東海大学医学部付属八王子病院 広報誌 医療連携ニュース 2015年 2月号 発行 東海大学医学部付属八王子病院 患者支援センター、医療連携室 TEL. 042(639)1114, FAX 042(639)1115 師走の候、貴施設におかれましては、益々ご隆盛のこととお慶び申し上げます。平素は、当院の運営 にご理解とご助力を賜り、また、多数の患者様をご紹介いただき、厚く御礼申し上げます。 このたび、東海大学医学部付属八王子病院医療連携ニュース2015年2月号を発行いたしました。今 回は、負担を軽減した治療を幅広い領域で行っている当院小児外科の平川 均医師、脳卒中後の痙 縮に有効なボツリヌス毒素治療を安全に考慮した方法で取り組んでいる古川俊明医師を紹介させて いただきます。先生方が、ますます当院との医療連携を深めていただく、一助となれば幸いです。 患者支援センター長 檜垣 惠、 医療連携室長 小路 直 “こどもの負担を軽減した治療を幅広い疾患に対して行います” 平川 均(ひらかわひとし)医師 小児外科 准教授/小児外科医長 専門領域:小児救急疾患・小児内視鏡・小児便秘 外来担当日:毎週水・金曜日、第2・4・5土曜日 当科は、5年前に八王子小児病院の統合に 伴う小児外科の八王子からの撤退に合わせ、 地域医療に関わるべく開設されました。 現在の診療体制は、鄭 英里(ていえり)助 教と私の2名体制で診療に従事しております。 また、日本小児外科学会関連認定施設として、 年間約300例の手術・検査を行っております。 当科では、小児外科疾患で最も多い鼠径ヘルニア、手術を要する急性疾患で最多 の虫垂炎を中心に腹腔鏡下手術を積極的に取り入れ、こどもにかかる負担をできる だけ軽減する手術を目指しております。その他、停留精巣・遊走精巣・包茎・陰嚢水腫・ 急性陰嚢などの泌尿器疾患、臍ヘルニア、耳瘻孔、舌小帯短縮症、リンパ管腫、乳児痔 瘻、卵巣腫瘍、陰唇癒合など臓器にとらわれることなく幅広く対応しております。もち ろん腸重積症、幽門狭窄症、総胆管拡張症・神経芽腫など小児外科代表疾患はもとよ り、小児腹部外傷・熱傷・固形異物誤飲の診療にも当たります。 一方、内科的治療を要するような潰瘍性大腸炎やクローン病も当科で診療、ヒル シュスプルング病が紛れることのある小児便秘については専用枠(火・木曜日午後) を設け漢方薬を加えた診療を行っております。 当院小児外科では、外来でよく遭遇する小児外科疾患を主として、八王子で唯一、 小児外科入院加療のできる施設です。近隣の先生方におかれましては、引き続き、御 指導、御鞭撻を宜しくお願い申し上げます。 “脳卒中後の痙縮に対して、安全を考慮して エコーガイド下のボツリヌス毒素治療を行っています” 古川 俊明(ふるかわ としあき)医師 リハビリテーション科 講師/ リハビリテーションセンター長 専門領域:痙縮治療、電気生理リハ,摂食嚥下リハ, パーキンソン病、高次脳機能障害 外来担当日:毎週火曜日、第2,4,5土曜日 (痙縮治療外来 水曜日、木曜日午後) リハビリテーション科医は、常勤3名体制で、全員がリハ科専門医(私と笹尾ゆう医師、古賀信太朗 医師)の資格を持っています。リハビリテーションセンターではリハ医師3名、看護師1名、セラピスト30 名(PT17,OT8,ST5)がおり、急性期、回復期、維持期にわたる包括的リハビリテーション治療を提供して おります。 脳卒中後の後遺症として問題になるのが、片麻痺とともに、痙縮があります。痙縮は、日常生活動作 や介護、移動や歩行に大きな影響を与えます。具体的には、手指の屈曲痙縮が強くて「爪がきれない」 「手を洗うことができない」、足・指の痙縮が強くて「内反尖足位や槌状趾になり、足裏に胼胝ができ て痛い、装具がうまく履けない」、「着替えやおむつ交換が困難」などの障害の原因になります。また、 本来獲得可能な残存機能(つまむ、握る、開く、移動する、応用歩行など)の改善を妨げる場合があり、 その機能の回復を促進する“ニューロリハビリテーション治療”(脳の可塑性や神経ネットワーク再構築 に基づくリハビリテーション)を“ボツリヌス毒素治療”とともに行う包括的リハビリテーション治療は、 患者さんのQOLを改善させるのに役立ちます。 当科では、本邦において、A型ボツリヌス毒素製剤使用が認可された2010年より痙縮治療を外来で 開始し、現在では年間100~120例の治療を行っています。当科での治療の特徴は、エコーガイド下で 治療を行なうことで、確実に標的とする筋を同定し、血管や神経を傷つけることなく、安全に、手指の 小さな痙縮筋を選択的に治療することができることです。 先生方の患者さんの中には、痙縮にともない、在宅での日常生活動作が制限されたり、介護場面で 障害が生じている方もいらっしゃるかと思います。その場合は、是非、当科にご相談ください。当科で は、その他にも、痙性斜頸に対するボツリヌス毒素治療、およびリハビリテーションも行っております。 これからも、患者・家族に対し、丁寧な説明を行い、安心・安全で、質の高いリハビリテーションをめざ して地域の医療連携に貢献したいと思っております。引き続き、御指導、御鞭撻をいただければ幸いで す。 医療連携室からのお知らせ 患者様をご紹介いただく際には、事前のご予約をお願いしておりますので、下記問い合わせ先に、 ご連絡をいただき、診療情報提供書(紹介状)を当日患者様がご持参いただくよう、ご高配いただき たく、宜しくお願い申し上げます。 なお、外来診療予約の他、CT検査、MRI検査等の“検査のみ”のご紹介(高度医療機器共同利用)の ご予約につきましても、医療連携室にて受付しておりますので、下記までお問い合わせください。 医療機関専用ダイヤル 042-639-1114 平日8:30~17:00 第2,4,5土曜日 8:30~15:00 医療機関専用ファックス 042-639-1115 24時間対応 *受付時間以降の受信は、翌日対応となります。 一般ダイヤル 042-639-1111(代表) 平日8:30~17:00 第2,4,5土曜日 8:30~15:00
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