肝門部血行遮断時の門脈二重バイパス 循環法に関する実験的研究

岡山医誌
(1991)103,
1109∼1119
肝 門部血行遮断時 の門脈 二重バ イパ ス
循環法 に関す る実験 的研 究
-臓
器 組 織 血 流 お よび 循 環 動 態 に つ い て -
岡 山大 学 医学部 第一外 科学教 室(指 導:折 田薫三教 授)
細
羽
俊
(平成3年7月18日
Key
words:肝
門 部 血 行 遮 断,門
緒
男
受 稿)
脈 二 重 バ イパ ス,肝
血 流 調 節,組
織 血 流,全
身循環 動態
こ れ らの 問題 を解 決 す る た め 臨 床 で は 教 室 の
言
三 村 らが,大 腿 動 脈-門
胆 膵 領 域 の 悪 性 腫 瘍 の 切 除 に 際 し て は,そ
の
脈 臍 部(FA・PVu)バ
イ パ ス に よ る肝 血 行 確 保 と,上 腸 間 膜 静 脈-大
浸 潤 が 高 度 に な る と 門脈 お よび 肝 動 脈 の 合併 切
腿 静 脈(SMV・FV)バ
除,あ
る い は 肝 十 二 指 腸 間 膜 切 除 が 必 要 とな る
防 止 の 二 重 バ イ パ ス法 を開 発 して これ を解 決 し
が,そ
の際 には肝 門部 で肝動 脈 お よび門脈 の長
た1∼6)(図1).
時 間 の 血 行 遮 断 を余 儀 な く され る 場 合 が あ り,
本 法 の 問 題 点 は,肝
イパ ス に よ る 門脈 系 欝 滞
内 門脈 へ 動 脈 血 を 送 血 す
そ の 間 の 肝 循 環 確 保 と門 脈 系 欝 血 防 止 の た め の
る 際 の 至 適 血 流 量 の 設 定 で あ るが,臨
対 策 が 必 要 と な る1∼6).
い て は 正 常 肝 血 流 量(約1600ml)の25∼40%(400
図1 臨 床 に お け る 門 脈 二 重 バ イ パ ス 法1)
1109
床例 に お
1110
-660ml)を
細
羽
ポ ン プ で 送 血 す る6)こ とに よ っ て術
後 肝 不 全 は 発 生 せ ず,ま
た 循 環 動 態 も術 中,術
後 に お い て 著 変 を き た さ なか っ た7).
俊
男
ン トバ ル ビ タ ー ル25mg/kg静
行 い 人 工 呼 吸 器(Aika
注 後,気 管 内挿 管 を
R-60)を
装 着 し, room
airに て 調 節 呼 吸 下 で 実 験 を行 な っ た.輸 液 は 乳
しか し,肝 へ の 至 適 送 血 量 の 許 容 範 囲 は 明 ら
酸 リン ゲ ル液 を用 い,ま ず 中心 静 脈 圧 が4cmH2O
か で は な く,ま た 本 二 重 バ イ パ ス 法 は 肝 循 環 の
とな る よ う に補 正 を行 な い,そ
み な らず 全 身 循 環 に も影 響 を及 ぼ す と考 え られ,
で 注 入 した.血
肝 循 環 と全 身 循 環 の 両 面 か ら そ の安 全 域 が 設 定
ル か ら動 脈 圧 モ ニ タ ー(Roche
さ れ る 必 要 が あ る.そ
の 後20ml/kg/hr
圧 は左上腕 動脈 内留置 カテー テ
128)に 接 続 した.
こ で 本 法 の 全 身循 環 動 態
実 験 中 は 動 脈 血 ガ ス分 析 に て 呼 吸 調 節 と代 謝 性
な ら び に 臓 器 組 織 血 流 へ の影 響 の 面 か ら,肝 送
ア シ ドー シ ス の 補 正 を行 っ た.手 術 操 作 は 腹 部
血 量 の安 全 域 を 明 らか に す る 目的 で 以 下 の 実 験
正 中切 開 で 開 腹 し,門 脈 と肝 動 脈 を周 囲組 織 よ
を行 な っ た.
り剥 離 し た 後,固 有 肝 動 脈 血 流 量 と,門 脈 血 流
対 象
量 を 電磁 流 量 計 に て 測 定 し,そ
と 方 法
量(THBF)と
24時 間 絶 食 した 体 重9∼12kg(mean±SE:
10.5±1.5)の
雑 種 成 犬35頭 を 用 い た.麻 酔 は ぺ
の 和 を総 肝 血 流
した.
バ イパ ス モデ ルは臨 床 の 門 脈 二 重 バ イパ ス法1∼6)
(図1)に
類 似 し た 方 法8.9)(図2)を
図2 成 犬 に おけ る実 験 モ デル
考 案 し た.
肝門部 血行 遮 断時 の門脈 二重 バ イパ ス循 環法
す な わ ち全 身 ヘ パ リ ン化(ヘ パ リ ン100単 位/kg)
の後,門
1111
表1 循環 動 態 諸 量の 計 算式12)
脈 本 幹 を肝 門部 で左 右 分 枝 部 直 下 で切
断 し,腸 側 門脈 本 幹 と右 外 腸 骨 静 脈 の 間 に ア ン
ス ロ ンバ イパ ス チ ュ ー ブ(5mm×4mm×600mm東
レVTT51160)10)を
止 し た.次
設 置 して 門 脈 血 の 欝 滞 を 防
に右 外 腸 骨 動 脈 と肝 側 門 脈 本 幹 と の
間 に 透 析 用 回 路(カ
ワ ス ミ人 工 腎 透 析 用 血 液 回
路)を 用 い て バ イ パ ス を設 置 し,透 析 用 ロー ラ
ー ポ ン プ(NIP
BP-1
BLOOD
PUMP)に
て
バ イ パ ス循 環 を行 い,ポ
ンプ本 体 に内臓 され る
血 流 計 に て 送 血 量 の 調 節 を行 い,さ
を モ ニ ター し た.こ
ら に 駆 出圧
こで 門 脈 バ イパ ス と胆 管 を
除 い た 肝 十 二 指 腸 間 膜 を 肝 門部 近 くで 結 紮 し て
遮 断 し た.
3)肝
この 実 験 モ デ ル で,肝 へ の 送 血 量 をバ イパ ス
前 の 総 肝 血 流 量 の0,
設 定 し た6群
LD6000ク
10, 25, 50, 75, 100%に
ラ レ)を 用 い て 肝 左 葉 と 回腸 末 端 よ り口 側 約10
の バ イ パ ス 肝 送 血 群 と全 遮 断(無
cmの 回腸 と 腎 の 表 面 に プ ロー ブ を あ て て 各 組 織
バ イパ ス)群 と を作 製 し,バ イ パ ス30,
60, 90,
120分 後 に 全 身循 環 動 態 と肝,回 腸,腎 の 組 織 血
流 を測 定 し た.
定
項
肝 血 流 量(TUBF,
総 肝 動 脈,胃
血 流 量 を 測 定 した.
4)門
脈
圧(PVP,
mmHg)
上 腸 間 膜 静 脈 の 分 枝 よ りポ リエ チ レ ン チ ュ ー
測
1)総
・腸 ・腎 組 織 血 流 量
レー ザ ー 血 流 計(MEDPACIFIC
ブ を 挿 入 し,モ ニ ター(Roche
目
128)に
接 続 後,
門脈 圧 を 測 定 記 録 し た.
ml.min-1)
測 定 値 は 平 均 値(mean)±
十 二 指 腸 動 脈 お よ び 門脈 を周 囲
標 準 偏 差(SD)で
表 示 し,循 環 動 態 諸 量11,12)は表1に
よ り計 算 して,
組 織 よ り剥 離 し,電 磁 流 量 計(日 本 光 電MFV
-3100)の プ ロー ブ を装 着 し て 各 血 流 量 を 測 定 し
検 定 はSutudent's
た.総 肝 動 脈 血 流 量 か ら 胃十 二 指 腸 動 脈 血 流 量
イパ ス後 の 送 血 量 の 影 響 を,各 群5例
を差 し引 き 固有 肝 動 脈 量 を求 め,そ
全 遮 断 群 か ら得 られ た 成 績 に つ い て平 均 値 と標
れ に門脈血
流 量 を加 え総 肝 血 流 量 と し た.
2)全
(Edwards社)を
結 果 は,各 パ ラ メー ター の 前 値 に 対 す る 各 バ
変 化 を百 分 率 で示 し た.
テ ー テ ル(5Fr小
児 用)
結
に 留 置 し,肺 動 脈 圧(PAP),肺
中心 静 脈 圧(CVP)な
1)各
実験 群の経 過
全 遮 断(無 バ イ パ ス)群 は,遮 断 後 平 均100分
楔 入 圧(PWP),
ど を 測 定 し た12).ま た,
で全 例 死 亡 し た が,バ イ パ ス群 は バ イ パ ス 後120
カ テ ー テル を熱 希 釈 法 心 拍 出 量 測 定 装 置(Mode
分 間 全 例 生 存 した.
9520A,
2)肝
糖5mlを
接 続 し, 0℃ の5%ブ
急 速 注 入 し,心 拍 出 量(CO,
を測 定 し, Meeh-Rubnerの
求 め て,心
係 数(CI)を
ドウ
1min-1)
式11)よ り体 表 面 積 を
算 出 し た.血 圧 は 左 上
腕 動 脈 内 に カ テー テル を挿 入 し,モニ ター(Roche
128)に
録 した.
接 続 後,平
果
右 外 頸 静 脈 よ り挿 入 して,圧
モ ニ ター 下 に 圧 波 形 を み なが ら先 端 を肺 動 脈 内
Edwards)に
と肝 門 部
準 偏 差 で示 し,バ イ パ ス 前 値 を100と し て 以 後 の
身循 環 動 態
Swan-Ganzカ
t検 定 を用 い た.
均 動 脈 圧(MAP)を
測定記
循環 動態
バ イパ ス開 始 前 の 肝 動 脈 流 量(HAF)は81
27.0ml,門
.6±
脈 血 流 量(PVF)は417.7±82.2mlで
あ り,よ っ て総 肝 血 流 量(THBF)は501.2±96.1
mlと な っ た.ま
た バ イ パ ス後 の 肝 へ の 送 血 流 量
は,総 肝 血 流 量 の0%で0ml,
ml, 25%で132.0±22.6ml,
10%で47.5±16.3
50%で265.0±43.4
1112
細
ml, 75%で392.4±76.5ml),
mlと
な り,ポ
100%で459
羽
間 にわ たっ
バ イ パ ス 回 路 中 ポ ン プ の 送 血 圧 は , 10%群
は6.3±3.1mmHg,
25%群
100%群
パ ス 後120分
で
75%群
で は21.5±
で は25.5±2.1mmHgで,バ
均 動 脈 圧(MAP)
あ っ た.
あ っ た.バ
イパ ス 中 は0%お
で 前 値 よ り低 下 傾 向 に あ る も,バ
よび
イパ ス
し,前 値 に 対 し て30分 で56.6%を
られ た(図5).
動 脈 楔 入 圧 変 化(PWP)
バ イ パ ス 前 のPWPは10.1±3.9mmHgで
.5±13.8mmHg
イ パ ス 各 群 と も,バ
イ パ ス 開 始30
分 は 低 下 傾 向 が み ら れ た が,そ
た.バ イパ ス 開 始 後, 50%群
は安 定 して い た が, 75%群
の 血 圧 は バ イ パ ス 後 よ り低
復 す る こ と な く,他
の バ イパ ス 群
遮 断群
断 直 後 よ り血 圧 は 急 激 に 低 下 し て シ ョ
イパ ス 群 との 間 に 有 意 の 差
図5 心 係 数(CI)
図3 バ イ パ ス肝送 血 量 と送 血圧
図4 平 均 動脈 圧(MAP)
あっ
ま で は 経 過 中PWP
と100%群
の 後 回 復 し た.
以 後 有 意 に 低 値 を 示 し た,全
ッ ク状 態 と な り,バ
示 し,バ イ パ
ス群 との 間 に バ イ パ ス60分 以 後 で 有 意 の差 が み
3.肺
バ イ パ ス 前 の 平 均 動 脈 圧 は100
バ イ パ ス 流 量100%群
示 す
有 意 な 正 の相 関 が 認
関 係 数 はr=0.977で
1.平
で は,遮
25%群
差 は な か っ た.全 遮 断 群 で は 遮 断 直 後 よ り低 下
身循環 動態
に 比 べ90分
あ り, CIに 換 算 す る と2.74±0.78(1
量 の 多 い 群 ほ ど,増 量 傾 向 が み られ た が 有 意 の
3)全
下 し始 め,回
min-1)で
イ
よ う にy=0.0501+3.06の
で あ っ た.バ
数(CI)
間 に わ た っ て ほ と ん ど一 定 で あ っ た .
バ イ パ ス 送 血 量 と 送 血 圧 と の 間 に は 図3に
め ら れ,相
係
min-1/m2)で
で は12.3±8.9mmHg,
で は17.8±1.3mmHg,
1.9mmHg,
2.心
バ イパ ス前 の 心 拍 出 量(CO)は1.54±0.43(1
て 一 定 量 送 血 し た.
50%群
男
が み られ,遮 断 後 平 均100分 後 に死 亡 した(図4).
.7±69.6
ン プ に て 調 節 し, 120分
俊
図6 肺 動脈 楔 入圧(PWP)
で は前 値 に
肝 門部 血行 遮断 時の 門脈二 重バ イパ ス循環 法
1113
対 して バ イ パ ス 開 始 後30分 以 降 上 昇 傾 向 が み ら
群 で は バ イ パ ス 開 始 後低 下 傾 向 が み られ た が,
れ た.全 遮 断 群 で は遮 断 直 後 よ り急 激 に 低 下 し,
25%群
30分 で 前 値 に 対 し80%の
で は 経 過 中 低 下 傾 向 で, 100%群
低 下 を示 し有 意 な差 が
み られ た(図6).
4.全
で は 経 過 中 に 回復 し た.
0%群
で は90分 以 後 有
意 に 上 昇 を示 した 一 全 遮 断群 で は 直 後 よ り急 激
身 末 梢 血 管 抵 抗(SVR)
に 低 下 し,前 値 に 対 し-100%と
バ イ パ ス 前 のSVRは36.51±11.38
cm-5/M2で
∼75%群
dyne.Sec.
あ っ た.
6.肺
バ イ パ ス 流 量 を 増 量 し た と き, 50%群
∼100%
低 下 し,バ イ パ
ス群 と の 間 に 有 意 の 差 が み られ た(図8).
動 脈 圧(PAP)
バ イパ ス 前 のPAPは18
.3±5.6mmHgで
あっ
群 で は バ イ パ ス 開 始 以 降 低 下 傾 向 が み られ, 100
た.バ
%群 で は 回復 す る こ と な く低 下 し, 90分 よ り有
れ た が, 100%群
意 に低 値 を 示 した.全
た.全 遮 断 群 で は 直 後 よ り急 激 に低 下 し,前 値
遮 断 群 で は,前
値 に対 し
の 差 が み られ た(図9).
心 静 脈 圧(CVP)
バ イパ ス 前 のCVPは4
で は60分 よ り有 意 に 上 昇 を示 し
に 対 し52%と 低 下 し,バ イ パ ス群 と の 間 に 有 意
有 意 な差 が み られ な か っ た(図7).
5.中
イ パ ス 流 量 が 少 な い ほ ど低 下 傾 向 が み ら
.7±1.2mmHgで
た.バ イ パ ス 流 量 を増 量 す る と,
0%群
あっ
∼75%
7.左
室 分 時 仕 事 量 指 数(LWI)
バ イ パ ス前 のLWIは3
で あ っ た.バ
.686±1.190kg.m/M2
イパ ス 流 量 が 少 な い とバ イ パ ス 開
始 初 期 は 低 値 を示 した が そ の 後 回復 した.
バ イ パ ス流 量 を増 量 した 時,バ
期 は 高 値 を示 し たが100%群
イパ ス 開 始 初
で は90分 よ り回復 す
る事 な く有 意 に 低 値 を示 した.全
遮 断群 で は 直
後 よ り急 激 に 低 下 し,前 値 に 対 し31%と
図7 全 身末梢 血管 抵 抗(SVR)
図9 肺動 脈 圧(PAP)
図8 中心 静 脈圧(CVP)
図10 左 室分 時 仕事 指 数(LWI)
低 下 し,
1114
細
羽
俊
男
バ イ パ ス 群 との 間 に有 意 の差 が み られ た(図10) .
組 織 血 流 量 は 平 均53.0±4.7mvで
8.右
群 以 下 で は バ イ パ ス 開 始30分 で 急 激 に 低 下 し以
室 分 時 仕 事 量 指 数(RWI)
バ イ パ ス 前 のRWIは0
で あ っ た. 100%群
.685±0.320kg.m/M2
後 も 回復 な く, 25%群
で は 安 定 す る こ と な く経 過 と
25%群
との 間 に 有 意 差 を認 め た.
で は バ イ パ ス 前 値 に 対 して 組 織 血 流 量
と もに 上 昇 を示 しバ イパ ス120分 で有 意 の 差 が み
の低 下 が 認 め ら れ る も, 50%群
られ た.全
遮 断 群 で は 直 後 よ り急 激 に 低 下 し,
が み ら れ な か っ た(図13).
60分 で,前
値 に 対 し22%と
2.小
低 下 し,バ イ パ ス群
脈
圧(RVP)
た.バ
バ イパ ス 前 の 門 脈 圧 は10 .2±2.5mmHgで
た.バ
あっ
イパ ス流量 が増加 す るほ ど門脈圧 は上昇
す る傾 向 が み られ た が,バ
イ パ ス各 群 間 に 有 意
の 差 は み ら れ な か っ た.全 遮 断 群 で は 直 後 よ り
急 激 に 上 昇 し, 30分 で,前 値 に 対 し450%と
上昇
し て バ イパ ス群 との 間 に 有 意 の 差 が み られ た(図
12).
4)臓
との 間 に 有 意 差
腸
バ イパ ス前 値 は平 均425 .8±110.5mvで
との 間 に有 意 の 差 が み られ た(図11).
9.門
あ っ た. 10%
あっ
イ パ ス 流 量 が 増 加 す る ほ ど小 腸 組 織 血 流
量 は 減 少 す る傾 向 が み ら れ10m%群
の120分 で は
他 バ イパ ス 群 に 比 較 す る と低 値 を示 し有 意 差 を
認 め た.
全 遮 断 で は,遮 断 直 後 よ り急 激 に低 下 し30分
以 降 で バ イ パ ス群 との 間 に 有 意 の 差 が み られ た
(図14).
3.腎
器 組織 血流 量
1.肝
レ ー ザ ー ドップ ラー 法 に よ るバ イ パ ス 前 の 肝
バ イパ ス 前 値 は 平 均344 .4±31.0mvで
あ った.
バ イ パ ス各 群 と も,バ
イパ ス 開 始30分 で は 低 下
傾 向 が み られ た が,そ
の 後 平 衡 状 態 を示 した.
バ イ パ ス 流 量 を増 量 した と き, 10m%群
での腎組
織 血 流 量 は バ イパ ス 直 後 よ り低 下 し始 め,回
図11 右 室 分 時仕 事 量 指数(RWI)
図13 肝組 織 血 流量
図14 小 腸 組 織 血流 量
図12 門 脈 圧(PVP)
復
肝 門部 血行遮 断 時の 門脈二 重バ イパ ス循環 法
1115
す る こ と な く,他 の バ イパ ス 群 に 比 べ120分 で 有
る論 文 を発 表 して い る が,臨
意 に低 値 を示 し た.全
なか った.三 村 ら20)は,1985年 よ り上 腸 間 膜 静 脈 ・
遮 断 で は,遮
断直 後 よ り
床例 での報告 では
急 激 に低 下 し, 60分 で バ イ パ ス 群 との 間 に 有 意
門 脈 臍 部 バ イ パ ス 法 を考 案 して そ の 有 効 性 を報
の 差 が み ら れ た(図15).
告 した が,こ
の方 法 では両静脈 圧 間に圧 勾配が
少 な い こ と か ら,十 分 な 流 量 が つ ね に 確 保 され
て い る か ど うか に不 安 が あ っ た.
この た め1986年 三 村 ら4)は,胆 管 癌 に対 す る肝
十 二 指 腸 間 膜 全 切 除 術(肝
動 脈 ・門脈 同 時 長 時
間 遮 断 に よ る)を 安 全 に遂 行 す る方 法 と し て,
大 腿 動 脈-門
脈 臍 部 ポ ン プ バ イ パ ス に よ る肝 血
行 確 保 と,上 腸 間 膜 静 脈-大
腿静 脈圧 差バ イパ
ス に よ る 門脈 系 欝 滞 防 止 の 二 重 バ イパ ス 法 を 開
発 して 臨 床 例9例
に用 い た.こ
図15 腎組 織 血 流量
下 に 灌 流 され るた め,安
考
全 に長 時間の肝 十二指
腸 間 膜 遮 断 が 可 能 とな り,術 式 の安 全 が確 保 さ
察
1856年Ore13)は,急
の 方 法 に よ り肝
は 酸 素 含 有 量 の 高 い動 脈 血 で 流 量 コ ン トロー ル
れ,総
性 門脈 遮断 が早期 に重 篤
肝 血 流 量 の25∼40%の
送 血 で も,循 環 動
態 は 術 中,術 後 と も と くに 問 題 は き た さ な か っ
な シ ョ ッ ク を 発 来 し,実 験 動 物 が 死 亡 す る こ と
た.我 々 は,肝
をは じめ て 報 告 し, Bernard14)は,門
至 適 血 流 量 の 設 定 に 関 す る一 連 の基 礎 実 験 を雑
脈遮 断後 犬
内 門脈 へ 動 脈 血 を送 血 す る際 の
は20分 ∼30分 で 死 亡 す る こ と を報 告 し た. 1908
種 成 犬 で行 な い,共
年, Pringlel5)は 肝 外 傷 の 際 の 出 血 制 御 に 肝 門部
同 様 の 実 験 モ デ ル で 肝 エ ネ ル ギ ー 代 謝 面 か ら研
を用 手 で一 時 的 に 肝 流 入 血 行 を遮 断 し て 手 術 を
究 し,肝 の エ ネ ル ギー 代 謝 維 持 に必 要 な送 血 量
行 っ た こ と を報 告 し,ま た1957年Johonstone16)
の 下 限 は 総 肝 血 流 量 の10%と25%の
は 門 脈 遮 断30分 後 に は 循 環 血 液 量 の57.9%が
腸
同研 究 者 の 坂 田 は,著
者 と
間 にあ ると
の 結 果 を得 て い る8)9).本 実 験 で は 対 象 と して 犬
管に欝滞 す る として門脈 血行 が生体 に重 要 であ
を用 い た が,成
る こ とを の べ た が,臨
犬 で は成 人 に 比 較 して 肝 円 索 は
床 の外科 手術 に おけ る門
殆 ど消 失 して お り,臨 床 例 の ご と く肝 円 索 を使
脈 遮 断 の 問 題 は,門 脈 系 の 欝 滞 と肝 循 環 血 流 量
用 す る こ とが で きな い こ とか ら,肝 送 血 ル ー ト
の 不 足 の2点
は 肝 側 門 脈 本 幹 を 用 い て行 い,ま
で あ る. 1982年 中 尾 ら10.17)は,抗血
た門脈欝 滞防
ンス ロンカ
止 の た め のバ イパ ス カ テ ー テ ル は 上 腸 間 膜 静 脈
テ ー テ ル〓東 レ)の 開 発 に よ り,膵 癌 手 術 に お け
へ の 挿 入 が 不 可 能 な ため 腸 側 門 脈 本 幹 に 挿 入 し
る 門脈 合 併 切 除 に 際 して,門
た.こ
栓 性 門 脈 バ イパ ス 用 カ テ ー テ ル(ア
脈 圧 を一時 的に体
の た め そ の 間 に 必 然 的 に5分
間 の 門脈 遮
循 環 ヘ バ イ パ ス して 腸 管 欝 血 を防 止 す る上 腸 間
断 状 態 を生 じ る こ とに な った20).この と きみ られ
膜 静 脈-大
る一 時 的 な循 環 動 態 の変 化 は 顕 著 な血 圧 低 下 で,
腿 静 脈 バ イ パ ス を考 案 した.し
こ の 方 法 で は,こ
な る の で,バ
以 上)に
か し
の 間 門脈 血 は 肝 に 流 入 しな く
イパ ス灌 流 時 間 が 長 時 間(2時
間
な る と肝 循 環 不 全 に よ る術 後 肝 不 全 の
危 険 が あ り18),また 肝 動 脈 も 同 時 に 遮 断 が 必 要 と
これ は 血 流 再 開 に よ っ て ゆ っ く り復 元 す る が,
臨 床 モ デ ル で は こ の よ うな 門脈 遮 断 状 態 は生 じ
な い。
無 バ イパ ス 肝 門部 全 遮 断 群 の循 環 動 態 の 変 化
され る場 合 に は 肝 循 環 が 確 保 で き な い た め,適
は,遮
断 直 後 よ りMAPが
低 下 しCO,
用 す る こ とが で き なか った. 1985年Boermaら19)
CI, LVSWIも
は 剖 検 例 の 肝 円 索 に つ い て の 検 討 か ら,肝 円 索
に 陥 り,臓 器 組 織 血 流 量 も急 激 に 減 少 し た.こ
ま た 低 下 し, hypovolemic
を拡 張 して これ を脾 静 脈 と吻 合 す る こ とに よ り,
れ はPVPの
肝 十 二 指 腸 間 膜 ブ ロ ッ ク切 除 の 可 能 性 を示 唆 す
下 か らsplanchnic
上 昇, CVP,
PAP,
sequestrationに
RVSWIの
PWP,
shock
低
よ る もの と
1116
細
羽
俊
男
推 測 さ れ,遮 断 後 平 均100分 後 に 死 亡 した.こ れ
ー ザー光 が 血管 内 を流 れ る赤血球 に散 乱 され る
に 対 し て 門 脈-大
際 に 受 け る ドッ プ ラー シ フ ト と流 速 の 蘭 に 直 線
splanchnic
循 環 バ イパ ス法 を作 成 す る と
sequestrationは
防 止 され て,全
の 循 環 動 態 の 変 動 は 軽 度 で あ っ た が,肝
0%で
身
送 血は
あ り肝 組 織 血 流 量 が 得 ら れ な い.
二 重 バ イ パ ス法 で は,肝
関 係 が 成 立 す る とい う特 徴 を応 用 した も の で あ
る24).
レー ザ ー ドッ プ ラー 法 に よ る 肝 組 織 血 流 量 は
は酸素 含有 量の 高 い
10%群
と, 25%群
と の 間 に 有 意 差 を認 め た.こ
動 脈 血 で 流 量 コ ン トロー ル 下 に 灌 流 され るた め,
の 点 に 関 して は,教
バ イパ ス 前 の 総 肝 血 流 量 よ りは 少 い灌 流 量 で 肝
ル で 肝 組 織 エ ナ ー ジ ・チ ャ ー ジ を測 定 し, 25%
室 の坂 田 も同様 の実験 モデ
機 能 維 持 が 可 能 で あ る こ とが 推 定 さ れ るが,あ
以 上 の 送 血 量 で は よ くエ ナ ー ジ ・チ ャ ー ジ は維
ま り低 灌 流 量 に な る と肝 内 の 血 流 分 布 異 常 が お
持 さ れ, 10%以
こ る可 能 性 が で て く る.ま た 注 入 圧 が 高 くな る
こ と をみ て い る8,9).ま た 水 素 ク リア ラ ンス 式 肝
下 で は 早 期 よ り著 明 に低 下 す る
と 門脈 内 血 管 内 皮 や 肝 内 類 洞 を 傷 害 す る お そ れ
組 織 血 流 量 で も10%以
が あ る.そ こ で至 適 血 流 量 の 設 定 が 必 要 とな る.
れ た と し て い る8).水素 ク リア ラ ンス 式 組 織 血 流
本 実 験 に お い て 肝 へ の バ イパ ス 送 血 量 が 多 くな
計 に よ る肝 組 織 血 流 量 と,今 回 の レー ザ ー ドッ
る と送 血 圧 は 直 線 的 に 増 加 し,全 身循 環 動 態 と
プ ラー 法 に よ る肝 組 織 血 流 量 は 相 関 を示 して い
し て は,バ
た が,全
イパ ス 流 量 が 多 くな る と全 身 の シ ャ
ン ト効 果 が 現 れ て 循 環 不 全 が お こ る こ とに な る.
しか し,肝 へ の バ イ パ ス 送 血 量 が 正 常 総 肝 血 流
下 では著 明な低下 がみ ら
体 に レー ザ ー ドッ プ ラー 法 に よ る肝 組
織 血 流 量 の 方 が 低 値 を 示 し た.
こ れ は,レ
ー ザ ー ドップ ラ ー 法 の 方 は肝 表 面
下 で は 左 心 系 ・右 心 系 共 に バ イ パ ス
の 血 流 を測 定 し て お り,肝 表 面 の 血 管 支 配 は 門
120分 間 は 安 定 し て い た.す な わ ち,肝 へ の バ イ
脈 よ りも肝 動 脈 優 位 とされ て い る ためで あろう25).
パ ス 送 血 量 を 増 加 させ て ゆ く と,静 脈 還 流 量 が
こ の よ う に 肝 組 織 血 流 量 か らみ る と肝 送 血 流 の
増 加 し,心 拍 出 量 は 増 大 す る が 動 脈 血 は 大 腿 動
許 可 下 限 は,犬
脈 か ら た だ ち に 体 外 循 環 用 回路 へ 流 出 す るた め
下 で は,正 常 総 肝 血 流 量 の25%以
血 圧 低 下 を きた す 一 因 と な る21).実験 で100%バ
と考 え られ た.臨 床 で は,送 血 圧(20∼50mmHg)
量 の75%以
イパ ス群 で は,シ
ャ ン ト量 の 増 量 か らSVRの
著 明 な 低 下 に よ りMAPも
著 明 な低 下 を きた し,
そ れ を改 善 させ る だ け のCIの
IWIが
増 加 が み られ ず
低 値 と な っ た.
で動 脈 血PO2150mmHgの
条件
上 に あ る もの
を上 昇 させ るこ とな く比 較 的 低 流 量(40∼660ml/
min)で 肝 酸 素 需 要 を満 た す 目的 で,吸 入 酸 素 濃
度 を100%と
し, PaO2を400∼600mmHgと
して い
る6)7).一 般 に 肝 組 織 へ の 酸 素 供 給 が 減 少 して 肝
ャ ン トに よ る流 量 負 荷
組 織PO2が
の 増 大 が み られ, CVP,
PAP,
維 持 で きず 嫌 気 性 代 謝 に 移 行 し,そ の 結 果 乳 酸
上 昇 が み られ た. 100%群
で は バ イパ ス90分 で 循
右 心 系 に 関 し て は,シ
RWIの
有意の
低 下 す る と,肝 細 胞 は好 気 性 代 謝 を
の 増 加 が お こ り代 謝 性 ア シ ドー シ ス が 生 ず る.
身 循 環 動 態 か らみ
酸 素 供 給 が さ ら に減 少 す る と,肝 細 胞 は不 可逆
た 総 肝 送 血 量 の 安 全 域 は,バ イ パ ス120分 間 に お
性 変 性 をお こ し代 謝 活 動 を停 止 す るに 至 る26).
一方
,上 腸 間 膜 静 脈-大 腿 静 脈 バ イパ ス に よ
環 動 態 の破 綻 を き た し た.全
い て は,正
常 総 肝 血 流 量 の75%以
と考 え られ た.成
下 に あ る もの
人 で は 肝 に心 拍 出 量 の お よ そ
る 門脈 系 欝 滞 防 止 を行 っ た 時 に は,バ
1/4と い う大 量 の 血 液 が 流 入 して お り22),その 約
量 が 増 加 す る ほ どPVPは
70%は
れ,レ
門 脈 血 流 量 と され て い る.本 実 験 で は 正
イパ ス 流
上 昇 す る傾 向が み ら
ー ザ ー ド ップ ラー 法 に よ る腸 組 織 血 流 量
常 総 肝 血 流 量 の 心 拍 出 量 に 占 め る割 合 は32.5%
は バ イ パ ス 流 量 が増 加 す る ほ ど低 値 を示 した.
で あ り,そ の83.3%は
こ れ はバ イ パ ス 流 量 が 増 加 す る とPAP,
門 脈 血 流 量 で あ っ た.
CVPの
臓 器 組 織 血 流 量 の 測 定 法 に は 水 素 ガ ス ク リア
上 昇 に よ る静 脈 欝 帯 と,血 圧 低 下 に よ る腸 微 小
ラ ン ス 法23),熱 勾 配 法,が あ り近 年,レ ー ザ ー ド
循 環 障 害 が 生 じる もの と考 え ら れ,バ イパ ス100
ップ ラー 法 に よ る組 織 血 流 法 が 利 用 され て い る.
%群 にお け るバ イパ ス120分 後 の 腸 組 織 血 流 量 は
レー ザ ー ドッ プ ラー 法 に よ る組 織 血 流 量 は,レ
他 バ イ パ ス群 に 比較 して 低 値 を示 し有 意 差 を認
肝 門部 血行 遮断 時 の門脈 二重 バ イパス循環 法
め た.全 遮 断 で は,遮
断 直 後 よ り急 激 に 腸 組 織
1117
イパ ス送 血 量 が 総 肝 血 流 量 の75%以
血 流 量 の 低 下 を き た し腸 微 小 循 環 障 害 を生 じた.
系 ・右 心 系 共 に安 定 して い た.
そ の 後,急
量 の100%送
速 に 局 所 組 織 のanoxiaを
き た し,
つ い に は小 腸 組 織 の 広 範 な壊 死 へ と進 展 し小 腸
血 群 で は,シ
下 では左 心
2)正
常 肝血 流
ャ ン ト量 の 増 量 か ら,
動 脈 圧 の 著 明 な低 下 を き た し,そ れ を 改善 させ
組 織 か ら毒 性 因 子 の 血 中 へ の 逸 脱 が 生 じ,全 身
る だ け の 心 拍 出 量 の 増 加 は み られ な か っ た.右
重 要 臓 器 の 障 害 も加 わ る もの と考 え られて い る27).
心 系 に 関 して は,シ
各 バ イパ ス群 の 腎組 織 血 流 量 は バ イパ ス 流 量 を
大 はみ られ る もの の代 償 範 囲 内 で あ っ た. 3)肝
増 量 した 時,腎
組 織 血 流 量 よ りみ る と総 肝 血 流 量 の25%以
血 流 量 の 低 下 を 反 映 して い る と
考 え られ た.
以 上,組
ャ ン トに よ る 流 量 負 荷 の 増
上の
送 血 量 が 必 要 で,小 腸 お よ び 腎 組 織 血 流 量 か ら
織 血 流 量 よ りみ る と肝 送 血 量 の 下 限
は正 常 総 肝 血 流 量 の25%以
み る と75%以
腸 組 織 血 流 量 よ りみ る と75%以
下 が 適 量 で あ っ た.
4)門
脈 二重
バ イ パ ス 時 の120分 間 に お い て の 安 全 域 は,正 常
上 が 必 要 で,ま た 腎.
下 で良好 に組織
総 肝 血 流 量 の25%か
血 流 量 が 維 持 で きた.
ら75%の
間 に あ り,安 全 域
の 広 い 方 法 で あ る こ とが 実 験 的 に も証 明 され た.
結
5)肝
語
門部 での単純 血行全 遮 断時 には早期 よ り
全 身 循 環 動 態 と臓 器 組 織 血 流 に 異 常 を き た し シ
雑 種 成 犬 を用 い て,肝
門部血行 遮 断下 におけ
る 門 脈 二 重 バ イ パ ス(肝
十 二指 腸間 膜遮 断中の
肝 循 環確 保 と 門脈 系 欝 血 防 止 法)施
ョ ッ ク状 態 と な る.
行 時 の全 身
稿 を終 え るに臨 み,御 指 導,御 校 閲 を賜 わ りま し
た恩 師折 田薫三 教 授 に深 なる謝 辞 を表 す ると共 に,
循 環 動 態 と臓 器 組 織 血 流 へ の 影 響 を 測 定 し,肝
送 血 量 の 安 全 域 と門 脈 二 重 バ イ パ ス の 有 用 性 を
直接御 指 導 を頂 いた三 村 久教 授,高 倉 範 尚博 士 に感
明 らか に した.
謝 す る と共 に,御 協 力 い ただ い た教 室 員 各位 に 心 よ
1)平
均 動 脈 圧,心
静 脈 圧,肺
係 数,肺
動 脈 圧,全
時 仕 事 指 数,右
動 脈 楔 入 圧,中
身 末 梢 血 管 抵 抗,左
心
り感 謝致 し ます。
室分
(なお,本 論 文 の要 旨は,第29回
室 分 時仕 事 量 指 数 か ら肝 へ の バ
文
1) Mimura H, Kim H, Ochiai Y, Takakura
Radical block resection
2)
三村
久,金
法-.胆
3)
三村
仁 洙,折
田薫 三:胆
と膵(1987)8,
久,金
仁 洙,高
術(1987)41,
三村
5)
三村
崎 啓 介,高
久,高
倉 範 尚,落
崎 啓 介,落
度 見:胆
合 陽 治,作
本 修 一,小
沢
健,折
田薫 三:胆
管 癌 に 対 す る肝
合 陽 治,岡
下
林 孝 弘,津
下
と そ の 考 察.胆
宏,落
宏,三
村 卓 司,折
と膵(1988)9,
田薫 三:進
行 膵癌 に対 す る
517-522.
合 陽 治,折
田 薫 三:膵
頭 部 癌 に 対 す る 門 脈 血 流 遮 断 下 切 除 術.
下
合 陽 治:胆
膵 領 域 癌 に 対 す る 肝 十 二 指 腸 間 膜 切 除,
745-749.
倉 範 尚,浜 崎 啓 介,金
頭 十 二 指 腸 切 除.胆
落 合 陽 治,三
脈 血流 カテー テ ルバ イパ ス
腿 動 脈 ・門 脈 臍 部 お よ び 上 腸 間 膜 静 脈 ・大 腿 静 脈 の 二 重 バ イ パ ス 法 に よ る-.手
倉 範 尚,浜 崎 啓 介,津
久,高
肝 切 除,膵
7)
of the bile duct with double
161-165.
久,浜
胆 と膵(1988)9,
三村
ligament for carcinoma
Surg Gynecol Obstet (1988) 167, pp 527-529.
69-72.
肝 十 二 指 腸 間 膜 切 除 合 併 膵 全 摘 術 の1例
6)
N, Hamazaki K, Tsuge H, Sakagami K and Orita K:
管 癌 に お け る 門 脈 合 併 切 除 の 新 し い 試 み-門
倉 範 尚,浜
十 二 指 腸 間 膜 全 切 除 術-大
4)
献
of hepatoduodenal
catheter bypass for portal circulation.
日本 消化 病 学会 大
会 に お い て発表 した.)
村
久,株
仁 洙,津
と 膵(1989)10,
丹 浩 二,高
倉 範 尚,松
宏,落
133-141.
田 忠 和,浜
崎 啓 介,津
膵 領 域 癌 に お け る 門 脈 二 重 バ イパ ス 法 の 実 際 と工 夫-循
下
宏,柏
野 博 正,折
田 薫 三,小
環 動 態 と生 化 学 検 査 値 か らみ た 評 価-胆
坂二
1118
細
と 膵(1989)10,
8)
坂 田 龍 彦:肝
9)
坂 田 龍 彦,三
羽
俊
789-795.
門 部 肝 血 行 遮 断 時 の 肝 循 環 確 保 に 関 す る 実 験 的 研 究.-肝
イ パ ス 法 に お け る送 血 量 安 全 下 限 域-日
村
久,細
羽 俊 男,森
外 会 誌(1991)92,
隆,高
中 尾 昭 公,堀
沢 増 雄,末
永 昌 宏,山
本 隆 男,近
田 薫 三:門
12)
元 木 良 一,井
瀬 静 男,長
703-704.
岡 昭 二,森
の 術 式 と安 全 性-.人
11) Cowgill GR, Drabkin DL: Determination
a consideration
脈 二重 バ イパ ス法 に お け る肝へ の総血
科 治 療(1988)58,
藤 達 平,川
カ テ ー テ ル に よ る 門 脈 体 循 環 バ イパ ス 法-そ
エ ネ ル ギー 代 謝 か ら み た 門 脈 二 重 バ
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倉 範 尚,折
量 と 肝 エ ネ ル ギ ー 代 謝 の 耐 容 性 に 関 す る 実 験 的 研 究.外
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木 秀 樹,小
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橋 仁 志,寺
原 祥 三:水
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入酸 素 濃
肝 門部 血行 遮 断 時の 門脈二 重バ イパ ス循環 法
Experimental
during
the
study
on bypassed
complete
blockage
Its influence
on systemic
and
Toshio
Okayama
In clinical
mesenteric
during
hilum;
resection
vein-IVC
complete
for
simultaneous
the
purpose
congestion.
However,
determined
accurately.
a pump in the bypass,
determined
the safe
hemodynamics
of the bile duct, portal
the
damage
collapsed
artery
hepatic
rate
during
and
systemic
bypass
splanchnic
has not been
the liver controlled
and hepatic
hemodynamics
blood flow was measured
used
vein at hepatic
avoiding
the
flow towards
dogs. Systemic
and successfully
and the portal
circulation
portal
satisfactory
and hepatic
double bypass (superior
vein) has been devised
of the hepatic
model in mongrel
catheter
K. Orita)
of blood flow
for maintaining
and laser doppler
hepatic
Prof.
The safety level of arterial
hemodynamics
by
was
were monitored
by an electromagnetic
method.
The safe flow rate of bypass
flow;
range
hemodynamics
700, Japan
carcinoma
blockage
tissue
hilus:
Medical School,
artery-portal
of maintaining
using a similar
using a Swan-Ganz
method
of advanced
and femoral
of hepatic
of Surgery,
University
(Director:
circulation
HOSOBA
Department
Okayama
portal
1119
circulation
was induced.
ranged
from 25 to 75% of the normal
When the hepatic
by the shunting
effect
total hepatic
flow was below 25%, while systemic
at a hepatic
flow rate above 75%.