Weekly Market Report - Jul 8, 2013(PDF:450KB) - あおぞら銀行

発行:市場営業部
Weekly Market Report
Jul 8, 2013
FX, JPY Interest Rate, Topic
1. 為替相場概況
100円台の大台に乗ったドル円、米国経済の改善が続けばさらなる円安へ
先週の為替市場は株高、米金融緩和縮小期待等を背景にドル
円が久々に100円台の大台を突破。そして週末の6月米雇用統計
結果が更なるドル買い円売りをサポート、ドル円は101円台まで円
安が進行した。
USD/JPY (過去1年間)
Price
100
週明けの1日(月)、発表された日銀短観では企業の景況感が市場
予想を上回る改善結果となり、リスクオンの展開からドル買い円売
りが先行、発表直後にドル円は99.55円まで上昇。その後は週末に
米雇用統計の発表が予定されていることもあり、積極的な売買は
手控えられた。 2日(火)海外時間に入ると、FRBが想定よりも早く
資産買い入れを縮小するとの観測が強まったこと等を材料に、
ドル円は100円台を回復。3日(水)朝方には、ドル円は一時100.86円
とほぼ1ヵ月ぶりの円安水準を付けた。夕刻にはポルトガル情勢の
先行き不透明感からドル円は1円以上の下落となるなど荒れた展
開。4日(木)、米国市場は休場。ECB理事会を控えドル円は99円台
後半を中心に揉み合う展開。欧州時間に入りECB理事会は主要政
策金利の据え置きを発表したものの、「長期間にわたって、主要な
政策金利を現状の水準またはより低い水準に据え置く」としてフォ
ワードガイダンス(時間軸政策)の導入を全会一致で決定した。直後
ユーロ・ドルは1.29割れと急落し、約5週間ぶりの安値をつけた。週
末、注目された6月米雇用統計が発表。非農業部門雇用者数が市
場予想の16万5000人増を大幅に上回る19万5000人増となり、QE3
縮小を見込む向きに拍車をかけドル円は101円台まで上昇して越
週している。
96
92
88
84
80
.123
8月
9月
10月
2012 Q3
11月
12月
1月
2012 Q4
2月
3月
4月
2013 Q1
5月
6月
2013 Q2
7月
13 Q3
EUR/JPY (過去1年間)
Price
125
120
115
110
105
100
95
.123
8月
9月
10月
2012 Q3
11月
12月
1月
2012 Q4
2月
3月
4月
2013 Q1
5月
6月
2013 Q2
7月
13 Q3
EUR/USD (過去1年間)
前回のFOMCでバーナンキFRB議長は、資産購入プログラムの縮
小に関して、経済情勢次第としつつも、「2013年末までに開始する
こと、2014年央に完了する可能性がある」というロードマップを示し
た。9月のQE縮小期待が高まっていることもあり、今週10日(水)に
公表される前月のFOMC議事録に注目が集まる。FOMC時の各委
員の発言や姿勢を確認したい。また、11日(木)に日銀金融政策決
定会合が開催されるが、債券市場が高止まりし落ち着いていること
から金融政策は据え置きが予想されている。
(市場営業部/土橋)
Price
1.4
1.36
1.32
1.28
1.24
今週の注目経済指標・イベント
.12345
8月
10日(水) FOMC議事録要旨(6/18、19実施分)
9月
10月
2012 Q3
11月
12月
2012 Q4
1月
2月
3月
2013 Q1
4月
5月
6月
2013 Q2
7月
13 Q3
(出所)トムソンロイター
今週のレンジ予想
(USD/JPY)
予想者
森松敬博
今週のレンジ
予想のポイント
100.00-103.50 米経済の底堅さが示された雇用統計の結果を受けて、ドル買いの流れが継続するか否かに注目。
寺田剛
99.50-103.00
日本・欧州と米国との金融政策のギャップが鮮明になってくる中で、ドル円はじり高で推移か。
國井靖子
99.00-103.00
堅調な雇用統計を受け、リスクオンでドル円続伸となるか。引き続き米経済指標と金利・株価動向に注目。
・本資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、取引の申し込みでも、取引締結の推奨でもなく、売買若しくは何らかの取引を行うことを助言したり、または勧誘したりするものでもありません。
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際しては、ご自身のご判断でお願いします。本資料に含まれるグラフ等は一部トムソンロイターのデータを基に作成しておりますが、当データにつきトムソンロイターは何らの責任を負わないものとします。
・本資料に基づき、お客さまが投資のご判断をされた結果に基づき生じた損害・損失については当行は一切責任を負いません。
・本資料は著作物であり、著作権法により保護されております。無断で全文または一部を転載することはできません。
・本資料に掲載された各見通しは本資料作成時点での各執筆者の判断に基づいており、それらは必ずしもあおぞら銀行の意見を反映しているとは限らず、予告なしに変更される場合があります。
1
Jul 8, 2013
2. 円金利相場概況
米雇用統計の結果、日本のインフレ期待の高まりと共に円金利に上昇圧力が掛かる
先週の円スワップ金利はカーブ全体を通して金利上昇し超長期ゾー
ンにかけてスティープニングとなった。
週初の月曜日に大きく金利上昇して始まった円金利相場であったが、
週を通して金曜日の米雇用統計待ちの展開で、米金利は高値から
の調整で低下傾向であったことに加えて、円金利市場でも10年債入
札、30年債入札が無難から順調にこなされたことで火曜日以降の円
金利は総じて低下傾向で推移した。
超長期ゾーンに関しては、為替がドル円で円安にふれる中、PRDCな
どのエキゾチック系デリバティブ関連のフローが金利上昇圧力をか
ける格好となった。
米雇用統計に向けて上昇していた金利が調整する時間が長かった
先週の日米金利市場であるが、米雇用統計の結果が強かったことで
FEDのQE減額期待はいっそう強まり、先週金曜日の米国金利は10
年債利回りで23bp程度上昇した。
10年国債金利
年国債金利 (過去1年間)
Price
JPY
1
0.9
0.8
0.7
0.6
0.5
.123
8月
9月
10月
2012 Q3
11月
12月
1月
2012 Q4
2月
3月
4月
5月
2013 Q1
6月
7月
2013 Q2
13 Q3
5年スワップレート
年スワップレート (過去1年間)
Price
0.5
今後の動きとしては、米雇用統計と米国金利の動きを受けて、円金
利にも上昇圧力が掛かると考えられる。
先週の入札状況や日銀の買入オペなどを考えると、引き続き円金利
市場の需給は良好であると考えられるが、米金利の動きに加えて、
円安株高の流れを鑑みると円金利は上昇リスクを意識せざるをえな
い状況であろう。
また、日経クイックなどの投資家サーベイなどを見ると、投資家の目
先のインフレ予想は以前よりも確実に上昇シフトしており、これも円
金利に上昇圧力をかける要因となる。
0.45
0.4
0.35
0.3
0.25
.123
4
5
6
7
2012 Q2
8
9
10
2012 Q3
11
12
1
2012 Q4
2
3
4
2013 Q1
5
6
7
8
2013 Q2
金利SWAP変化(
変化(1週間)
金利
変化( 週間)
今週に限って言えば、日本国債の供給が少ないが故に需給がより良
い一方、10、11日(水、木)開催予定の日銀政策決定会合では追加
緩和は期待できない。大きなイベントがない中で、各市場が米雇用
統計の結果をどう消化していくのかに注目していきたい。
(bp)
変化(左軸)
2013/6/28
(%)
2013/7/5
7
2.5
6
2
5
1.5
4
3
1
(市場商品部/小林)
2
0.5
1
今週の注目経済指標・イベント
0
0
1Y
2Y
3Y
4Y
5Y
6Y
7Y
8Y
9Y 10Y 12Y 15Y 20Y 25Y 30Y
9日~11日 米国債入札(3、10、30年債)
今週のレンジ予想 (5年スワップレート)
予想者
伊藤功一郎
高野一歩
土橋優
今週のレンジ
(出所)トムソンロイター
予想のポイント
0.50%-0.54% 米雇用統計受けて米債入札動向に注目は集まるであろうが、円債の需給は悪くなく金利は上昇しづらい。
0.51%-0.55% 米国の影響をどこまで受けるかに注目。今週の米債入札が不調となれば円金利上昇の可能性高そう。
0.50.%-0.53% 日銀政策決定会合では現状維持の可能性が高く、海外情勢の不確実性が円債のサポート要因に。
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Jul 8, 2013
3. 今週のトピックス
オーストラリアドルアップデート ~政策金利は2.75%に据え置き~
依然として追加利下げ観測は強く軟調な推移が続く豪ドルだが、反発の可能性も。
7月2日(火)オーストラリア準備銀行(RBA)は政策金利を2.75
%に据え置くことを決定した。翌日物金利スワップであるOIS
(3ヶ月もの)の推移【図1】を見ると、市場は追加利下げを織
り込んでいると言え、豪ドルは軟調な展開が続いている。
会合後に出された声明文には、豪ドル相場は依然として高
水準にあること、需要支援の必要があれば更なる緩和の余
地があることが示された。
【図1】政策金利と3ヶ月OIS
(%)
5
政策金利
4.5
3ヶ月OIS
4
3.5
【図2】は過去3年分の豪ドル相場の推移を表している。これ
を見ると4月初めに比べ豪ドルは対米ドル、対円共に約15%
近く下落しているが、RBAでは豪ドルは今後更に下落する可
能性があり、そのことが経済成長のリバランスに寄与すると
考えている。
更に、スティーブンスRBA総裁は3日(水)に行われた講演の
中で、非資源セクターが適度に成長していく確信は持てない
としながらも、成長源へのシフトを支援する用意はあるとして
おり、このことも追加利下げを予測する要因となっている。
3
2.5
出所:RBA、Bloomberg
【図2】豪ドル相場
(円)
また、オーストラリア国内では政治情勢を巡っても転換期に
差し掛かっていると言える。
先月26日(水)に実施された与党・労働党の党首選でラッド前
首相がギラード現首相に勝利した。ギラード政権時に導入が
進められた炭素税は産業界からの反発も強く、今回の党首
交代の原因とも言われている。
そして9月(8月前倒し実施の可能性もあり)には総選挙が控
えており、世論調査によると野党・保守連合が勝利する可能
性もある。現状下院の議席数は拮抗した状況にあり、選挙
戦には注目が集まる【図3】。
総選挙の結果を現段階で予測するのは難しいが、何れにせ
よ国民の支持率が低下していたギラード政権から総選挙を
経て新政権が誕生することはポジティブに受け止められるの
ではないだろうか。政治面でのサポートと、RBAによる金融
政策とが相まって豪経済の成長を促していくことが期待され
る。
最後に今後の豪ドル相場の見通しについてまとめたい。
当面はRBAによる追加利下げ観測が根強いため軟調な展
開が続くと考えられる。7月24日には4-6月期の消費者物価
指数が発表されることもあり、状況次第では8月に追加利下
げ実施の可能性も考えられる。
しかしその後は金融緩和の恩恵に加え、総選挙を経て政治
面でも産業界に好意的な政策が講じられていくのであれば、
豪州国内経済の回復と共に豪ドル相場の下落にも歯止めが
かかるのではないだろうか。
(市場営業部/川口)
(米ドル)
AUDJPY(左)
115
110
AUDUSD(右)
105
100
1.15
1.1
1.05
1
95
0.95
90
0.9
85
0.85
80
0.8
75
0.75
70
0.7
出所: Bloomberg
【図3】豪 下院の政党別議席数
その他,
その他 7
労働党
保守連合
(自由党・
自由党・
国民党),
国民党
72
労働党,
労働党 71
保守連合
(自由党・国民党)
その他
出所: 豪州下院議会
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