認定軽度者への福祉用具の例外給付について

認定軽度者への福祉用具の例外給付について
平成27年3月作成
島原地域広域市町村圏組合
介護保険課〔給付係〕
軽度者への福祉用具の例外給付についての基本的な考え方
軽度者(要支援1,2・要介護1)と認定された者に係る福祉用具貸与費についてはそ
の状態像から使用が想定しにくい車いす等の福祉用具は原則として算定することはできま
せん。自動排泄処理装置(尿のみを自動的に吸引する機能のものを除く。
)については、要
支援1,2・要介護1,2及び要介護3と認定された者に対しても原則算定できません。
ただし、様々な疾患、その他原因等により厚生労働省が示した貸与が必要な状態像(P3
の「表1」の状態像)に該当する者については、例外的に福祉用具貸与費の算定が認めら
れています。
例外給付に係る貸与が必要な状態像の確認方法について
厚生労働省の通達に基づき、貸与が必要な状態像であるかどうかの判断は次の①または
②の方法により確認することとされています。
①要介護認定の認定調査票(基本調査)の直近の結果を用いて判断することができます。
P3の「表1」に照らし判断し、該当する場合は福祉用具の貸与が可能です。
(該当しなか
った場合は②を検討します。)
②次のⅰ)~ⅲ)までのいずれかの状態像に該当することが医学的所見により判断され、か
つサービス担当者会議等を通じた適切なケアマネジメントにより福祉用具が特に必要と判断
されている場合は福祉用具の貸与が可能となります。
(ただし、軽度者の状態像及び適切
なケアマネジメントに基づき貸与の妥当性を判断しているかどうかについては本組合介
護保険課にて後に確認させていただきます。詳細はP2でも述べます。
)
ⅰ)疾病その他の原因により、状態が変動しやすく、日によって又は時間帯によって、頻繁に「表1」の
状態像に該当する者。
(例 パーキンソン病の治療薬によるON・OFF現象)
ⅱ)疾病その他の原因により、状態が急速に悪化し、短期間のうちに「表1」の状態像に至ることが確実
に見込まれる者
(例 がん末期の急速な状態悪化)
ⅲ)疾病その他の原因により、身体への重大な危険性又は症状の重篤化の回避等医学的判断から「表1」
の状態像に該当すると判断できる者。(身体を動かすことがかえって危険だと判断できる者)
(例 ぜんそく発作等による呼吸不全、心疾患による心不全、嚥下障害による誤嚥性肺炎の回避)
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貸与が必要な状態像に該当すると判断してから貸与までの流れについて
P1の①(認定調査票の結果による判断)にて貸与が必要である判断ができた場合は、そ
の算定根拠をケアプランに記載(※1)し貸与を行ってください。
(これまでのように本組合
介護保険課に対し書類の提出は不要です。
)
(※1) ケアプランに記載する方法としては次のようなものが考えられます。
(当然これ以
外の方法でも可)
・該当する認定調査票(写し)をケアプランと一緒に添付しておく。
・支援経過記録やサービス担当者会議録等の様式に認定調査票の根拠となる部分(調査票の
日付、該当する結果)を記載する。
P1の②(医師の所見等による判断)にて貸与が必要である判断ができた場合は、その算
定根拠(※2)をケアプランに記載し貸与を行ってください。
(これまでのように本組合介護
保険課に対し書類の提出は不要です。
)
(※2) 算定根拠として以下の2つをケアプラン上に明記することが必要であると考え
ます。
・主治医の所見により判断された状態像(P1で示す(ⅰ)~(ⅲ)のいずれかの状態像)
をサービス担当者会議録等に記載しておく。
(主治医より診療情報提供書等の書類を取寄せたり、直接主治医へ聴取するなどしてその状態
像を確認することが想定されます。主治医に聴取する場合は、状態像のほかに所見を行った
主治医名や聴取した日時等まで細かな記載をお願いします。)
・福祉用具相談専門員やその他軽度者に対して助言が可能な者からの必要性を示すコメントを
担当者会議録に記載する。
(注意)
これまでのように福祉用具貸与の例外給付費を算定するにあたり、貸与に必要な書
類を本組合介護保険課に提出する義務はありませんが、上記(※1及び※2)の手順
に基づき確実に運用していただきますようお願いします。なお、上記の運用が適切に
実施されているかどうかについて、本組合介護保険課が現在定期的に実施しているケ
アプラン点検の際に確認いたします。あくまで例外的な給付であることを個々のケア
マネジャーが理解され、適切に運用していただきますようお願いします。
この運用については平成27年4月1日以降に作成されるケアプランより開始し
てください。なお、本取扱いでは判断できない特殊な事例についてはその都度ご相談
いただきますようお願いします。
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表1 〔95号告示第25号のイ〕
要介護1 〔老企第36号 第2の9(2)〕
要支援1・2 〔老計発第0317001号、老振発第0317001号、老老発第0317001号 別紙1 第2の11(2)〕
厚生労働大臣が定める者のイに
対象外種目
厚生労働大臣が定める者のイ
該当する基本調査の結果
次のいずれかに該当する者
ア)
車いす及び
車いす付属品
(一)日常的に歩行が困難な者
基本調査1-7が、「3.できない」
(二)日常生活範囲における移動の
支援が特に必要と認められる者
- 【※】
次のいずれかに該当する者
イ)
ウ)
特殊寝台及び
特殊寝台付属品
床ずれ防止用具
及び体位変換器
(一)日常的に起きあがりが困難な者
基本調査1-4が、「3.できない」
(二)日常的に寝返りが困難な者
基本調査1-3が、「3.できない」
日常的に寝返りが困難な者
基本調査1-3が、「3.できない」
次のいずれにも該当する者
エ)
認知症老人徘徊
感知機器
基本調査3-1が、「1.調査対象者が
意思を他者に伝達できる」以外
又は
基本調査3-2~基本調査3-7のい
(一)意見の伝達、介護者への反応、
ずれかが、「2.できない」
記憶・理解のいずれかに支障があ 又は
る者
基本調査3-8~基本調査4-15の
いずれかが、「1.ない」以外
その他、主治医意見書において、認
知症の症状がある旨が記載されてい
る場合も含む。
(二)移動において全介助を必要としな
い者
基本調査2-2が、「4.全介助」以外
次のいずれかに該当する者
オ)
移動用リフト
(つり具の部分を除く)
(一)日常的に立ち上がりが困難な者
基本調査1-8が、「3.できない」
(二)移乗が一部介助又は全介助を必
要とする者
基本調査2-1が、
「3.一部介助」又は「4.全介助」
(三)生活環境において段差の解消が
必要と認められる者
- 【※】
次のいずれにも該当する者
カ) 自動排泄処理装置
【※】
(一)排便が全介助を必要とする者
基本調査2-6が、「4.全介助」
(二)移乗が全介助を必要とする者
基本調査2-1が、「4.全介助」
アの(二)「日常生活範囲における移動の支援が特に必要と認められる者」及びオの(三)「生活環境
において段差の解消が必要と認められる者」については、該当する基本調査結果がないため、主治医
から得た情報及び福祉用具相談専門員のほか、軽度者の状態像について適切な助言が可能な者が
参加するサービス担当者会議等を通じた適切なケアマネジメントにより指定居宅介護支援事業者また
は指定介護予防支援事業者が判断する。
なお、ここで言う適切なケアマネジメントについてはP4、P5で示すQ&Aを参考に運用すること。
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認定軽度者の福祉用具貸与に関する Q&A
Q1
直近の認定調査票が1年以上も前のもので、その調査票では「表1」の状態像に該当し
ていないが現在の状態は以前とは明らかに異なるため貸与の必要性があると思ってい
る。
車いす、移動用リフトであれば適切なケアマネジメントによりケアマネジャーが必要性
A1
を判断してください。それ以外の品目であればP1、②の医学的所見による状態像に該
当するかどうかの方法で判断ください。
Q2
車いす貸与において、
「表1、ア)
、
(二)日常生活範囲における移動の支援が特に必要と
認められる者」の日常生活範囲とは具体的にどの範囲を指しているのか?
A2
本組合介護保険課が考える日常生活範囲内の移動とは自宅内の移動、通院、日常生活用
品の買物、市役所等への手続きなど主に訪問介護の身体介護でできる外出介助の内容と同じ
だと考えます。従って趣味の外出、友人宅への訪問、散歩はその範囲内とは考えておりませ
んので後者においての貸与は介護保険給付外で対応いただくようお願いします。
Q3
車いす貸与において、
「表1、ア)
、
(二)日常生活範囲における移動の支援が特に必要
と認められる者」に該当するかどうかは、適切なケアマネジメントによる判断が必要とな
るが、適切なケアマネジメントについてケアマネとして押さえておかなければならないこ
とは?
A3
基本的には次のような点についての検討が必要だと考えています。
●長時間の歩行が困難な原因の把握(疾患・機能障害)
○その移動が日常生活上なくてはならないものか(どこまでの移動目的で利用したいのか)
●歩行器や歩行補助杖等での対応はできないか
○杖歩行が可能な近辺までも安易に利用してしまう可能性がないか
●車いすを利用すれば、訪問介護等の他のサービスを利用しなくてよい状況となるか
○その利用の安全性が保たれるか
なお、このケアマネジメントの結果については確実にケアプラン上に記載(支援経過記録や
担当者会議録)し、担当者会議で各々必要性を共有してください。
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移動用リフト貸与において、「表1、オ)
、(三)生活環境において段差の解消が必要
Q4
と認められる者」に該当するかどうかは、適切なケアマネジメントによりケアマネが判
断するものとしているが、適切なケアマネジメントについてケアマネとして押さえておか
なければならないことは?
A4 まず、この場合の移動用リフトは「段差解消機」が考えられます。適切なケアマネジメ
ントについては基本的に次のようなものを想定しております。
○日常的に立ち上がり、移動、移乗が困難な原因の把握(疾患・機能障害)
●介護保険での住宅改修による段差解消等では解消されないか
○移動用リフトを使用することで移動、移乗の意欲が薄れるなどの自立阻害とはならないか
●リハビリに対しても積極的と思われる目標設定が利用者と確認できるか
○その利用の安全性が保たれるか
なお、このケアマネジメントの結果については確実にケアプラン上に記載(支援経過記録や
担当者会議録)し、担当者会議で各々必要性を共有してください。
Q5
軽度者で福祉用具貸与を算定しているケアプランの期間が終了を迎え、同じ内容でケアプ
ランの継続を行う場合も再度、本取扱いでの運用にて貸与の必要性を判断しないといけない
か
A5
そのとおりです。あくまで例外的な給付であるため、貸与の必要性の協議を十分に行うべ
きだと考えます。
Q6
認定申請中(新規申請、更新申請、区分変更申請)にみなしで福祉用具貸与を行う場合に
はどうすればよいか?
A6
認定申請中により介護度が決定していないので、一応本取扱いでの運用にて貸与の可否を
判断することが適切であると考えます。(ただし、この場合の貸与の可否の判断は「要介護
認定の認定調査票(基本調査)の直近の結果を用いて判断する」以外が考えられます)
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