5 年生版「計算ドリルノート」計算の習熟には「計算ドリルノート」の活用を葛飾区立こすげ小学校　吉田　博 ■ はじめに ■ 実際の指導と児童のノート新学期になり，新しく出会った子どもたちとの「分数の計算」を指導する際は，分母，分子に学習が始まります。ノートの取り方なども指導し１マスずつ使うように指導しています。なければなりません。新しいノートを購入し，「くりかえし計算ドリル」の取り組み方（問題の写し方や答えの書き方）なども指導します。しかし，家庭学習で取り組ませると学級全体でやり方がそろわないということも多いのではないでしょうか。そこで，「くりかえし計算ドリル」に取り組む際，ノート指導が困難なことはどんなことなのか図 1 を考えてみました。 ①　方眼のノートを使っている児童や大学授業中には，図１のようにノートを使用し，計ノートを使っている児童がいること。算練習に取り組んでいますが，家庭学習で計算練 ②　問題番号や計算を写す児童や写さない児習に取り組むと図 2 や図 3 のようなやり方をして童がいること。いる児童もいます。 ③　筆算や途中の式を書く児童と書かない児童がいること。などが考えられます。 ①は，学期の始めに全員が同じノートを購入することで解決できるかもしれませんが，②や③に関しては，なかなか徹底することは難しいと考えています。図 2 図 3 …1… ■ 計算ドリルノートを使って ■ そのほかにも… 図２や図３のように，１つのマスに分子，分母「計算ドリルノート」には，ノート指導の他にを入れて小さく書くと途中の式が見づらく，間違もこんな便利な点があります。う原因にもなります。また，家庭学習として提出家庭学習の課題に目を通すことは，時間もかかされた時に，教師も目を通すのが大変です。そこるし大変です。でも，「計算ドリルノート」を使で「計算ドリルノート」を活用してみました。「計うと同じ書き方をしているので，教師も目が通し算ドリルノート」は，計算の最初がうすく印刷しやすく，児童の間違いに気づきやすいということてある（図４）ので，どのようにノートに計算をも「計算ドリルノート」のメリットとして上げら書いていけばよいのかが分かります。れます。また，「計算ドリルノート」には，教科書のどこのページに解き方や考え方が出ているのかが書いてあるため，家庭学習のときに解き方が分からなくなっても児童は，自分で教科書を見て解き方を復習することができます。そして，もう一つ。「計算ドリルノート」の便利な点は，表やグラフ（図６），図形（図７）などもかくことができるという点です。図 4 また，問題だけではなく，途中の式もなぞるようになっているため，途中の式を書かせることも徹底させることができます。図 6 図 5 このように，「計算ドリルノート」を活用することによって，計算の仕方や書き方などを指導することができます。また家庭学習でも，学校で指導した書き方と同じ書き方でやってきます。図 7 …2… 「計算ドリル」は，「くりかえし」という言葉がついているように学習した後も何度か繰り返し，学習内容を定着させるためのドリルです。今までは，ドリルに直接書かせていた答えや計算過程も，「計算ドリルノート」を使うことで，最低でも２回は取り組むことができます。 ■ 終わりに「計算ドリルノート」を使うことで，計算などの途中の式をしっかりと書かせることができます。また，１マスに１文字など基本的なことを身につけさせるためにも役に立つと思います。一つ一つ丁寧に取り組み学習内容を定着させていくために，適切な教材であると考えています。 …3…