『金襴緞子の帯締めながら』/別役実

読本会 第一冊目(読本期間 2015年4月29日~未定)
『金襴緞子の帯締めながら』/別役実
日本のベケットと呼ばれ、現代演劇に大きな影響を与えてる別役実の作品です。
別役実は日本に不条理劇をもたらしたと言われますが、この不条理劇は日本のコメディ
演劇に今も大きな影響を与えています。
不条理劇はそれまで近代演劇の主流であった人間の行動は合理的で、人間自体が論理的
に解読できる存在だと位置づける「リアリズム演劇」に対するアンチテーゼとして、人
間とは得体の知れない生命であって、解読はできないものと位置づけたことからスター
トしていますが、ここ数年、別役実をはじめとする不条理劇は見直され、注目されつつ
あります。
すなわち、東日本大震災以降、当たり前の日常が論理的に続いていくことが揺らぎつつ
ある中、不条理を描く作品に注目が集まっているといえるかもしれません。
/提案:片岡友美子
読本会開催にあたって
読本会は、「戯曲を読む」に「とにかく拘ってみたい」という動機から企画された定
期集会です。提案された戯曲について、時代背景、文化面、はたまた人物達の心の揺
れ動きを細かく探りながら、そして同時に、「何を感じたか」を参加者達と正確に論
じ合ってみたく考えています。板を踏む方、舞台を観る方、そこに興味を持つ方、ど
んな方でも参加していただき、「読む」ということに一緒に集中してみたいと願って
います。
半端に声に出して互いのイメージを制限したり削り合ったりしないように、そして、
読む者の思考や思想が広がり、教養が更に深まっていくように、緊張感を以て進行し
たく思います。そして、本を深く深く楽しみながら、参加者達の求める要望を少しで
も叶えていければ嬉しく、皆様のご協力とご理解 よろしくお願い致します。
/主宰:佐藤勝美