物理化学 I (問 題 2)

物理化学 I
1.
(問
題 2)
シアナミド(cyanamide)の燃焼熱 CH2N2(s) + (3/2) O2
CO2 + H2O (l)+ N2 では
ΔH298 = – 741.4 kJ/mol である。この化合物の標準生成エンタルピーを計算せよ。
2.
炭化タングステン(WC)をボンベ熱量計中で過剰の酸素を加えて燃焼させた時,反応
WC(s) + (5/2) O2 (g)
WO3(s) + CO2(g) の燃焼熱はΔU (300 K) =1191.4 kJ/mol
であることがわかった。300 K におけるΔH はいくらか。この条件のもとで純粋な C と
純粋な W の燃焼熱がそれぞれ – 393.5 (kJ/mol), – 818.9 (kJ/mol)であるとすれば、WC
の生成熱はいくらか。
3.
筋肉活動の重要な反応は乳酸をピルビン酸へ酸化するものである。ピルビン酸(l)と乳
酸(s)の燃焼熱ΔH(18 oC)をそれぞれ –1167.8 kJ/mol, –1364.0 kJ/mol として、この反応の
ΔH を計算せよ。
4.
CCl4 をつくる際の一つの過程には次の反応が含まれている.CS2(l) + 3Cl2(g)
CCl4(l) + S2Cl2 (l). この反応は 25 oC の水冷容器で行われる。この温度の標準モルエン
タルピーは次の値である。CS2(l)=87.9 kJ/mol, CCl4(l) = –139.3 kJ/mol, S2Cl2 (l) = –60.2
kJ/mol. 温度を 25 oC に保つには反応する Cl2 1kg 当たり何 kg の 10 oC に冷やした水を
反応容器の蛇管に通せばよいか。
5.
n–ヘキサンを 500 oC のクロミア触媒上を通すとベンゼンが生成する。C6H14(g)
0
C6H6(g) + 4H2, ΔH for
= 250.1 kJ/mol.
6.
500 oC の反応のΔH0 を計算せよ。
18 oC の HCl(g) 1 モルを 18 oC の熱量計容器中にある水 900 g に溶解する時、熱量計と
その中味のものの温度が 35 oC に上がり、周囲と熱交換は行われなかった。熱量計容
器と測定器具の水当量は 170 g、溶液の比熱は 3.766 J/K・g である。18 oC の水 900 g 中
に HCl(g)が溶解する際のΔH を計算せよ。
7.
25 oC において水 1000 g 中に m モルの NaCl を溶解する際の積分溶解熱は J で表すと次
の様になる。ΔH = 3861.8m + 1991.6m
3
2
− 3037.6m 2 + 1018.8m
(a) 重量モル濃度 1 の溶液をつくる際の NaCl
5
2
次の諸量を計算せよ。
1 モル当たりのΔH、 (b) 無限希釈する
時の NaCl 1 モル当たりのΔH、(c) 溶液を重量モル濃度 1 から 0.1 へ希釈する際のΔH
(NaCl のモル当たりの)、(d) 重量モル濃度 1 の時の微分溶解熱。
8.
原子の標準生成エンタルピー及び平均結合エネルギーの表を用いて、n–propyl alcohol,
acetone 及び dimethyl ether の標準生成熱を推定せよ。
9.
原子,分子の標準生成エンタルピーの表を用いて、CO2 の場合の C=O 及び H2O の場
合の OH の結合エネルギーを計算せよ。
1 ⎛ ∂H ⎞
⎛ ∂T ⎞
10. μ J .T . ≡ −⎜
⎟ を証明せよ。CO2 の Joule-Thomson 係数は μ J .T . =1.084
⎜
⎟ =−
C P ⎝ ∂P ⎠T
⎝ ∂P ⎠ H
deg/atm で Cp =36.61 J/mol・deg である。25 oC, 1atm の CO2, 50 g を等温圧縮して 10 atm
にする際のエンタルピー変化を計算せよ。また理想気体ではいくらか。