高等部の「職業」 - 相模原養護学校

相模原養護学校
Ⅰ
高等部の「職業」(本校)
職業の目標
勤労の意義を理解する
職業の目標
職業生活に必要な能力を高める
Ⅱ
実践的な態度を高める
学習指導要領より
(内容)
○1段階
①働くことの意義を理解し、作業や実習に取り組み、働く喜びを味わう。
②道具や機械の操作に慣れるとともに、材料や製品の扱い方を身に付け、安全や衛生に気を
付けながら作業や実習をする。
③自分の分担に責任をもち、他の者と協力して作業や実習をする。
④適切な進路選択のために、いろいろな職業や職業生活について知る。
⑤産業現場等における実習を通して、実際的な職業生活を経験する。
⑥職業生活に必要な健康管理や余暇の有効な過ごし方が分かる。
⑦職場で使われる機械やコンピュータ等の情報機器などの簡単な操作をする。
○2 段階
①働くことの意義について理解を深め,積極的に作業や実習に取り組み,職場に必要な態度を
身に付ける。
②いろいろな道具や機械の仕組み,操作などを理解し,材料や製品の管理を適切に行い,安全
や衛生に気を付けながら正確に効率よく作業や実習をする。
③作業の工程全体を理解し,自分の分担に責任をもち,他の者と協力して作業や実習をする。
④職業生活に必要な実際的な知識を深める。
⑤産業現場等における実習を通して,職業生活に必要な事柄を理解する。
⑥職業生活に必要な健康管理や余暇の計画的な過ごし方についての理解を深める。
⑦職場で使われる機械やコンピュータ等の情報機器などの操作をする。
- 11 -
Ⅲ
相模原養護学校の職業
~作業学習と進路~
職業生活に必要な能力を高める
勤労の意義について理解する
○具体的目標Ⅰ
○具体的目標Ⅲ
生活スキルから、職業的スキルへ
(例:ドライバーの使い方)
地域貢献
○具体的目標Ⅱ
人の役に立つ
身につけたスキルを伸展させる
(例:同じ品質で、スピード、効率)
将来の自己向上の
姿勢につなげる
実践的な態度を育てる
○具体的目標Ⅳ
動機づけを高める
ふりかえる
自己目標を設定する
自己評価できる仕組み
・技能検定
・技能オリンピック
- 12 -
・段位取得
・給料
Ⅳ
職業の指導に当たって
①変化のあるくり返しの指導
・課題分析によって、すべての生徒が通る必要な工程を示す。
・時間をかけて教え指導するのではなく、授業や場面で身につける課題を明確にし、指導に当
たる。
・基本を学ばせる時には、人数、配置(能力)、スペースなどの環境を整えることに重点をおく。
・正確さ(同じ品質で)、スピード(時間軸)、効率よく(工程、順番、順序)といった、職業
生活に必要な能力を高めるために、変化のあるくり返しの指導が重要である。
・ドライバーのねじ回しや、計量、接客技術などは、職業の時間に徹底して身につける。身に
つけたスキルを伸展させる必要がある。規格品(サービスを含む)をつくる場面で実際に使
えるスキルとして使えることを目指す。
②本人の特性を活かす構造化
・
「むこう、あっち、このくらい、だいたい」など、教員がいないとできない、担当する教員に
よって言うことが異なるような、抽象的な表現はしない。
・「聴覚」による指導よりも、「視覚」に働きかける指導を心がけ、構造化を図る。
・作業手順書、標準書、チェックシートなどを作成する。
・見える化の推進をする。表示をして置き場所を明確にし、掲示物の工夫をして、当日の作業
予定や生産出来高など、作業者全員の共通認識を図ることができるようにする。
・ムダ、ムラ、ムリの作業を廃止する。作業者の配置、物を取りに行く時間、歩行距離はどう
か。物の流し方、とり方(右からとって左に流すなど)、作業姿勢(作業台の高さなど)は適
切であるかをチェックする。
③どんな状況や場面、多くの道具でもできる
・例えば清掃の仕事は、「四角いところは四角くはける」「丸い机を丸く拭ける」といった技術
を、どんなスペースや大きさの場面においても使えるように、身につけた力を使って問題解
決できるようにしていく。
・個々の特性に応じて、例えば材料の計量は、
「文字を読み、数字を合わせるのではなく、色の
容器同色のおもりで作業する」
「材料の準備は、容器の形の違いを見て作業する」などの手立
てをとっている。その場限りの力ではなく、色や形、文字などの手がかりをもとに、どんな
道具、どんな状況でも作業が行えるように指導を行う。
④達成度がわかる指導形態
・本校独自の検定制度を設けて、生徒自身が自己評価できる仕組みをつくり、生徒の達成度を
捉える。
・総合教育センターアセスメント事業を、1学年で実施し、職業能力、認知などのアセスメン
トを行なっている。アセスメント結果を活用して、まず今ある能力で仕事ができるように、
そして、より能力を高めていけるように、作業方法の工夫・改善をおこない、環境作りに努
める。
⑤企業の取り組みを活かす
・卒業生の進路先確保にとどまらず、学校教育の指導内容への助言や支援に活かす。
・本人の特性を把握した上での、専門的支援と教示法の伝達。
・本人の特徴を活かせる構造化へつなげる。
- 13 -
Ⅴ
内容の位置づけとコマ数【作業学習:年間約 150 時間(週 1 日)
】
【進路:年間約 30 時間(週 1 コマ)】
相模原養護標準
~地域で社会生活、職業生活するために~
*学校の職業で身につける力は、地域でも使える力に
Ⅲ
○産業現場等実習
地域貢献
現実の場面で使える力
人の役に立つ
活用
○デュアルシステム
地域で週に数回働く
Ⅳ
動機づけを高める
子どもの自己評価
スーパー・図書館・スタジアムいす拭き
老人ホーム・自治会館清掃・近隣学校清掃
コーヒーマイスター
○校外での活動
Ⅱ
地域清掃
伸展
身につけたスキルを伸展させる
目標管理の実施
時間制限
正確さ(同じ品質で)
○受注・納品
スピード
効率よく(工程・順番・順序)
清掃検定
Ⅰ
ドライバー
基礎
スコップ
ちらし折り検定
職業的スキルの獲得
ペンチ
モップ
- 14 -
木工 1 級
金づち
ほうき
のこぎり
はかり
アイロン
エクセル
ワード
○
高等部「進路」の目標
生徒一人ひとりの卒業後の生き方について考える力を育て、進路を選択する
「自己選択・自己決定」の力を育む。
○
1
学
年
2
学
年
3
学
年
高等部「進路」の内容
● いろいろな仕事
身近な人たちの仕事や生活を知る
● 将来設計
卒業後の生活に関心を持つ
● 校内実習等事前事後学習
● 職場で大切なこと・大人のマナー
◇進路学習ガイダンス
◇身近(家族、学校、学校の近く等)で働く人を調べる
◇働くことの意義を知る
◇先輩の実習先と仕事を知る「実習報告会」
◇卒業生の仕事先を知る「進路一日体験」
◇1 週間継続して働く経験をする「校内実習」
◇社会人の期待されるあいさつ、マナー、基本的な生活習慣のスキルチェック表、
● いろいろな仕事
いろいろな仕事や生活を知り、自分の適性を考える
● 将来設計
卒業後の進路に関心を持つ
● 現場・校内実習事前事後学習
● 職場で大切なこと・大人のマナー
◇進路先、上級生、卒業生など身近な人を活用した、ビデオ紹介、職場見学会
◇求人誌、インターネット、新聞などのメディアを活用した調べ学習
◇自分史づくり 自己アピール書づくり
◇実習の目標・仕事内容・実習先の決まり・通勤方法・連絡方法等を知る
◇2 週間継続して働く経験をする「校内実習」「現場実習」
◇実習を振り返り、よかったところと今後の学習や生活における課題を考える
◇仕事上で想定される様々な場面のロールプレイ、ビデオを活用したビジネスマナー検定
● 将来設計
卒業後の生活を考える
● 職場で大切なこと・大人のマナー
● 現場・校内実習事前事後学習
● 独り立ち
● 制度の理解と活用
◇進路先、上級生、卒業生など身近な人を活用した、授業ゲスト
◇身だしなみポイントカード制度
◇化粧品会社やホテルなどの学校外の協力を得たマナー教室
◇実習の目標・仕事内容・実習先の決まり・通勤方法・連絡方法等を知る
◇2 週間継続して働く経験をする「現場実習」
◇実習を振り返り、複数の実習体験を通して、自分にあった職業や職場を考える
◇卒業生の話やビデオによるグループホーム紹介・グループホーム見学
◇ハローワーク、福祉事務所、就労援助センターの見学、各機関による話、担当者面談
○ 進路の指導に当たって
①自立生活ハンドブック 「ひとりだち」の内容から
1 住まい
3 仕事 については、「進路」で取り扱う。
②「社会生活」「家庭」の内容をリンクさせて、学習効果の向上を図る。
- 15 -