外部講師派遣事業 研修実施レポート 鳥取県公立小・中・特別支援学校事務職員研究会 1 研修日:平成23年6月28日(火曜日) 2 研修テーマ:「学校教育目標の達成と事務職員の行動変革」 -『とっとり行動指標マップ』でナビゲート!事務職員のキャリア形成と共同実施- 3 講師:兵庫教育大学大学院 教授 日渡 円 氏 4 講演の概要 鳥取県公立小・中・特別支援学校事務職員研究会(県事研)は、“めざす事務職員像” という目 標を達成するため研究を重ね、その過程で「とっとり行動指標マップ」(別紙)を作り上げた。この「と っとり行動指標マップ」は “めざす事務職員像”到達のためのツールである。 “めざす事務職員像”到達を考えた時、学校がどうあればいいのかが重要であり、そのための プロセスとして「とっとり行動指標マップ」が活用できた。その結果、次の4点が見えてきた。 ①認識を変える。事務職員の業務を教育課程に必要な教育資源「人・モノ・金・情報」で分類した。 ②事務職員としての個人のキャリア形成につながる。 ③一方完結型の学校観、事務職員観から地域へ拡がるということを模索した。 ④学校のあるべき姿を意識する。 このように、事務職員が日頃行っている業務、必要と思われる業務をカテゴリ化して言語化し たものが「とっとり行動指標マップ」なので、行動しないと意味がない。個々の認識を変え行動 を変えることが学校を変えることになる。変わらないと始まらない。今後、鳥取県の事務職員は、 自信を持って変わることが必要である。 5 研修のまとめ及び今後に向けて 鳥事研では、「とりビジョン」にある“めざす事務職員像”を達成するために、「とっとり行 動指標マップ」を活用して全会員でレベルアップを図った。認識を変え、4つの教育資源で職務 を捉え、「とっとり行動指標マップ」を核とした具体的な取り組みを進めることができた。 さらに、共通ワークシートによる全県下同一の取り組みを行った結果、事務職員はもとより共 同実施組織の行動変革と意識改革を促すという成果を得た。今回、2つの共同実施組織の実践発 表は、「行動マップ」による具体的な取り組みの見本となる報告であった。 現在、鳥事研の会員は、“めざす事務職員像”を達成するために行動化を展開している。目標 に到達するためには、「とっとり行動指標マップ」に表されている事務職員の職務の“拡がり” や“深さ”を認識し、積極的に行動化を進めていくことが必要である。そして、行動が変わり、 意識が変わっていく中で、公立学校の役割も見えてきた。 今後、「とっとり行動指標マップ」を継続して活用すること、他職や地域と「協働」すること で学校教育目標の実現に向けて行動変革・意識改革を進めていくことが重要であると考える。 第6分科会 発表ナビ・演習資料 鳥事研:「とっとり行動指標マップ」 人 的 資 源 大 項 目 学 校 組 織 運 営 中 項 目 学校ビジョンの達成 A 組織の活性化 組織の一員として、学校ビ 小 項 目 ジョンの達成に向けて取り 組む 地域内の学校のビジョン達 地域戦略 成のため共通課題を整理 (ネットワークマネジメント) し、解決へ向けて企画・立 学校間・地域連携 案する。 を推進 学校のシステム化 B C 学校組織が効果的に運営 円滑な学校運営のため、組 されるための仕組みづくりを 織の活性化をめざす する 地域内の学校の共通課題 地域内の学校が共有できる を整理し、活性化へ向けた 標準的な校務処理システム 取り組みを企画・立案する。 を企画・立案する。 A1 資 金 的 資 源 人材育成 B1 研修企画 人 材 活 用 D 専門性を活かした教職員研 修の効果的な運営をめざす 地域内の学校との連携によ る教職員研修・講演会等を 企画・運営する。 C1 学校評価結果等から自校 校内組織の課題を整理し、 自校で活用できる校務処理 自校の教職員に必要な研 企 画 の課題を見つけ、学校ビ 活性化へ向けた取り組みを システムの導入を提案す 修を企画・運営する。 (戦略マネジメント) ジョン達成のための解決策 提案する。 る。 校内企画委員会等で を提案する。 A2 B2 C2 E 学校支援体制の充実 計 画 F 家庭・地域との連携を推進 し、地域の教育力向上をめ ざす 家庭・地域との連携を推進 し、地域の教育力向上のた めのしくみを企画・立案す る。 学校支援地域本部やボラン ティア等による学校支援に ついての事業を企画・運営 する。 E1 F1 D1 の企画・立案・提案 地域連携の推進 財 務 管 理 学校教育活動充実のため 効果的な教育課程編成の に、学校支援体制を整える ための財務計画を立てる E2 H 効果的な教育課程編成の ための財務執行管理を行う 市町村や地域内の学校の 地域内の学校の財務執行 ビジョンに基づき、地域の学 管理(予算・徴収金等)の適 校を総括した財務の長期・ 正化を提案する。 中期計画を提案する。 G1 地域の教育力向上の視点 地域からの支援が必要な自 学校教育目標達成に向け で、地域と連携した自校の 校の教育活動について、支 た自校の財務計画を提案 取り組みを提案する。 援の実施や体制の整備を する。 提案する。 D2 執 行 G F2 H1 自校の財務執行管理(予 算・徴収金等)の適正化を 提案する。 G2 H2 学校ビジョン達成に向けた 組織の活性化へ向けた取り 校務処理システムの導入に 教職員研修の実施に向け、 地域との連携について、関 地域からの教育活動への支 自校の財務計画について、 自校の学校予算や徴収金 調 整 取り組みについて、教職員 組みについて、教職員との 伴う、教職員との調整を行 関係機関や教職員との調 係機関や教職員との調整を 援について、関係機関や教 学校予算・徴収金間や分掌 等について執行状況を確 (組織マネジメント) との調整を行う。 調整を行う。 う。 整を行う。 間等の調整を行う。 認し、補正対応や各予算間 行う。 職員との調整を行う。 の調整等を行う。 校内組織(分掌・学年 等)との協働・連携 実 務 (セルフマネシ (セルフマネジメント) メント) A3 B3 C3 D3 学校ビジョンの達成や学校 組織の活性化へ向けた取り 事務職員の業務に関する 教職員研修に関する情報 評価に関する事務処理を行 組みについての事務処理を 事務処理システムの標準化 提供や、事務処理を行う。 う う。 行う 行う。 を行う を行う。 E3 地域連携に関する情報提 供や、事務処理を行う。 F3 G3 学校支援・学校ボランティア 財務計画のための情報収 等に関する情報提供や、事 集や資料作成等を行う。 務処理を行う 務処理を行う。 H3 学校予算や徴収金等の執 行管理を行う。 定型的業務の処理 A4 B4 C4 E4 F4 物 的 資 源 大 項 目 整 備 計 画 I 教育効果を高めるために、 施設・設備・教材の整備計 画を立てる 市町村の教育ビジョンに 地域戦略 沿った施設・設備・教材の (ネットワークマネジメント) 整備計画を提案する。 小 項 目 I1 開発・調達 J H4 情報管理・活用・発信 環 境 整 備 活 用 G4 情 報 資 源 施 設 ・ 設 備 ・ 教 材 中 項 目 学校間・地域連携 を推進 D4 K 安全・衛生 L 就学保障 M 教育効果を高めるために、 学習の場や物品の開発・調 達の体制を整える 地域内の学校や関係機関 と連携を取り、学習の場や 物品の調達についての体 制づくりを提案する。 教育効果を高めるために、 施設設備教材を有効活用 する体制を整える 地域内の学校の施設・設 備・教材の活用状況を検証 し、教育効果を高めるため の改善策を提案する。 安心・安全な学校づくりのた めに、安全衛生管理の体制 を整える 地域における児童生徒の 安全・衛生対策を見直し、 関係機関との連携により改 善策を提案する。 児童生徒が安心して学校 生活を送るための環境を整 える 地域内の学校の児童生徒 の就学環境を見直し、関係 機関との連携により改善策 を提案する。 J1 K1 L1 M1 情報管理 N 情報活用 O 多様な情報を学校運営や 情報管理の適正化により、 教育活動に取り入れ、学校 学校の活性化をめざす の活性化をめざす 地域内の学校の情報管理 地域内の学校の、教育活動 体制を見直し、規程整備等 や学校運営のための情報 活用を提案する。 を提案する。 N1 O1 情報発信 P 効果的な情報発信を推進 し、学校の活性化をめざす 地域内の学校の、効果的な 情報発信の体制づくりを提 案する。 P1 自校のビジョンに沿った、効 効果的な校外学習や、校外 自校の施設・設備・教材の 自校の危機管理や安全・衛 自校の児童生徒の就学環 自校の情報管理体制を見 自校における、情報を活用 自校における効果的な情報 企 画 果的な施設・設備・教材の からの物品の調達について 活用状況を見直し、教育効 生対策を見直し、改善案を 境を見直し、改善策を提案 直し、管理の適正化につい した学校運営や教育活動 発信の推進について提案 (戦略マネジメント) て提案する。 の体制づくりを提案する。 果を高めるための改善策を 提案する。 について提案する。 する。 する。 整備計画を立てる。 提案する。 校内企画委員会等で の企画・立案・提案 I2 J2 K2 L2 M2 N2 O2 P2 施設・設備・教材の整備計 学習の場や物品の開発・調 施設・設備・教材の活用を 危機管理や安全・衛生管理 児童生徒の就学環境の整 自校の情報管理の適正化 学校運営や教育活動への 効果的な情報発信を推進 調 整 画の基となる、資料の収集・ 達について、関係機関や教 円滑に進めるため、関係機 の推進のため、関係機関や 備のため、関係機関や教職 に向け、関係機関や教職員 情報活用のため、関係機関 するため、関係機関や教職 (組織マネジメント) 分析・調整等を行う。 職員との調整を行う。 関や教職員との調整を行 教職員との調整を行う。 員との調整を行う。 との調整を行う。 や教職員との調整を行う。 員との調整を行う。 う。 校内組織(分掌・学年 等)との協働・連携 実 務 (セルフマネシ (セルフマネジメント) メント) I3 施設・設備・教材の整備に 関する事務処理を行う。 J3 K3 学習の場や物品の開発・調 施設・設備・教材の活用に 達に関する事務処理を行 関する事務処理を行う。 う う。 L3 M3 N3 O3 P3 危機管理や安全・衛生管理 児童生徒の就学環境整備 業務上取り扱う情報につい 情報活用に関する作業や、 情報発信に関する作業や に関する事務処理を行う。 に関する事務処理を行う。 て、適正な管理を行う。 情報収集及び教職員への 文書作成等を行う。 情報提供等を行う 情報提供等を行う。 定型的業務の処理 I4 J4 K4 L4 M4 N4 O4 P4
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