(様式3−新築戸建) ②提案の基本的な考え方(住宅の新築・戸建て住宅の提案) [A4版・最大2枚] ※受付番号は事務局で記入します。 提案者(代表者) 有限会社 オーブルデザイン 応募事業提案名 「緑の家」長期調和型 部 門 テーマの名称 □木造等循環型社会形成 □まちなみ・住環境 住まい手との同調が可能な家 受付番号※ 09-1- □維持管理流通強化 ■自由課題 ①長期優良住宅の基本的な考え方 100 年∼200 年にわたって住み続けられる家の基本は、その家を大切にする気持ちが持続するというこ と。家を建築すると最初は大切にするのであるが、年月とともにその気持ちは薄れていく。大切にする気 持ちを持続されるポイントが「住まい手との同調が可能な家」であると考える。 この同調とは住まい手の生活(ライフワーク)の変化に、また社会の変化に合わせられる資質を「バラン スよく」持っている家のことである。たとえば太い柱や立派な梁があっても、住まい手の暖かい生活とい う希望に同調できなかった古い民家は、壊されたり手放されたりする。仕事柄、古民家再生を行うが、壊 す理由は「夏はとても快適、でも冬は地獄」という言葉に象徴されるように、住まい手の暖房文化に同調 できなくなってしまい、愛着がなくなってしまった為である。柱が細く折れそうだ!屋根の梁が壊れそう だ!ということではない。キッチンや風呂等設備類はすぐに交換できるが、暖かい家にする等の性能は根 本的に修繕しなければならない為、いっそ新しい家に!ということになる。長い年月の間このような事に ならないよう、バランスよく同調できる資質を持つ家が今回の提案である。(資質があれば可変は容易。) 調和のほかに大切にする気持ちが持続する為には「住まい手がメンテナンスの主役になること」である。 住んでいる家に関心を持つと大切にする気持ちが育まれ、持続することができる。家の関心は自身で行う メンテナンスで生まれ、そのメンテナンスの中心が床下となる。日本の大部分が高温多雨多湿地域。この 地域のメンテナンスの中心は屋根と地面に近い床下である。屋根は雨漏りすれば住まい手に直ぐに分かる が、従来の基礎構造では、暗くじめじめで汚い。そんな中を匍匐前進では、住まい手によるメンテナンス を完全に拒んでいる。従来の床下構造では、住人は床下に入った事がない人がほとんどであろう。そこで 木造住宅のメンテナンスの中心である床下を住まい手に全公開し、普段から居住空間の一部として住まい 手と同調し、関心を持ってもらう床下構造となるように提案する。 内容、企画、計画を無断で 引用や転載を禁じます。 有限会社オーブルデザイン ②当該部門に関する提案の概要 Ⅰ.住まい手がメンテナンス革命者 (居室空間に床下空間が同調) 従来の発想のようにメンテナンスを外部業者に全て任せるのではなく、住まい手が積極的に行えるよう に普段の居室空間と同調させる。いつも行き来し、普段使用するような床下等にすることが、本来の長 期優良(長寿命)住宅のメンテナンスになると考える。その為に 5 項目を提案する。 A.床下空間の維新 清潔&メンテナンス(高基礎断熱) 冬期間熱的外部となる従来の床下は積極的に行ける空間ではない。またゴキブリ等の虫や小動物死骸、 湿り気混じりの床下を匍匐前進(這って進む)でメンテナンスすることは住まい手にはできない。 B.玄関、浴室下空間の維新 屋内化(高基礎断熱) 従来の地続きである玄関下と浴室下を完全な室内空間とする。住まい手にも普通に目視できることで、 快適なメンテナンスを可能にする。 C.1階床位置の維新 完全に目視可能 従来の 1 階床位置より 25∼30 ㎝程度土台上部で床組みすることで、常時全ての1階柱脚と筋かい端部 金物を住まい手が直接目視可能になる。 D.窓の維新 全ての窓周囲シーリングが直視可能 雨漏りの原因となる窓周囲シーリングを室内側から簡単に確認できるように、窓種数を特定し、全ての 窓周囲の直視を可能とする。 E.基礎周囲の維新 シロアリ、配管目視可能 べた基礎において土壌型シロアリが侵入してくるのは基礎周囲である。一部のコンクリートを露出させ ることでシロアリ侵入が目視できるようにする。結果、駆除を早期に低コストで行うことができる。 30 (様式3−新築戸建) ②提案の基本的な考え方(住宅の新築・戸建て住宅の提案) [A4版・最大2枚] ※受付番号は事務局で記入します。 提案者(代表者) 有限会社 オーブルデザイン 応募事業提案名 「緑の家」長期調和型 部 門 テーマの名称 □木造等循環型社会形成 □まちなみ・住環境 住まい手との同調が可能な家 受付番号※ 09-1- □維持管理流通強化 ■自由課題 Ⅱ.シェルター性能の同調 21 世紀の大きなテーマは、地球への負荷を如何に減らすかである。長い期間で移り変わる住まい手にと っても大変重要な同調項目である。そこで家のシェルター性能は次のように考え提案する。 A.初期から高性能 (近未来のエコに同調) 「緑の家」長期調和型は当初から Q 値 0.99W/㎡ K 以下、C 値 0.9c㎡/㎡以下とする。 B.数十年後再び簡単にシェルター性能最大 50%をアップ (未来のエコに同調) 初期性能は基礎を除き全て外物外被で断熱する外張り断熱としている為、数十年後充填断熱を施工する ことで簡単にシェルター機能をアップできる(C と併せると 50%のアップ) 。この時追加する部材の熱抵 抗値を、従来の性能より 50%程度に押えることで、本州では内部結露を発生しにくい仕様にできる。 C.数十年後に開口部だけを簡単に取り替え可能 (取り替えタイミングの同調) 開口部は熱的に一番劣る部位である。この部位の高性能化は現在コストが掛かるが、将来真空ガラスの ようなものが割安で入手できる可能性は高い。その時、サッシ単体で外壁を壊すことなく、簡単に取り 替えられる仕様とする。また、開口部位の劣化は個別に突然始まる(雨漏り等。)外壁には関係なく単体 で変えられることで超長期耐久のメンテナンスを維持しやすくなる。 内容、企画、計画を無断使用、 引用や転載を禁じます。 Ⅲ.設備の同調 年々設備機器は進化(高効率化)する。そこでいつの時代でも柔軟に同調できるように 3 項目提案する。 A.床下への集約と設備シャフト (設備の取り替えに同調) 有限会社オーブルデザイン 一般的に躯体より設備配管類の寿命が短い。そこで、設備シャフトを設け、配管配線類を集約し、取り 替えが簡単にできるようにする。給湯給水はポリブデン管または架橋ポリエチレン管によるサヤ管ヘッ ダー方式とする。 B.床下空間活用①暖房設備更新のバッファー (暖房機器変更に同調) 床暖房として床下の空間に効率のよい暖房機を設置、交換可能。現時点では COP6.7 のエアコンを、更 に効率のよい暖房機器が発売されれば、この床下空間がバッファーとなり交換は機器だけと簡単に可能。 C.床下空間活用②使用済み給湯熱回収の空間の確保 (エコ社会への同調) 風呂及び洗面からの排水を一時床下内に設置する熱交換貯湯ボックス(この熱交換貯湯ボックス約 600ℓ は開発中)に入れ、床下内で自然放熱させることで約6KW の熱を暖房用として回収可能。また配管方 法の工夫により給水との熱交換もできる。このボックス設置スペースを当初から床下に確保する。 Ⅳ.内部空間の同調 人は変化のないものには愛着が湧かない。だから内部だけでも人と共に同調する 2 項目提案をする。 A.人と素材の調和 (人の変化に同調) 住まい手がその家で 70%の時間を過ごす室内の仕上げ材に、年月と共に色や質感の変わる素材を多用す る。素材は古くから使われてきた針葉樹系の無塗装の木材が中心となる。 B.人と間取りの調和 (将来の慣習や構成変化に同調) 住まい手の生活スタイルで変化する間取りに対応できるように、小屋組みも床倍率3とし、2階の耐力 壁を少なくした状態で耐震等級2以上を確保する。また慣習は断熱区画を提案する(様式 6 にて)。 31 様式4-新築戸建) ③先導的提案の内容説明(住宅の新築・戸建て住宅の提案) [A4版・最大2枚] ※受付番号は事務局で記入します。 提案者(代表者) 有限会社 オーブルデザイン 応募事業提案名 「緑の家」長期調和型 部 門 テーマの名称 □木造等循環型社会形成 □まちなみ・住環境 住まい手と同調が可能な家 受付番号※ 09-1- □維持管理流通強化 ■自由課題 Ⅰ.住まい手がメンテナンス革命者(居室空間に床下空間が同調) A.床下空間の維新 清潔&メンテナンス(高基礎断熱) 家の構造部位の劣化は雨漏りと腐朽、シロアリによってもたらされる。雨漏りは住 まい手が生活中に異常を察知できる可能性は高い。しかし、腐朽及びシロアリは建 物床下内に被害が集中するので発見されにくい。また、床下は土台や筋かい下部接 合部といった構造の要が集中する所。その場所を住まい手が中心になって見回るこ とが最も効果的なメンテナンス計画となる。しかし、一般の床下は写真1の通り暗 くじめじめして汚い。これは従来床下が内外部のあいまいな空間の為である。これ を基礎断熱で暖かくして湿気を防ぎ、掃除しやすくする為、床下高を 1300 ㎜確保す る。このことで、住まい手が1ヶ月に1回、快適にメンテナンスできるような室内 空間ができる。特に床の仕上げを施し(写真2、8)屋内空間として清潔にできる構 造が効果的。写真7からわかるとおり、ジャケット姿でもメンテナンスできる。 B.玄関、浴室下空間の維新 屋内化(高基礎断熱) 従来の玄関とお風呂下(U.Bを除く)は床下がなく直ぐ土となる(図1)。これは室 内に屋外の一部が突き刺さる事になり、シロアリや湿気に弱く、そして排水管のメ ンテナンスをできないようにしている。床下高 1300 ㎜を確保することで地面から切 り離し、完全屋内化(写真3)することで長耐久性、メンテナンス性を確保する。 C.1階床の位置の維新 全て目視可能 従来の1階の床位置は図2の通り土台のすぐ上に床組がされる。これを図3のよう に 20cm~25cm 上部で床を造ることでアンカーボルトと筋かい下部が全て目視でき る。地震時の直後のメンテナンスや、アンカーボルトのゆるみを全て確認でき、土 壌型シロアリ被害の入り口となる柱脚、筋かい端部も全て住まい手でチェック可能 有限会社オーブルデザイン (写真2、4)。 D.窓の維新 全ての窓シーリングが直視可能 使用するサッシを引き違いと内開き、横軸回転に限定することで、足場をかけなく ても室内側から直視でシーリング点検が可能となる。 E.基礎周囲の維新 シロアリ、配管目視可能 設備配管は全て基礎周囲立ち上がりから引き入れ(写真5)、従来のスラブ内に埋め 込まれる配管を完全に止める。スラブ貫通配管が無ければ、土壌型シロアリの侵入 を基礎周囲に限定でき、それを目視できるようにコンクリート面を一部露出させる。 この構造により特別な点検無しで蟻道を発見可能となる。加えて設備配管のラッキ ングも取り外し可能の樹脂製を使用し、シロアリの駆除を確実に行うことができる ようにする。 内容、企画、計画を無断使用、 引用や転載を禁じます。 Ⅱ.シェルター性能の同調 A.初期から高性能 近未来のエコに同調 設計図書においてQ値 0.99w/㎡k以下で計画し、建物完成時にC値 0.9c㎡/㎡ 以下の確認を行う。気密性を長期維持する為、樹脂系断熱材だけでの気密処理と同 時にポリエチレンフィルム 0.2mm 以上による気密、防湿を行う。 B.数十年後再びQ値を簡単に 50%アップさせる納まり 未来のエコに同調 図4、図5のとおり初期シェルター性能は外張り断熱方式で計画する。これら断熱 材の性能は経年変化により年々低くなる。また将来のエネルギー問題から更に断熱 性能のアップを求められることは確実である。そこで内壁と天井は室内側にセルロ ーズファイバー等を充填し、床(基礎)はスラブ上と立ち上がりに断熱材を増し貼 りすることで簡単にQ値 0.8(0.7)w/㎡kにアップさせられる構造とする。 ※図 1、図 2 は住宅金融支援機構監修の木造住宅工事仕様書 20 年度版からの抜粋 上記を確認す る具体的方法 30 住まい手がメンテナンス革命者(基礎関連)についは、図面記載と目視の確認。シェルター性能 の調和については、性能評価に申請する熱損失係数算出および詳細納まり図にて確認する。 気密性能は中間施工時及び完成時にて確認する。 (様式4-新築戸建) ③先導的提案の内容説明(住宅の新築・戸建て住宅の提案) [A4版・最大2枚] ※受付番号は事務局で記入します。 提案者(代表者) 有限会社 オーブルデザイン 応募事業提案名 「緑の家」長期調和型 部 門 テーマの名称 □木造等循環型社会形成 □まちなみ・住環境 住まい手と同調が可能な家 受付番号※ 09-1- □維持管理流通強化 ■自由課題 C.数十年後に開口部だけを簡単に取り替え可能(取り替えタイミングの同調) 開口部を高性能にする為には現在多大なコストがかかる。将来真空ガラスのような 製品が安価に入手できるようになった時、外壁を壊すことなく取り替えられる計画 とする(図6)。この取替えによりQ値 0.7w/㎡kにできる。また、開口部の劣化 特性として順次取り替えが必要になる。よって単体で取り替えられる構造は、メン テナンスをより適時に行うことができ、超長期優良住宅には必須である。 Ⅲ.設備の調和 A.床下の集約と設備シャフト (設備の取り替えに同調) 床下を高く広く計画しているので、目視点検と交換を非常に簡単に行うことができ る。 (写真6)その床下に配管類と設備を集約し、設備シャフトで階上に貫通させる 計画でメンテナンスと点検が簡単にできるので、将来の材料変更等に柔軟に調和で きる。 B.床下活用①暖房設備更新のバッファー (暖房機器変更に同調) 暖房で最も理想的な一つに床暖房があり、その方式は電気と温水式になる。温水式 は熱源にガス、灯油、ヒートポンプがある。しかし効率的に優れる温水式はメンテ ナンスが定期的に必要で、また長期的に考えた場合、設備故障や配管のやり直しが あり、デメリットも多い。そこでメンテナンスしやすくなった床下空間を全て暖房 のバッファー空間として考え、熱源は時代の技術に応じた設備を設ける(図8は床 下暖房の図)床下暖房の提案を行う。現時点では図8のように、高効率ヒートポン プエアコンを設置し、床下空間を24~27℃に暖める。写真7、8は既に床下に 有限会社オーブルデザイン 暖房機が設置されている写真。このような床下暖房の実績は北陸・東北地方に多く、 快適性も証明されている。しかし従来のデメリットとして、長期間掃除がされる事 のない床下の汚い空気が室内に対流する懸念がある。そこで床下を高くし掃除でき る空間とすればこのデメリットは解消され、理想的な床暖房となる。 C.床下活用②使用済み給湯熱回収の空間確保 (エコ社会への同調) 住宅で消費されるエネルギーは給湯と暖房で 1/2~2/3 を占める。これらは将来も大 きな割合を占めると思われる。給湯で使用したエネルギーの半分以上は入浴行為に よるものあるが、この使用した給湯エネルギーを単純な方法で熱回収する。 図7のように広い床下内部に排水一時貯湯ボックス(W750 D1600 H750 約 600ℓ) を設置し(開発中)床下内に入浴1日分の湯量を確保する(夏期及び長期不在の場 合はバイパス弁で直接排水をし、貯湯部を空にできるようにする)。このまま自然放 熱でも温排水の持つエネルギー(約 6KW)は室内暖房用として回収されるが、更に 貯湯部最後部槽に給湯取入水側のパイプをいれ、給水予熱による熱回収も可能。 内容、企画、計画を無断使用、 引用や転載を禁じます。 Ⅳ.内部空間の調和 上 記 を 確 認 す る 具 体 的方法 31 A.人と素材の調和 (人の変化に同調) 人は年と共に嗜好が変化し、若年では明るい色を好むが、老年では土色を好む。内 部素材は木を無塗装で使用すると、人と同じように変化し調和する事で愛着を持つ。 写真9は竣工後直ぐの無塗装の床。写真 10 は 8 年後の飴色艶になった無塗装の床。 B.人と間取りの調和 (将来の慣習や構成変化に同調) 住まい手に応じた間取りも可変可能なようにできるだけ大空間を確保する。その為、 2階床、小屋床は床倍率3倍として、耐震等級2以上の建物とする。この為、全棟 許容応力度設計による構造計算を行うシステム。慣習変化の断熱区画は様式 6 にて。 設計図書載と目視の確認。人と間取りの調和については、性能評価に申請する耐震性の評価におけ る構造計算書にて確認する。 内容、企画、計画を無断使用、 引用や転載を禁じます。 有限会社オーブルデザイン 32 (様式6-新築戸建) ⑤住宅の提案の内容説明(その 1) [A4版・各1枚] ※受付番号は事務局で記入します。 提案者(代表者) 有限会社 オーブルデザイン 「緑の家」長期調和型 応募提案事業名 受付番号※ 09-1- ■ア.構造躯体の耐久性 □イ.住宅の耐震性 □ウ.維持管理の容易性 □エ.変化に対応できる良質な居住空間 □オ.省エネルギー性、バリアフリー性、居住環境 □カ.維持保全計画の作成等 □キ.記録の作成及び保存等・流通促進等に関する取組み □ク.その他の先導的取組み 〔住宅の提案の具体的内容〕 提案 項目 ① 物理的な防腐防蟻 写真 A 木造躯体の劣化は腐朽とシロアリによるものがほとんど。雨漏りを除 く、腐朽は水分(湿気)の多い地面付近から進行し、被害の大きい土 壌型シロアリも同様である。従来はこの地面に近い部分について薬剤 や木の樹種、または軒の出や通気工法で防腐防蟻していたが、本提案 は地面からの基礎高さを従来の約 500 ㎜から2倍の1000㎜以上 にすることで、物理的に防止する。この基礎高さに加えてダブル通気 工法及び、窓上庇等の従来の耐久性を上げる工法を同時に行う。基本 柱は 120 ㎜角として梁の幅も 120 ㎜とする。また、熱橋による結露 を完全に防ぐ為、外張り断熱工法とする。これらとダブル配筋のベタ 基礎構造を組み合わせ、ケミカルフリーで駆体の高耐久性を実現する。 ケミカルフリーのメリットは、今までの歴史が証明しているように、 人工的に造られた防腐防蟻剤は、現在安全と判断されていても遠い将 来使用中止になる可能性がある為。 写真Aは10年前に建築されている基礎高1mの家。写真Bはその 家の床下で収納庫として使われている様子。乾燥しているので洋服な ども収納可能。写真Cは基礎高 1.2mの家。写真 D はダブル通気胴縁 による通気構法。この方法は通気の施工をより確実にできる。 内容、企画、計画を無断使用、 引用や転載を禁じます。 写真 B ② コンクリート強度及び室内側の中性化防止 有限会社オーブルデザイン コンクリートの呼び設計強度を 30N/m㎡、スランプ 15 ㎝以下、水 セメント比 50%以下とし、内外周とも基礎立ち上がり幅を 150 (180)㎜以上とする。また、スラブ下コンクリートのかぶり厚を 70 ㎜確保することや、室内側基礎立ち上がり部分に断熱材を密着させ(外 周のみ)、床には樹脂塗装を施すことで人の呼吸による CO2 による中 性化を遅くする。写真 E は4年前に床下スラブを塗装した床下高さ 1.4mの家。 写真 C 写真 D 写真 E 上記を 確認す る具体 的方法 設計図書にて設計者が確認する。 コンクリート強度については、原則的にサンプルによる破壊強度検査にて工事監理者確 認する。 30 (様式6-新築戸建) ⑤住宅の提案の内容説明(その 2) [A4版・各1枚] ※受付番号は事務局で記入します。 有限会社 オーブルデザイン 受付番号※ 提案者(代表者) 「緑の家」長期調和型 応募提案事業名 09-1- □ア.構造躯体の耐久性 ■イ.住宅の耐震性 □ウ.維持管理の容易性 □エ.変化に対応できる良質な居住空間 □オ.省エネルギー性、バリアフリー性、居住環境 □カ.維持保全計画の作成等 □キ.記録の作成及び保存等・流通促進等に関する取組み □ク.その他の先導的取組み 〔住宅の提案の具体的内容〕 提案 項目 発想の逆転 上物の耐震性と同時に地震後の修復を考慮 この提案住宅の推進エリアは数年前に地震を二度経験した新潟県で ある。建築学会でも調査報告されたとおり、ごく一部の古い建物を除 いては地盤の変質による不同沈下や、地盤の崩壊による被害と報告さ れている。比較的液状化が発生しにくいといわれた新潟内地平野部や、 砂質丘陵地においても液状化が発生し、等級2の建物が傾いた事例が ある。建物上部(基礎を含む木造部分)の建物上部の耐震性を相当高 くしても、地震時の不同沈下や液状化による傾きが発生すると、その 建物は住まい手にとって全壊と同じである(写真 F は中越沖地震で傾 いた RC 建物である。6 ヶ月以内に取り壊された) 。 地震時の不同沈下防止が長期優良住宅の耐震性の信用を高めると もいえる。しかし不同沈下させないことよりも、不同沈下が起きたと きに簡単な補強でジャッキアップできる基礎構造を計画する方が現実 的である。特に、新築において大半の住宅で地盤改良が行われている 新潟県では、地震時の液状化等における地盤保証は一切ない(免責事 項)。これは全国的でも同じ状況である。今後も普及価格で地盤保証で きる地盤改良工法は望めない。 約 200 年という長い期間に想定される大地震で、建物が地盤原因 で傾いた時に、簡単な補強でジャッキアップできる基礎構造や、家が 接する地面が 2m ぐらい崩壊しても、基礎が壊れない構造にする事で、 少ない初期投資金額でも長期に渡り住み続けられる(建物は等級 2 以 上とする)。このためには建物の正確な計算履歴が必要である。 いわゆ 有限会社オーブルデザイン る仕様規定による構造チェックではなく、構造計算による安全性の確 認をしなければならない。本提案では許容応力度設計による構造計算 を行い、その資料を床下に保管する。この計算書と構造伏図(詳細図 を含む)があれば、リフォームを引き継ぐ次の建築士によって適切な ジャッキアップ方法の計画が可能となる。これが本来の履歴である。 また、ジャッキ補修により持ち上げる応力や基礎下部地盤が一部崩壊 したときは、スラブにかかる応力が通常と逆になる可能性がある。そ のためスラブはダブル配筋として考え、非常時の余力を鉄筋に残す仕 様とする。 写真 G は2年前に建築された厚さ 22 ㎝のダブル配筋(縦横鉄筋 D13 @150)の基礎スラブ。確かにこれだけをみればオーバースペックで あるが、長期優良住宅では必要な耐震性と考える。 内容、企画、計画を無断使用、 引用や転載を禁じます。 写真 F 写真 G 上記を 確認す る具体 的方法 設計図書にて設計者が確認する。 べた基礎については性能評価に申請する耐震性の評価における構造計算にて確認する。 31 (様式6-新築戸建) ⑤住宅の提案の内容説明(その3) [A4版・各1枚] ※受付番号は事務局で記入します。 有限会社 オーブルデザイン 提案者(代表者) 「緑の家」長期調和型 応募提案事業名 受付番号※ 09-1- □ア.構造躯体の耐久性 □イ.住宅の耐震性 □ウ.維持管理の容易性 ■エ.変化に対応できる良質な居住空間 □オ.省エネルギー性、バリアフリー性、居住環境 □カ.維持保全計画の作成等 □キ.記録の作成及び保存等・流通促進等に関する取組み □ク.その他の先導的取組み 〔住宅の提案の具体的内容〕 提案 項目 ① 写真 H 断熱区画の設定(暖房空間と非暖房空間の分離) 二世帯等(田舎の農家住宅を含む)の住宅の場合、将来の世帯、催 事、人数の増減によって使用される空間が一定ではない。以前は暖房 という概念が無いので、不必要な空間で暖房をしなくても問題は起き なかった。しかし、これからの家はシェルター性能を高くした家中暖 房の住まいが前提(家中暖房以外では非暖房室で結露が発生し、家が 傷む)。普段使用しない室内まで暖房することは、今後の環境問題、エ コロジー的観点からも経済的にも無駄である。 二世帯等(田舎の農家住宅を含む)のように、標準的な住まいより 広い床面積において、将来使用されなくなるであろう空間が想定でき るときは断熱区画を計画する。断熱区画とは外部に接していない内部 壁において、外部と同様な断熱、防湿層を設けることである。おのお のの区画は断熱気密扉を設置し断熱気密的仕切りを設ける。このよう に温熱シェルター区画を一軒の家の中に作る。このことで長期優良住 宅に起こりうる人数、ライフスタイル、慣習の変化に対応し、暖房部 分と非暖房部分を明確に分離できる。このことは家の非暖房室の結露 による傷みをなくすばかりか、経済的にも無駄のない住まいとなる。 写真H、Iは3年前に建て替えた農家を営む住宅で、普段は使われな い三間続きがあり、はれの慣習がある時に使用する。よって冬期暖房 はほとんどしない空間となり、生活空間とは区画されている。奥に見 有限会社オーブルデザイン える戸が断熱戸となり、日常空間はその扉の奥の空間でされている。 (図A) 内容、企画、計画を無断使用、 引用や転載を禁じます。 写真 I 農家を営む家のラフプラン 図A ② 小屋組で床倍率 3 の確保 住宅の耐震性に記述したとおり、本提案のシステムは許容応力度設計 による構造計算を前提にしている。その詳細な計算を行う為小屋組の 床倍率を高めると、2階の耐力壁で囲まれた区画を広くすることが可 能になる。さらに2階床倍率3を確保することで1階の内部耐力壁を 少なくすることができ、プランの可変性の幅が広がる 上記を 確認す る具体 的方法 設計図書にて設計者が確認する。 床倍率については性能評価に申請する耐震性の評価における構造計算にて確認する。 32 (様式6-新築戸建) ⑤住宅の提案の内容説明(その4) [A4版・各1枚] ※受付番号は事務局で記入します。 提案者(代表者) 有限会社 オーブルデザイン 「緑の家」長期調和型 応募提案事業名 受付番号※ 09-1- □ア.構造躯体の耐久性 □イ.住宅の耐震性 □ウ.維持管理の容易性 □エ.変化に対応できる良質な居住空間 ■オ.省エネルギー性、バリアフリー性、居住環境 □カ.維持保全計画の作成等 □キ.記録の作成及び保存等・流通促進等に関する取組み □ク.その他の先導的取組み 〔住宅の提案の具体的内容〕 提案 項目 ① 先進的な省エネ性能と将来性 この項目については様式4に記載したとおり。 ② 敷地に樹を必ず計画 写真 J 居住環境については、その住宅の敷地に一本以上のシンボルツリー を計画する。革新性は無いが、とても重要な要素なので改めて提案条 件とする。 どんなに素晴らしい家や、豪華な家であっても、その家に付随する 敷地に樹がなければ、魅力的な建物にならないことは多くの経緯で周 知のとおりである。しかし多くの人は少し大きな樹を嫌う傾向がある。 それは落ち葉の処理に気を使うことや、敷地に少し大きな樹を植える スペースが無い為であろう。長期優良住宅先導的モデルであるからに は、樹を植えることができないような家が 100 年も人々に引き継が れるだろうか?敷地の大きさについては、私共が設計計画する時点で 選ぶことができないケースが多い。しかし本事業の趣旨を踏まえると、 シンボルツリー位の緑を植えることができるスペースは必要条件であ る。応募提案事業名にも「緑の家」とあるとおり、長期に渡り愛され る家は必ず樹(緑)と共にある。 写真J、Kは新築時にシンボルツリーを設置した家。 内容、企画、計画を無断使用、 引用や転載を禁じます。 有限会社オーブルデザイン 写真 K 上記を 確認す る具体 的方法 設計図書にて、設計者が確認する。 33 (様式6-新築戸建) ⑤住宅の提案の内容説明(その5) [A4版・各1枚] ※受付番号は事務局で記入します。 有限会社 オーブルデザイン 提案者(代表者) 「緑の家」長期調和型 応募提案事業名 受付番号※ 09-1- □ア.構造躯体の耐久性 □イ.住宅の耐震性 □ウ.維持管理の容易性 □エ.変化に対応できる良質な居住空間 □オ.省エネルギー性、バリアフリー性、居住環境 □カ.維持保全計画の作成等 ■キ.記録の作成及び保存等・流通促進等に関する取組み □ク.その他の先導的取組み 〔住宅の提案の具体的内容〕 提案 項目 汎用な構造計算法を履歴記録として用いる。 全ての建物に許容応力度設計による構造計算書と、構造詳細図を含 む構造図及び設備完成配線図を手渡し、メンテナンス報告書と共に床 下空間にある家の履歴置き場にて保管する。オープン化されている許 容応力度設計による構造計算の為、仮に 50 年後リフォーム計画があ った時、その家を引き継ぐ設計者に情報を伝えやすくなる。クローズ ドされている工法(特殊な計算や実験結果を用いた工法)では構造計 算の解釈が難しい。これでは当時の設計者(法人、団体)が無くなっ た将来の修繕時、その家に対して新たに引き継ぐ法的構造責任者(設 計者)にはなれない。すると「面倒だから壊しましょう」ということ になる。汎用的な方法で計算された木造住宅は、将来に渡っても構造 解釈は建築士であれば容易で、それが長期に渡る家の標準設計方法と 考える。 写真L、Mはお渡しする設計図書と構造計算書。 内容、企画、計画を無断使用、 引用や転載を禁じます。 有限会社オーブルデザイン 写真 M 写真 L 上記を 確認す る具体 的方法 性能評価に申請する耐震性の評価における構造計算書にて計算する。 34
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