新任教員紹介 氏名 野坂 昭雄(のさか あきお) 所属 言語文化学科 職名 准教授 発令年月日 最終学歴 アジア言語文学講座 2015 年 4 月 1 日 東北大学大学院 文学研究科 国文学日本思想史学専攻(国文学)博士後期課程修了 学部:文学概論、日本文学史、日本文学特殊講義、日本文学講読、日本文学演習、日本文学演習(4 担当授業科目 年生)等 大学院:日本文論II、日本文論演習 野坂准教授の専門は近代詩、特に昭和初期の抒情詩である。大学の卒業論文以来、研究の中心は 伊東静雄であり、伊東の研究から、立原道造、田中克己、保田與重郎といった周辺の詩人、批評家 へも関心が広がっていった。博士学位論文では他に蔵原伸二郎、萩原朔太郎、リルケにも言及し、 混乱した時代の中で、独自の文化的なアイデンティティを追求しようとした彼らの詩作の有りよう を考察している。特に、保田與重郎の「イロニイ」に見られるような、やや歪んだ主体性を理論化 し、当時の文脈の中に位置づける作業を精力的に推進している。 また、最近では戦争詩の問題に強い関心があるようである。戦争詩は、ラジオでの朗読によって 研究活動の概要 国民の間に広く普及したと言われているが、戦争はまたスペクタクルとして「見る」ものでもあっ た。戦争詩における視覚性というテーマを設定し、 「見る」詩であるモダニズムから戦争詩がどのよ うに連続・切断しているのかを、検討している。 もう一方で、2002 年に発足した原爆文学研究会の発足時からのメンバーであり、峠三吉、林京子、 鹿島田真希などについての論文がある。さらに映画や SF、またサークル運動にも関心があり、原爆 文学研究会以外にも戦後文化運動合同研究集会といった会に参加している。 その他、原爆文学研究会に所属している関係から、ジョン・トリート『グラウンド・ゼロを書く』 (法政大学出版局刊)の監訳者の一人となり、数年にわたって翻訳の作業に携わっている。
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