平成26年度 自己評価及び学校関係者評価 秋田市立御所野学院中学校 1 本年度の学校評価をふりかえって 今年度,3年目を迎えた先取り学習は,中学校3年生で行う高校数学Ⅰに加え,高校コミュニケーショ ン英語Ⅰを中学校3年生で行うことができた。その成果は,学力向上と相まって県や市からも注目された。 また,1年間を通して,新聞やTV,秋田市広報などで本校の行事やニュースが報道されたこともあり, 中高一貫教育校としての特色ある教育活動をピーアールすることができた。これは,本校のよさをもっと 多くの方に理解していただきたいという私たちの思いを,たくさんの方が支え,応援してくださったこと の証でもあると考えている。 また,自主性を育む教科教室制を目指して,これまで教科を同一階にしていたものを国語・数学・英語 を学年ごとに同じ階に配置するという「新教科教室制」を実施した。その結果,学習指導のみならず,生 徒指導面でもプラスの効果が見えてきた。今後も,生徒一人一人の夢の実現を目指して,中高教職員が共 通理解の上でさらに協力し,中高一貫カリキュラムのさらなる充実を図っていきたい。 2 評価結果の概要 分野 評価項目 取組状況と成果・課題 教 育 課 程 教育課程の 円滑な実施 に向けた共 通理解と工 夫改善 ・これまでの中3内進 生への数学Ⅰや中1・ 2の英語の先取り学習 に加え,中3内進生に 対する高校コミュニケ ーション英語Ⅰの先取 り学習を実施したこと で,先取り学習の体制 が整った。 ・中高授業研究会は, 新たに合同の技能教科 部会を設けた。教材の 提示の仕方や指導方法 に対する意見を述べ合 うことで学習指導面で の理解を深めることが できた。 ・ 学 習 指 導 生 徒 指 導 評価 B 改 善 策 学校関係者評価の意見 ・高校教員の中3内進生 ・先取り学習の体制が整い,中 に対する先取りや乗り入 高一貫を生かした取組が充実し れ学習が円滑に進められ てきている。今後も中高が連携 るように,中高が連携し,し,定着と更なる向上を目指し 集会等での説明を今後も て,特色ある教育課程・学習指 丁寧に行っていきたい。 導を進めることを期待する。 ・中高授業研究会の計画 ・先取り学習を進めるにあたっ を早期に作成し,自分の ては,基礎学力の定着や高校か 教科に限らず多くの先生 らの課題などについて,生徒や 方が参観できるようにし 保護者の不安を解消するために たり,全体での協議の場 も,十分な説明と情報提供を行 を設定したりするなどし う必要がある。 て,中高授業研究会の内 ・内進・外進が決定した後も, 容の充実を図りたい。 先取り学習等の学院の特色ある 学習を全員に実施すべきではな いか。 主体的に学 習する生徒 の育成を目 指した指導 の工夫や改 善 ・生徒の動線を考え, これまで教科を同一階 にしていたものを国語 ・数学・英語を学年ご とに同じ階に配置する という「新教科教室制」 を実施した。 ・教科の特性を生かし た学習環境作りを行う ことで,生徒の各教科 A に対する関心・意欲が 高まり,主体的に学習 する生徒が多く見られ る よ う に な っ た 。「 授 業は楽しく積極的に取 り組んでいる」と回答 した生徒の割合が,昨 年の78%から86% に高まったとともに, 授業が分かりやすいと 考えている生徒が89 %に上った。 ・教科教室内の資料や掲 示を活用したり,各時間 毎に話し合いや説明など の言語活動を行ったりす るなど,各教科に対する 興味・関心をさらに高め る工夫を行いたい。 ・話し合いに対する苦手 意識をもつ生徒が自分の 考えや思考過程を他者へ 伝える意欲と方法を向上 できるように支援してい きたい。 ・生徒が90%近くプラ ス評価をしている学習面 での評価に対して,保護 者は60%ほどの評価に とどまっているので,P TAや各種たよりで各種 調査結果などをこまめに お知らせしていきたい。 ・教科教室制は,教師の授業や 教室環境の改善工夫により,生 徒の関心・意欲並びに学習の主 体性・積極性の高まりとなって 現れてきている。しかし,保護 者の評価とは開きがあるため, 今後は,その成果を保護者が実 感するような具体的な方策を考 える必要がある。 ・家庭学習の取組が,35%の 生徒が「2」以下の評価である。 家庭学習の支援並びに指導の工 夫を希望する。 ・学習指導の目標達成状況把握 のため,教師全員が中間目標達 成度合いを共有する必要があ る。 お互いの立 場を理解し, 共に生活し ようとする 態度と社会 性の育成 ・学校とPTAが連携 し ,「 ケ ー タ イ ・ ス マ ホに関する約束」を決 めた。その効果もあり, メールやネット使用に ついては,96%の生 徒が気を付けていると A 回答している。実際, メールやライン等のト ラブルが激減した。 ・学校とPTAで連携し て携帯電話やスマホのル ールを決めてから,メー ルやライン等のトラブル が激減したことは,今後 の生徒指導のあり方に示 唆をいただいたと考えて いる。生徒の夢の実現を 目指して,保護者への啓 蒙と協力を今後も仰いで いきたい。 ・学校とPTAが協力して「ケ ータイ・スマホに関する約束」 を取り決め,それを生徒と家庭 に周知し,大きな効果を上げた ことは高く評価できる。これは, 学校とPTAの関係が良好だか らできたと言える。ケータイ・ スマホの使用に関しては,常に 新しい問題が出てくるので,引 き続き指導をお願いしたい。 ・今後は研修などPTA向けの 啓蒙活動を実施し,生徒だけで なく保護者のネット・リテラシ ーの向上も図る必要がある。 - 1 - 生 徒 指 導 ・社会一般のマナーやルールと いった人としての基本的言動 を,多くの場で教えていくこと も必要である。 よりよい学 校生活をつ くるために, 主体的に取 り組む生徒 の育成 ・集団の一員としてル ールやマナーを守って 過ごしていると答えた 生徒が94%以上いる が,委員会活動への積 極的な取組について は,64%と低い評価 となっており,課題で ある。 ・生徒会執行部が中心 となって,生徒総会で 秋田東警察署の犯罪防 止等のマスコットキャ ラクターを決定した り,自転車の安全利用 を呼び掛けたり積極的 に活動した。 B 家 保 護 者 や 地 ・学校からの校報やホ 庭 域社会から, ームページでのお知ら ・ 地 域 と の 連 携 学 校 経 営 の 重 点 学校の経営 方針に対す る理解と協 力を得るた めの具体的 な活動 せに加えて,新聞やT V,秋田市広報などで 本校の行事や特色ある 活動・入学者選考など がタイムリーに報道さ れた。学校の様子が各 たよりからよく分かる との保護者からの回答 が88%,地域の方か らは100%となって いる。 保護者や地 域社会との 円滑な連携, 教育活動へ の効果 ・ 月 1回 の 小 中 高 P T A合同巡回には,担当 学年の保護者が熱心に 参加し,地域巡回を行 いながら小や高の保護 者と連携を図ることが できた。 ・継続的に行っている 吹奏楽部による地域行 事への参加,PTAか らの地域施設への清拭 布の寄贈に加えて,中 高合同防災訓練におい て御所野連合町内会長 さんからご講評いただ き地域にある学校の役 割について考えること ができた。 中高一貫教 育校として 特色ある教 育活動の推 進 ・国際教養大学との交 流も,不定期の特別授 業に加え,英語特別学 習講座が3年目,2泊 3日のイングリッシュ キャンプが2年目を迎 え,生徒達の英語に対 する関心・意欲を高め る本校の特色ある活動 として定着した感があ る。 ・自分探求学と郷土学 における体験学習が充 実しており,総合発表 会などを通して郷土秋 田や自分の進路への意 識を高めることができ た。 B B A ・2年連続で秋田東警察 署管内の「街頭犯罪防止 モデル校」等の指定を受 け,校内外の活動を積極 的に行ってきたような生 徒会の活動は今後も継続 していきたい。 ・生徒達が活動のねらい や必要性をしっかりと考 え,活動の意図を全校に 周知したうえで生徒会活 動が展開できるようにし ていく必要がある。 ・街頭犯罪防止モデル校の指定 を受け,積極的に活動してきた ことを評価するとともに,今後 も警察署の行事への参加等,継 続して実践していってほしい。 ・生徒会活動は,地道な取組や 努力が成果を上げており,落ち 着いた学校生活が見られる。さ らに挨拶運動の徹底や主体的な 委員会活動が進められるよう に,支援・指導の工夫を行って いくことを期待する ・自主的な行動の必要性を理解 するために,社会人になるまで の成長過程で何が重要なのか, どんな行動が良いのかというこ とを考える機会をもつことが大 切である。 ・中高一貫教育校のよさ や御所野学院ならではの 教育活動の特色につい て,各報道機関に積極的 にお知らせし,支援を賜 りながら多くの方に理解 していただくように努め ていきたい。 ・各分掌や各学年・学級 等のおたよりから生徒の 活動の様子や活躍が伝わ るように工夫していく必 要がある。 ・校報,ホームページ,新聞, TV,市の広報など,様々な広 報媒体により学校活動が紹介さ れ,保護者や地域の方の御所野 学院への関心が一段と高まった ものと思う。今後も「いつ」 「ど んな」情報を提供すればメディ アに取り上げられやすいかを考 え ,「 常 に 知 ら せ る 」 と い う 姿 勢で,効果的な広報活動を展開 していくことを期待する。 ・御所野地区の健全育成 を目的に月一回実施して いる小中高PTA合同巡 回は,他からも高い評価 を受けている事業なので 今後も継続していきた い。 ・小中連携の在り方を学 校としてよく吟味し,高 校と情報交換しながら, 御所野小学校や御所野地 区の町内会との連携を今 後さらに強化していきた い。 ・大型商業施設を抱える御所野 地域の状況から考えると,小中 高PTAの合同巡回は必要不可 欠な活動であると考える。地域 の施設等とも情報を共有しなが ら活動を継続してほしい。また, 地域の学校やPTAの連携が強 化されている特徴的な活動とし て,メディアに情報提供してい ってはどうか。 ・地域活動への参加の意義・目 的を,家庭内,学校内で話し合 い,連携をとって進めていくこ とが必要である。学校と地域社 会との双方向の協力関係が大切 であろう。 ・国際教養大学との交 流に関しては,英語学 習の充実がメインとな っているため,英語科 教員の力に負うところ が大きい。高校と連絡 ・調整を図りながら, 国際教養大学との連携 を進めていきたい。 ・高校の郷土学の改革 を念頭に置きながら, 中高6年間のキャリア 教育の進め方を整理し, 「中高一貫カリキュラ ム」の一層の推進を目 指したい。 ・県立中高一貫教育校が秋田 市に開設されることで中高一 貫教育が注目を集めることを チャンスととらえ,国際教養 大学との連携を更に充実し, 広い意味での国際感覚を身に 付けた生徒の育成を図ってほ しい。 ・御所野学院がこれまで進め てきた学力のみを意識しない 特色ある教育は,成長過程で 生徒達に十分な力を付けるこ とができる教育であると考え る。新しく開校する中高一貫 教育校との差別化を図ってい ってほしい。 - 2 -
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