武蔵野赤十字病院 救命救急科 後期研修プログラム 【複合型 4 年コース:ER 型研修コース(他院 ER 研修 3 ヶ月×2)】 1. 研修スケジュール 3 年目:院内 4 年目:院内 9 ヶ月、他院 ER 研修 3 ヶ月 5 年目:院内 9 ヶ月、他院 ER 研修 3 ヶ月 6 年目:院内 7 年目:日本救急医学会専門医取得 8 年目:日本集中治療医学会専門医取得 2. 研修プログラムの名称 武蔵野赤十字病院 救命救急科 救急科専門医育成研修プログラム (救命救急センター・北米型 ER 研修コース) 3. プログラム概要 本プログラムは原則として卒後 3 年目以降の研修医を対象として、救命センターに 3 年間専従 し、他 1 年間を ER 型救急センターにて研修することにより幅の広い救急専門医の養成を行うた めの後期研修プログラムである。同時に救命センターICU に専従することにより重症患者管理を 行うことのできる集中治療専門医の養成も行うプログラムである。 4. 教育到達目標 院外・院内を問わず生命の危機にある病態に対する初期対応を迅速に行え、正確な無駄のない 論理的な診断能力を取得し、その後の重症患者の集中治療をエビデンスに基づいて行う事ができ る集中治療専門医と同程度の集中治療能力を有する救急専門医となる。また、重症外傷診療の初 期対応を独自もしくは各診療科の協力のもと適切に処置を行え、病院前医療や災害医療において も主体的に行動できる能力を養う。 また、昨今の画像診断モダリティーの進歩に対応できるような画像診断能力に長け、院外の予 期せぬ緊急事態への初期対応能力・患者トリアージ能力を身につける。 初期対応から重症患者を中心とする様々な患者の入院加療管理を行い、半完結型救命救急セン ターとして救命救急科が主治医となり必要があれば各診療科にコンサルテーションを行いなが ら退院まで診療を行う。退院に際しては社会福祉資源の活用を行いながら患者の退院後の最良な 経過を追うように調整を行えるような幅の広い視点を持った救急専門医となる。 救急、集中治療に必要な幅広い知識・技術の中から特定の領域に関しては専門医と同等の診療 能力を有するべくサブスペシャリティーを選択肢し昨今の専門性の高い診療に対しても対応で きる救急専門医となる。 5. 研修施設 武蔵野赤十字病院救命救急センター 東京ベイ・浦安市川医療センター救急科 沖縄県立中部病院 救命救急センター 6. 研修プログラム 1 年目 ● 研修到達目標 様々な救急患者に対応し、病態に対する診断・治療を身につけ、診療に必要な内科的手技・ 外科的手技を指導医のもとで実践し、救急医としての基礎を確立する。救命センターICU・ HCU にて重症患者管理を実践し、集中治療における全身管理の基礎を確立する。 ● 指導体制 救急指導医・専門医、集中治療専門医および各科専門医より、各々の症例や手技、プレゼ ンテーションに対して、指導や助言を受ける。画像診断読影において放射線科読影専門医に より指導や助言を受ける。 ● 研修内容 救急外来(2 次救急、3 次救急)、救命センターICU・HCU を専門医資格を持つ上級医と 共に日替わりで担当する。救命救急科で撮影される画像に対して読影レポートを作成し、放 射線科読影専門の指導を受ける。医療従事者としての基本的な診療の基礎(文献検索などを 含む)、チーム医療の重要性を認知し、初期研修の指導も同時に行う。各種臨床研究のレジ ストリーを行い、臨床研究の基礎を学ぶ。 2 年目/3 年目 ● 研修到達目標 救命救急センターだけでなく、北米型 ER 型救急センターにおいて 3 次救急症例のみでな く 1, 2 次全科型救急センターにおいて研修を行うことにより、様々な救急患者・病態に対す る診断・治療を洗練させ、診療に必要な主要な内科的手技・外科的手技を主体的に行え、初 期研修医に対して指導でき、かつ特殊な内科的手技・外科的手技は指導医のもとで実践し、 救急医としての基礎をさらに確立する。 ● 指導体制 救命救急センターや北米型 ER において救急指導医・専門医、集中治療専門医および各科 専門医より、各々の症例や手技、プレゼンテーションに対して、指導や助言を受ける。画像 診断読影において放射線科読影専門医により指導や助言を受ける。 ● 研修内容 ➢北米型 ER 研修(3 ヶ月) 北米型 ER システムの救急センターにて研修を行う。 各研修施設の体制により研修内容は異なるが、基本的には 2 年間で合計 12 ヶ月の研修 において ER 型救急の基本を学ぶ。 ➢院内研修(9 ヶ月) 救急外来(2 次救急、3 次救急)、救命センターICU・HCU を専門医資格を持つ上級医 と共に日替わりで担当し、上級医の指導のもとで救急対応および ICU・HCU での患者 管理の主導的立場を行う。院内診療科から放射線科に依頼される画像読影依頼の読影を 担当し読影レポートを作成し、放射線科読影専門の指導を受ける。医療従事者としての 基本的な診療の基礎(文献検索などを含む)、チーム医療の重要性を認知し、初期研修 の指導も同時に行う。各種臨床研究のレジストリーを行い、臨床研究の基礎を学ぶと共 に臨床研究計画を立案できる。 4 年目 ● 研修到達目標 様々な救急患者・病態に対する診断・治療を洗練させ、救急対応チームリーダーとしてチ ーム・組織全体のマネージメントができる。診療に必要なすべての内科的手技・外科的手技 は主体的に行え、初期研修医に対して指導でき救急医としての診療能力を確立する。救命セ ンターICU・HCU にて重症患者管理を主体的に実践し、集中治療における全身管理を初期 研修医に対して指導しながら ICU 患者管理の責任持った管理・診療を行う。救急・集中治 療診療における画像診断を主体的に行える。 ● 指導体制 救急指導医・専門医、集中治療専門医および各科専門医より、各々の症例や手技、プレゼ ンテーションに対して、指導や助言を受ける。画像診断読影において放射線科読影専門医に より指導や助言を受ける。 ● 研修内容 救急外来(2 次救急、3 次救急)、救命センターICU・HCU であらゆる病態に対して診療 リーダーとなりチーム全体のマネージメント、患者マネージメント、適切な他科コンサルテ ーションを行い救急対応および ICU・HCU での患者管理の主導的立場を行う。院内診療科 から放射線科に依頼される画像読影依頼の読影を担当し読影レポートを作成し、放射線科読 影専門の指導を受ける。医療従事者としての基本的な診療の基礎(文献検索などを含む)、 チーム医療の重要性を認知し、初期研修の指導も同時に行う。各種臨床研究のレジストリー を行い、臨床研究の立案・実施ができ、primary investigator として研究を遂行できる。 ● 学会発表・論文発表・各種教育コース(3 年間を通じて) BLS, ACLS, PALS, JATEC, JPTEC, FCCS, DMAT などの各コースのプロバイダーを取 得し、上記コースの中で最低 1 つのインストラクター取得に向けてのコース参加を継続する。 また研修期間を通じて下記学会での発表を行い、英語論文、日本語論文を各最低 1 編ずつ作 成する。かつ、各種臨床研究に積極的に参加し研修期間を通じて上級医の指導を受けながら primary investigator を経験する。 研修期間を通じて各種合同カンファレンス(脳外科、整形外科、総合診療科、感染症科)・ M&M カンファレンスにて症例プレゼンテーションを行い、各専門科とディスカッションを 行う。2 ヶ月に 1 度の Journal club での指導医の指導のもとで発表し、エビデンスに対して 批判的吟味を行えるようにする。 (日本救急医学会、日本集中治療医学会、日本救急医学会関東地方会、日本集中治療医学 会関東地方会、日本外傷学会、ヨーロッパ集中治療医学会、米国集中治療医学会) 7. 専攻医数 2 名/年 2014 年 5 月 16 日 文責:救命救急科 安田英人
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