジョ
ンの実現に向けて」等の演習を行い、教育課程
経営分野では 、「教育課程編成に向けての課題整
理」等の講義や「教育課程ビジョンの実現に向
けて」等の演習を行います。
詳しい要項につきましては、開催日1ヶ月ほ
ど前に各校に配布予定ですので、ぜひご参加く
ださい。お待ちしております。
なお、開催期日、会場、内容の若干の変更が
ある場合もございますので、ご承知おきくださ
い。