新病院建設ニュース 利根保健生活協同組合 利根中央病院 発行人:糸 賀 俊 一 17 号 2015 年 6月 〒 378-0053 沼田市東原新町 1855 番地 1 TEL.0278-22-4321 ホームページ http://www.tonehoken.or.jp/ 新病院における 総合診療科の役割 総合診療科 医長 第 鈴 木 諭 2014 年4月に医師2名体制で新規開設した総合診療科です が、今年4月より新たに4名の医師を迎え、現在5名体制で診療 しています。 主な診療内容としては、初診外来、予約外来、内科系救急外来 及び病棟診療等です。また、診療と並行しながら初期研修医およ び医学生実習生の教育にも積極的に関わっております。 総合診療科の医師・研修医 および3階東病棟のスタッフ 総合診療とは何か 診療を行っているなかでよく皆様から、「総合診療科って何を する科(専門科)ですか?」という聞かれることがあります。こ の質問に対して一言で答えるとすれば、それは「ニーズに答える 科」ではないかと考えています。そしてそのニーズに答える対象 は、病院に受診するためにいらっしゃる「患者」としての皆様だ けではなく、すべての地域住民の皆様、そして共に働く医療スタッ フであると考えています。臓器別専門科(例:呼吸器内科、消化 器内科など)が学門的な視点から名称が付けられているのに対し て、総合診療科は皆様方の視点から名称が付けられた専門科だと 考えています。 従って、その診療内容は多岐に渡り、限定されるものではあり ません。全ての臓器に関する疾患管理に関与し、いわゆる身体的 な疾患以外の心理面や社会生活面における問題管理に対しても対 応を行っています。 しかし、全ての問題に対しエキスパート(高度の技術を持って いる者)として、一人で対応できる訳ではありません。総合診療 科医師として個々人の能力を最大限生かしながら、医師だけでは なく多くの専門職と連携し、皆様によりよい医療を提供できるよ うに走り回る、そんな役割を担っていると考えています。 新病院での役割 今年9月には新病院へと移転しますが、新病院では、当科とし て主に以下2点に力点を置いていきたいと考えています。 ①初診外来の待ち時間軽減 2015 年4月から内科外来で“初診外来”を開設、専任医師を 1名配置することで、急な体調不良等で来院される予約外患者様 の診療を行っています。今までは予約専門外来の医師が、予約患 者診察の合間に予約外患者診察を行っていたため、皆様の待ち時 間が長くなることがありました。 新病院では、外来診療環境も整備されることから、より受診し やすい病院を目指し、初診外来に重点を置いていきたいと考えて います。 ② HCU(ハイケアユニット)における診療関与 新病院では「新病院建設ニュース第4号(2014 年5月) 」で もお知らせの通り、現行4床で運用している HCU が 12 床に増 床されます。現在、多科にまたがる重症疾患管理に関して、各専 門科と共同の下、総合診療科もその診療に関わらせて頂いていま すが、新病院移転後はさらに設備も充実することから、より細や かな重症疾患管理ができるよう診療体制を整えていきたいと考え ています。 おわりに 私が総合診療について深く学ばせていただいた筑波大学総合診 療グループでは「地域に暮らす総ての人々の、健康に関する総て の悩みに、医療に携わる総ての人々と、最善の支援に総てを尽く す」という言葉を掲げ、診療に携わっておりました。 当院でも、利根沼田地域における唯一の総合病院の総合診療科 として、さらに発展していきたいと考えております。 2015 年7月竣工 2015 年9月1日(火)オープン‼ 外来は 2015 年9月2日(水)から開始を予定しています。 6月号「利根の保健」1面も一緒にご覧ください。 今 後 の 予 定 ・7月 31 日(金):竣工・引き渡し ・8月 23 日(日):内覧会 ・9月 1 日(火):新病院オープン ・9月 2 日(水):外来診療開始 新病院開設まで、あと 9 2 日 (2015 年 6 月 1 日 現在) 新病院建設ニュース 2015 年6月1日(毎月 1 回 1 日発行) 病院配属の歯科衛生士の役割 歯科衛生士 高橋 佐知子 第 17 号 (2) 削ったりする処置がベッドサイドで可能となりました。 さらに、週に一度、歯科医師が病棟を回診する時間を設けまし た。希望を受けての訪問診療ですと予約制になるため伺うまでに 時間がかかっていましたが、迅速な対応ができるように体制を強 「いつまでも美味しく食事を摂りたい!」。そんな願いは誰しも 化しました。 持っているかと思います。入院中の患者様にも、 そんな願いをしっ 入院中に口のトラブルが起きてしまった際には、病院スタッフ かりサポートできるよう、この4月より利根歯科診療所から病院 へお気軽にお声かけください。 配属となりました。 歯科衛生士が病院勤務することで、従来以上に様々な職種と効 率的な連携ができ、入院しても口腔機能を低下させず「食べられ る口づくり」を専門的にサポートしやすくなりました。 ① 歯科衛生士が病院へ <歯科衛生士とは?> お口の健康づくりをサポートするのが歯科衛生士の仕事です。 ▲ベッドサイドにおける歯科治療の様子 移動式の歯科治療器具 フッ素を塗布します。また、その方に合った歯磨き方法や使用す る物品の提案をします。 ▲ 具体的には、歯や歯肉の点検や歯石の除去、虫歯予防のために ③ 言語聴覚士との連携 <病棟での業務内容> 口の機能は、食事・会話・表情などがあります。口の筋肉が上 高齢者の肺炎は、口の中の細菌などが誤って肺に入って発症す 手く働かなければこれらの動きは思い通りにはいきません。自分 る「誤嚥性肺炎」の割合が高いと言われています。 の口から美味しく食べることや会話を楽しむことは、口腔機能が 口の中を清潔に保つことで誤嚥性肺炎の予防が期待できます。 維持されているからこそできることです。 口の健康維持はセルフケアが一般的ですが、入院中は、このセ 身体のリハビリがあるように、口にもリハビリが必要です。 ルフケアが困難となり、口の衛生状態が悪化してしまう場合があ 話しにくい、食事が飲み込みにくい、むせやすいなど口のリハ ります。 ビリを専門とする言語聴覚士と協力して診療をしています。 が可能となります。看護師と協力して行うことで肺炎予防をはじ め、虫歯や歯周病予防等にとりくんでいきます。 ② 利根歯科診療所との連携 病棟への訪問診療は随時行われていましたが、新たに移動式の 歯科治療器具を導入したことにより、歯科診療所と同様に歯を かかりやすさを改善する ▲ 科衛生士が介入することで、より踏み込んだ口腔ケアをすること 左: 言語聴覚士・原澤、中央:歯科衛 生士・高橋、右:言語聴覚士・林 今までも看護師による口腔ケアが行われていました。今回、歯 待合表示システム、自動精算機を導入 受付をした患者様には診察番号が割り振られ、各待合のモニタ に番号を表示する待合表示システムを導入します。各診療科の進 行状況が案内され、待ち時間の有効利用が可能となります。診察 室への呼び出しも番号表示でおこない、 個人情報にも配慮します。 受付から会計まで、見やすく、わかりやすい案内表示でサービス 向上に努めます。 自動精算機を導入することに より、会計窓口での待ち時間が 縮小されます。外来・入院のお 支払いが出来て、クレジット 待合表示のサンプルイメージ カードのご利用も可能です。
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