資料1 - 筑波大学図書館情報メディア系|図書館情報メディア研究科

2015/10/6
人間計測
人間計測の方法
1.人間計測について
• 人間工学的計測:
– 椅子の座り心地,乗り物の乗り心地,キーボード
を使っときの疲れ具合
• 認知工学的計測:
秋学期AB、木曜4時限、7A106
森田 ひろみ
http://www.slis.tsukuba.ac.jp/~morita.
hiromi.gm/ug_human
– 情報機器のわかり易さ,システムの使い勝手,コ
ンテンツの受け取られ方
人間計測の目的
1. 人間の認知特性やそのメカニズムを解明したい
2. 人間の認知特性を調べ,新たな情報機器やコンテ
ンツの発想に生かしたい
3. 現在ある製品の認知的な問題点を発見して改良
につなげたい
4. 制作したシステムやコンテンツを評価したい
 1,2は,人間の認知機能計測,3,4は,製品の
ユーザビリティ計測
• 人間に限らず,現実世界の対象を相手とした
計測や実験を行った経験はありますか?
– 3年次の情報メディア実験では,
•
•
•
•
シミュレーション実験,数値実験
コンテンツ制作,ロボット製作
プログラム開発,システムの実装
認知心理実験
実験の流れ
1. 目的を明確にする
– 測定対象・現象,検証すべき仮説など
2. アプローチ方法を決定する
– 生理計測(眼球運動,脳波など)
– 心理計測(閾値,課題のパフォーマンス(反応時
間,正確さ),主観的評価など)
– 質問紙法
– 行動観測(個体,集団)
3. 実験計画を立てる
– 独立変数と従属変数を決定する
• 独立変数の他はできるだけ条件をそろえる
• コントロール(対照)条件
• 実験参加者間計画or実験参加者内計画or混合計画
– 実験参加者のマッチング
– 実験参加者間でカウンターバランスして平均する
• 実験参加者の人数,試行数(ブロック数・セッション数)
どんな分析をして何が言いたいのか?
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2015/10/6
実験参加者内計画における条件1から4の実施順序
ラテン方格
循環法
実施順序1 1
2
3
4
実施順序1 1
2
4
3
実施順序2 2
3
4
1
実施順序2 2
3
1
4
実施順序3 3
4
1
2
実施順序3 3
4
2
1
実施順序4 4
1
2
3
実施順序4 4
1
3
2
順序1は,1,2,m,3,m-1,4,m-2....の順序
順序2は,順序1の番号に+1
mが奇数なら逆順序も作成する
4. 実験・計測
– 周到な準備,細やかな気遣い,環境の維持
– 教示
• 実験参加者が行うべき課題を実験者が説明すること,ある
いはその内容
– わかり易く,的確で具体的な表現で伝える
– 実験者効果
• 実験者と実験参加者の間のコミュニケーションの中で,実
験者が意図せず実験参加者の行動に影響を及ぼしてしま
うこと
– 協力してくれる実験参加者を尊重し,感謝の気持ち
をもつ
倫理的配慮
5. 分析
– いきなり統計的検定ではない.
– 結果の全体像を把握⇒表やグラフ
– データにより,取扱いのテクニックがある.
• 反応時間の外れ値や分布のゆがみ
• 信号検出率のHITとFalseAlarmの比率
• 人間または人間の行動を対象とし,対象者の人格,人
権,名誉および健康に関わる研究ならびに動物の使
用を伴う研究において,研究倫理が守られているかを
審査するために,図書館情報メディア研究科倫理審査
委員会を設置する
卒業研究,修士論文等も、事前に倫理審査を受けて
承認されなければなりません!
6. 考察と結論
倫理審査の申請
– 実施計画書
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•
•
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法令遵守
対象者への配慮(人格的に,健康等)
説明して同意を得る
プライバシー保護
自由意思による参加,不参加や途中放棄の自由
1週間~数か月かかります!
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