INALCO 日本学科への 日本人交換留学生の受け入れ態勢について

INA
LCO日本学科への
日本人交換留学生の受け入れ態勢について
イナルコは外交官や国際政治など国際関係のエキスパートを育ててきた 200年の歴史を持つ国立大学です。
イナルコ日本学部は、ヨーロッパ最大の日本学研究センターで、1000人近いフランス人学生が日本学
科で勉強・研究をしています。
授業紹介
1. フランス語のレベルがそれほど高くなくフランス語学習を中心とする学生。
レベル別編成のフランス語の読み書き、話す能力を高めるフランス語集中講座(年間)(初心者コース
なし。B1/B
2/C1)、および文明講座(フランス社会史、歴史、新聞購読など)があります。
2.フランス語がある程度でき、通訳とか翻訳に興味がある学生。
日本学部のなかに、和文仏訳、仏文和訳、テキスト講読の授業や、さらにもっとレベルの進んだ通訳の
授業もあります。
3. 日本語や日本の文化、芸術、文学、経済、社会などがどのようにフランスで受け入れられ、研究されて
いるかに興味がある学生。
イナルコはヨーロッパの日本学研究の中心です。日本学研究者として一流の先生たちの日本
では受けられないような独自の授業を主にフランス語で受けることができます。日本学科(
学部、マスター、ドクター)のさまざまな学年の授業・ゼミに出られます。
4. 国際経済、国際関係に興味のある学生。
フランス語がある程度できることが必要ですが、「国際経済」(マクロ・ミクロ経済、地域別の国際
経済、マーケティング、国際業務、会計業務、保険業務等)と「国際関係」(外交、地政学、国際関係
史等)の専攻科が、学部レベル、マスターレベルにあります。
その他の受け入れ態勢
1. どのような授業に出たらいいか、などのオリエンテーションは 9月の授業開始前に行います
フランス語のレベル分け試験も行います。
2. 留学生にはしっかり授業に出席して、試験も受けるように指導しています。前期後期の留学生用の授業
登録を行って、成績証明書も本人および派遣大学に送付します。
3. 将来日本に留学したいと考えているフランス人学生と、1年間の交換授業を行っています。日本学科が
学生の性格、趣味、興味の対象など考慮して、パートナーを決めています。日本人学生からもフランス人学
生からも大好評です。
4. こちらの大学生活に溶け込みやすいよう、会話の授業などにもアシスタントとして参加してもらってい
ます。それをきっかけに、知り合いの顔も増え、お互いの親近感も生まれ、授業以外での友達付き合いも生
まれ、日本人学生が INALCOの大学生活に溶け込むきっかけともなり、またフランス人学生にとっては「生
きた実例」と接することによりいい刺激にもなるので、和気藹々とやっています。
5. 週 1回、フランス人学生と日本人留学生が自由に集まって、楽しみながら親交を深める日仏文化交流の夕べ
が、学生会によって主催されています。
6. 毎年 12 月には、パリで話題になっているスペクタクルの観劇と、手作りクリスマス会が企画されます。そ
のほか、近くの中華街の旧正月のお祭り参加、春になれば、学生会が主催する花見、復活祭のお祭り、友
人同士のフランス国内外の小旅行など、イナルコの留学生は留学生活を本当に楽しんでいるようです。
5. 希望者は優先的に「国際大学都市」の寮に入居できます(原則的に自費ですが、留学生宿泊費用援助金
をもらうことができます)。
INALC
O日本学部
20
14年 10月
国際交流担当 トワイエ千賀子
INALCO フランス国立東洋言語文化大学
(イナルコ)(パリ)
I. 大学の紹介
1)沿革
-17世紀に創立 : ルイ14世の財務総監(今の財務大臣)であったコルベールによって、1669年
に、外国語学校が創設された。
-フランス革命の嵐の中、《Langues-O》 と命名される。
1795年、外交官および専門通訳の育成を目的とした外国語専門学校として《Langues-O 》(ラング
ゾー、東洋語学校)と命名される。以来、現在に至るまで、ラング・ゾーの愛称で親しまれている。
-1971年、INALCO と改名され、現在に至る。
-1995年には、創立200年記念祭を実施した。
19世紀.20世紀を通じて、多くの外交官を排出している。大使館や、経済や文化の国際交流、国際
機関のフランス代表として、いまでも、多くのラング・ゾー出身者が活躍している。
-2011 年 9 月、新校舎完成。戦後、学生の拡大でパリ 7 区にある校舎が手狭になり、学部ごとにいくつ
かのキャンパスに分散を余儀なくされていたが、〈世界の言語と文化〉拠点地区 ( pôle des langues
et civilisations du monde) に指定されたパリ13区に新校舎が完成、2011年9月に全学引越し。
新校舎は、13 区の「古きよきパリ」とモダンな建築が立ち並ぶ「新開発地区」のちょうど接点に位置
している。国立図書館もすぐ近くにあり、さらにイナルコ新校舎の 1 階にある図書館(BULAC)は 、
東洋語関係の資料を集める最も古く蔵書数も多い図書館として、一般人にも公開され、国立図書館とと
もに双璧をなしている。
2)世界100ヶ国語を教えるヨーロッパ最大の〈東洋〉研究センター・大学
極めて狭い意味での〈西洋〉と西洋語(英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポル
トガル語)を除く世界のすべての地域とその言語(約100言語)をカバーしている。学科としては、
日本学科、中国学科、アラブ学科など、単独言語で学生数が1000人を超える大型学科もあれば、ロ
シア、インド、ヘブライ語、トルコ語などの中型学科、さらには、学生総数10~20名のさまざまな
マイナー言語(アフリカ言語、東アジア、東南アジア、ポリネジア、マヤ語や南北アメリカの原住民語
など)を教える地域別学科まである。
II.
イナルコ日本学科の紹介
3)ヨーロッパ最大の日本学研究センター、イナルコ日本学科
イナルコ日本学科は、フランスはもとより、ヨーロッパの中でも、日本語・日本文化に関する最大の大学
教育機関および研究機関。日本語および日本文化(社会学、政治経済、近現代文学、古典、美術・・・)
を学ぶ学生数は、学部、マスター・ドクター課程を合わせて、約1000人。
教員数は、正式教員(国家公務員)20数名、契約教員同じく20数名の約 50人。
ヨーロッパ最大の日本学研究センター(CEJ Centre des Etudes Japonaises、所長 Michael Lucken) を
有して、活発な研究活動を行っている。
4)国際交流、日本の大学との交流
現在、日本の国公私立大学 10 大学と学術交流協定(研究者交流、教員派遣、および交換留学生協定)
を結んでいる。近年まで東京の大学に偏る傾向があったが、それを是正しつつある。
各大学と積極的に交流を進めており、INALCO および日本の大学でセミナー、シンポジウムを実施す
るなどの教員間の学術交流のほか、毎年、日本の協定校から約15人の留学生を受け入れている。
エラスムス・プログラムにより、ヨーロッパ各国からの留学生、若い研究者も毎年受け入れている。
2014 年 4 月
文責
トワイエ千賀子
(イナルコ日本学科、副学部長、
国際交流委員長)