麻酔科医長 福島祐二

連携室レター
麻酔科紹介
第32号
平成23年3月
多摩南部地域病院
地域医療連携室
連絡先 042-338-5111(代)
麻酔科医長
福島 祐二
当院では数年間、非常勤医師のみで手術時の麻酔管理を行っていました。昨年10月より
小生が着任し、現在は小生と複数の非常勤医師により、日々の麻酔管理および夜間のオンコ
ール体制をとっています。
医療技術の進歩や高齢者の増加により、手術件数は年々増え(当院では年間約2500件)、
それに伴い麻酔科医の需要が高くなっていることはご存じかと思います。以前は外科医自ら
が麻酔を行うことがありましたが、現在では、医療訴訟の観点からも、麻酔科医以外が麻酔
管理を行うのは非現実的な状況になっています。常勤麻酔科医がいるメリットとして、手術
予定の調整や、術前に患者さんの病態を把握することで、安全な麻酔管理を計画してから手
術に対応でき、術後鎮痛の応対もできることが挙げられます。
一昔前まで麻酔には事故が多く、危険という認識があり、現在でもそれは全く無くなった
わけではありません。患者さんの中には、手術よりも麻酔が怖いとおっしゃる方も多くみら
れます。しかし、モニターや麻酔薬の進歩によって、劇的に事故が少なくなっているのも事
実です。当科では、患者さんが安全に安心して麻酔を受けられることを心がけています。局
所麻酔や脊椎麻酔が全身麻酔よりも安全といった認識は、現在では誤った認識だといえます。
笑気ガスを全身麻酔に使わなくなったことや、新しい筋弛緩薬とその拮抗薬の開発によって、
全身麻酔は非常に安全に行えるようになりました。むしろ、麻酔事故は前者で起こることの
ほうが多いのです。不安を抱える患者さんには、こうした事実を説明し理解をして頂くこと
で、安心して麻酔を受けられるようこれからも臨んでいく次第です。
当院では、麻酔科外来診療は現在行っていませんが、各科からの依頼があれば、各種神経
ブロックなどのペインクリニックにも対応が可能です。また、今後は緩和医療領域において
も対応していく予定です。
今後とも、地域の先生方からご紹介いただいた患者さんが手術を受けられる際には、安心
して麻酔が受けられるよう頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。
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研修会等のお知らせ
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3 月 10 日(木) 特別講演会(外科)19 時 30 分より 1 時間程度
当院隣 都立多摩総合精神保健福祉センター1 階 研修室
お待ちして
おります!
癌研有明病院 緩和ケア科 部長 向山 雄人 先生
「がん緩和ケア最前線 ~がんと仲良く生きる時代に~」
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3 月 24 日(木) 医療連携懇談会 19 時より 京王プラザホテル多摩 4 階「アポロ」
講演:当院眼科医長 百野 伊惠 医師
「インフィニティ(白内障手術用の装置)について」
19 時 20 分より連携医の先生方との懇親会を予定しております。
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