平 成 15年 10月 29日 各 位 会 社 名 代 表 者 名 コード番号 上場取引所 問合わせ先 ビーエスエル株式会社 代表取締役CEO 竹井 博康 3113 東証・名証・大証 各二部 取締役管理財務本部長 髙 橋 英 也 03−5459−1471 当社投資先のサン・バイオメディカル社がテルモ社とライセンス契約を締結 U (独自開発の薬剤溶出ステントの販売権を付与) BSLの主要な投資先であるサン・バイオメディカル社の子会社、バイオセンサーズ社は、本年 3 月に米国大手医療機器製造販売会社であるガイダント社に一部のパテント使用権を売却したのに続 き、第 2 弾として日本のテルモ株式会社(東証1部 4543)との間で、バイオセンサーズ社が別途 特許を保有する免疫抑制剤、バイオリムスA9を独自の塗布技術を利用して塗布した薬剤溶出ステ ント(Drug Eluting Stent, 以下 DES)を日本市場向けに独占的に販売する権利を含むライセンス /商品供給に関する正式契約を締結した旨、昨 10 月 28 日両社から発表されました。 今回のテルモ社との契約に関る契約金・ロイヤルティ等は明らかにされていませんが、前回のガ イダント社との契約に照らし合わせるとサン・バイオメディカル社の収益へ相当額の貢献が見込ま れます。 両社の発表によると、概要は以下の通りです。 記 1)テルモ社は、日本で初めての DES の臨床試験を進める。現在まで、日本において DES として 承認された製品はない。 2)バイオセンサーズ社が製造する当該DESをテルモ社が日本国内で独占的に販売する権利を取 得した。国外においても、米国を除く全世界での非独占的販売権も合わせて取得しテルモブラン ドで販売される。 3) バイオセンサー社の薬剤、バイオリムスA9は、バイオセンサーズ社が特許を保有する化合物(免 疫抑制剤)で、現在ヨーロッパにおいて臨床試験を実施中である。バイオセンサーズ社の当該臨 床試験のコード名はスティールス(STEALTH) 、DESのブランドはMATRIXTMである。 P P 4) 当該DESに使用されるステントは、バイオセンサーズ社製のS-StentTMで、他社製品に比べて小 P P 型で柔軟性が高く、アジア人の細い血管にも対応できる特長を持っている。 5) バイオセンサー社は、本契約に伴って契約金のほかに臨床試験の進展に合わせての追加支払金 (マイルストーン・ペイメント) 、及び販売額に応じたロイヤルティを得ることとなる。 1 参照: http://www.terumo.co.jp/press/index.html ① テルモ社のプレス・リリース ② バイオセンサーズ社プレス・リリース HTU UTH http://www.biosensors.com.sg/ HTU UTH なお、本日付けの日経産業新聞に関連記事が掲載されています。 ご参考: 1)ステントについて 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患の治療に使用される小さな金属製の網状チューブ。腕や 大腿部の動脈から挿入されるカテーテルの先端部にバルーン(風船)と共に装着し、血管内の狭 窄部でバルーンを膨らませ狭窄した血管部を押し拡げ、ステントは留置してくることによって、 血流を回復させる治療法に使用される。従来の薬物療法や心臓バイパス手術に比べて治療効果が 高く、また手術における患者の負担が大きく軽減された。 2)薬剤溶出ステント(Drug Eluting Stent, DES)について ① 血管内に金属筒(薬剤を塗布していないステントをベア・ステントという)を留置するため、 人間の自然治癒力・免疫抵抗力が働き、新生内膜増殖によって再狭窄が起こる。再狭窄率は 20 ∼30 数%といわれる。 ② 再狭窄率を下げるために、ステントそのものに薬剤(免疫抑制剤、抗増殖剤)を塗布する「薬 剤溶出ステント」 (DES)の開発が主流になっている。 3)サン・バイオメディカル社について ① 心臓病治療に使用されるカテーテルやステント(金網上の金属製筒)を中心にした医療機器 の開発・製造・販売を行うバイオセンサーズ社等の持株会社。シンガポール、米国、日本、オ ランダ等に拠点を持って事業展開を行っている。 ② 同社は、ステントに免疫抑制剤を塗布するポリマーコーティングの独自技術を開発し特許を 保有している。この技術に基づきエバロリムス(スイスのノバルティス社の免疫抑制剤)を ステントに塗布するパテントの使用権と臨床試験データを、本年 3 月に米国の大手医療機器 製造販売会社であるガイダント社(NYSE 上場:GDT)に売却した。 ③ この契約に基づく、サン・バイオメディカル社への収入は契約金および臨床試験の進展に合 わせた追加支払を含めて、1 億ドル(約 110 億円)であり、そのうち既に 3,000 万ドルは 6 月までに入金済みである。さらに市販の開始に伴うロイヤルティー収入は最初の 2 年間で 1 億ドル相当と見込まれている。 ④ ガイダント社は、9 月 17 日のプレス・リリースで「バイオセンサーズ社から継承した臨床試 験プロジェクト、Future-I, Future-IIは順調に進んでおり、欧州当局の認可取得のための第 1 次申請書を提出した」旨の発表を行った。なお、Future-I及びIIに使用されているステントは、 ガイダント社のステントではなく、バイオセンサーズ社のステント(S-StentTM)が使用され P P ており、市販に伴うロイヤルティは最高率が適用される。 ⑤ バイオセンサー社は、自社独自の免疫抑制剤、バイオリムスA9を開発し(特許保有)、欧州 で臨床試験を実施中。この自社開発の免疫抑制剤を、これも特許を有する独自技術によるポ 2 リマーコーティングによって自社のステント(S-StentTM)に塗布する、薬剤溶出ステント P P (DES)を開発中で、今般テルモ社に日本での独占販売権(米国以外の地域における非独占 的販売権を含む)を付与したのは、このDES新商品(MATRIXTM)である。 P ⑥ P サン・バイオメディカル社グループは、新薬開発の米国ベンチャー会社である X-CELL 社と合弁で新会社(仮称バイオセンサーズ USA)を設立することで基本合意に達した旨のプ レス・リリースを行った(9 月 16 日) 。X-CELL 社のスポンサーは、米国大手のライフサイ エンス・ベンチャーキャピタルであるオックスフォード・バイオサイエンス・パートナーズ 社で、新会社は両社の強みを活かして、新薬及び DES の研究開発・販売に当たり、近い将来 の株式公開を目指す。 ⑦ BSLは、サン・バイオメディカル社の発行済み株式(オプション等の潜在株を含む)の 8.6% を保有する第 2 位の大株主である(平成 15 年 10 月 15 日現在)。 以上 3
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