平成 26 年度函館まちあるきガイド(中級レベル)研修(北海道)

函館まちあるきネットワーク
平成 26 年度函館まちあるきガイド(中級レベル)研修(北海道)
開催概要
目
的
函館を訪れる観光客へ、函館の魅力をより良く知って頂きさらに満足度向
上の為、まちあるきガイドの育成、特に中核を担う中級レベルの育成が重
要である。この認識の下、平成 27 年度末開業予定の北海道新幹線開通に伴
う観光客増加に対応できる受入体制を構築することを目的とする。
開 催 日
平成 26 年 12 月6日(土)、12 月 13 日(土)、12 月 20 日(土)、
平成 27 年1月 10 日(土)、1月 17 日(土) 計5回
開催場所 函館市地域交流まちづくりセンター及び函館市内
主
催
函館まちあるきネットワーク
共
催
公益社団法人日本観光振興協会
後
援
函館市
参加状況
延べ 98 名
開催報告
身近に迫った新幹線開業における観光ガイド需要の増加に対応することが出来る上
質なおもてなし観光ガイドの育成(中級レベル)の為の研修会であったが、市民の関心
が高く参加者の中にはガイド研修が初めての方も包含しての実施であった。
今回は、中級レベル研修であった為、実戦でのガイド需要が多いオンシーズンを避け
てのオフシーズンでの開催とした。
第1回
ガイドの心構え及び開講記念講演
開催日時 平成 26 年 12 月6日(土)9:00~12:00
開催場所 函館市地域交流まちづくりセンター
テーマ及び講師(敬称略)
「ガイドの心構え」
函館まちあるきネットワーク代表理事・一會の会会長
佐藤喜久恵
「函館市の歴史と景観 -期待されるまちあるきガイドの将来性-」
函館高等専門学校准教授
内
容
奥平 理
開講に当たって、最初に、函館まちあるきネットワーク代表理事佐藤喜久
恵氏より、ガイドの心構えについての講義をし、その後今回の研修予定に
ついてオリエンテーション実施。さらに、開講記念として函館高等専門学
校准教授奥平理氏による「函館市の歴史と景観-期待されるまちあるきガ
イドの将来性-」の講演を頂いた。
参加者数
23 名
初講時の全体風景
佐藤代表理事からの講義
ガイド時の最初の挨拶実践
奥平講師による記念講演
第2回 実践ガイドトレーニング①<元町コース>
開催日時 平成 26 年 12 月 13 日(土)9:30~12:30
開催場所 函館市地域交流まちづくりセンター及び函館市内
講
師
函館まちあるきネットワーク幹事
内
容
実践トレーニングを、ガイド需要が一番多い元町地域にて実施。参加者を
グループ分けし、さらに各班内にて案内コースを分割。参加者それぞれに
担当を割り当てし各グループに講師1人同行させ実施。函館市地域交流ま
ちづくりセンターから二十間坂~東本願寺函館別院~教会群~八幡坂~旧
函館区公会堂~元町公園~ペリー提督来航記念碑~旧イギリス領事館~基
坂~電車通り~函館市地域交流まちづくりセンターと一周コースをガイデ
ィング実施。グループ内で、案内役とお客様役になり、それぞれの立場で
の客観性を学んだ。函館市地域交流まちづくりセンターに戻り、講師の
方々からの講評を聞き、今後のガイディングに生かす学習をした。
参加者数
17 名
トレーニング開始前の各班打合せ
当日の教会群の一つ、ハリストス正教会
当日の元町公園からの眺望
和洋折衷様式の住宅前
カールレイモン前
東本願寺函館別院前
旧イギリス領事館前
ガイド終了後の各班にての振り返り①
ガイド終了後の各班にての振り返り②
各班講師陣からの講評①
実践を終えての感想発表
各班講師陣からの講評②
第3回 実践ガイドトレーニング②<博物館と函館公園>
開催日時 平成 26 年 12 月 20 日(土)9:30~12:30
開催場所 市立函館博物館及び函館公園
講師(敬称略)
内
容
函館まちあるきネットワーク幹事 ※案内役:博物館学芸員
ガイディングに必要な函館の歴史・文化・生活風土の知識をより高める
為、また函館公園の歴史と見所を学習する為、市立函館博物館内部を学芸
員の方に案内して頂いた。当初、函館公園内を散策予定であったが、天候
及び時間の関係で博物館内のみの研修とした。案内終了後、博物館内の学
習室にて学芸員からの説明、自分達が案内したい箇所をピックアップし各
班にて次回のコースづくりに役立つ見所の整理及び話し合いをして頂い
た。
参加者数
20 名
博物館学芸員からの館内説明
博物館学芸員からの函館公園内説明
見学終了後の学芸員によるまとめ・Q&A
各班にての情報整理
第4回 ワークショップ
開催日時 平成 27 年1月 10 日(土)9:30~12:30
開催場所 函館市地域交流まちづくりセンター
講師(敬称略)
函館高等専門学校准教授 奥平 理
函館まちあるきネットワーク幹事
内
容
冒頭、奥平講師よりコース作りのポイントを講義。次に、第2回目及び第
3回目の研修に基づき、元町地区と函館公園を混合したコースづくりを各
グループにて実施し、作成コースを発表し講師陣から講評を頂いた。
参加者数
18 名
奥平講師によるコース作り講義
各班のコース発表
各班でのコース作りの様子
各班講師による講評
第5回 座学と研修のまとめ
開催日時 平成 27 年1月 17 日(土)9:30~12:30
開催場所 函館市地域交流まちづくりセンター
テーマ及び講師(敬称略)
「ガイドとしての<ホスピタリティーとリスクマネージメント>及び<ガ
イドテクニックと危機管理について>」
(有)自然倶楽部オーナー 鎌鹿 隆美
「研修のまとめ」
函館まちあるきネットワーク代表理事・一會の会会長
佐藤喜久恵
ボランティア愛会長 小島 洋一
内
容
ガイドとしての<ホスピタリティーとリスクマネージメント>及び<ガイ
ドテクニックと危機管理について>を学んだ。
その後、小島氏及び佐藤氏より<喜ばれるガイドとして>お客様への対応
の仕方を、実戦経験豊富な中から講話をして頂いた。最後に、この度の研
修修了書を参加者に授与した。
参加者数
20 名
鎌鹿講師による座学
研修のまとめ②
研修のまとめ①
修了式 修了書授与
講師紹介
◆(担当研修)第1回研修 開講記念講演及び第4回研修 ワークショップ
奥平 理(おくだいら おさむ)
現職 函館工業高等専門学校 一般科目人文系 准教授。
著書に、「地図で読み解く日本の地域変貌」(共著)等有り、函館市観光アドバイザー
会議座長、函館市制作の「まちあるきマップ」の監修等専門の地理学に基づき、函館
の観光推進役を担っている。
◆(担当研修)第5回研修 座学研修
鎌鹿 隆美(かまか たかよし)
山と渓谷の店、(有)自然倶楽部オーナー。北海道・道南を中心とした自然ガイド及び
トレッキングガイドに長年携わりながら、北海道新聞の文化講座やまちあるき研修指
導等人材育成に尽力している。特にホスピタリティーやリスクマネージメントが専
門。
■ご協力 市立函館博物館及び学芸員の皆様
研修を終えて(函館まちあるきネットワーク事務局)
今回の研修の意義は、旧来から行政主体にて行ってきたこの種の研修を、民間の団
体『函館まちあるきネットワーク』が自ら企画し実施し運営した事に有る。
また、外部講師陣も、観念論に終わることのない、函館を熟知し観光地域づくりを
各分野にて実践しているアクティベーターにお願いし、より実践にて磨く事に力点を
置き実施した。
当初、初級レベルの底上げやガイド技術のブラッシュアップを目的とした中級レベ
ル研修であったが、申し込み問合せの中に、知識は持っていてまだガイド実践デビュ
ーをしていない方、興味は持っているが機会がなくこの種の研修を受講したことがな
かった方等々中級レベルの磨き以前の方々もいたが、せっかくの民間団体主導の研修
会なので、参加者の中には戸惑いを持つ方もいることを想定しながらも、参加者間の
刺激、切磋琢磨の精神を鑑み、受講して頂く事とした。研修結果として、最後まで脱
落せずに通った方々にとって非常に良いガイド研修・研鑽の機会となった。
研修講座では、まず、開講記念講演にて、函館の価値あるポテンシャルを十分認識
した専門家による講義、ベテランガイドよりの「ガイドの心構え」の貴重な示唆、実
践ガイドトレーニングにおける様々な気づき、隠れている宝の発掘をし認識しそれを
観光ガイドの素材とする研修、素材を基にした新しいコース作り研修、ガイドとして
認識し起きうるリスクに対しての対処方法へのアプローチと心構えの学び、最後に、
より良いガイディングを目指しての百戦錬磨の先輩ガイドによるお客様の満足を高め
る手法への助言等々、今回の研修内容は、積極的にブラッシュアップしたいガイドに
とって又とない内容充実の研修となった。
今後、個人レベルでの更なる自主研鑽も有るが、新幹線開業に伴いガイド需要の増
加が見込まれる中、函館全体のおもてなし観光ガイドの質的向上の為、函館まちある
きネットワークがより多く自主的な研修の場づくりをし実践していく事及び信頼頂け
る函館独自のガイド認定システムの構築をしていかなければならない。
(アンケート結果)
函館まちあるきガイド(中級レベル)研修事後アンケート結果
実 施 日
2015 年1月 17 日(土)
※研修会最終日
回 答 率
95%(当日研修参加者 20 名の内、19 名)
1.今回実施の時期について
よかった
別な時期に
58%
42%
実施時期
【自由回答】「別な時期に」に関しての具体的な意見
・秋であれば遅くとも 10 月後半。春先3月中旬過ぎ等
・フィールドワークが安全にできる時期にして戴ければ良い
・暖かい時季に
・春か秋
・年末年始に掛からない方が都合をつけやすい
・雪のない時期に
・春ならゴールデンウィーク前、秋なら観光シーズンが終わった頃
・9~11 月頃
2.実施の曜日及び時間帯(cf.今回は、土曜日の午前中に設定)
実施曜日・時間帯
よかった
別な曜日及び時間帯に
89%
11%
【自由回答】
「別な曜日及び時間帯に」に関する具体的な意見
・金曜日 午前 10 時~
・水曜日
3.研修内容について(全体的に)
研修内容
よかった
まあまあ
改善が望ましい
無解答
85%
5%
5%
5%
【自由回答】
「改善が望ましい」に関する具体的な意見
・実施季節については再考戴ければ幸いです
・フィールドワークやワークショップ等は、もっと回数を増やしても良いと思
います(全体も5回に限定しなくても良いと思います)
「よかった」に関する具体的な意見
・博物館の中を詳しく説明してくれたこと
・前回の初級、中級(※函館市が主催)に出ましたが、今回は班に分かれて自分
達で観光マップを作りましたが、皆で力を合わせて完成した事がとても良かっ
た
・押しつけでない自ら研鑽する大切さ
・実践ガイドがとても勉強になりました。移動中の対応の仕方も教えていただき
ました
「まあまあ」に関する具体的な意見
・参加させていただき、また実際ガイド活動していない人達がすごく勉強、又、
実際に足で勉強している事に感心しました。すぐに、実践に向かっても良い位
の人達ばかりでした。楽しみです(2017 年に向って)
4.研修会でどの様な事が参考になり、役立つと思われますか?
【自由回答】
・今後、様々なニーズに向けてのコース提案・作成の方法を学べたことは参考に
なった
・箱館から函館への歴史的な流れと建造物の話等が参考となった
・講師の方を始め、色々な方の函館感を聞けて大変参考に勉強になった
・他の市町村ボランティアとの違い、函館は一歩前の先進地域と感じます
・奥平准教授の講演がとても良かった
・定住人口の減少を交流人口の増加で賄うことが出来る具体的な数字がとても分
かり易かった
・ガイドの責任、そのリスクを重く感じた。個人で保険に加入も考える
・役立つ事ばっかりだった
・リスクマネージメントは考えた事がなかったので大変良かった
・実際にコースを回りながらの講習が役にたった(案内される側として説明を聞
き、楽しい部分とそうでない部分が良く判った為)
・ガイドコース作りにおいて、多人数の意見を聞き、コース作りをすることが意
見情報交換になり役だった
・ガイドの実体験が出来たのが良かった
・ガイドのホスピタリティ、リスクマネージメント&トラブルシューティングな
どが役にたった
・地元の事について知らないことが多く、この研修に参加することで様々な事を
知る事が出来た。特に、3班高橋先生からは、今の地元情報(買い物、食べ物
etc)について貴重な情報や実践アドバイスを頂き感謝している。高専・奥平先
生の話も大変興味深いものだった
・実際にガイド活動している方の話を聞きたい
・コース作り、リスクマネージメント、「函館市民一人一人がガイド」などの学習
が、観光客との係りに役立ちそう
・市民1人1人がガイド役
5.研修会後の活動について
ガイド継続実施
ガイドを開始したい
まだ学習段階
21%
26%
53%
今後の活動
【自由回答】その他具体的な活動
・機会が有ればトラベルヘルパーについても学んでいければと思っている
・研修後のフォローアップとして自主研修の場などにも参加して行きたい
・おもてなしの心、ガイドを勉強しようと思う
・もう少し学習し、ガイドを始めたい
・知識がまだまだ不足。勉強継続する
・実践の場を見たい
6.研修会に寄せてのご要望事項を具体的にご記入ください。
【自由回答】
・初級、中級(入門や上級も有れば良い)の受講カリキュラムを作って、個別評
価(受講したかしないか程度で)出来れば、それぞれの活躍の場や今後の自己
学習の目安になると思う
・今のシーズンは勉強の為にいいと思う。これからも観光客の少ない時期にセミ
ナーを行って下さい
・定期(不定期を含め)的に勉強会(講義やワークショップ)を開催して欲し
い。継続的にスキルアップしたい
・この様な講習会は、とても良いと思う
・もっともっと、函館市民に観光に関心を持ってもらう為にどうしたらいいか。
考えを知りたい。さらに西部地区の住人だけでも感心を持ってもらいたい。ど
うしたらいいか
・基本マニュアルを学習したい(初級レベル)
・年に一度位、研修後にガイドとして実際に活躍している方の話が聞ける機会が
有れば嬉しい
・函館ガイドのテキストの様なものが有れば良かったなと思う(バスガイドさん
用のテキストの様な)
・また中級レベルの研修会を望む