6月号 Vol.4 もくじ 能登の仕事人 Vol.3 ほんだ ゆきこさん

能登に
あつまれ通信
月号
6
Vol.4
ドラマは早くも中盤戦に突入。パティシエになるた
め輪島を離れ、横浜で修業を積む希ちゃんを応援しま
しょう。今回の仕事人は、能登での生活を選び移り住
んだ女性をご紹介。ミニコーナーでは、夏の観光シー
ズンに先がけ、能登に来たら必ず訪れたいおすすめス
ポットをご案内します。能登に遊びに来てくださいね!
能登の仕事人
今回の仕事人は、七尾市在住のイラストレー
ター・ほんだゆきこさんです。ほんださんは
vol.4
東北のご出身で、2 年前に能登に移住されま
ほんだ ゆきこさん
した。ほんださんが生活の場として能登を選
宮城県生まれ、学生時代を山形県で過ごし、福島
県の Web 制作会社に就職。東日本大震災をきっ
かけに、2013 年に七尾市へ移住。フリーのイラ
ストレーターとして、また能登島にあるデザイン
事務所「能登デザイン室」の一員として活躍。
んだきっかけは? そして、能登での暮らし
はどんな毎日なのでしょうか。
内海を望む高台に立つ能登デザイン室の
前で。手 前 から田口 千 重 さん、奈 良 雄一
さん、ほんだゆきこさん、堀田秀幸さん
能登移住のきっかけとなったのは
2011年の東日本大震災
東日本大震災と福島原発の事故を機に、自分の生活を見直
したいと思うようになりました。その時の生活は、自然から
離れ過ぎている気がしたし、仕事とプライベートがパックリと
分かれていることにも違和感を覚えたのです。そんな折、信
頼している山形県の夫妻が石川県へ一時避難したり、姉夫婦
が能登島へ転勤することになったりと、石川県に縁を感じる出
来事があって、2012 年の冬に能登島へ遊びに来ました。
そこで「のとじま手まつり」というイベントに参加し、
「ここ
もらうことになった時に知り合いました。現在は事務所の仕事
に入ったらコミュティが広がるかな」と思ったのを覚えていま
で関わるほか、代表の奈良さんご夫妻と野良仕事をしたり、
す。他の土地へ移住したかったので、どこかで能登との繋が
梅干しなど季節ごとの保存食を作ったり。仕事とプライベート、
りを持てたらいいなと考えていたのだと思います。どうして移
両方がフラットな気持ちでできる。ここでのライフスタイルは
住先を能登に決めたのかと聞かれても、一つのことだけで決
自分に合っているように思い
めたわけではなく、決め手となった確定事項はないんです。
ます。
気が付いたら、ここに住むんだと確信していたというか。そ
イラストレーターの仕事では、
して、翌年の 2013 年 4 月に引っ越してきました。
七尾市・鳥居醤油店のおかみ
さんのアイデアで、醤油と小
島の人との出会いで広がった
新たなライフスタイルと仕事
した。千重さんご夫妻や、鳥
現在は、フリーのイラストレーターとして仕事をする一方で、
を歓迎して仲間に入れてくれ
能登島のデザイン事務所「能登デザイン室」でも週に 3 日働
る人々に助けられながら、能
いています。能登デザイン室の田口千重さんは、
「のとじま手
登の繋がりの豊かさに感謝し
まつり」の実行委員長で、私がその実行委員会を手伝わせて
つつ生活しています。
皿のセットの製作に携わりま
居さんのような、移り住む人
鳥居醤油店と陶房独歩炎手作り
のお皿、ほんださんの絵のコラボ
月号
6
Vol.4
自然農法で行われるの
て農の畑。草むしりし
た雑草は肥料にして、
不必要な除草はしない
能登島の自然と生きることで
得られるポジティブな気持ち
「のて農」というボランティア活動にも力を注いでいます。
す。作物が大きくなったり、収穫できたりする喜びももちろん
これは、「のとじま手まつり」が借りている畑を、やりたい人
ありますが、それ以外にプラスに考える力が得られたような
が有志でやるというもので、畑の管理や苗づくり、ブログ更
新などを私が担当しています。もともとは千重さんが、私の
気がします。
能登島の良さを伝えるとしたら、
「色」ですね。景色の「色」。
ように能登島に移り住んだ人が、畑をやりたいと思ってもなか
能登島の夕方の海、雨の日の水平線と空の境界線がなくなっ
なか土地が借りられないかもしれないので、そういう時に一
たところ、季節ごとに咲く花が変わるところとか、能登島にあ
緒に畑をやる場を作ろうというアイデアから始まったもので
る「色」に魅せられました。そういえば、最初に能登島へ来
す。
た時も、その日は天気が悪くて景色が特に素晴らしかったわ
私は能登に来るまで農業をしたことがありませんでした
けではなかったけれど、内湾がきれいで、今まで身近になかっ
が、海を見ながら農作業をすることで、こんなにもリラックス
たような景色がありました。ここに住んだら、もし嫌な事があっ
ができるとは思っていませんでした。黙々と農作業をしている
ても景色を見てればいいやと思ったんです。今思うと、移り
と、逆に頭の中の整理ができるというか。刈っても刈っても
住むことになったきっかけも、そして今、住んでいていいな
頑張って生えてくる草の中にいると、その強さに励まされま
と思うところも、能登島の景色なんだなと思います。
能登はいいとこ、来てみてね
輪島市を代表する 2 つの人気スポットをご紹介します。
どちらもドラマに登場したシーンが体感できる場所です!
カレイやフグ、ノドグロの
一夜干しを並べた店先
輪島朝市と輪島キリコ会館
輪島といえば、真っ先に思いつくのが朝市。千
葉の勝浦、岐阜の高山と並んで日本三大朝市の一
つに数えられ、鮮魚や干物、乾物、民芸品などを
オレンジのテントが
軒を連ねる朝市通り
販売する約 250 軒もの露店が並んでいる。
「干物
こうてって∼
(買ってください)
」の言葉につられ
店先を覗きこむと、今朝、輪島港に揚がったばか
りの鮮魚や、おばちゃん手作りの干物がずらり。
10 時ごろが最も賑わう時間なので、早起きして
出掛けよう。
朝市から徒歩5分、海沿いに移転オープンしたば
かりの輪島キリコ会館は、能登地方の各地で行わ
れる夏祭りに欠かせない奉燈「キリコ」を展示する
施設。17基ある高さ6mのキリコは、毎年8月22∼
25日に開催される輪島大祭で実際に使用されるも
輪島朝市
コを間近に鑑賞できる。高さ十数mある大キリコ
住 所●輪島市河井町朝市通り
電 話●0768-22-7653(輪島市朝市組合)
開催時間●8 ∼ 12 時
定 休 日●第 2・4 水曜(開催の場合もある)
は、江戸∼明治時代に造られた貴重なもの。かつ
輪島キリコ会館
の。さまざまな職人の技が施された輪島塗のキリ
ては町中に電線がなかったので、それぞれの町で
競うように大きなキリコが造られたのだという。
「まれ」推進協議会特別企画
輪島キリコ会館では、昼、夕方、
夜のキリコ祭りを音と光で再現
住 所●輪島市マリンタウン 6-1
電 話●0768-22-7100
営業時間●8 ∼ 17 時
定 休 日●無休
8 月および 10 月ごろに、特別企画の能登の旅(企画・実施:JTB)を開催予定。
詳細はもうしばらくでお知らせします。お楽しみに!