あ つ ま れ 通 信 - 連続テレビ小説「まれ」推進協議会

能登に
あつまれ通信
月号
5
Vol.3
今回の仕事人は、一時、廃線も危ぶまれていた能
登の地方鉄道「のと鉄道」を救った名物ガイドの「山
ちゃん」こと山崎研一さんです。穴水駅∼七尾駅
間の 33.1km を結ぶ路線は、今や日本各地から観
光客の訪れる人気ローカル線となっています。
『まれ』の放送開始から 1カ月。 能登の美しい自然のな
かで繰り広げられる、希ちゃん一家とその仲間たちの
賑やかで人情味あふれるストーリーに目が離せませ
ん! これまでに能登の仕事人でご紹介した塩士と塗
師屋は、作品の中でとっても重要な役割を果たしてい
ますよ。バックナンバーもどうぞご覧ください。
能登の仕事人
vol.3
やま ざき
けん いち
山崎 研一 さん
七尾市に生まれるが、生後間もなく秋田県
へ。27 歳の時に再び石川県に移住し、旅館な
どで働く。2009 年のと鉄道に入社。サービ
ス業で培ったおもてなしの心を活かし、観光
列車でガイドを担当してきた
観光ガイドが話題となり
地方鉄道が能登の人気スポットに
もらえるように頑張っています。お客さんに「山ちゃんのお話
のと鉄道は、穴水・七尾湾沿いを走る第三セクターの地方
もらえたときは、本当に嬉しかったですね。
販売もしました。常に「のと鉄道に乗ってよかった」と思って
が楽しくて(乗車時間の)40 分が 5 分に感じたよ」と言って
鉄道です。かつては奥能登の蛸島駅∼穴水駅を結ぶ能登線、
私が入社したころは、年間の地元利用者数が数十万人ほ
私がガイドを行
ど、団体客が 5000人にも満たず、このままだといつ廃線となっ
うのは、ツアーの
てもおかしくない状態でした。地元のお客さんだけを頼って
お客さんの貸切
いては、少子高齢化でますます営業が危ぶまれます。とにか
観 光 列 車 で す。
く何か話題を作って、県外からのお客さんに来ていただかな
この観光列車を
くては。そう思い、始めたのが名物ガイド「山ちゃん」です。
利用してもらえる
ガイドは初めての経験でしたが、沿線の見どころや北陸な
ように、首都圏や
らではのうんちくを話題にしたり、時には歌を歌ったり、車内
各地の旅行会社への営業も自分で行っております。
して親しまれていましたが、利用客の減少で平成 17 年からは
月中旬ごろに見ごろを迎える
能登さくら駅︵能登鹿島駅︶
七尾線穴水駅∼七尾駅間で運行をしています。
のと鉄道からはじまる
魅力満載の能登の旅をアピール
輪島駅∼七尾駅を結ぶ七尾線があり、地元住民の大切な足と
4
最初に売り込みを始めた時は、能登さくら駅の呼び名で知
られる能登鹿島駅や、七尾湾の景色など、のと鉄道沿線の魅
力をアピールしていましたが、それだけではのと鉄道だけで
終わってしまうことに気が付きました。のと鉄道に乗車するお
客さんは「能登」を訪れるのですから、穴水や珠洲、輪島、
七尾など能登全体の魅力的なスポットを一緒にご紹介できれ
常に新しい話題を入れ
て、同じスタイルにし
ないのが山崎さんのこ
だわり
ば、能登の旅の魅力が何倍にも増すはずです。以降、能登に
あるホテルや観光施設、ワイナリーなどの方々とのネットワー
クづくりにも力を入れて、のと鉄道だけでなく、能登全体の
いいところを売り込んでいます。
上品なスーツ姿のアテンダントが
優雅な旅を演出
月号
5
Vol.3
特別な旅の時間をサポートする
新観光列車のアテンダントたち
のと鉄道では、これまで輪島出身の漫画家・永井豪さん
や、地元が舞台の漫画「花咲くいろは」のラッピング列車の
ほか、地酒列車といった企画列車なども運行し、ご好評をい
旅の思い出になるのだと感じた出来事があり、それ以来、お
ただいています。
客さんに接するときは、常にそのことを念頭に置いてきたか
さらにこの 4 月29 日に、観光列車「のと里山里海号」の
らです。この思いを継承してくれるアテンダントになっても
運行が開始します。この列車には、私の後輩となるアテンダ
らえたらと思っています。
ントが乗車し、ガイドとおもてなしをします。私はこの新し
いアテンダントたちに、
「自分がお客さんならどうするか、お
穴水駅
客さんの気持ちを考えて行動して欲しい」と伝えました。と
のと鉄道
いうのも、以前に地元の旅館で働いていた時、自分たちにとっ
ては一瞬の出来事も、旅行されるお客さんにとっては大事な
食べてみて、能登のお菓子
七尾駅
観光列車
「のと里山里海号」
の詳細はホームページ
(http://satoyama-satoumi-go.net)
を参照。
弥生時代のおにぎりが発見された中能登町では、
時代ロマンを感じさせる古代米を使った創作和菓子が話題です
古代米使用の和風ばぁむ
中能登町
昭和 62 年、町内(旧鹿西町)にある杉谷チャ
なかのとばぁむ
ノバタケ遺跡から弥生時代中期に作られたとさ
れる日本最古のおにぎりが発見された。これを
機会に町は「おにぎりの里」と呼ばれるように
古代米特有の風味も感じ
られるなかのとばぁむは
1 つ 250 円
なり、地元農家の谷さんが稲の祖先である野生
稲の特色を色濃く残した古代米の栽培をはじめ
た。
その古代米を使った酒や麺などが開発される
谷さんの田んぼ。
黒い籾だが緑米の稲だそう
なか、御菓子処 中條の 4 代目店主は、カステラ風
の和菓子「一
(はじめ)
」
や、
「おにぎりの里」
にちな
んだおにぎり型の饅頭
「縁むすび」
など、これまで
に15 種類余りの菓子を創作。今や古代米菓子は
中能登町を代表するおみやげ品になっている。
町の特産品第一号に選ばれた「なかのとばぁ
む」は、口どけがよくしっとりとした食感が魅力の
バームクーヘン。和菓子ならではの製法を用い、
生地にわずかな餡を練り込むことで、できたての
しっとり感を保っている。古代米は玄米の色に
よって、緑米、赤米、黒米があり、ばぁむの色はそ
れぞれの玄米の色が活かされている。
「まれ」推進協議会特別企画
大正初期の創業以来、地元に親
しまれる菓子舗
店 名●御菓子処 中條
住 所●鹿島郡中能登町能登部下 93-28-1
電 話●0767-72-2070
営業時間●8 時∼ 19 時
定休日●無休
8 月および 10 月ごろに、特別企画の能登の旅(企画・実施:JTB)を開催予定。
詳細は 5 月下旬ごろにお知らせします。お楽しみに!