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Happinex
<ISO9001 規格改定資料>
ISO9001:DIS2014 年版
ISO9001:2008 年版
規格要求事項比較表
株式会社ハピネックス
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Happinex
4. 組織の状況
4.1 組織及びその状況の理解
ISO9001:DIS2014
ISO9001:2008
組織は、組織の目的及びその戦略的な方向性に関
連し、その品質マネジメントシステムの意図した
結果を達成する組織の能力に影響を与える、外部
及び内部の課題を決定しなければならない。
組織は、これらの外部及び内部の課題に関する情
報を監視し、レビューしなければならない。
【注記 1】外部の状況の理解は、国際、国内、地方
又は地域を問わず、法令、技術、競争、
市場、文化、社会及び経済の環境から生
じる課題を考慮することによって促進
され得る。
【注記 2】内部の状況の理解は、組織の価値観、文化、
知識及びパフォーマンスに関する課題を
考慮することによって促進され得る。
◆共通テキストに基づく新規要求事項
<規格要求事項の解説>
・品質マネジメントシステムの望む成果を達成する上で、影響を与える内外の状況(課題)を明確にする
こと。
規格の意図としては、
「現在の会社をとり囲む外部の状況や内部の状況」を理解することが、品質マネ
ジメントシステム構築の際の第一歩であることを言っている。
・内部及び外部の課題を監視し、レビューすること。
4.2 利害関係者のニーズ及び期待
ISO9001:DIS2014
ISO9001:2008
顧客要求事項並びに適用される法令要求事項及び
規制要求事項を満たす製品及びサービスを一貫し
て提供するための組織の能力に与える影響又は潜
在的影響を考慮し、組織は、次の事項決定しなけれ
ばならない。
a) 品質マネジメントシステムに関連する利害関
係者
b) その利害関係者の、品質マネジメントシステ
ムに関連する要求事項
組織は、これらの利害関係者及びその関連する要
求事項に関する情報を監視し、レビューしなけれ
ばならない。
◆共通テキストに基づく新規要求事項
<規格要求事項の解説>
・顧客要求事項・適用される法令要求事項や規制要求事項に適合した製品・サービスを一貫して提供す
るために、以下の事を実施すること。
a) 品質マネジメントシステムに関連する利害関係者を特定すること
b) その利害関係者の品質マネジメントシステムに関連する要求事項を明確にすること
・「利害関係者及び利害関係者の要求事項」を監視し、レビューすること。
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Happinex
4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
ISO9001:DIS2014
ISO9001:2008
組織は、品質マネジメントシステムの適用範囲を
1.2 適用範囲
定めるために、その境界及び適用可能性を決定し
この規格の要求事項は、はん(汎)用性があり、業
なければならない。
種及び形態、規模、並びに提供する製品を問わず、
この適用範囲を決定するとき、組織は、次の事項を
あらゆる組織に適用できることを意図している。
考慮しなければならない。
組織およびその製品の性質によって、この規格の
a)
4.1 に規定する外部及び内部の課題
要求事項のいずれかが適用不可能な場合には、そ
b)
4.2 に規定する、関連する利害関係者の要求事
の要求事項の除外を考慮することができる。
項
このような除外を行う場合には、除外できる要求
組織の製品及びサービス
事項は箇条 7 に規定する要求事項に限定される。
c)
この規格のある要求事項を、決定された適用範囲
除外を行うことが、顧客要求事項及び適用される
内で適用できる場合、組織は、それを適用しなけれ
法令・規制要求事項を満たす製品を提供するとい
ばならない。
う組織の能力又は責任に何らかの影響を及ぼすも
この規格の要求事項を適用できないときは、それ
のであるならば、この規格への適合の宣言は受け
が製品及びサービスの適合を確実にするという組
入れられない。
織の能力又は責任に何らかの影響を及ぼすもので
あってはならない。
4.2.2 品質マニュアル
品質マネジメントシステムの適用範囲は、次の事
組織は、次の事項を含む品質マニュアルを作成し、
項を記載した、文書化した情報として維持しなけ
維持しなければならない。
a) 品質マネジメントシステムの適用範囲。除外
ればならない。
がある場合には、除外の詳細、及び除外を正当
-品質マネジメントシステムの対象となる製品及
とする理由(1.2参照)
びサービス
-この規格の要求事項を適用できない場合には、
それを正当とする理由
◆共通テキストに基づく新規要求事項
<規格要求事項の解説>
・品質マネジメントシステムの適用範囲を決定すること。
・適用範囲を決定する際は、以下の内容を考慮すること。
a) 4.1 で明確にした会社の状況 (直面している内部及び外部の課題)
b) 4.2 で明確にした関連する利害関係者の要求事項
c) 提供する製品・サービス
・組織が決定した適用範囲の中で、規格の要求事項が適用できるのであれば、適用できるすべての要求
事項を適用すること。
(要求事項を満たすことが不可能な場合のみ、さらに、提供する製品・サービスに悪影響を及ぼさない
場合のみ、要求事項を適用しないことが認められる。)
・適用範囲は、下記内容を記載した文書化した情報として維持すること。
-品質マネジメントシステムの対象となる製品及びサービス
-適用ができない場合の正当な理由
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4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
ISO9001:DIS2014
ISO9001:2008
組織は、この規格の要求事項に従って、必要なプロ
4.1. 一般要求事項
セス及びそれらの相互作用を含む、品質マネジメ
組織は、この規格の要求事項に従って、品質マネジ
ントシステムを確立し、実施し、維持し、かつ、継
メントシステムを確立し、文書化し、実施し、維持
続的に改善しなければならない。
しなければならない。
組織は、品質マネジメントシステムに必要なプロ
組織は、次の事項を実施しなければならない。
セス、及びそれらの組織全体への適用を明確にし
a) 品質マネジメントシステムに必要なプロセス
なければならず、かつ、次の事項を明確にしなけれ
及びそれらの組織への適用を明確にする(1.2
ばならない。
参照)。
a)
b) これらのプロセスの順序及び相互関係を明確
これらのプロセスに対して必要なインプッ
にする。
ト、及びこれらのプロセスから期待されるア
c) これらのプロセスの運用及び管理のいずれも
ウトプット
b)
これらのプロセスの順序及び相互作用
が効果的であることを確実にするために必要
c)
これらのプロセスの運用及び管理のいずれも
な判断基準及び方法を明確にする。
d)
が効果的であることを確実にするために必要
d) これらのプロセスの運用及び監視を支援する
な、測定及び関連するパフォーマンス指標を
ために必要な資源及び情報を利用できること
含む、判断基準及び方法。
を確実にする。
e) これらのプロセスを監視し、適用可能な場合
必要な資源。及び、これらが利用できることを
には測定し、分析する。
確実にすること。
e)
これらのプロセスに関する責任及び権限の割当
f) これらのプロセスについて、計画どおりの結
f)
6.1 の要求事項に従ったリスク及び機会。及
果を得るため、かつ、継続的改善を達成する
び、これらへの適切な取組みを計画し、実施す
ために必要な処置をとる。
ること
g)
プロセスを監視、測定(該当する場合)及び評
価するための方法、及び、必要な場合には、意
図した結果を達成することを確実にするため
のプロセスの変更
h)
プロセス及び品質マネジメントシステムを改
善する機会
組織は、プロセスの運用を支援するために必要な
程度の、文書化した情報を維持し、かつ、プロセス
が計画どおりに実施されたという確信をもつため
に必要な程度の、文書化した情報を保持しなけれ
ばならない。
◆プロセスアプローチに関する追加の要求事項
・ISO9001:2008 ではプロセスアプローチの採用を推奨していたが、DIS9001:2014 では必須化して
いる。
・従来のプロセスアプローチに、a)、c)、e)、f)、h)項が強化追加されている。
a) プロセスに必要なインプットと期待されるアウトプット
c) 効果的な運用・管理を可能にするパフォーマンス指標
e) プロセスに関する責任・権限
f) プロセスのリスクと機会
h) プロセス及び品質マネジメントシステムの継続的改善
・プロセスの運用を支援する文書化した情報(文書…既存の運用手順書や作業指示書など)、計画通りプ
ロセスが実施されている証拠としての文書化した情報(記録)を要求している。
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5. リーダーシップ
5.1 リーダーシップ及びコミットメント
5.1.1 品質マネジメントシステムに関するリーダーシップ及びコミットメント
ISO9001:DIS2014
ISO9001:2008
トップマネジメントは、次に示す事項によって、品
5.1 経営者のコミットメント
質マネジメントシステムに関するリーダーシップ
トップマネジメントは、品質マネジメントシステム
及びコミットメントを実証しなければならない。
の構築及び実施、並びにその有効性を継続的に改善
a)
品質マネジメントシステムの有効性に責任
することに対するコミットメントの証拠を、次の事
を負う。
b)
項によって示さなければならない。
品質マネジメントシステムに関する品質方
a) 法令・規制要求事項を満たすことは当然のこ
針及び品質目標を確立し、それらが組織の戦
ととして、顧客要求事項を満たすことの重要
略的な方向性及び組織の状況と両立するこ
性を組織内に周知する。
とを確実にする。
c)
d)
b) 品質方針を設定する。
品質方針が組織内に伝達され、理解され、適
用されていることを確実にする。
c) 品質目標が設定されることを確実にする。
組織の事業プロセスへの品質マネジメント
d) マネジメントレビューを実施する。
システム要求事項の統合を確実にする。
e) 資源が使用できることを確実にする。
e)
プロセスアプローチに対する認識を高める。
f)
品質マネジメントシステムに必要な資源が
利用可能であることを確実にする。
g)
有効な品質マネジメントシステム及び品質
マネジメントシステム要求事項への適合の
重要性を伝達する。
h)
品質マネジメントシステムがその意図した
結果を達成できることを確実にする。
i)
品質マネジメントシステムの有効性に寄与
するよう人々を雇用し、指揮し、支援する。
j)
継続的改善を促進する。
k)
その他の関連する管理層がその責任の領域
においてリーダーシップを実証するよう、管
理層の役割を支援する。
【注記】この規格で“事業”という場合、それは、
組織が公的組織か民間組織か、営利組織
か非営利組織かを問わず、組織の存在の
目的の中核となる活動という広義の意味
で解釈することができる。
・2008 年版「5.1」が大きく強化された。
・リーダーシップという語句が追加され、トップの関与が強調されている。
・
「証拠を示さねばならない」から「実証しなければならない」に変更され、結果が根求められるように
なった(結果重視)。
・
「説明責任を持つ」、
「伝達する」、
「支援する」、…という語句が使用されている。
「確実にする」とは意
味合いが違う。
「確実にする」は実務を他の者に委譲できるが、「説明責任を持つ」、「伝達する」、「支援する」…は
トップ自ら行わねばならない。
・2008 年版は 5 個のコミットメントを要求していたが、2015 年版では 11 個に増加した。
a)、b)、d)、e)、i)、k)が追加された。
a) 品質マネジメントシステムの有効性の責任を担う
b) 品質方針・品質目標が、組織の全体的な戦略性と組織の現況と整合していること
d) 組織の事業活動と品質マネジメントシステムを一体化させる
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e) プロセスアプローチの認識を高める
i) 品質マネジメントシステムの有効性に寄与する人を雇用し、支援する
k) 管理者が現場でリーダーシップを発揮できるよう、管理者を支援しリーダーシップ能力を身に
付けさせる
5.1.2 顧客重視
ISO9001:DIS2014
ISO9001:2008
トップマネジメントは、次の事項を確実にするこ
5.2 顧客重視
とによって、顧客重視に関するリーダーシップ及
顧客満足の向上を目指して、トップマネジメント
びコミットメントを実証しなければならない。
は、顧客要求事項が決定され、満たされていること
a)
b)
顧客要求事項及び適用される法令・規制要求
を確実にしなければならない(7.2.1 及び 8.2.1 参
事項が決定され、満たされている。
照)。
製品・サービスの適合性、並びに顧客満足を向
c)
上される能力に影響を与えるリスク及び機会
7.2.1 製品に関連する要求事項の明確化
が明確にされ、対処されている。
組織は、次の事項を明確にしなければならない。
a) 顧客が規定した要求事項。これには引渡し及び
一貫して、顧客要求事項及び適用される法令・
引渡し後の活動に関する要求事項を含む。
規制要求事項を満たす製品及びサービスを提
c) 製品に適用される法令・規制要求事項
供することを重視することが維持されている。
d)
顧客満足の向上を重視することが維持されて
いる。
・2008 年版「5.2」が強化され、ここに移行している。
・DIS:2014 では、顧客重視を実証する 4 つの具体的項目が指定された。
a) 2008 年版「7.2.1 a)」、「7.2.1 c」がこの条項に移動した。
b) 製品の適合性・顧客満足に影響を与えるリスクと機会を明確にし、対策を要求している。
c) d) 顧客要求事項・法令規制要求事項に適合した製品を提供することの重視、顧客満足の向上を重視
することを要求している。
・いずれも顧客重視の維持であり、一時的な活動ではなく継続的活動の実施を要求している。
5.2 品質方針
5.2.1
ISO9001:DIS2014
ISO9001:2008
5.1 経営者のコミットメント
5.2.1
b) 品質方針を設定する。
トップマネジメントは、次の事項を満たす品質方針
を確立し、レビューし、維持しなければならない。
5.3 品質方針
a) 組織の目的及び状況に対して適切である。
トップマネジメントは、品質方針について、次の事
b) 品質目標の設定及びレビューのための枠組み
項を確実にしなければならない。
を示す。
a) 組織の目的に対して適切である。
c) 適用される要求事項を満たすことへのコミッ
b) 要求事項への適合及び品質マネジメントシス
トメントを含む。
テムの有効性の継続的な改善に対するコミッ
d) 品質マネジメントシステムの継続的改善への
トメントを含む。
コミットメントを含む。
c) 品質目標の設定及びレビューのための枠組み
5.2.2
を与える。
品質方針は、次に示す事項を満たさなければなら
d) 組織全体に伝達され、理解される。
ない。
e) 適切性の持続のためにレビューされる。
a) 文書化した情報として利用可能である。
b) 組織内に伝達し、理解し、適用する。
c) 必要に応じて、関連する利害関係者が入手可
4.2.1 一般 (4.2 文書化に関する要求事項)
a) 文書化した品質方針及び品質目標の表明
能である。
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Happinex
・2008 年版「5.3」が移行している。
・内容的には大きな変更はない。
・DIS:2014 では、組織の目的のみならず、組織の状況に対しても適切であることを要求している。
・2008 年版では、「5.1」で品質方針を設定し「5.3」でレビューすることを要求しているが、DIS2014
では、「5.2.1」で確立・レビュー・維持を要求している。
・必要に応じて、関連する利害関係者への品質方針の公開を要求している。
5.3 組織の役割、責任及び権限
ISO9001:DIS2014
ISO9001:2008
トップマネジメントは、関連する役割に対して、
5.5.1 責任及び権限
責任及び権限を割当て、組織内に伝達し、理解す
トップマネジメントは、責任及び権限が定められ、
ることを確実にしなければならない。
組織全体に周知されていることを確実にしなけれ
トップマネジメントは、次の事項に対して、責任
ばならない。
及び権限を割り当てなければならない。
4.1 一般要求事項
a) 品質マネジメントシステムが、この規格の要
組織は、これらのプロセスを、この規格の要求事項
求事項に適合することを確実にする。
に従って運営管理しなければならない。
b) プロセスが、意図したアウトプットを引き渡
していることを確実にする。
5.5.2 管理責任者
c) 品質マネジメントシステムのパフォーマン
トップマネジメントは、組織の管理層の中から管
ス、改善の機会、及び変更又は変革の必要性
理責任者を任命しなければならない。
を報告する。特にトップマネジメントに報告
管理責任者は、与えられている他の責任とかかわり
する。
なく、次に示す責任及び権限をもたなければならな
d) 組織全体にわたって、顧客重視を促進するこ
い。
とを確実にする。
a) 品質マネジメントシステムに必要なプロセス
e) 品質マネジメントシステムの変更を計画し、
の確立、実施及び維持を確実にする。
実施する場合には、品質マネジメントシステ
b) 品質マネジメントシステムの成果を含む実施
ムを“完全に整っている状態(integrity)”
状況及び改善の必要性の有無について、トッ
に維持することを確実にする。
プマネジメントに報告する。
c) 組織全体にわたって、顧客要求事項に対する
認識を高めることを確実にする。
5.4.2 品質マネジメントシステムの計画
b) 品質マネジメントシステムの変更を計画し、実
施する場合には、品質マネジメントシステムを"完
全に整っている状態"(integrity)に維持する。
・2008 年版「5.5.1」、「5.5.2」、「5.4.2 b)」が集約され、移行している。
・本規格の意図
トップマネジメントは、品質に関連した活動を実施するために必要な責任・権限を、組織内部の個人
に委譲することを要求している。
・「管理責任者の任命」は要求事項ではなくなったが、同様な責任権限の割り当ては必要。
(すべての責任・権限が管理責任者一人に集中しすぎる弊害を避けるため)
・DIS2014 版では、責任権限の周知だけでなく、理解を求めている。
・責任・権限を委譲して、下記を確実にしなければならない。
a) 規格要求事項を満たしていること
b) 品質マネジメントシステムプロセスが意図した成果を実現していること
c) 品質マネジメントシステムの運用に関する報告、並びに改善の機会の特定がされていること
d) 組織全体を通して顧客重視が促されていること
e) 品質マネジメントシステムの変更が計画・実施された場合、システムの整合性が維持されている
こと
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