3.1 一般力の下でのラグランジュの運動方程式

2.1.3 ハミルトンの原理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17
ャルを仮定した変分問題からラグランジュの運動方程式を導いた前章と異なり、微分方程式
35
• 極座標の場合
く、運動量も一般運動量に変換し、また力も一般力に変換する。こ
2.1.4 ラグランジアン . . . . . . . .. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 
. . . . 18
般力学へと発達させる方法をとる。
分問題として解けるラグランジュの運動方程式を扱った。そのた
前章ではハミルトンの原理から導かれる変分問題として解けるラグランジュの運動方程式を扱っ
35
からラグランジュの運動方程式を導いた前章と異なり、微分方程式
2.2 座標変換とラグランジュの運動方程式
.˙ .=. r.˙ cos
. . .θ. −. r
. θ.˙ sin
. . θ
. .
. . . . 20
x = r cos θ . . . . . . . x
⇒
(3.5)
、力が保存力である場合、座標変換に時間が含まれない場合、質
2.2.1め主として束縛条件が時間に依存しない場合、力が保存力である場合、座標変換に時間が含まれな
ホロノミックな束縛
. . . . .. . . . . . . . . . . .—
. .一般編
.—
. . .
法をとる。
第3章
y = rラグランジュ形式の力学
sin θ
y˙ = r˙ sin
θ .+. r. θ˙. cos
θ . . . . 20
平成
27
年度 解析力学 講義ノート
章ではこれらの範囲に収まらない一般の問題へと進む。それを扱
点が一つないし二つの問題などであった。本章ではこれらの範囲に収まらない一般の問題へと進む
2.2.2
循環座標
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . [7]
. . .(担当:井元信之)
. . . . . . . . . . . . . . . . 22
の下でのラグランジュの運動方程式
より、 2.2.3うには座標だけ一般座標に変換するのでなく、運動量も一般運動量に変換し、また力も一般力に変
このように、デカルト座標を用いると、運動方程式
(3.3) の両式の右辺に現れる力の成分と、力
一般座標によるラグランジュの運動方程式
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 22
、運動量も一般運動量に変換し、また力も一般力に変換する。こ
2015 年 5 月 28 日
$
%
ではハミルトンの原理から導かれる変分問題として解けるラグランジュの運動方程式を扱った。そのた
m
2 . . . 2. ˙.2 . . . . . . . . . . . .
2.2.4
極座標、球座標での運動エネルギー
.
.
.
.
.
.
24
T =
r˙ + r θ
(3.6)
前回の演習問題の答
対してする仕事の表式
(3.4) に現れる力の成分は一致する。
い一般の力の下でのラグランジュの運動方程式を導出しよう。準備として保存力下でのラグ
ジュの運動方程式
35
らラグランジュの運動方程式を導いた前章と異なり、微分方程式
のためにポテンシャルを仮定した変分問題からラグランジュの運動方程式を導いた前章と異なり、
2
∂xi
∂ x˙ i
して束縛条件が時間に依存しない場合、力が保存力である場合、座標変換に時間が含まれない場合、質
2.3 周期運動への応用
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .=
. . . . . . . . 35
. . . 24
正解多数につき省略。一般的に言えそうなこと: ∂qj
∂ q˙j
程式を再導出し、それを修正する形で、座標変換に時間が含まれる場合や保存力以外の力が
をとる。
としての力学を一般力学へと発達させる方法をとる。
となる。ここで
∂T /∂ r˙ および ∂T /∂ θ˙ なるものを計算してみると、
場合
分問題として解けるラグランジュの運動方程式を扱った。そのた
つないし二つの問題などであった。本章ではこれらの範囲に収まらない一般の問題へと進む。それを扱
ランジュの運動方程式を導出しよう。準備として保存力下でのラグ
2.3.1 質点が一つの振り子 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 24
化する。これを行うため一般運動量および一般力を導入する。
 2.3.2 質点が二つあるいは剛体の振り子

. .一般編
. . . . .—
. . . . . . . . . 26
3.1. 一般力の下でのラグランジュの運動方程式
37
第 3 章 ラグランジュ形式の力学
∂T  . . . . . . . .—∂T
、力が保存力である場合、座標変換に時間が含まれない場合、質
座標だけ一般座標に変換するのでなく、運動量も一般運動量に変換し、また力も一般力に変換する。こ
正する形で、座標変換に時間が含まれる場合や保存力以外の力が
x = r cos θ 
x˙ = r˙ cos θ − rθ˙ sin θ =
mr˙ および
= mr2 θ˙
(3.7)
ではハミルトンの原理から導かれる変分問題として解けるラグランジュの運動方程式を扱った。そのた
2.3.3
. θ.˙ . . . . . (3.5)
. . . . . . . . . 31
⇒ 長さ可変な振り子 . . . ∂. r˙. . . . . . . . . . . . . ∂
章ではこれらの範囲に収まらない一般の問題へと進む。それを扱
にポテンシャルを仮定した変分問題からラグランジュの運動方程式を導いた前章と異なり、微分方程式
一般運動量および一般力を導入する。
∂T
˙ cos θ 
ジュの運動方程式
一般力の下でのラグランジュの運動方程式
y =前章ではハミルトンの原理から導かれる変分問題として解けるラグランジュの運動方程式を扱った。そのた
r sin
θ  2.3.43.1
y
˙
=
r
˙
sin
θ
+
r
θ
して束縛条件が時間に依存しない場合、力が保存力である場合、座標変換に時間が含まれない場合、質
のように、デカルト座標を用いると、運動方程式
(3.3)
の両式の右辺に現れる力の成分と、力
と書ける。この
は「見かけの力」と呼ばれる。時間とともに変わる座標変換をしているわけでもない
定常解の回りの微小振動の問題
. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 31
∂r
が得られる。これらをそれぞれ 一般運動量(generalized momentum:一般化運動量)pr および pθ 35
と呼
動量・一般力・運動方程式
、運動量も一般運動量に変換し、また力も一般力に変換する。こ
の力学を一般力学へと発達させる方法をとる。
$ %
つないし二つの問題などであった。本章ではこれらの範囲に収まらない一般の問題へと進む。それを扱
してする仕事の表式め主として束縛条件が時間に依存しない場合、力が保存力である場合、座標変換に時間が含まれない場合、質
(3.4)のに、また運動エネルギーに場所依存性があるわけでもないのに、
に現れる力の成分は一致する。
T が r に依存するのは、運動する質
&
'
1
ンジュの運動方程式を導出しよう。準備として保存力下でのラグ
まず保存力でない一般の力の下でのラグランジュの運動方程式を導出しよう。準備として保存力
第 3 章 ラグランジュ形式の力学
— を真似て
一般編 — d ∂T や d ∂T を作るとどうなるであろうか。いま、力
33
ぶことにする
。このとき
(3.3)
F
$
%
らラグランジュの運動方程式を導いた前章と異なり、微分方程式
dt ∂ r˙
dt
∂ θ˙
˙2 の効き方が異なってくる
m
のため、
2 次元デカルト座標、
2
次元極座標、
n
次元一般座標について対比的に述べる。いず
座標だけ一般座標に変換するのでなく、運動量も一般運動量に変換し、また力も一般力に変換する。こ
程式
点の立場に立ってみれば動くうちに原点からの距離が変化することによって
θ
点が一つないし二つの問題などであった。本章ではこれらの範囲に収まらない一般の問題へと進む。それを扱
2
2 ˙2
一般力の下でのラグランジュの運動方程式
. . . . . . . . . . . . . . (3.6)
. . . . . . . . . 33
T
=ランジュの運動方程式を再導出し、それを修正する形で、座標変換に時間が含まれる場合や保存力
r˙ + r方向成分を
θ
正する形で、座標変換に時間が含まれる場合や保存力以外の力が
合
の r3.1
方向成分を
Fθ と書き、加速度
α
# の r 方向成分を
αr 、θ 方向成分を αθ と書くと2
2 Fr 、θ∂T
をとる。
36
第
3. 章
ラグランジュ形式の力学 —
に依存する量と依存しない量の区別に注意を払い、座標系に依存しないスカラーを極力使っ
にポテンシャルを仮定した変分問題からラグランジュの運動方程式を導いた前章と異なり、微分方程式
からである。すなわち
に相当する力の場が実際にあるわけではないが、座標変換に伴い付加しなけれ
うには座標だけ一般座標に変換するのでなく、運動量も一般運動量に変換し、また力も一般力に変換する。こ
3.1.1
一般運動量・一般力・運動方程式
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
. . 33


∂r

$
%
一般力の下でのラグランジュの運動方程式
般運動量および一般力を導入する。
ある場合にも一般化する。これを行うため一般運動量および一般力を導入する。
標、
2
次元極座標、
n
次元一般座標について対比的に述べる。いず
˙
ここで ∂T /∂ r˙ x
および
∂Tθ/∂θ なるものを計算してみると、
= のためにポテンシャルを仮定した変分問題からラグランジュの運動方程式を導いた前章と異なり、微分方程式
r cos
= r˙ cos θ −αrrθ˙ =
sinr¨θ−
前章ではハミルトンの原理から導かれる変分問題として解けるラグランジュの運動方程式を扱った。そのた
3.1.2 x˙ ラグランジュの運動方程式
. . . . . . . .m
. . .r¨ .−. r. θ˙.2 . .=. F
. r. . .
. . . 37
rθ˙.2 . . 
行くことを念頭に置く。
の力学を一般力学へと発達させる方法をとる。
ばならない。
⇒
(3.5)
となる。このように、デカルト座標を用いると、運動方程式
(3.3) の両式の右辺に現れる力の
$
%
4
⇒
(3.8)
い量の区別に注意を払い、座標系に依存しないスカラーを極力使っ
ではハミルトンの原理から導かれる変分問題として解けるラグランジュの運動方程式を扱った。そのた
 ¨ 
保存力でない一般の力の下でのラグランジュの運動方程式を導出しよう。準備として保存力下でのラグ
3.1.3 y˙ 複数粒子にわたる一般座標の例
. . . . . . . .m
. . .2r.˙ θ˙. +
. .r.θ¨ . .=. F
. . .
. . . 38
∂Tθ +αrθ˙ cos
y = としての力学を一般力学へと発達させる方法をとる。
rめ主として束縛条件が時間に依存しない場合、力が保存力である場合、座標変換に時間が含まれない場合、質
sin θ∂T
= r˙ sin
θ
˙
2
=
2
r
˙
θ
+
r
θ
˙
θ
θ
=
m
r
˙
および
=
mr
θ
(3.7)
さて、r に関する運動方程式
(3.9) に見られた「見かけの力」は
θ 方向にはない。それは (3.6) 式から
ジュの運動方程式
が質点に対してする仕事の表式
(3.4) に現れる力の成分は一致する。
して束縛条件が時間に依存しない場合、力が保存力である場合、座標変換に時間が含まれない場合、質
ルト座標の場合
∂ r˙ 3.2 時間を含む扱い
θ.˙ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 40
程式
ュの運動方程式を再導出し、それを修正する形で、座標変換に時間が含まれる場合や保存力以外の力が
3.1.1 ∂一般運動量・一般力・運動方程式
点が一つないし二つの問題などであった。本章ではこれらの範囲に収まらない一般の問題へと進む。それを扱
∂T
∂T
得られる3.2.1
=時間を含む一般座標のラグランジュの運動方程式
02に対応している。このあってもなくてもよい
. . . . .∂θ. .を加えると、
. . . . . . . . (3.9)
40 式の右式は
∂θ m$
つないし二つの問題などであった。本章ではこれらの範囲に収まらない一般の問題へと進む。それを扱
2 %
が示されるので、これを用いると
一般力の下でのラグランジュの運動方程式
ンの運動方程式運動エネルギー
T
=
(
x
˙
+
y
˙
)
を用いて
∂T
/∂
x
˙
および
∂T
/∂
y
˙
というもの
る。これらをそれぞれ
一般運動量(
generalized
momentum
:一般化運動量)
p
および
p
と呼
ンジュの運動方程式を導出しよう。準備として保存力下でのラグ
合にも一般化する。これを行うため一般運動量および一般力を導入する。
•
極座標の場合
r
θ
m
2
!
"
標、2 次元極座標、nうには座標だけ一般座標に変換するのでなく、運動量も一般運動量に変換し、また力も一般力に変換する。こ
次元一般座標について対比的に述べる。いず
T =3.2.2
˙ 2 + r2$
θ˙2 % (
. . . . 2d
. 次元デカルト座標、
. . ∂T
. . . . . .∂T
. . . . . 2. 次元極座標、
. (3.6)
. . . .). . . . n
. .次元一般座標について対比的に述
. 42
& スムースな理解のため、
'rパラメトリック励振
)
(

座標だけ一般座標に変換するのでなく、運動量も一般運動量に変換し、また力も一般力に変換する。こ
d 2∂T
d
∂T
− 
= Qθd ∂T F
(3.14)
3.1
一般力の下でのラグランジュの運動方程式
みると、
する1 。このとき
(3.3)
を真似て
や
正する形で、座標変換に時間が含まれる場合や保存力以外の力が
∂T
˙d を作るとどうなるであろうか。いま、力
2
dt
∂
r
˙
dt


m
のためにポテンシャルを仮定した変分問題からラグランジュの運動方程式を導いた前章と異なり、微分方程式
2
2
∂
θ
˙
保存力でない一般の力の下でのラグランジュの運動方程式を導出しよう。準備として保存力下でのラグ
3.2.3
回転座標系
. . y˙. というもの
. . . .=. F
. dt
.r +
. .xmr
.=
.˙ θr
. .cos
. および
.θ
. . . . . . . . .x
.˙ .=. r=
. cos
. rF
. .θθ .−. r θ˙ 45
∂θ
量の区別に注意を払い、座標系に依存しないスカラーを極力使っ
˙
sin
θ
(3.9)
∂
θ
ギー
T = 2 (x˙ + y˙前章ではハミルトンの原理から導かれる変分問題として解けるラグランジュの運動方程式を扱った。そのた
) を用いて
∂T
/∂
x
˙
および
∂T
/∂
れも座標の取り方に依存する量と依存しない量の区別に注意を払い、座標系に依存しないスカラー
˙
にポテンシャルを仮定した変分問題からラグランジュの運動方程式を導いた前章と異なり、微分方程式
こで
∂T /∂
˙ および
∂T /∂ θ Fなるものを計算してみると、
dt
∂ r˙
dt
⇒
∂ θ˙ 2
成分を
Frr、
θ 方向成分を
と書き、加速度
α
#
の
r
方向成分を
α
、
θ
方向成分を
α
と書くと
般運動量および一般力を導入する。
θ
r
θ
∂T
∂T
速度に依存する力 (1) — ローレンツ力 . . . . 
. . y.˙ .=. r˙. sin
. . θ. +
. . r θ˙ cos
47 θ  ∂T
としての力学を一般力学へと発達させる方法をとる。
2 ˙2
ュの運動方程式を再導出し、それを修正する形で、座標変換に時間が含まれる場合や保存力以外の力が
一般運動量・一般力・運動方程式
まず保存力でない一般の力の下でのラグランジュの運動方程式を導出しよう。準備として保存力下でのラグ
y = r sin θ . . . . . . (3.1)
た方程式に持って行くことを念頭に置く。
= mx˙ θ3.2.4
および
= my˙
となり、
方向もラグランジュの運動方程式に少し近づく。こう書くと、たまたま極座標の性質
め主として束縛条件が時間に依存しない場合、力が保存力である場合、座標変換に時間が含まれない場合、質
∂r = mr θ

$
%
の力学を一般力学へと発達させる方法をとる。
∂ x˙ が得られる。
∂
y
˙
∂T
∂T
散逸関数 . . . . . . . .2 ˙.˙2 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .
50
˙23.3
∂T
=rθm
r˙ および
=r¨ mr
(3.7)
合にも一般化する。これを行うため一般運動量および一般力を導入する。
m
− rθθ = Fr 
α∂T
=∂r¨r˙−や
rランジュの運動方程式を再導出し、それを修正する形で、座標変換に時間が含まれる場合や保存力以外の力が
0 を利用しただけではないかと感ずるかもしれない。これがたまたまではないことを次節の一般
˙
点が一つないし二つの問題などであった。本章ではこれらの範囲に収まらない一般の問題へと進む。それを扱
∂θ = 3.3.1
より、
∂
θ
ースな理解のため、
2
次元デカルト座標、
2
次元極座標、
n
次元一般座標について対比的に述べる。いず
$
%
速度に依存する力
(2) — 粘性力
. . . . . . . . . 50
(3.8)
= mx˙ および
=m
y˙ および py⇒
(3.1) . . . . . . . . . . . . . . . . $
• 2 次元デカルト座標の場合
。これはそれぞれ運動量
p 一方、
になっている。するとニュートンの運動方程式
%
に対応する「微小変位に対する仕事」を極座標で書くと、
˙ x+ rθ¨  (3.4)
∂θある場合にも一般化する。これを行うため一般運動量および一般力を導入する。
y˙= 2r˙ θ座標で見て行こう。
m 2
程式
αうには座標だけ一般座標に変換するのでなく、運動量も一般運動量に変換し、また力も一般力に変換する。こ
m 2r˙ θ˙ + rθ¨ = Fθ 
2. ˙ 2. . .
3.3.2
一般座標における散逸関数と散逸の一般力
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
51
T
=
r
˙
+
r
θ
標の取り方に依存する量と依存しない量の区別に注意を払い、座標系に依存しないスカラーを極力使っ
。これらをそれぞれ
一般運動量(
generalized
momentum
:一般化運動量)
p
および
p
と呼
3.1
一般力の下でのラグランジュの運動方程式
m
r
θ 2 m
2
2
d ∂T
ギー T = 2 (x˙ 2 + y˙ 2 ) dを用いて ∂T /∂ x˙ および
/∂ y˙ というもの
ニュートンの運動方程式運動エネルギー
T
=
(
x
˙
+
y
˙
)
を用いて
∂T /∂ x˙ および ∂T /∂y
$
%
一般力の下でのラグランジュの運動方程式
および
py になっている。するとニュートンの運動方程式
'
px = 3.4
Fd x& ∂T
および
剛体の運動
.∂T.py. .=. F
. y. . . . . . . F
. .· .dr
. .=. F
. . dr
. . . . . . . . (3.2)
. . .2 . . . . . . . . 51
d θdt
1
一般運動量・一般力・運動方程式
のためにポテンシャルを仮定した変分問題からラグランジュの運動方程式を導いた前章と異なり、微分方程式
(3.10)
しかしその前に
方向の一般運動量と一般力の意味について触れておこう。これらは普通の運動量や
r ˙ + rFθ dθ
標、
2
次元極座標、
n
次元一般座標について対比的に述べる。いず
式に持って行くことを念頭に置く。
dt
る
。このとき
(3.3)
を真似て
や
を作るとどうなるであろうか。いま、力
F
るので、これを用いると
dt ∂ r˙
dtを計算してみると、
となる。ここで
∂T
/∂
r.˙ .および
∂T
/∂
θ. なるものを計算してみると、
∂ θ˙
まず保存力でない一般の力の下でのラグランジュの運動方程式を導出しよう。準備として保存力下でのラグ
3.4.1
オイラー角
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
51
d
としての力学を一般力学へと発達させる方法をとる。
(3.9)
一般運動量・一般力・運動方程式
(3.1.1
)θ力と違う物理次元を持つ。
( の第二式は
)α(3.2)
量の区別に注意を払い、座標系に依存しないスカラーを極力使っ
保存力でない一般の力の下でのラグランジュの運動方程式を導出しよう。準備として保存力下でのラグ
分を
θ 方向成分を
α
# の r 方向成分を
、θ 方向成分を αθ と書くと2
= FF
および
p次元デカルト座標、
=
Fと書き、加速度
xr、
yF
y
ースな理解のため、
2 (3.9)
次元極座標、
n. 次元一般座標について対比的に述べる。いず
3.4.2 2 コマの運動方程式
.∂T
. . . r. . . . . . . . ∂T
. .∂T
. . . . . . . . . . . . ∂T
. . ∂T
. . . . (3.9)
52 に現れる力の成分と
∂T
d
∂T
d
となる。これを
と比べると、デカルト座標のときと異なり、運動方程式
dt2ランジュの運動方程式を再導出し、それを修正する形で、座標変換に時間が含まれる場合や保存力以外の力が
次元デカルト座標の場合
2˙
˙ および
! = m"=
"ラグランジュ形式の力学
= mx˙ および
y˙ F
(3.1)
=
(3.9)
rFθ d
=—
m
r˙mx˙および
= mr
θy˙
$第!3 章 %
=
および
=
m
r + mr θ
一般編
—
ュの運動方程式を再導出し、それを修正する形で、座標変換に時間が含まれる場合や保存力以外の力が
dtd∂ y˙ ∂スムースな理解のため、
r˙
3.5 対称性と保存則
. ∂T
.2 . . .∂.θ˙ . . .. . . .2 .次元極座標、
. .p . ∂=
. r˙.∂Q
.x˙. . .n.次元一般座標について対比的に述べる。いず
. . . . . . . ∂. θ˙. ∂. y˙. . . 53
∂T
dr¨2−
標の取り方に依存する量と依存しない量の区別に注意を払い、座標系に依存しないスカラーを極力使っ
(3.15)
次元デカルト座標、
r(.x
θ˙˙dt
(3.10) に現れる力の成分は一致しない。極座標では特に
r 成分が一致
θ
θ
m
2 =
2F
αr = r¨ある場合にも一般化する。これを行うため一般運動量および一般力を導入する。
− rθ˙2力が質点に対してする仕事の表式
=
Fx およびm
=
F)ryを用いて
(3.3)
ニュートンの運動方程式運動エネルギー
T
=
+
y
˙
∂T
/∂
x
˙
および
∂T
/∂
y˙ というもの
dt
2
$
%
⇒ 時間の並進対称性とエネルギー保存則
dt ∂ x˙ 3
dt ∂ y˙
3.5.1
. . . . . . . . . . (3.8)
. . . . . . . . . . . 54
合にも一般化する。これを行うため一般運動量および一般力を導入する。
および
py と同じである
になっている。するとニュートンの運動方程式
—generalized
— momentum:一般化運動量)pr およ

px および
る。
れは
(2.39)
一般力
(2)
一般運動量
p一般編
式に持って行くことを念頭に置く。
が得られる。これらをそれぞれ
一般運動量(
y になっている。するとニュートンの運動方
jθ を定義し、
j pを
せず、
αθ =3.1
2r!
˙ θ˙∂T
+ 。さて当面の目標は
r"
θ¨  mr2 θ˙2 だけ異なる。
mが得られる。これはそれぞれ運動量
2r˙(1)
θ˙ +第
rθ¨3 章
=Q
Fラグランジュ形式の力学
一般力の下でのラグランジュの運動方程式
dれも座標の取り方に依存する量と依存しない量の区別に注意を払い、座標系に依存しないスカラーを極力使っ
計算してみると、
$
と書けるが、これは、
「角運動量の加速をもたらすのはトルクである」ことを意味する。つまり極座標の
3.5.2
空間の並進対称性と運動量保存則
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
. . .%
. . . 55
&
'
= Fx および
= Fy
(3.3)
ができる。この運動方程式はラグランジュの運動方程式に少し似た形をしている。
d ∂T
d
∂T
1 一般力の下でのラグランジュの運動方程式
3.1.
極座標のときの
(3.9)
に対応して、運動方程式が
ぶことにする
。このとき
(3.3)
を真似て
や
を作るとどうなるであろうか。
d
d
d
m
2 dtた方程式に持って行くことを念頭に置く。
2 ∂ y˙ 運動方程式
˙
dt
∂
r
˙
dt
(3.4)
に対応する「微小変位に対する仕事」を極座標で書くと、
3
3.5.3
空間の回転対称性と角運動量保存則
. .—
. . 一般編
. (2)
.p.x 一般運動量
.=. —
. x
. . .および
. . p. j. を
. .∂ θ. .py. .= F55
(3.9)
は座標系の取り方に依存しても不思議はないが、微小変位に対する仕事
(3.10) は座標
ギー
˙ +
y˙3.1.1
)y を用いて
∂T
x˙第
および
∂T
/∂(1)
y˙ ∂T
というもの
= FxT =
および
pまず保存力でない一般の力の下でのラグランジュの運動方程式を導出しよう。準備として保存力下でのラグ
= 一般座標
Fy 一般運動量・一般力・運動方程式
(3.2)
。これは
(2.39)
と同じである
。さて当面の目標は
一般力
Q
F
∂T
θ/∂に対応する一般運動量は角運動量であり、一般力に対応するのはトルクである。また運動エ
次元デカルト座標の場合
j を定義し、
3
章
ラグランジュ形式の力学
2 (x
!
"
第
3
章
ラグランジュ形式の力学
—
一般編
— y
ので、これを用いると
dt
dtr 方向成分を
= mx
˙ rおよび
=r 、
mθy˙ 方向成分を Fdt
(3.1)
点が
r
から
r+dr
だけ動いたときに、力のベクトル場
F
が質点に対してする仕事
F·dr
は座標
d
∂T
∂T
の
方向成分を
F
と書き、加速度
α
#
の
α
、
θ 方向成分を αθ
一般運動量・一般力・運動方程式
θ
r
ネーターの定理
. . . . . generalized
. . (3.19)
. . . . . . force
. . . .:一般化力)
. . 56
はラグランジュの運動方程式に少し似た形をしている。
∂3.5.4
x˙(3.6) =
˙2. . . . . . . . . . .∂T. .は「見かけの力」と呼ばれる。時間とともに変わる座標変換
と書ける。この
系の取り方と無関係の量なので、こちらを基準に一般力(
Qr—および
Qθ—を
Q
+m (2 .∂.y)
、
(3) 極座標のときの
(3.9)
に対応して、運動方程式が
jに関する項は
ネルギー
のdr
θ˙ =
( ランジュの運動方程式を再導出し、それを修正する形で、座標変換に時間が含まれる場合や保存力以外の力が
)
•
2
次元デカルト座標の場合
∂rx
36
第
3
章
ラグランジュ形式の力学
一般編
ニュートンの運動方程式運動エネルギー
T
(
x
˙
+
y
˙
)
を用いて
∂T
/∂
˙
および
∂T
/∂
y
˙
というもの
dt
∂
q
˙
∂q
F
·
dr
=
F
+
rF
dθ
(3.10)


$
%
3
j
r(1)"
スムースな理解のため、
22次元デカルト座標、
次元極座標、
nを
次元一般座標について対比的に述べる。いず
はそれぞれ
と関係ない量であるが、デカルト座標でそれを表現すると
d ∂T
dθ jQ∂T
39)
と同じである
。さて当面の目標は
一般力
(2)2 一般運動量
p
j を定義し、
j
2 !3 。さて当面の目標は
とする。これは
(2.39)
と同じである
(1)
一般力
Q
を定義し、
(2)
一般運動量
p
を
˙
j
得られる。これはそれぞれ運動量
py になっている。するとニュートンの運動方程式
˙2 
= F"第
mrθハミルトン形式の力学
および
=は座標
rFθ αm
(3.9) m r¨ − rθj˙2 59
のに、また運動エネルギーに場所依存性があるわけでもないのに、
T が r に依
たときに、力のベクトル場
F·dr
= Fr 
rF+
dpx および
∂T
∂T
4が質点に対してする仕事
章
ースな理解のため、
次元デカルト座標、
2 次元極座標、
次元一般座標について対比的に述べる。いず
¨式の形になったわけ
−
∂T
m r θ12" 2 2
r =2 r
!
!
"
ある場合にも一般化する。これを行うため一般運動量および一般力を導入する。
dt ∂
r2˙れも座標の取り方に依存する量と依存しない量の区別に注意を払い、座標系に依存しないスカラーを極力使っ
dtj +∂ θ˙ n(3.13)
を示すことである。これにより、たまたま極座標だから
や≡(3.14)
ニュートンの運動方程式運動エネルギー
Tr =
(x˙ I+
) (3.3)
を用いて
∂T
/∂
x
˙
および
∂T
/∂
y
˙
というもの
˙2!
˙Qy˙θ ≡
=Q
(3.19)
=計算してみると、
mx˙ および
=∂T
mとなる。このように、デカルト座標を用いると、運動方程式
y˙
(3.1)
$
%
Q
F
および
rF
(3.11)
⇒
θ
=
θ
(3.16)
2
d
r
r
θ
標のときの
(3.9)
に対応して、運動方程式が
d
∂T
d
∂T
の両式の右辺に現れる力の成分と、力
(3)と比べると、デカルト座標のときと異なり、運動方程式
極座標のときの
dtFに対応して、運動方程式が
∂ q˙j . .3.1.
∂q
∂ y˙
j . . . (3.3)

正準方程式
. . . .一般力の下でのラグランジュの運動方程式
.d.点の立場に立ってみれば動くうちに原点からの距離が変化することによって
. . . .α.2.=
. 2
. r˙. θ˙.に現れる力の成分と
. 2.r θ.¨ .=
. F
. x
. . (3.4)
.および
. . .m
. .2
. r˙.θ˙. +
. .r θ¨ 60==FFy 
これを
(3.9)
=定義し、
Fx (3.9)
および
F(3.9)
θ˙
カルト座標でそれを表現すると
F=·4.1
dr
d=
y
標の取り方に依存する量と依存しない量の区別に注意を払い、座標系に依存しないスカラーを極力使っ
+
x dx + Fy dy
θ
θ
!
"
!
"
とが示される。
dtた方程式に持って行くことを念頭に置く。
∂dy˙ を計算してみると、
dt
∂
x
˙
dt
∂
y
˙
p
=
F
および
p
=
F
(3.2)
∂T
∂T
。
x
x
y
y
∂T dt4.1.1
が質点に対してする仕事の表式
に現れる力の成分は一致する。
ルジャンドル変換
—(3.4)
独立変数の変更
— . . 式の形になったわけ
. ∂T
. . .r .成分が一致
. . . . . 60
dおよび
∂T θdt
∂T
ことを示すことである。これにより、たまたま極座標だから
や (3.14)
=jm
x˙ ∂T
=
m(3.13)
y˙
に対してする仕事の表式
(3.10)
に現れる力の成分は一致しない。極座標では特に
および py になっている。するとニュートンの運動方程式
=
Q
+
(3.19). . . . . . . . (3.1)
となって、デカルト座標を
に一般化したことに伴って質量に相当する役割が慣性モーメントになった
からである。すなわち
で定義しよう。そして
(3.6)一般力の下でのラグランジュの運動方程式
から得られる
式に持って行くことを念頭に置く。
=
Q
+
(3.19)
∂r に相当する力の場が実際にあるわけではないが、座標
∂
x
˙
∂
y
˙
j
3.1.
3.1.2
ラグランジュの運動方程式
dt
∂
q
˙
∂q
j
j
はラグランジュの運動方程式に少し似た形をしている。
∂T
∂T
F
·
dr
=
F
dx
+
F
dy
(3.4)
dt
∂
q
˙
∂q
3.1.
一般力の下でのラグランジュの運動方程式
39
と書くことができる。この運動方程式はラグランジュの運動方程式に少し似た形をしている
3.19)
の証明であるが、まず
(3.18)
左式より
4.1.2
正準方程式と位相空間
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
. . . . . 62
x
y
j
j
3.1.1
一般運動量・一般力・運動方程式
が示されるので、これを用いると
4)
に対応する「微小変位に対する仕事」を極座標で書くと、
2
2
˙
= mx˙ および
= my˙
(3.1)
それぞれ
rいことが示される。
θ だけ異なる。d
ことがわかる。
ばならない。
•
2
次元デカルト座標の場合
•
極座標の場合
∂. (3.2)
x˙. . . 式の形になったわけ
∂ y˙ . . . . . . . . . . . (. 64)
得られる。これはそれぞれ運動量
p および
py になっている。するとニュートンの運動方程式
ことである。これにより、たまたま極座標だから
(3.13). や
1次元調和振動子
. . (3.14)
. (
. . ∂T
. .)
.=. mr
.や. .(3.14)
=
Fx および
py = FF
となることを示すことである。これにより、たまたま極座標だから
(3.13)
y が質点に対してする仕事
∂x
次元デカルト座標の場合
! 4.1.3
"x #
!
"dr+dr
θ˙2. . . .式の形になったわけ
(3.12)
i 3.1.2
たときに、力のベクトル場
F·dr
一方、質点が
rは座標
から
だけ動いたときに、力のベクトル場
• 保存力下でのラグランジュの運動方程式
ラグランジュの運動方程式
 d ∂TF が質点に対してする仕事
dt スムースな理解のため、
∂T
dx
=
dq
では
(3.19)
の証明であるが、まず
(3.18)
左式より
∂r
i
j
d
∂T
d
∂T
2 は座標
2
次元デカルト座標、
2
次元極座標、
n
次元一般座標について対比的に述べる。いず
m
3.1.2
ラグランジュの運動方程式
2
2. . θ(3.20)
˙
程式
(3.9)
は座標系の取り方に依存しても不思議はないが、微小変位に対する仕事
(3.10)
さて、
r
に関する運動方程式
(3.9)
に見られた「見かけの力」は
θ
方向には
4.1.4
剛体棒単振り子
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
65
=
F
+
mr
および
=
rF
F
·
dr
=
F
dr
+
rF
dθ
(3.10)
ニュートンの運動方程式運動エネルギー
T
=
(
x
˙
+
y
˙
)
を用いて
∂T
/∂
x
˙
および
∂T
/∂
y
˙
というもの
∂qtおよび
θ
r Fxを
θ
が得られる。これはそれぞれ運動量
および
p になっている。するとニュートンの運動方程式
される。
=
Fy ∂ rを確かめよ。ただし任意のベクトル
(3.3)
jで微分することにより
d ] (3.5)
d r2 cos θpx=
ではないことが示される。
= rr˙ cos θ − rθ˙ sin θ 
[問 3.1
˙
jF 系の取り方と関係ない量であるが、デカルト座標でそれを表現すると
m
2x =
dt(3.8)
˙/∂yx˙2x˙および
dt A∂ θについて極座標成分は
カルト座標でそれを表現すると
∂U
dt
∂
x
˙
dt
∂
y
˙
p
=
および
p
=
F
(3.2)
ニュートンの運動方程式運動エネルギー
T
=
(
x
˙
+
y
˙
)
を用いて
∂T
∂T
/∂
y
˙
というもの
#
x
x
y
y
(3.5)
∂x
Fiを加えると
=
− ∂x
だ
2
∂T
れも座標の取り方に依存する量と依存しない量の区別に注意を払い、座標系に依存しないスカラーを極力使っ
4.2dt正準変換 (3.9)
. . . . の第一式は
. generalized
.i •
. . 力
. .得られる
.F
. .がポテンシャル
. . . ∂T
.:一般化力)
.⇒
.=. 0. に対応している。このあってもなくてもよい
. . U
. .(r)
. .rから導かれる場合を考える。この場合
.および
. . . . Q
. .θ .を
. . . . . . . 66
に注意すると、
dt
方と無関係の量なので、こちらを基準に一般力(
force
Q
保存力下でのラグランジュの運動方程式
i
を計算してみると、
 ∂θ

dx
=
dq
(3.20)
˙
∂θ
i
j
d
d
•
保存力下でのラグランジュの運動方程式
y
=
r
sin
θ
y
˙
=
r
˙
sin
θ
+
r
θ
cos
θ
3.1.
一般力の下でのラグランジュの運動方程式
39
3.1.
一般力の下でのラグランジュの運動方程式
の証明であるが、まず
(3.18)
左式より
小変位に際しての仕事は
!
"
A
=
A
cos
θ
+
A
sin
θ
,
A
=
−A
sin
θ
+
A
cos
θ
(3.17)
それでは
(3.19)
の証明であるが、まず
(3.18)
左式より
r
x
y
x
y
θ
∂q
が得られる。
れを
(3.9) と比べると、デカルト座標のときと異なり、運動方程式
計算してみると、
j
—
一般編
px = .F(3.9)
(3.2)
書くことができる。この運動方程式はラグランジュの運動方程式に少し似た形をしている。
4.2.1 座標と運動量にまたがる変換
.x. . および
.に現れる力の成分と
.y .3. 章
. .!
. ラグランジュ形式の力学
. . . ". 66
). . . . . . . p.y . =. .F第
!
j
dた方程式に持って行くことを念頭に置く。
∂T 38
∂xi ∂U
F
·Fdr =および
Fx dx
(3.4)d (
dt∂T
dt
Fから導かれる場合を考える。この場合
· dr = Fx dxd+ F
それぞれ
∂T
∂T = − ∂U Fi = − ∂U だ
y dy
∂T
∂T
∂T
#+ Fy dy #= Fy# ∂xi
##
=
(3.3)
力
F
がポテンシャル
U
(r)
∂U
x
#
Q
=
−
∂x
i i
∂x
Q∂q
−. . r. (3.20)
=. .Q=
力
(r)
より(3.13)
ハミルトンの原理による正準方程式の導出
.成分が一致
.r(3.21)
.m
.y
. .∂x
. −だから
67 =(3.22)
Q
≡F
F4.2.2
および
Q ≡U rF
(3.11)
θ
= mx˙ および
˙. .j . .F.i .=. −
(3.1)∂xi
∂(3.10)
y˙ より、
rがポテンシャル
θから導かれる場合を考える。この場合
対してする仕事の表式
に現れる力の成分は一致しない。極座標では特に
dx
=
dq
∂T
Fdt
dq
!
!Fi∂
"
˙ ∂q
、微小変位に際しての仕事は
irF
j =dxiθ =
i dxr+dr
i =
i ∂T"
jFdt
i
j
であることを用いよ。
(この事実も図を描いて自分で導けるようにしておくこと。
)ij ∂x
一方、
(3.4)
に対応する「微小変位に対する仕事」を極座標で書くと、
dq
(3.20)
dt
∂θ
ラグランジュの運動方程式
3.1.2
ラグランジュの運動方程式
一方、質点が3.1.2
r から
だけ動いたときに、力のベクトル場
が質点に対してする仕事
F·dr
は座標
∂
r
˙
∂r
3
∂
θ
j
x
˙
∂
y
˙
i
$
%
= jm正準変換と母関数
x˙ および
my˙ . . . . 。さて当面の目標は
(3.1)
∂q
とする。これは
(2.39)∂q
(1) 一般力
Q.j を定義し、
(2) 一般運動量 pj
d ∂T
d.と同じである
j. =
• 2はそれぞれ
次元デカルト座標の場合
.j∂T
. . . =
. m
. . . . 2. . . 2. ˙.2 . . . . . . . . (3.3)
. !
. . . ∂x
i
i
j
i j∂ y
∂U
∂U
2
∂j4.2.3
x˙ =
˙∂q
i 68
F
だけ異なる。
# 1 pr や
#Fx∂xiおよび
#r 方向成分」や「運動量
#
T y= !
r θ!
はラグランジュの運動方程式に少し似た形をしている。
pθ #
という記号は「運動量
pの
p のr˙∂x
θ+
方向成分」の意味で使っていないことに注意。そのため
p(3.6)
∂U
∂U
θ は物
i
∂x
Q
=
−
=
−
!
"
"
i
j
の取り方と関係ない量であるが、デカルト座標でそれを表現すると
dt= ∂ 定義し、
x˙4.2.4
dt
∂.y˙ .(3.9)
となり、
方向もラグランジュの運動方程式に少し近づく。こう書くと、たまたま
が得られる。これはそれぞれ運動量
pF
および
p2y. .になっている。するとニュートンの運動方程式
となって、一般座標の世界でも同じ表式となる。このことが大変有効に働き
よう。そして (3.6)
から得られる
Q
=. −
=
−. . .(3.21)
(3.30)(3.1
(3)
極座標のときの
xθ
jに対応して、運動方程式が
F
dx
F
dq
=
dq
∂q
∂x
∂q
正準変換の例
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
70
d
∂T
d
∂T
i
i
i
j
i
j
j
i
j
•
保存力下でのラグランジュの運動方程式
•
保存力下でのラグランジュの運動方程式
•
一般座標の場合
理次元すら運動量と異なっている。
m
2 F
に際しての仕事は
れより一般座標
qj に対応する一般力
Q
· 2dr
= Fr∂q
dr
rF
j を
∂q
θ dθ
i および ∂T /∂ y˙ というもの
だから、微小変位に際しての仕事は
j ∂x
i を用いて
j+
∂q
∂q
ニュートンの運動方程式運動エネルギー
T
=
(
x
˙
+
y
˙
)
∂T
/∂
x
˙
得られる。これはそれぞれ運動量
p
および
p
になっている。するとニュートンの運動方程式
=
F
および
=
F
(3.3)
j
j
x
y
x
y
!
"
i
2
2
"
#
∂T
i
j ∂T /∂ r˙ および
jdt
i ∂
式
(3.9) は座標系の取り方に依存しても不思議はないが、微小変位に対する仕事
(3.10)
すぐ前の注に書いた通り、習慣的に運動量についてはこのような方向成分の意味で
p. θ. を使わない。
たときに、力のベクトル場
F が質点に対してする仕事
F·dr
は座標
∂T
/∂
˙ θ˙=なるものを計算してみると、
∂.y˙ . . p.r ∂T
4.3 i ハミルトン・ヤコビの方程式とリウビルの定理
.d. . .∂T
. dt
.d. . .は座標
.や
. . . . ∂(T
74 − U )
書くことができる。この運動方程式はラグランジュの運動方程式に少し似た形をしている。
や
0 を利用しただけではないかと感ずるかもしれない。これがたまたまで
dx#
d.∂U
∂T
#
# となる。ここで
#
#
#
∂U
#∂xi ∂T
#
#
∂x
F#
·#
dr
=
dx
Fy dy ∂θ
(3.4)
2x∂x
i+
iθ˙F
∂x
∂x
=
Q
+
(3.
となって、一般座標の世界でも同じ表式となる。このことが大変有効に働き
(3.1
力
F
がポテンシャル
U
(r)
から導かれる場合を考える。この場合
F
=
−
だからF
より
一般座標においても筋書きは同様で、
p
=
F
および
p
=
F
(3.2)より
力
F
がポテンシャル
U
(r)
から導かれる場合を考える。この場合
= −は
(3.22)
=
i
i
j
を計算してみると、
i
x
x
y
y
=
mr
(3.12)
i(3.22)
d
d
∂x
F
dx
=
F
dq
=
F
dq
(3.21)
∂xi だから
Q
≡
F
(3.22)
i
となって、一般座標の世界でも同じ表式となる。このことが大変有効に働き
(3.19)
。これより一般座標
q
に対応する一般力
Q
を
i
i
i
j
i
j
j
i
4.3.1
ポアソンの括弧式
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
74
F
dx
=
F
dq
=
F
dq
(3.21)
と無関係の量なので、こちらを基準に一般力(
generalized
force
:一般化力)
Q
および
Q
を
dt
∂
q
˙
∂q
j
j
dt
dt
カルト座標でそれを表現すると
となる。これを
(3.9)
と比べると、デカルト座標のときと異なり、運動方程式
(3.9) に現れる
dt
∂
q
˙
∂q
i
i
i
j
i
j
r
θ
j
j
∂r
j
j
座標で見て行こう。
px = Fx ∂qおよび
p
=
F
(3.2)
と書くことができる。この運動方程式はラグランジュの運動方程式に少し似た形をしている。
∂q
∂q
∂T
∂T
y
y
j
j
j
"
#
一方、質点が
r
から
r+dr
だけ動いたときに、力のベクトル場
F
が質点に対してする仕事
F·dr
は座標
∂q
∂q
2˙
j dt
j
i
i
ji
i j
dt 4.3.2 iハミルトン・ヤコビの方程式
"
mr
(3.7)
ij #
j= m
i . r˙. ∂x
!
∂(T(3.14)
− U )式の形になったわ
∂T
. および
. i.∂T
. .#
. . ∂T
. ∂(T
.˙!
.=
. −
.∂x
. U.i )∂U
.θ . . d. . . ∂T
. $
.(3.13)
. . % 76
∂U
∂U
∂U
∂xi
となることを示すことである。これにより、たまたま極座標だから
や
(1)
微小変位に対する仕事の考察から一般力を定義し、
d
∂
r
˙
力が質点に対してする仕事の表式
(3.10)
に現れる力の成分は一致しない。極座標では特に
r
∂
θ
はそれぞれ
=
m
x
˙
および
=
m
y
˙
(3.1)
d
∂U=
Q
=
−
=
−
(3.30)は座標
Q
=
−
=
−
ると、
(3.9)
の第一式は
j
Q
≡
F
(3.22)
j
しかしその前に
θ
方向の一般運動量と一般力の意味について触れておこう。
j
i
の取り方と関係ない量であるが、デカルト座標でそれを表現すると
=
(3.31)
となる。さらに
U
が
q
˙
を含まないことから
=
0
であることを使うと、
ば
一方、質点が
r
から
r+dr
だけ動いたときに、力のベクトル場
F
が質点に対してする仕事
F·dr
一般座標
に対応する一般力
を
∂∂q
F
· dr = Fqxj dx
+ Fy dy Qr ≡ FqrQ
および
Qθ ≡∂qrF
(3.11)
˙ (3.4)
j 4.3.3
∂x
となる。これより一般座標
Qθック変換
シンプレクティ
.". . . dt
. ∂q
. . j.∂∂x
.q˙ .ji . . .∂.y˙∂q
. !
.∂q
. j. "
. . i. dt
. . .dt
. q˙.jj.∂ q˙.j 80 ∂qj
j .∂q
それぞれ
j に対応する一般力
j2 を!∂ x
j
2
i
j
j
i
i qmr
ではないことが示される。
(2)
運動エネルギーを
˙j で偏微分して一般運動量を定義し、
(
) せず、
θ˙ dだけ異なる。
が得られる。これらをそれぞれ
一般運動量(
generalized
momentum
:一般化運動量)
pr および pθ と呼
∂T "
#
!d #
"
!
系の取り方と関係ない量であるが、デカルト座標でそれを表現すると
∂T
∂T
# 力と違う物理次元を持つ。
4.3.4
リウビルの定理とリウビル方程式
. . . になっている。するとニュートンの運動方程式
.$
. . . %
.$.d.(3.9)
.%.∂T
. の第二式は
. . .=. F
. ."
. d. .$. #
. %81
∂xi#
∂x
=F
(3.3)
∂U
が得られる。これはそれぞれ運動量
i px および
x&Upおよび
y (3.4)
yが
'
d
∂L
∂L
d
∂T
d
∂T
F
dx
=
Q
dq
(3.23)
−
=
Q
(3.13)
1
Q
≡
F
(3.22)
すれば
F
·
dr
=
F
dx
+
F
dy
となる。さらに
q
˙
を含まないことから
=
0
であることを使うと、
i
i
j
j
となって、一般座標の世界でも同じ表式となる。このことが大変有効に働き
(3.19)
は
r
d
∂U
となって、一般座標の世界でも同じ表式となる。このことが大変有効に働き
(3.19)
は
j
i
x
y
j
d dt
∂T 0 であることを使うと、
Qjq˙j≡を含まないことから
1 F Uおよび
dt を真似て
∂F
x˙ i = dFy ∂T (3.18)
∂を作るとどうなるであろうか。いま、力
y˙
(3)となる。さらに
運動方程式に一般力以外のみかけの力が発生するのでその一般表式を求める
dt(3.22)
∂ q˙j− (3.31)
う。そして (3.6) から得られる
が
=
はまさに
=
0
=
(3.3)
それでは
(3.19)
の証明であるが、まず
左式より
ぶことにする
。このとき
(3.3)
や
F (3
dt
∂
r
˙
∂r
∂q
x
運動方程式
(3.9)
は座標系の取り方に依存しても不思議はないが、微小変位に対する仕事
j
dt
∂
q
˙
˙
∂q
j
dt ∂ r˙
dt
i
j
dt "∂ qd
˙j # 85
∂qj
dt
x˙i最小作用の原理と特殊相対論における解析力学
#
"d ∂ θ #
idt dj∂ y˙ "
#
第 5 章∂#
p
=
Q
θ
θ
F
·
dr
=
F
dx
+
F
dy
(3.4)
x
y
#
う記号は「運動量 p の r 方向成分」や「運動量
p
の
θ
方向成分」の意味で使っていないことに注意。そのため
p
は物
)pyr=
∂T
∂(T
−
) ∂L
" ∂(Td
#−#Uの
θ
と書くことができる。この運動方程式はラグランジュの運動方程式に少し似た形をしている。
pdxθ と書き、加速度
= ∂T
Fx および
F
(3.2) 2Qr お
∂x
dU
∂Lforce:一般化力)
の
r 方向成分を
F=
F
方向成分を
αgeneralized
αθ(3.31)
と書くと
dtθ 方向成分を
Qj dqj
∂T Fi dx
r、
i系の取り方と無関係の量なので、こちらを基準に一般力(
ことにより、
座標の選び方に依らない普遍的な運動方程式を求めようというのである。
=.yi .dq.(3.23)
確かに
Qj は一般力の定義としてに相応しいものとなる。次に
pq.ijα
を計算する。
˙r2、θ 方向成分を
∂L
dt
=
(3.
と定義すれば
−
=
0
5.1 最小作用の原理
. . . .以外の何ものでもなく、ラグランジュの運動方程式が導かれる。これは
. . .dt. dt
. .(2)
. ∂
.一般運動量
.q˙ . d
. =
. . ∂L
. . dx
.∂q
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.
85
=
mr
θ
(3.12)
j
書くことができる。この運動方程式はラグランジュの運動方程式に少し似た形をしている。
(3.19)
と異なっている。
dt j−$∂ q˙j =
(3.32)にお
i
j
j ∂ q˙j
∂q0%j ∂qdt
j
∂qj
∂r
j
書いた通り、習慣的に運動量についてはこのような方向成分の意味で
p
や
p
を使わない。
dt
∂
q
˙
∂q
#
#
と書けるが、これは、
「角運動量の加速をもたらすのはトルクである」ことを意
r
θ. . 
一方、質点が
r から r+dr#
だけ動いたときに、力のベクトル場
F·dr は座標
#
5.1.1 フェルマーの原理
. $. . . %
. .2.2.3
. j. m
. . .r¨.−
.F. . . 
. . . . 85N として空間自由度
ギーは
$.j r. θ˙. 2.% .F=. が質点に対してする仕事
はそれぞれ
+. dq
= .r¨.Q
−
r.見かけの力」を、保存力の方はラグランジアンにしまい込み、みかけの力
θ˙. 2F
rは座標
F まず一般座標の番号付けについて復習しよう。
Qj dqj Fi dxi α=r 存力
(3.23)
Qr 節で見たように質点の個数を
≡$
F
および
Qθ ≡(3.23)
rFθ
一方、質点が
から r+dr
だけ動いたときに、力のベクトル場
F·dr
て、確かに
Qjrは一般力の定義としてに相応しいものとなる。次に
(2)∂U一般運動量
pqrj を計算する。
i dx
i =
dが質点に対してする仕事
d
∂U
j
j
%
$
%
以外の何ものでもなく、ラグランジュの運動方程式が導かれる。これは
(3.19) にお
⇒
(3.8)
となる。さらに
U
が
q
˙
を含まないことから
=
0
であることを使うと、
(3.31)
はまさに
となる。さらに
Uが
q˙j を含まないことから
(3.31) はまさに
と、(3.9) の第一式は
だから、微小変位に際しての仕事は
j
5.1.2
モーペルテュイの最小作用の原理
. . ∂. q˙.j". .=. .0 .であることを使うと、
. .(3.19)
. . . . において右辺に現れる「保
86
!一般座標
" n dtθ に対応する一般運動量は角運動量であり、一般力に対応するのはト
n
系の取り方と関係ない量であるが、デカルト座標でそれを表現すると
∂. q˙j. . .2 . . . . .dt!
以外の何ものでもなく、ラグランジュの運動方程式が導かれる。これは
i
j
章 ラグランジュ形式の力学 — 一般編 —
ュ形式の力学 — 一般編 —
章 ラグランジュ形式の力学 — 一般編 —
第 3 章 ラグランジュ形式の力学 — 一般編 —
第 3 章 ラグランジュ形式の力学
章 ラグランジュ形式の力学
— 一般編 —— 一般編 —
第 3 章 ラグランジュ形式の力学 — 一般編 —
であるから、微小変位に際しての仕事は
#
#
3.1. ラグランジュの運動方程式の再導出
Fi dxi =
Fi
i
i
# ∂xi
∂qj
j
# # ∂xi
dqj =
j
• 一般座標の場合
となる。これより一般座標
qj に対応する一般力 Qj を
一般座標においても筋書きは同様で、
3.1. ラグランジュの運動方程式の再導出
∂qj
i
25 (3.21)
Fi dqj
25
# ∂xi
(1) 微小変位に対する仕事の考察から一般力を定義し、
Qj ≡
∂qj
i
(2) 運動エネルギーを q˙j で偏微分して一般運動量を定義し、
• 一般座標の場合
Fi
(3.22)
(3) 運動方程式に一般力以外のみかけの力が発生するのでその一般表式を求める
一般座標においても筋書きは同様で、
と定義すれば
#
#
ことにより、 座標の選び方に依らない普遍的な運動方程式を求めようというのである。
(1) 微小変位に対する仕事の考察から一般力を定義し、
F dx =
Qj dqj
(3.23)
i
i
まず一般座標の番号付けについて復習しよう。2.2.3 節で見たように質点の個数を N として空間自由度
(2) 運動エネルギーを
q˙j で偏微分して一般運動量を定義し、
i
j
を n = 3N とする。x , x , x は質点 1 の x, y, z 座標であり、x , x , x は質点 2 の x, y, z 座標であり・
・
・
1
2
3
4
5
6
(3) 運動方程式に一般力以外のみかけの力が発生するのでその一般表式を求める
となって、確かに
Qj は一般力の定義としてに相応しいものとなる。次に
(2)m一般運動量
pqj を計算する。
という具合であり、質量については
m1 = m2 = m3 = 質点 1 の質量、m4 =
2 の質
5 = m6 = 質点
ことにより、
座標の選び方に依らない普遍的な運動方程式を求めようというのである。
運動エネルギーは
量・
・
・という具合である。まずは時間を含まない座標変換により
$ n N として空間自由度
%2
まず一般座標の番号付けについて復習しよう。
2.2.3 節で見たように質点の個数を
n
#
#
#
#
x
x
(q
,
q
,
·
·
·
,
q
)
,
q
=
q
(x
,
x
,
·
·
·
,
x
)
(3.18)
i =
i
1
2
n
j
j
1
2
n
∂x
1
1
∂x
i
i
q˙j 1⇒
mi (x˙ i )2x4=, x5 , x6 は質点
mi
q˙k z 座標であり・
(3.24)
を n = 3N とする。x˙xi 1=
, x2 , x3 は質点
の x,Ty,=
z 座標であり、
2 の x, y,
・
・
∂qj
2
2
∂qk
3
j=1
i
i
k=1
とする。これは
(2.39)
と同じである
。さて当面の目標は
(1)
一般力
Q
を定義し、
(2)
一般運動量
p
を
j m4 = m5 = m6 = 質点 j2 の質
という具合であり、質量については m1 = m2 = m3 = 質点 1 の質量、
定義し、(3) 極座標のときの (3.9) に対応して、運動方程式が
量・
・
・という具合である。まずは時間を含まない座標変換により
となるので
%
! $#
"n
#
#
∂T
∂xi ∂T∂xi
∂xi
d
∂T
q˙kqj (x1 , x=
mni)x˙ i
+
xpiq=
xi (q1 , q=2 , · · · ,m
qni ) , = qQjj =
j ≡
2, · · · , x
dt ∂ q˙j
∂ q˙j
∂qk ∂qj∂qj
∂qj
i
k=1
(3.25)
(3.19)
(3.18)
i
3
とする。これは
(2.39) と同じである
。さて当面の目標は (1) 一般力(3.13)
Qj を定義し、
(2) 一般運動量 pj を
となることを示すことである。これにより、たまたま極座標だから
や (3.14) 式の形になったわけ
となる。したがって
(3) 運動方程式は
!
"
!
"
ではないことが示される。
定義し、
(3) 極座標のときの
(3.9) に対応して、運動方程式が
#
#
d
∂xi #
d ∂xi
d ∂xi
pqj =
mi x
¨i
+ ! m"
x˙ i
= Qj +
mi x˙ i
(3.26)
i左式より
それでは (3.19)
dt の証明であるが、まず
∂qj d (3.18)
dt ∂qj∂T
dt ∂qj
∂T
i
i
i
=
Q
+
(3.19)
j
dt dx
∂ q˙j= # ∂xi dq∂qj
(3.20)
i
j
∂qj
j
となることを示すことである。これにより、たまたま極座標だから (3.13) や (3.14) 式の形になったわけ
3 この変換により
q の j は必ずしも質点の番号付けに対応しなくなるかもしれないが、その例は後ほど見るとして、束縛
j
であるから、微小変位に際しての仕事は
ではないことが示される。
条件などにより自由度の個数を落とすのでない限り
も 1 から n まで動く。
#
# j#
# # ∂xi
∂xi
それでは (3.19) の証明であるが、まず (3.18) 左式より
Fi dxi =
Fi
i
i
dqj =
∂qj
j
dxi =
# ∂xi
∂qj
となる。これより一般座標 qj に対応する一般力 Qj を
j
i
∂qj
Fi dqj
(3.21)
dqj
(3.20)
j
であるから、微小変位に際しての仕事は
#
と定義すれば
Fi dxi =
i
#
i
Qj ≡
Fi
# ∂xi
#
∂qj
j
# ∂xi
i
∂qj
Fi
(3.22)
# # ∂xi
dqj =
#
j
i
∂qj
Fi dqj
(3.21)
Fi dxi =
Qj dqj
となる。これより一般座標 qj に対応する一般力
Qj を
i
j
#
(3.23)
∂xi
となって、確かに Qj は一般力の定義としてに相応しいものとなる。次に
(2) 一般運動量 pqj を計算する。
Qj ≡
Fi
(3.22)
運動エネルギーは
と定義すれば
x˙ i =
i
n
#
∂xi
∂qj
j=1
となるので
q˙j
⇒
#
T =
#1
i
Fi dxi =
i
$
∂qj
1#
mi (x˙ i ) =
mi
#
2
2
2
Qj dqj
j
i
$ n
# ∂xi
k=1
∂qk
q˙k
%2
(3.24)
(3.23)
%
#
# ∂xi
#
∂T
∂xi
∂xi
となって、確かに Qj は一般力の定義としてに相応しいものとなる。次に
pqj ≡
=
mi
q˙k
=
mi(2)
x˙ i 一般運動量 pqj を計算する。
(3.25)
∂ q˙j
∂qk
∂qj
∂qj
i
k=1
i
運動エネルギーは
となる。したがって (3) 運動方程式は
$
%
dt
となるので
2
n
#
∂x
i
#
d
x˙ i =
pqj
n
n
# 1 ! 2" 1 # # #
"
∂x!
∂xi T #
d
∂x
d i ∂xi
i =
q
˙
⇒
=
m
(
x
˙
)
m
j
i
i
i
=∂qj mi x
¨i
+
mi x˙ i2
=2Qj +
mi x˙ i ∂qk q˙k
∂qj
dt ∂qj
dt ∂qj
j=1
i
i
i
$
i
%
i
(3.24)
(3.26)
k=1
#
# ∂xi
#
∂T
∂xi
∂xi
qj の j は必ずしも質点の番号付けに対応しなくなるかもしれないが、その例は後ほど見るとして、束縛
pqj ≡
=
mi
q˙k
=
mi x˙ i
(3.25)
∂
q
˙
∂q
∂q
∂qj
j
j
k
条件などにより自由度の個数を落とすのでない限り j も 1 から n まで動く。
3 この変換により
i
n
k=1
i
となる。したがって (3) 運動方程式は
#
d
∂xi #
d
pqj =
mi x
¨i
+
mi x˙ i
dt
∂qj
dt
i
3 この変換により
i
!
∂xi
∂qj
"
= Qj +
#
i
d
mi x˙ i
dt
!
∂xi
∂qj
"
(3.26)
qj の j は必ずしも質点の番号付けに対応しなくなるかもしれないが、その例は後ほど見るとして、束縛
第 3 章 ラグランジュ形式の力学 — 一般編 —
26
となる。ここで 2 番目の等号では (3.22) を使った。残るは最右辺の第二項が ∂T /∂qj になることである
が、これは次のように示す。∂T /∂qj から出発すると
! ∂T ∂ x˙ i !
∂T
∂ x˙ i
=
=
mi x˙ i
∂qj
∂ x˙ i ∂qj
∂qj
i
となる。ここで (3.24) の x˙ i =
"
∂xi
q˙
k ∂qk k
(3.27)
i
を使うと
#
! ∂
∂ x˙ i
∂ ! ∂xi
=
q˙k =
∂qj
∂qj
∂qk
∂qk
k
k
∂xi
∂qj
$
dqk
d
=
dt
dt
#
∂xi
∂qj
$
(3.28)
であるから、(3.26) はただちに
d
∂T
pq = Qj +
dt j
∂qj
(3.29)
となることがわかる。さらに (3.25) つまり一般運動量の定義を使えば、これはただちに (3.19) を導く。
これは力が保存力か否かにかかわらず成り立つ、最も基本となる運動方程式である。
3.1.2
ラグランジュの運動方程式
• 保存力下でのラグランジュの運動方程式
∂U
力 F がポテンシャル U (r) から導かれる場合を考える。この場合 Fi = − ∂x
だから (3.22) より
i
Qj = −
! ∂xi ∂U
∂qj ∂xi
i
=−
∂U
∂qj
(3.30)
となって、一般座標の世界でも同じ表式となる。このことが大変有効に働き (3.19) は
d
dt
#
3.1. 一般力の下でのラグランジュの運動方程式
となる。さらに U が q˙j を含まないことから
3.1.2
ラグランジュの運動方程式
∂T
∂ q˙j
d
dt
#
$
%
=
∂U
∂ q˙j
$
∂(T − U )
∂qj
&
(3.31)
= 0 であることを使うと、(3.31) はまさに
39
d
∂L
∂L
−
=0
(3.32)
dt ∂ q˙j
∂qj
• 保存力下でのラグランジュの運動方程式
以外の何ものでもなく、ラグランジュの運動方程式が導かれる。これは (3.19) において右辺に現れる「保
∂U
力
U (r) から導かれる場合を考える。この場合 Fi = − ∂x
だから (3.22) より
存力F
+がポテンシャル
見かけの力」を、保存力の方はラグランジアンにしまい込み、みかけの力は左辺に移項すること
i
によってしまい込んだ式である。こうしてポテンシャル力の下でのラグランジュの運動方程式
(2.44) の
!
∂xi ∂U
∂qj ∂xi
∂U
∂qj
Qj = −
=−
(3.30)
再導出がかなった。第 2 章のラグランジュの運動方程式の再導出は以上の通りであるが、本章ではさら
に一般の場合へと進むことができる。
i
(3.19) は
• となって、一般座標の世界でも同じ表式となる。このことが大変有効に働き
非保存力の下でのラグランジュの運動方程式
"
#
力 F がポテンシャル U (r) から導かれるものとそうでない力
d ∂T
∂(T − UQ)! の和である場合を考える。この場合
=
∂U
dt ∂ q˙j
Fi = − ∂x
+ Q! だから、ラグランジアンは相変わらず
T −∂q
Ujで定義しておくと、(3.19) は
i
(3.31)
$ %
#
$
#
$
d
∂U
∂Tdt
d
∂L
∂L
となる。さらに U d
が q˙j∂T
を含まないことから
= 0 であることを使うと、
(3.31) はまさに
!
∂ q˙j
= Qj + Q +
あるいは
−
= Q!
(3.33)
dt ∂ q˙j
∂qj
dt ∂ q˙j
∂qj
"
#
d ∂L
∂L
−
=0
(3.32)
となる。これは前項で「しまい込み」きれなかった非保存力を右辺に残した式である。
dt ∂ q˙j
∂qj
以外の何ものでもなく、ラグランジュの運動方程式が導かれる。これは (3.19) において右辺に現れる「保
存力 + 見かけの力」を、保存力の方はラグランジアンにしまい込み、みかけの力は左辺に移項すること
によってしまい込んだ式である。こうしてポテンシャル力の下でのラグランジュの運動方程式 (2.44) の
再導出がかなった。第 2 章のラグランジュの運動方程式の再導出は以上の通りであるが、本章ではさら
に一般の場合へと進むことができる。
• 非保存力の下でのラグランジュの運動方程式
力 F がポテンシャル U (r) から導かれるものとそうでない力 Q! の和である場合を考える。この場合
∂U
Fi = − ∂x
+ Q! だから、ラグランジアンは相変わらず T − U で定義しておくと、(3.19) あるいは (3.32) は
i
d
"
∂T
#
∂T
d
"
∂L
#
∂L
によってしまい込んだ式である。こうしてポテンシャル力の下でのラグランジュの運動方程式 (2.44) の
再導出がかなった。第 2 章のラグランジュの運動方程式の再導出は以上の通りであるが、本章ではさら
に一般の場合へと進むことができる。
• 非保存力の下でのラグランジュの運動方程式
力 F がポテンシャル U (r) から導かれるものとそうでない力 Q! の和である場合を考える。この場合
∂U
Fi = − ∂x
+ Q! だから、ラグランジアンは相変わらず T − U で定義しておくと、(3.19) あるいは (3.32) は
i
d
dt
40
"
∂T
∂ q˙j
#
= Qj + Q! +
∂T
∂qj
"
#
d ∂L
∂L
あるいは
−
= Q!
(3.33)—
第 3 章 ラグランジュ形式の力学
— 一般編
dt ∂ q˙j
∂qj
!
(xB − xA ) + (yB − yA ) + (zB − zA ) , θ ≡ cos
, φ ≡ tan
(3.35)
r
! B − xA
の使用例は 3.3 節の散逸関数(粘性力のある場合)のところで挙げるが、そこでは
Qx
は q˙j に依存する。
となる。仮に一般座標 X, Y, Z, r, θ, φ に通し番号で q1 , q2 , · · · , q6 としたとすれば、qj の j はデカルト座標を混
となる。これは前項で「しまい込み」きれなかった非保存力を右辺に残した式である。この非保存力
Q!
2
2
2
−1 zB − zA
−1 yB − yA
r≡
合しているのみならず、質点の番号付けも混合していることがわかるであろう。
3.1.3
複数粒子にわたる一般座標の例
以下はこの系をもう少し調べて行く。運動エネルギーは
$
# µ
#2 %
M " ˙2
µ " ˙ #2 " ˙
3.1.1 節の「一般座標の場合」の注で「
q2j の ˙j2は必ずしも質点の番号付けに対応しなくなる」と書いた。本
2
˙
T =
X + Y + Z + r˙ +
rθ + rφ sin θ
(3.36)
2
2
2
節ではそのような例を述べる。分子の中で最も簡単なものは二原子分子である。そのエネルギーを特徴づける
となる。ただし
µ は換算質量で
のは、分子の重心が動く運動エネルギー、重心に向かって二つの原子が近寄ったり離れたりする振動のエネル
mA mB
µ≡
(3.37)
ギー、重心を通る軸を中心に二つの原子が互いに他の周りを回る回転のエネルギーである。二原子分子の単純
mA + mB
な力学モデルは、バネで結ばれた二つの質点である。一般の中心力ということだけ仮定しても、その平衡点の
である。質点の番号付けが混合されているのに伴って、
M や µ も質点ごとの質量ではなくなっている。
周りの微小な運動はバネ係数で表すことができる。
4
[問
3.2]上記の一般座標
X, Y, Z, r,
(3.36) x
を示せ。
いま原子
A のデカルト座標を
xAθ,, φ
yAを図示せよ。また
, zA 、原子 B のそれを
B , yB , zB としよう 。原子 A の質量を mA 、原
子 B の質量を mB とする。この系の一般座標を重心の位置ベクトル (X, Y, Z) と相対距離 r に分けて、次のよ
(3.36) の第一項は「重心の運動エネルギー」であり、第二項は「振動のエネルギー」であり、第三項は「回転の
うに取る。
エネルギー」である5 。たとえばこの二原子分子全体に外力が働いている場合、それに基づく運動は X, Y, Z の
mA xA + mB xB
mA yA + mB yB
mA zA + mB zB
X≡
, Y ≡
, Z≡
, ただし M ≡ mA + mB (3.34)
運動であり、
r, θ, φ の運動の原因にはならない。言い換えると、ラグランジュの運動方程式を立てた場合、運
M
M
M
4 通し番号を付ければさしずめ x , x , x , x , x , x となろう。
動エネルギー (3.36) の第一項のみが関係してくる。
1
2
3
4
5
6
重心の運動は処理できたとして考えないとしよう6 。二原子分子の原子間に働く力が中心力だと仮定すると、
そのポテンシャルは U (r) である。これが或る R で最小をとり、その周りで放物線 U = α(r − R)2 で近似でき
40
第 3 章 ラグランジュ形式の力学 — 一般編 —
るとすれば、運動方程式は
!
∂U 2
d2 zB − zA
α
2µ
2
−1 yB − yA
=B−− yA )=
−2α(r
(r − R) = −4
(3.38)
r ≡ (xB − xA ) +r¨(y
+
(zB −−zAR)
) , ⇒
θ ≡ cos2−1
, φ (r
≡−
tanR)
(3.35)
2
∂r
dt
µ
r
xB − xA
&
となる。仮に一般座標 X, Y, Z, r, θ, φ に通し番号で
q1 , q2 , · · · , q6 としたとすれば、
j の j はデカルト座標を混
となる。この運動方程式に寄与したのは
(3.36) の第二項である。
(3.38) は r が R qを中心に
2 α/µ の角振動数
合しているのみならず、質点の番号付けも混合していることがわかるであろう。
で振動する解を持つ。同様に θ と φ の運動に関しては (3.36) の第三項すなわち回転の運動エネルギーが寄与
以下はこの系をもう少し調べて行く。運動エネルギーは
する。
$
# µ
#2 %
M " ˙2
µ " ˙ #2 " ˙
T =
X + Y˙ 2 + Z˙ 2 + r˙ 2 +
rθ + rφ sin θ
(3.36)
2
2
2
となる。ただし
µ は換算質量で
3.2
時間を含む扱い
mA mB
µ≡
(3.37)
m
A + mB
座標変換や束縛条件が時間を含むこともある。これらは力が分布する空間内を質点が動く結果として諸量が
である。質点の番号付けが混合されているのに伴って、M や µ も質点ごとの質量ではなくなっている。
時間変化するのではなく、質点がどこに居ようと強制的に時間変化するものである。あるいはこれまで扱って
来なかった例として、力が質点の位置だけに依るのでなくその時間変化(すなわち速度)にも依存する場合が
[問 3.2]上記の一般座標 X, Y, Z, r, θ, φ を図示せよ。また (3.36) を示せ。
ある。その中でも、速度ベクトルと垂直に力が働く場合と、速度ベクトルの方向に加速または制動がかかる場
(3.36) の第一項は「重心の運動エネルギー」であり、第二項は「振動のエネルギー」であり、第三項は「回転の
合では様相が異なる。この節ではこういった場合にラグランジュ形式を一般化する。
エネルギー」である5 。たとえばこの二原子分子全体に外力が働いている場合、それに基づく運動は X, Y, Z の
運動であり、r, θ, φ の運動の原因にはならない。言い換えると、ラグランジュの運動方程式を立てた場合、運
3.2.1
時間を含む一般座標のラグランジュの運動方程式
動エネルギー (3.36) の第一項のみが関係してくる。
6
重心の運動は処理できたとして考えないとしよう
。二原子分子の原子間に働く力が中心力だと仮定すると、
ここでは
3.1.1 節の「一般座標の場合」で行った議論を、一般座標が時間
t を含む場合に拡張する。まずは
そのポテンシャルは U (r) である。これが或る R で最小をとり、その周りで放物線 U = α(r − R)2 で近似でき
時間を含む座標変換
るとすれば、運動方程式は xi = xi (t, q1 , q2 , · · · , qn ) ,
qj = qj (t, x1 , x2 , · · · , xn )
(3.39)
2
r を通じて関係があるため完璧な分離ではないが、振動の振幅が
r の平均値をあ
µ
∂U
d
α
r¨ = −
= −2α(r − R) ⇒
(r − R) = −4 (r − R)
(3.38)
まりずらさない範囲では分離している。
2
∂r
dt2
µ
6 昨今のトラッピング技術を使うと真空容器の中に分子や原子やイオンを浮かせられる。あるいは液体や固体の中で固定されている場
&
となる。この運動方程式に寄与したのは (3.36) の第二項である。(3.38) は r が R を中心に 2 α/µ の角振動数
合や、空中を飛んでいるとき分子に乗った座標で見る場合は、残る運動エネルギーは振動や回転などの内部エネルギーとなる。
5 式からも明らかなように振動と回転のエネルギーは
で振動する解を持つ。同様に θ と φ の運動に関しては (3.36) の第三項すなわち回転の運動エネルギーが寄与
する。
重心の運動は処理できたとして考えないとしよう6 。二原子分子の原子間に働く力が中心力だと仮定すると、
そのポテンシャルは U (r) である。これが或る R で最小をとり、その周りで放物線 U = α(r − R)2 で近似でき
るとすれば、運動方程式は
µ
∂U
r¨ = −
= −2α(r − R)
2
∂r
d2
α
(r − R) = −4 (r − R)
2
dt
µ
⇒
(3.38)
&
となる。この運動方程式に寄与したのは (3.36) の第二項である。(3.38) は r が R を中心に 2 α/µ の角振動数
で振動する解を持つ。同様に θ と φ の運動に関しては (3.36) の第三項すなわち回転の運動エネルギーが寄与
する。
3.2
時間を含む扱い
座標変換や束縛条件が時間を含むこともある。これらは力が分布する空間内を質点が動く結果として諸量が
時間変化するのではなく、質点がどこに居ようと強制的に時間変化するものである。あるいはこれまで扱って
来なかった例として、力が質点の位置だけに依るのでなくその時間変化(すなわち速度)にも依存する場合が
ある。その中でも、速度ベクトルと垂直に力が働く場合と、速度ベクトルの方向に加速または制動がかかる場
合では様相が異なる。この節ではこういった場合にラグランジュ形式を一般化する。
3.2.1
時間を含む一般座標のラグランジュの運動方程式
ここでは 3.1.1 節の「一般座標の場合」で行った議論を、一般座標が時間 t を含む場合に拡張する。まずは
時間を含む座標変換
xi = xi (t, q1 , q2 , · · · , qn ) ,
5 式からも明らかなように振動と回転のエネルギーは
qj = qj (t, x1 , x2 , · · · , xn )
(3.39)
r を通じて関係があるため完璧な分離ではないが、振動の振幅が r の平均値をあ
まりずらさない範囲では分離している。
6 昨今のトラッピング技術を使うと真空容器の中に分子や原子やイオンを浮かせられる。あるいは液体や固体の中で固定されている場
合や、空中を飛んでいるとき分子に乗った座標で見る場合は、残る運動エネルギーは振動や回転などの内部エネルギーとなる。
3.2. 時間を含む扱い
41
とする。これは (2.37)(2.38) と同じである。さて目標は (1) 一般力 Qj (t に陽に依存)を定義し、(2) 一般運動
量 pj (t に陽に依存)を定義して、なおしかし運動方程式が (3.19) と同じく
!
"
d ∂T
∂T
= Qj +
dt ∂ q˙j
∂qj
(3.40)
となることを示すことである。これが示されれば、座標変換が時間を含むか含まないかにかかわらず、これま
でのラグランジュの運動方程式が使えることになる。
それでは (3.40) の証明であるが、まず (3.18) 左式より
# ∂xi
∂x
dt +
dqj
∂t
∂qj
j
dxi =
(3.41)
となる。(3.20) との違いに注意する。微小変位に際しての仕事は


#
#
# ∂xi
# ∂x
# # ∂xi
∂x
Fi dxi =
Fi  dt +
dqj  =
Fi dt +
Fi dqj
∂t
∂qj
∂t
∂qj
i
i
j
i
j
(3.42)
i
となる。これも (3.21) との違いに注意。しかし一般力 Qj は (3.22) と同じく
Qj ≡
# ∂xi
#
#
∂x
dt +
Qj dqj
∂t
j
と定義すると
#
Fi dxi =
i
i
Fi
i
∂qj
(3.43)
Fi
(3.44)
となる。次に一般運動量 pqj を計算する。運動エネルギーは (3.24) の代わりに
x˙ =
∂xi
+
n
#
∂xi
q˙
⇒
T =
#1
m (x˙ ) =
2
1#
m
(
∂xi
+
n
#
∂xi
q˙
)2
(3.45)
と定義すると
#
Fi dxi =
i
#
Fi
i
#
∂x
dt +
Qj dqj
∂t
j
(3.44)
となる。次に一般運動量 pqj を計算する。運動エネルギーは (3.24) の代わりに
n
∂xi # ∂xi
x˙ i =
+
q˙j
∂t
∂qj
j=1
⇒
T =
#1
i
1#
mi (x˙ i ) =
mi
2
2 i
2
(
n
∂xi # ∂xi
+
q˙k
∂t
∂qk
k=1
)2
となる。したがって一般運動量の計算は (3.25) の代わりに
(
)
n
#
#
∂T
∂xi # ∂xi
∂xi
∂xi
pqj ≡
=
mi
+
q˙k
=
mi x˙ i
∂ q˙j
∂t
∂qk
∂qj
∂qj
i
(3.45)
(3.46)
i
k=1
となるが、計算結果すなわち最右辺は (3.25) と同じである。それでは「時間 t に陽に依存する座標変換」の影
響はないのかというと、それは qj が t に陽に依存しているので、確かに pqj も t に陽に依存してはいるのであ
る。しかし数式づらは (3.25) と同じなので、続く運動方程式も (3.26) と変わらず
!
"
!
"
#
#
d
∂xi #
d ∂xi
d ∂xi
pq =
mi x
¨i
+
mi x˙ i
= Qj +
mi x˙ i
dt j
∂qj
dt ∂qj
dt ∂qj
i
i
(3.47)
i
と書ける。残るは最右辺の第二項が ∂T /∂qj になることを示したいが、これも次のように示される。前と同じ
く ∂T /∂qj から出発すると
となる。ここで (3.45) の x˙ i =
∂ x˙ i
∂
=
∂qj
∂qj
(
∂xi
∂t
# ∂T ∂ x˙ i
#
∂T
∂ x˙ i
=
=
mi x˙ i
∂qj
∂
x
˙
∂q
∂qj
i
j
i
i
* ∂xi
+ k ∂q
q˙k を使うと
k
∂xi # ∂xi
+
q˙k
∂t
∂qk
k
)
=
∂ ∂xi # ∂
+
∂t ∂qj
∂qk
k
第3章
42
!
∂xi
∂qj
(3.48)
"
dqk
d
=
dt
dt
!
∂xi
∂qj
"
(3.49)
ラグランジュ形式の力学 — 一般編 —
となって、計算の途中は (3.28) と異なるが結果は一致する。したがって (3.47) はただちに
d
∂T
pq = Qj +
dt j
∂qj
(3.50)
となって、t を陽に含んでいるという意味合いの違いはあるものの数式づらは (3.29) と全く同じになることが
わかる。さらに (3.46) つまり一般運動量の定義を使えば、これはただちに (3.40) を導き、結局 (3.19) と同じ
式になる。
• 保存力下でのラグランジュの運動方程式
これも時間を含まない理論と同じ結果となる。力 F がポテンシャル U (r) から導かれる場合、(3.30) は
両辺とも t を陽に含む違いだけはあるが、数式は全く同じである。したがって (3.31) も (3.32) もそのま
ま成り立つ。
• 非保存力の下でのラグランジュの運動方程式
ここまで来れば、力 F がポテンシャル U (r) から導かれるものとそうでない力 Q! の和である場合も同じ
であることがわかるであろう。(3.33) もそのまま使える。
このようにして、座標変換が t を陽に含んでも含まなくても(いくつかの変数の意味合いは t を陽に含
むか含まないかの違いはあるものの)これまでのラグランジュの運動方程式がそのまま使えることがわ
かる。
• 天井走行クレーン
振り子の支点が天井を走行するクレーンは実際によく用いられる。図 3.1 のように支点の位置 y0 が天井
に据え付けられたレールに沿って y0 (t) という一次元運動をするとしよう。
方程式を書き下すと、
むか含まないかの違いはあるものの)これまでのラグランジュの運動方程式がそのまま使えることがわ
g
1
θ¨ +
かる。
"
sin θ = − y¨0 cos θ
"
(3.55)
•となる。ここまでは近似なく天井走行クレーンを表している。
天井走行クレーン
ここで微小振動
θ " 1 かつ支点の動き y0 が正弦的すなわち y3.1
= A cos(ωt) とする。また振り子の固
振り子の支点が天井を走行するクレーンは実際によく用いられる。図
のように支点の位置
y0 が天井
0 (t)
!
に据え付けられたレールに沿って
y0 (t)
という一次元運動をするとしよう。
有振動を
ω0 ≡ g/" とすると、
(3.55)
は
2
! Aω cos(ωt)
θ¨ + ω02 θ #=
"
# "$#!
!
(3.56)
!!!!ℓ
という強制振動の微分方程式となり、これは強制振動の振動数 ω で振れる解となるが、ω0 から離れてい
"
ればその振幅は小さい。しかし ω = ω0 の共振条件に近ければ、振幅は増幅される。すなわち天井走行ク
xz
レーンにおいて ω $ ω0 の支点往復運転は危険であり、避けなければならない7 。
図 3.1: 天井走行クレーン
[問 3.3] (3.55) を導け。
図より
3.2.2
x = " cos θ ,
パラメトリック励振
y = y0 (t) + " sin θ
(3.51)
したがって
【ブランコ漕ぎから分周回路、波長可変レーザー、量子情報のエンタングルメント発生まで】
x˙ = −"θ˙ sin θ , y˙ = y˙ 0 (t) + "θ˙ cos θ
(3.52)
したがって運動エネルギーは
T =
m 2 !"#$%&!!
m
!
$ m
(x˙ + y˙ 2 ) = "2 θ˙2 + m"θ˙y˙ 0 cos θ + y˙ 02
2
2
2
(3.53)
!!!!ℓ
となり、位置エネルギーは U = −mg" cos θ だからラグランジアンは
L=
m 2 ˙2
m
" θ + m"θ˙y˙ 0 cos θ + y˙ 02 + mg" cos θ
"
2
2
(3.54)
#
3.2. 時間を含む扱い
図 3.2: 支点が上下に動く振り子。
43
となって、確かに T も L も y0 (t) を通じて t に陽に依存している。しかし構わず使ってよいので、運動
図 3.2 のように、支点が上下に動く単振り子を考える。たとえばブランコを漕ぐとき、ブランコが前に振れ
方程式を書き下すと、
g
1
るときも後ろに振れるときも同じように膝の屈伸運動を行う。つまり膝の屈伸の振動数を
2ω0 とするとき、ブ
θ¨ + sin θ = − y¨0 cos θ
(3.55)
"
"
ランコの揺れの振動数は ω0 である。このように入力の振動数を半分(または整数分の1)にして出力するこ
となる。ここまでは近似なく天井走行クレーンを表している。
とを「分周」という。8
ここで微小振動 θ " 1 かつ支点の動き y0 が正弦的すなわち y0 (t) = A cos(ωt) とする。また振り子の固
ブランコを特徴付けるのは長さ
" と支点の位置である。これらのパラメーターを 2ω0 で変調するとブランコ
!
有振動を ω0 ≡ g/" とすると、(3.55) は
の振幅は増幅される — 励振される。このような励振をパラメトリック励振といい、電気回路では分周回路と
Aω 2
θ¨ + ω02 θ =
cos(ωt)
(3.56)
して、レーザー物理ではパラメトリック発振器として、量子情報ではエンタングル光子対の発生方法として用
"
いられる。図 3.2 はその基本となるモデルである。
という強制振動の微分方程式となり、これは強制振動の振動数 ω で振れる解となるが、ω0 から離れてい
いま z 軸を下向きにとり、支点の位置を zp とすると、振れ角が θ のときの質点 m の y 座標と z 座標は、
ればその振幅は小さい。しかし ω = ω0 の共振条件に近ければ、振幅は増幅される。すなわち天井走行ク
7
レーンにおいて ω $ ω0 の支点往復運転は危険であり、避けなければならない
。
y = " sin θ , z = " cos θ − z
p
[問 3.3] (3.55) を導け。
⇒
y˙ = "θ˙ cos θ ,
z˙ = −"θ˙ sin θ − z˙p
7 ビルの建設現場では支点位置可変なクレーンが使われる。その運転の難しさが想像できる。
8 正確には、ブランコの膝の屈伸は重心の位置の変調であり、!
3.2.2支点の位置の変調で話を進める。
パラメトリック励振
(3.57)
(3.58)
を変調している。しかし効果としては同様なので、ここでは簡単のため
【ブランコ漕ぎから分周回路、波長可変レーザー、量子情報のエンタングルメント発生まで】
$
!"#$%&!!!
!!!!ℓ