第1部 第 1章 超シンプル! 現代流一石ラジオの時代到来? 初体験! ソフトウェア信号 処理で AM 放送を聞く 高橋 知宏 スピーカ 電源用USB マイコン基板LPC-Link2. アンテナからのRF信号をA-D コンバータで取り込み,信号 処理を行い,オーディオ出力 するまで,すべてソフトウェア でできる AM放送受信アンテナ として使ったリード線 唯一の外付け電子部品. 直流カット用のコンデンサを オーディオ出力に直列に入れる アナログ・オーディオ信号(実際はPWM信号)を スピーカに出力.グラウンドとツイストして配線している 写真 1 できた! オール・ソフトウェア信号処理による AM ラジオ 必要なハードウェアは,マイコン基板 LPC-Link2 とリード線(アンテナ),スピーカ,コンデンサ一つだけ.A-D コンバータ入力には本来フィルタが必要 だが,今回はそれも割愛してみた.ノイズは多少乗るが,すごく手軽にソフトウェア・ラジオを試すことができる できた! オール・ソフトウェア信号 処理 AM ラジオ まずは,できるだけシンプルな構成で,マイコンを 使ったソフトウェア無線を試してみることにします. マ イ コ ン 基 板 に は, 高 速 A-Dコ ン バ ー タ 内 蔵 LPC4370 を搭載した LPC-Link2を使います.これに, リード線(アンテナ)とスピーカ,コンデンサ一つを使っ て,ソフトウェア処理で AMラジオを受信し,聞くこ とができました.実験のようすを写真 1に示します. 20 ● 実験の概要 FM 放送は電波が弱いためさすがに難しかったので すが,電波が強力で周波数が低い AM 放送であれば, アンプなしにラジオとして受信することが可能でし た.短いアンテナ線を A-D コンバータに直結するだ けでも,信号を取り込むことができます.AM ラジオ としての仕様を表 1 に示します. A-D コンバータの入力には本来フィルタが必要です が,ここではそれも割愛して,とことんシンプルな ハードウェアで体験できることを目指しました. 2015 年 7 月号
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