問題

2011病理中間試験 2011. 11,15-2
問1~48では以下の正しい記述の組み合わせを選ぶこと
1) a、c、d 2) a、b 3) b、c 4) d のみ 5) すべて
1)、
a. 細胞病理学をはじめたのはパスツールである
b. 病理診断科は標榜してはいけない
c. 異型細胞は正常細胞にもどらない
d. ヘマトキシリンで核が紫にそまる
2)、
a. 虚血とは血流不全のことである
b. スーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)はペルオキシソ
ームにある
c. ATPはミトコンドリアでつくられる
d. ビタミンEはフリーラジカルを中和できる
3)、
a. 萎縮では細胞数はかわらない
b. 過形成では細胞数が増加する
c. 胸腺は成人では萎縮する
d. 脂肪変性した細胞は正常にもどりうる
4)、
a. アポトーシスでは細胞が破裂する
b. 心筋梗塞では液化壊死になることが多い
c. 脳梗塞の神経細胞は再生することがある
d. 壊死では炎症がおきやすい
5)
a. 結核では凝固壊死(乾酪壊死)のことが多い
b. リポフスチンはライソゾームで分解できなかった蓄積物で
老化と関連する
c. 異栄養性石灰化は血中カルシウムの上昇による
d. ファゴサイトーシスは自己貪食でみられる
6)
a. 心筋細胞は再生しない
b.. 末梢神経細胞は再生する
c.. 肝細胞は再生しにくい
d. 肉芽組織は肉芽腫とおなじである
7)
a. 食道のバレット上皮は腺癌になりやすい
b. 胃粘膜の腸上皮化生は胃癌になりやすい
c. 気道上皮は喫煙によって円柱上皮化生になることがある
d. 良い肉芽は創液が多い
8)
a. 器質化とは肉芽組織に置換されることをいう
b. 瘢痕化とは結合組織に置換されることをいう
c. 門脈は肝臓にしかない
d. 大静脈には弁があって血液が逆流しないようになっている
9)
a. うっ血とは動脈に血液がたまること
b. 塞栓は血流に運ばれて血管内を閉塞するもの
c. 白色血栓には血小板が多く動脈にできやすい
d. 血栓症とは流れてきた栓子がつまったものである
10)
a. 血栓の形成には血圧、粘度など血液の性質だけでなく血管
内皮など血管壁の変化も重要である
b. 紫斑とは表皮内出血である
c. 血管壁がやぶれなくても出血することがある
d. 気管支動脈もあるので貧血性梗塞は肺ではおきにくい
11)
a. 肺塞栓では出血性梗塞になりやすい
b. 高張性脱水では細胞内脱水が著明である
c. エンドトキシンはグラム陽性菌によって産生される
d. 左心不全で肝腫大がおきやすい
12)
a. 炎症の急性期には肉芽腫の増殖が認められる
b. 化膿性炎症では滲出液中に多数のリンパ球が認められる
c. 炎症時検査所見で赤血球沈降速度低下が見られる
d. 発赤、腫脹、熱感および疼痛を炎症の四主徴という
13)
a. 壊死により組織が崩壊した部分は修復されない
b. 蜂窩織炎は化膿性炎症病巣が器官組織内に限局する
c. 膿瘍はリンパ球が主体
d. 結核結節には、特徴的な乾酪壊死を囲んで、類上細胞、巨
細胞、マクロファージ、リンパ球がみられる
14)
a. 炎症では血管の透過性が亢進する
b. 亜急性炎は6カ月続く
c. 慢性炎症はリンパ球や形質細胞、マクロファージの浸潤が
みられる
d. カタル性炎とは粘膜表層の滲出性炎である
15)
a. 壊疽性炎は腐敗菌に感染している
b. 線維素性炎では強い炎症のために血漿のフィブイリノーゲ
ンが滲出する
c. 好中球の増殖から肉芽腫性炎がおきる
d. 炎症では血流は速くなる
16)
a. 発熱は視床下部体温調節中枢でPGE2 産生されておきる
b. 炎症では局所のpHが上昇する
c. ブラジキニンは痛みをおこす
d. 侵害局所で細動脈が血管収縮(血行低下)おこす
17)
a. 赤血球の連銭形成は酸素低下による
b. 炎症部位では血液粘稠度増す
c. ヒスタミンにより血管透過性の亢進がおきる
d. ロイコトリエン 3 つ二重結合がある
18)
a. 遅発型の血管透過性亢進は抗ヒスタミン剤で抑制できる
b. ブラジキニンはマスト細胞が放出する
c. ヒスタミンは血管平滑筋拡張させる
d. アラキドン酸からプロスタグランジンができる
19)
a. PGE2 の二重結合数は2つである
b. 肉芽組織が形成されるのは増殖期である
c. アラキドン酸は細胞質にある
d. IgGがIgMより先にB細胞で産生される
20)
a. 炎症(痛み)を消炎鎮痛剤で抑制すると治癒は遅延する
b. 増殖期にコラーゲンが合成されて抗張力が上昇する
c. 二次的治癒とは開放性創が肉芽組織により埋まっていき新
たな皮膚等を形成する段階
d. 開放療法とは消毒を行った上でガーゼを貼る治療
21)
a. 急性炎症が終結する時、浸潤好中球の多くはアポトーシス
で死滅
b. 慢性期炎症の治療は暖める、動かすが原則
c. 肉芽腫の類上皮細胞はマクロファージ由来
d. マクロファージが巨細胞化するのにCD4陽性T細胞が必
要
5
22)
a. 自然免疫にはT細胞が重要
b. Th2細胞は抗体をつくれる
c. 3型アレルギーではIgEが重要
d. 気管支喘息は慢性的アレルギーで、発作がない時も炎症は
続いている
23)
a. 好塩基球からマスト細胞ができる
b. 単球からマクロファージができる
c. 自己免疫性溶血性貧血は赤血球表面に対する抗体が原因の
2型アレルギー反応
d. CD8 抗原は細胞傷害性 T 細胞と胸腺細胞に強く発現しMHC
クラス II 分子に結合
24)
a.
肉腫は白血病も含む
b.
悪性新生物(がん)は日本人死因の第1位で50%に達す
る
c.
ガンは遺伝子の病気であり、遺伝性が 1/3 をしめる
d. 癌は上皮由来の悪性腫瘍
25)
a. 喫煙で肺癌のリスクは 10-20 倍
b. 喫煙で膵癌がおきやすい
c. アルコールで大腸癌がおきやすい
d. 子宮体部癌はパピローマウイルスでおきやすい
26)
a. メラノーマは日光にあたるとおきやすい
b. アスベストは腹膜腫瘍もおこす
c. アスベストと喫煙で肺癌がよりおきやすい
d. 卵巣の皮様嚢腫は毛髪が含まれることがある良性腫瘍
27)
a.
卵巣嚢胞腺腫は良性腫瘍
b. 正常では円柱上皮の組織が重層化しているのは悪性を疑
わせる
c. 平滑筋肉腫や乳頭腫は良性腫瘍
d. 癌のグレードとは浸潤や転移で判定する
28)
a. 肉腫は血行性転移が多い
b. 肉腫が癌より硬いことが多い
c. 肉腫は癌より若い人に多い
d. 未分化な癌は転移しやすい
29)
a. 癌より肉腫がまれ
b. 癌の末期には貧血になりやすい
c. 肺の癌性リンパ管症では呼吸困難になる
d. p53は癌抑制遺伝子である
30)
a. RAS遺伝子は発癌遺伝子である
b. 網膜芽細胞腫は癌抑制遺伝子の異常でおきる
c. 網膜芽細胞腫は中年以降に発症する
d. 潰瘍性大腸炎は肺癌になりやすい。
31)
a. 一次中隔と二次中隔の間を卵円孔といい閉じてない人が
50%いる
b. 先天性心疾患では心房中隔欠損が最も多い
c. 動脈管開存ではチアノーゼを呈する
d. ファロー四徴では心室中隔欠損がある
32)
a. 心室中隔欠損では自然閉鎖が 30%ある
b. 心室中隔欠損では欠損孔が小さいほど、雑音は大
c. 心房中隔欠損は 1 歳以後の自然閉鎖は稀
d. 卵円孔開存は若年性脳梗塞の原因になりうる
33)
a. ファロー四徴症では無酸素発作に対して β 遮断薬が有効
b. 動脈管開存は高地住人に多い
c. 動脈管開存はインドメタシン投与でPGE2 ができずに閉
じにくい
d. ファロー四徴症では生後すぐからチアノーゼ
34)
a. 動脈管開存は高地住人に多い
b. リウマチ熱は上気道への A 群溶血性連鎖球菌感染後に抗原
の類似性から心筋や滑膜組織に対する交差反応
c. リウマチ熱は中年に好発
d. 関節リウマチで弁膜症が生じる
35)
a. 人工弁では10年くらいで入れ替える必要がある
b. 妊娠を希望する若い女性には人工弁を入れるべき
c. 感染性心内膜炎は緑膿菌が多い
d. 心室中隔欠損では抜歯のまえに予防的抗生物質の投与が
必要
36)
a. 心臓粘液腫は転移することがある
b. 右房粘液腫の場合には,全身の塞栓症の危険がある
c. 大動脈炎症候群は若い男性に多い
d. 細動脈硬化は高血圧が長期間続いている人に起こりやす
い
37)
a. 閉塞性動脈硬化症は動脈硬化でおいやすい
b. プラークは内膜と中膜の間に生じる
c. 心筋梗塞は冠動脈が走る外膜からはじまる
d. 心筋梗塞の急性期にはリンパ球の浸潤がみられる
38)
a. 尿毒症で心外膜炎がおきることがある
b. 心筋梗塞のあと心筋が再生して欠損部分がカバーされる
c. ミトコンドリア障害で心筋症がおきることがある
d. アルコールで心筋障害がおきることがある
39)
a. 肥大型心筋症では突然死がある
b. 突然死は血栓による心筋梗塞が多い
c. 肥大型心筋症の治療薬には β 遮断薬がある
d. 拡張型心筋症は肥大型心筋症より心不全になりやすい
40)正しい組み合わせは
a. 過形成 Hyperplasia
b. 肥大 hypertrophy
c. 萎縮 Atrophy
d. 化成 Metaplasia
41)細胞のATPが枯渇するとおきるのは?
a. 細胞内 Na 増加
b. 細胞浮腫
c. 細胞内 Ca 増加
d. 乳酸 Lactic acid 蓄積
42)萎縮 Atrophy の原因
a. 仕事量減少
b. 血流増加
c. 栄養不良
d. ホルモン刺激低下
43)正しい組み合わせ
a. 凝固壊死----心筋梗塞
b. 脂肪壊死---肝硬変
c. 乾酪壊死----結核病巣
d. 液状化壊死----脳梗塞
44)アポトーシスの例
a. 胎生期のプログラム死
b. 成人胸腺の退縮
c. 増殖組織での細胞除去
d. 腫瘍内の細胞死
45)アポトーシスの形態的特徴
a. 染色体濃縮
b. 細胞浮腫
c. 細胞質 blebs 形成
d. 周りの正常細胞が貪食
46) 急性炎症の徴候について正しい組み合わせは
a. 発赤 Rubor = redness
b. 腫瘍 Tumor = swelling
c. 発熱 Calor
= heat
d. 疼痛 Dolor
= pain
47) 蜂窩織炎 Cellulits = 急性皮膚感染をおこすのは
a. 大腸菌
b. 肺炎球菌
c. アミコプラズマ
d. 黄色ブドウ球菌
48) 浸出液 exudate の特徴は
a. 炎症性
b. 血管透過性亢進
c. 蛋白濃度は濃い
d. 比重>1.020
以下の問題から正しいのを1つ選ぶこと
49)炎症の時、細胞が血管外に遊走する場所は
1. 細動脈
2. 毛細血管
3. 細静脈
4. リンパ管
50)好中球の中で死んだ細菌はどこで分解されるか
1. ミトコンドリア
2. ライソゾーム
3. エンドソーム
4. ペルオキシゾーム
51)マスト細胞(肥満細胞)で作られるもの
1. プロスタグランジン
2. ロイコトリエン
3. ヒスタミン
4. グルカゴン
52)補体と作るのは何か
1. リンパ球
2. 好中球
3. マクロファージ
4. 肝細胞
53)血小板が最も作るもの
1. トロンボキサンA2
2. プロスタサイクリン
3. プロスタグランジン
4. ロコトリエン
54)一酸化窒素NOの作用
1. 血管収縮
2. 血小板凝集
3. 白血球遊走抑制
4. 平滑筋増殖
55)マクロファージが作るもの
1. ブラジキニン
2. フォンビルブラント因子
3. TNF(tumor necrosis factor)
4. プラスミン
56)核左方移動がみられるもの
1. 好中球
2. リンパ球
3. 巨核球
4. 形質細胞
57)フィブリノーゲンやCRPなど急性相反応性蛋白をつく
るのは
1. 骨髄
2. 肝臓
3. 肺
4. 腎臓
58)急性炎症の時、赤沈はどうなるか
1. 速くなる
2. 遅くなる
3. 変わらない
4. 一定していない
59)類白血病反応“Leukemoid reaction”では
1. 白血病細胞がみられる
2. 白血球が減少する
3. 白血球が増加する
4. 白血球の分裂像がみられる
60)好中球の寿命は
1. 1 日
2. 1 週間
3. 1か月
4. 1 年
61)抗炎症作用がないのは
1. アラキドン酸
2. アセチルコリン
3. TGFβ
4. IL-1
62)慢性炎症で見られない細胞は
1. 単球
2. 好中球
3. リンパ球
4. マクロファージ
63)抗体産生するのは
1. 好中球
2. 好酸球
3. 好塩基球
4. 形質細胞
64)寄生虫やアレルギーの部位に浸潤するのは
1. 好中球
2. 好酸球
3. 好塩基球
4. 形質細胞
65)常駐するマクロファージがいない臓器は
1. 肺
2. 肝
3. 脳
4. 骨
66)分裂しない細胞
1. グリア細胞
2. 心筋細胞
3. 骨格筋細胞
4. 末梢神経細胞
67)安定細胞
1. 骨髄細胞
2. 子宮内膜細胞
3. 血管内皮細胞
4. 腸管上皮細胞
68)皮膚ではどこに幹細胞がいるか
1. 毛嚢
2. 表皮
3. 真皮
4. 汗腺
69)角膜のどこに幹細胞がいるか
1. 角膜内皮
2. 結膜
3. 角膜中央部
4. 角膜辺縁部
70)肝臓ではどこに幹細胞がいるか
1. 胆管
2. 中心静脈周辺
3. 門脈周辺
4. 被膜下
71)細胞周期でG0期の細胞は刺激されるとどこに入るか
1. M期
2. S期
3. G1期
4. G2期
72)Vascular endothelial growth factor (VEGF)の作用は
1. 血管収縮
2. 血管新生
3. 血栓形成
4. 抗炎症作用
73)基底膜にあるコラーゲンのタイプは
1
2
3
4
74)生体側の炎症や修復に直接関与する因子でないのは
1. 栄養
2. 抗生物質
3.感染
4. 血液供給
75)ケロイドとは何か
1. 潰瘍
2. 傷裂開
3. 肉芽組織
4. 肥厚瘢痕
76)誤っている組み合わせは
1. 血栓 Thrombosis
2. 止血 Hemostasis
3. 凝血 Embolism
4. 梗塞 Infarction
77)non-pitting edema になるのは
1. 心不全
2. ネフローゼ
3. 甲状腺機能低下
4. 腎不全
78)浮腫の多くはNa再吸収が亢進している原因は
1. レニン
2. アンジオテンシン
3. アルドステロン
4. バソプレシン
79)一次止血に関与するのは
1. 血小板
2. 線維素
3. 凝固因子
4. 赤血球
80)凝固経路で活性化されるので最も重要な因子は
1
2
3
4
81)ビタミンK依存性でない凝固因子は
1. 2
2. 7
3. 8
4. 10
82)ヘパリンの活性に必要なのは
1. Ca
2. ビタミンK
3. アンチトロンビン
4. プロタミン
83)妊娠中に禁忌なのは
1. ヘパリン
2. ワーファリン
3. アスピリン
4. ビタミンK
84)D-dimer が陽性になるのは
1. 肺塞栓
2. 肝硬変
3. 血友病
4. 胃潰瘍
85)血栓症を起こす因子でないのは
1. 血流異常
2. 凝固亢進
3. 免疫異常
4. 血管内皮障害
86)低用量性ショックでないのは
1. 心タンポナーデ
2. 熱傷
3. 出血
4. 多尿
87)悪性腫瘍はどれか
1. Melanoma
2. Fibroma
3. Chodroma
4. Adenoma
88)良性腫瘍はどれか
1. Polyp
2. Seminoma
3. Hepatoma
4. Lymphoma
89)癌になりやすいのは
1. 白板症
2. 食道炎
3. 胃潰瘍
4. 黒子
90)フィラデルフィア染色体がみられるのは
1. 急性骨髄性白血病
2. 慢性骨髄性白血病
3. 慢性リンパ球性白血病
4. 悪性リンパ腫
91)血圧上昇させるのは
1. 体液喪失
2. 血管収縮
3. 利尿
4. 下痢
92)動脈硬化を進めないもの
1. 高血圧
2. LDL高値
3. HDL高値
4. 喫煙
93)良性腫瘍の特徴は
1.転移する
2.浸潤する
3.ホルモンを分泌する
4.皮膜に覆われる
94)酸化LDLを蓄積するのは
1. リンパ球
2. マクロファージ
3. 平滑筋
4. 血小板
95)高安病でおかされる血管は
1. 大動脈
2. 細動脈
3. 毛細血管
4. 細静脈
96)冠動脈が詰まると非可逆性になりはじめるのはいつか
1. 5分
2. 15分
3. 30分
4. 60分
97)平滑筋がない血管は
1. 大動脈
2. 細動脈
3. 毛細血管
4. 細静脈
98)血管内の膠質浸透圧が低下する疾患は
1. 肝硬変
2. 心不全
3. 腎不全
4. 貧血
99)浮腫のある患者に投与してはいけないものは
1. カリウム
2. ナトリウム
3. 水
4. アルブミン
100)脳浮腫で死ぬのはなぜか
1. 神経細胞がアポトーシス
2. 血流が低下する
3. 脳ヘルニア
4. 脳内出血