「男女平等に関する作文コンクール」小中学生入選作品集 - 会津若松市

平成17年度
「男女平等に関する作文コンクール」
小・中学生入選作品集
会 津 若 松 市
目
作品を審査して
次
会津若松市男女共同参画審議会会長
佐々木 篤信
小学生低学年 の 部
最優秀賞
出来なかった大太鼓
森
麻由
城南小学校3年 ————————1
優 秀 賞
男女びょうどうについて
鴻巣 佑惟
日新小学校2年 ————————3
小学生高学年の
小学生高学年 の 部
最優秀賞
ぼくにとっての「男女平等」とは
吉田丈一郎
東山小学校5年 ····· 4
優 秀 賞
男女平等について
二瓶 未夢
鶴城小学校4年 ····· 6
優 秀 賞
男女への疑問
諏江 由理
小金井小学校6年 ··· 8
中 学 生 の 部
最優秀賞
本当の男女平等
橋本 美和
第二中学校3年 ····· 10
優 秀 賞
男女平等が実現するためには
伊東
第二中学校3年 ····· 12
優 秀 賞
私の思う男女差別
大越 奈々
第二中学校2年 ····· 14
優 秀 賞
主婦が仕事を持つということ
渋谷 実来
第一中学校1年 ····· 16
舞
作品を審査して
審査委員長
会津若松市男女共同参画審議会会長
佐々木
篤信
平成 17 年度「男女平等に関する作文」コンクールが、この会津若松市におい
て昨年に引き続き行われましたことを大変喜ばしく思います。昨年度の応募者
は、小学生低学年3名、高学年11名、中学校27名でした。今年度は、小学
生低学年3名、高学年6名、中学校61名となりました。小学生高学年は減り
ましたが、その分中学校では倍増して、全体の応募者は41名から70名へと
着実な広がりを見せています。多忙ななかご尽力いただいた関係の皆様に、心
より感謝と敬意を表します。
審査にあたっては、文脈のみの評価ではなく、男女共同参画の視点及び子ど
もの心を重視した選定を行うよう心がけました。
小学生低学年「出来なかった大太鼓」(3年生)では、幼稚園の時の「男は強
いから」ということで割り振られた役割配分について、その時の「くやしさ」
が何であったかを掘り下げて考えています。一人ひとりのよいところを認めあ
う在り方を、未来に向けて確認しているところがすばらしい。
「男女びょうどう
について」(2年生)は、家の仕事を日々担っている母と祖母の側に身をおいた
性別役割への違和感を表現しています。男女は家事についても協力するのがよ
い、との思いを小学2年生の目を通して描いています。
小学生高学年の「ぼくにとっての『男女平等』とは」(5年生)では、宿泊学
習で体験したことをもとにして、男女の得意や不得意をあげながら、同時に個
人によって大きな差があることをよく観察し表現しています。
「男女平等につい
て」(4年生)は、改めて振り返ると地域や家庭における性別役割の現実が次々
と見え、男女の仕事をめぐる事情の変化に自分のこれからを重ねようとする意
欲を感じ取ることができます。
「男女への疑問」
(6年生)は、家庭と仕事の二重
負担という女性の現実を次の世代にまで引き継がせる「環境」への異議申し立
て、と見ることができるでしょう。
中学生の部「本当の男女平等」(中3)は、日本の社会が本当の男女平等にな
れない理由を、法律などの形が先行し内容としての意識を変えようとしない現
実に見ています。その現実が友だちとのふだんの会話や交流の中に存在してい
ることを、学校で習った知識を介して鋭く受けとめています。
「男女平等が実現
するためには」(中3)では、
「やりたいことを平等にできる社会」に焦点を合わ
せ、学校での制度改革や職場での変化の兆しをしっかりと見つめています。
「私
の思う男女差別」(中2)は、学校生活面では、男女の順番、冬季制服としての
スカートへの疑問を取り上げ、私生活(家庭)面では、固定的な性別役割に替え
て個人の得意を生かした協力、助け合いの関係を打ち出しています。
「主婦が仕
事を持つということ」(中1)では、夜11時に帰る父、夕方6時を過ぎて仕事
が入る母の姿に、在宅で仕事をする女性の厳しさを見ています。
「男性も女性も、
対等に仕事ができる環境づくりから」とのまとめに、説得力を感じました。
会津若松市は、男女が互いの人権を尊重し、それぞれの個性と能力を発揮し
て各分野に参画できる社会をどのように実現するか、という事業に取り組んで
います。作文コンクールへの出品は、この本市における歴史的な取り組みに、
次の時代を担う小中学生が直接参加することを意味しています。今回参加され
た全ての生徒の皆さん、それを支えてこられた関係の皆さまに、改めてお礼を
申し上げます。今後一層多くの学校と生徒の皆さんが、気軽に楽しくこの意義
深い活動に参加されることを願い、審査総評といたします。有難うございまし
た。
小学生低学年の部
最 優 秀 賞
出 来 なかった大 太 鼓
城南小学校
3年 森
麻由
わたしがかよっていたようち園では、運動会の時に年長さんがマーチングを
していました。
わたしはずっと、楽器をやるならぜったい大太鼓と決めていました。けれど
も、楽器のたん当を決める時になると、先生が「大太鼓は、男の子におねがい
したいと思います。」と言うので、わたしはゆう気を出して先生に「大太鼓がや
りたいんです。」とおねがいしてみました。
でもやっぱり先生は、
「大太鼓はとても重いので、体の大きい男の子におねが
いしたいのよ。」とくり返すだけでした。わたしは女の子だけど、わりと体が大
きかったので体力には自信がありましたが、あきらめてベルリラになりました。
その時、「男の子はいいなぁ。」とうらやましく思いながらも、わたしにはベル
リラに決まったその時にでも、大太鼓をさい後までやりぬく自信がありました。
先生は、女の子に重い物はかわいそうという気持ちで考えてくれているのか
なと思いましたが、女の子とか男の子とかじゃなくて、出来る人がやれるよう
になったらいいなぁと思います。
かんごふさんや保母さんも、男の人もできるようになって、かんごしさんと
か保育しさんというようになりました。体のつくりがちがうから全部同じとい
うわけにはいきませんが、ぜったい女の人じゃないと、男の人じゃないと出来
ないということい外は、だれにでもチャンスがあってチャレンジできればいい
と思います。ようち園での、わたしのちょっとくやしかった気持ちは、三年生
になった今でもこんなにくやしく心にのこっています。
いろいろな場面でのいろいろなふ公平がへって、男でも女でも、出来ること
は平どうにチャレンジ出来るようになってほしいと思います。
そのためには、女の子は「小さくて弱い」とか、男の子は「大きくて強い」
1
なんていうみんなのおもいこみはやめて、一人ひとりのよい所やすぐれている
所をみとめ合えるようになればいいと思います。
わたしたちが大人になるまでには、そんなふうになっていればいいなぁと思
います。
講
評
男女差により大太鼓ができなかった「くやしさ」と、互いに認めあう大切さ
について分かりやすく表現しており、説得力のある文章です。
2
優
秀
賞
男女びょうどうについて
男女びょうどうについて
日新小学校
2年 鴻 巣 佑 惟
私のいえでは、お母さんとおばあちゃんが家のしごとをしています。いえのし
ごとは、女の人がするものとみんなおもっていると思います。
でも、男の人がしても私はいいと思います。男だからとか、女だからとかで
はなくて、できる人がやるのがいちばんいいと思います。
お父さんは、しごとが休みだと休めるけど、いえでのお母さんやおばあちゃ
んのしごとはやすみがないので、かわいそうです。
もっと男の人も、てつだってもいいと思います。
かぞくみんなできょう力して、たのしくくらせるのが一ばんだと思います。
講
評
男女が協力し合うことの大切さについて、家庭の日常生活の中からの気づき
がよく描かれています。
3
小学生高学年の部
最 優 秀 賞
ぼくにとっての「
ぼくにとっての「男女平等」
男女平等」とは
東山小学校
5年 吉田丈一郎
自分にとって、
「男女平等」とはどんなことだろうか。一学期の宿泊学習をふ
り返って、「男女平等」について自分なりに考えてみました。
宿泊学習は、いわきの海に行きました。そこでは、班行動で砂の芸術と、い
かだ造りをしました。
まず、砂の芸術で赤べこを造った時のことです。みんなで、砂をたくさん集
めました。その時、力の強い男子が、砂を集めるのに役立ちました。
次に土台ができて赤べこの頭をみんなで造りました。そして、足を造ろうと
した時、立たせたじょうたいの足を造るのがむずかしいことに気づき、困って
しまいました。その時一人の女の子が、
「横に後ろ足と前足を付けたらいいんじ
ゃないかな。」と、提案しました。ぼくたちは、元気をとりもどして、無事に赤
べこを完成させることができました。
次に、いかだ造りをした時のことです。初めに、班のみんなで材料を運びま
した。女子は軽いタイヤなどを運んで、男子は重い木材を運びました。それか
ら、ひもで木材をむすびました。女子は、主にむすび方の指示をしました。先
生からいかだの造り方を教えてもらったことを、男子はあまり覚えていなくて、
女子はよく覚えていて教えてくれました。
このようなことから、男子は力が強く、活発に物事に取り組み、また、女子
は説得力と指どう力があり、性質がちがうのではないかと考えました。しかし、
みんながこの性質にあてはまるとは限りません。女の子だって力が強い人もい
るし、男の子だって細かい指示を出せる人もいます。
そのような、その人それぞれのよさを発きして、自分のできることをきちん
とやっていくことで、家庭や社会生活が成りたっていくのではないかと思いま
す。
4
ぼくにとって「男女平等」とは、性別や性質がちがっても、それぞれ得意な
ことをがんばってやることで、平等に社会の一員としての役わりをはたしてい
くことではないかと思います。
講
評
宿泊学習での体験をとおして、男女の違いではなくお互いが得意分野を伸ば
すことの重要性をきちんと指摘し、展開がおもしろい。
5
優
秀
賞
男 女 平 等 について
鶴城小学校
4年 二 瓶 未 夢
私は、男女平等ということがよくわからなかったので、お母さんに聞いてみ
たら、「男とか女とか区別をしないで、みんな同じであることだよ。」と言って
いました。
今まで私は、男の人と女の人のことでふしぎに思ったことがありました。
一つめは、私が小さいころお母さんとお花を買いに行った時に、男の人が出
て来たことです。
「男の人も花屋さんにいるんだなぁ。」と私はびっくりしました。「私は、小
さいころは女の人だけ花屋をしている。」と思っていたからです。
次に、しんせきの人が来ると、お父さんとおじいちゃんは、ひさしぶりなの
でお話しできますが、お母さんとおばあちゃんは、お料理を作るのにいそがし
くて少しだけしか話す時間がないことです。
「もう少し、おじいちゃんもお父さんも手伝ったらいいのになぁ。」と思って
います。
それから、私は女の人の仕事をするすがたをあまり見たことがありませんが、
一番女の人が多いなと思った仕事場は、スーパーマーケットです。男の人もい
るけど、女の人がなぜこんなに多いのかと思っていました。
また、私は、こう思ったこともあります。男の人と女の人のレベルがちがう
と思ったことがあります。それは、男の人だけが仕事をして、ほとんどの女の
人が仕事をしていないということです。でも今は、たくさんの女の人がいろい
ろな仕事をしているので、同じレベルでいいなと思います。
このように、私は小さいころは、男の人がえらいと思っていたのですが、今
はお母さんが言ったように、男だから女だからとかではなく、自分のやりたい
ことに向って一生けんめいがんばろうと思いました。
6
講
評
現在や幼い頃に思っていた男女の違いについて考え、誤解していたことや気
づきなどについて、素直な視点で描かれています。
7
優
秀
賞
男
女
へ の 疑
問
小金井小学校 6年
諏江由理
それは、私が小学6年生の春に、ふつうに家でくつろいでいたときです。
母は、ごはんを作って仕事に行き、父と兄と私で家にいました。
電話がきました。父に「由理、出て」と言われ、出ました。それに、おふろ
洗いなどがあり、父と兄二人とも、私にやれというのです。
そこで、疑問がポンとうかびました。
「どうして男の人は、女の人に家事をす
べてまかせるのだろう」
今は、家事をする男性の方が少ないと思います。父が働いていて母が仕事を
していないのならいいのですが、うちのように共働きの家は、母のする事(仕
事と家事)が多いと思います。男の人も、少しは手伝ってくれてもいいと思い
ます。
今の男の人は、家事は女がやるものだと思っている人が多いのではないでし
ょうか。私は、男の人が料理や家事ができる人は、ステキだと思います。
それに、家族に母以外に女の人がいないときは、そういう考えだと、母一人
だけつらいし、つかれると思います。
よく、父に「○○○やって」と言われます。そんな時、
「たまには、お父さん
もやってみたら?」とやさしく言います。すると「女の子なんだから」なにも
かも「女なんだから」と、いつも言われてしまいます。そう言われるとムッと
します。
こんなこともありました。母が、料理をがんばって作っていました。父が「メ
シまだか」と言いました。「もう少し」と母が言いました。「由理、お母さんい
そがしいみたいだから手伝いなさい」といわれ、
「お父さんもテレビを見てない
で手伝ってよ。」と思いました。
私は、二つ男性に言いたいです。
8
「少しでもいいので家事をして下さい。」
二つ目は、女性が家事をするのがあたりまえ、という考えの人が少なくなっ
てほしいと思います。
講
評
共働きの父母の日常の姿をとおして、家事に対する男性の不満を具体的な場
面で示し、性差別への疑問を痛快に表現しています。
9
中学生の部
最 優 秀 賞
本 当 の男 女 平 等
第二中学校
3年 橋 本 美 和
私は、日本が本当の男女平等になれない最大の原因は、私達の男女に対する
考え方にあると思います。
公民の授業で習ったのですが、日本は、男女共同参画社会基本法を施行して、
男女区別なく、個人として能力をいかすことができる社会づくりを進めたり、
女性の社会進出に対して、男性中心の社会のあり方を考え直し、男女雇用機会
均等法などに基づいて、採用・昇給・昇進差別の禁止義務など、男女平等を強
化したりしています。それに比べ私たち国民は、自分に都合のいいときは、
「男
女平等だ」と主張するのに、自分の都合の悪いときには、「男だから」「女だか
ら」と言って理由をつけてきます。また、いまだに『男は外で仕事、女は家で
家事』という意識はぬけきれておらず、主夫業への理解は少ないようです。
私は友達二人に、
「自分のお父さんが専業主夫で、お母さんがバリバリのキャ
リアウーマンだったらどう思う?」と聞いてみました。するとSさんが、
「気持
ち悪くて無理。想像できない。」続いてMさんが、「私もやだぁ。てか、それが
友達とかにバレたら恥ずかしいじゃん。」と答えました。
私も二人と同じく、父親が家で家事をして、母親が外で働くのは想像できな
いし、それを恥ずかしく思うでしょう。他の人に同じ質問をしても、専業主夫
に反対する人がほとんどだと思います。
では、どうすれば専業主夫や男の保育士、女のバスの運転手などを「男だか
ら」
「女だから」という偏見で見ない、本当の男女平等な社会にできるのでしょ
うか。
まず、私達の男女に対する一般的な考えを徹底的に変えなければなりません。
そもそも、日本で専業主夫や男の保育士や女のバスの運転手をやっている人が
少ないため、ほとんどの人がそれらの職業を身近に感じることができません。
10
また、男女共同参画社会基本法や男女雇用機会均等法の内容を知らない人も
多くいます。私達の偏った考えを変えるには、私達が男女平等になりつつある
職業の内容、男女平等に関する活動や知識を知る必要があります。そのために
も、テレビやラジオでの放送、インターネット、地域の掲示板などを利用して、
男女平等を宣伝すべきだと思います。
いつか、全国の人が男女平等を理解し、日本が、男女差別のない、本当の男
女平等な国になることを私は信じています。
講
評
男女平等を達成するために、自分たち自身がとらわれていることへの気づき、
変えていかなければいけないことをきちんと指摘しています。
11
優
秀
賞
男女平等が
男女平等が実現するためには
実現するためには
第二中学校
3年 伊 東
舞
みなさんは、男女平等について考えたことがありますか?
男女平等の考えが生まれたのは、女性の社会進出をうながすために提唱され
たと思われがちです。でも、本当にそうでしょうか。ここで一つの例をあげて
みましょう。
私の母は保育士です。職場には女性しかいません。でも過去に男性保育士も
いたことがあるそうです。子どもを育てるという点で、父親が必要なように、
保育園においても男性保育士が必要だと思います。でも、男性保育士は本当に
少ないそうです。働く環境が、どうしても女性向きなのではないでしょうか。
今までが百パーセント女性の職場だったので、どうしても男性は働きにくいと
いう現状があります。実際、私が職場体験に行った保育園も男性保育士はいま
せんでした。このように、男女平等は女性だけでなく、男性にも深く関わって
いる重要な問題です。
しかし私は今まで、職業には男女の差があって当然だと考えていました。そ
れは、男性と女性ではもともと体力などにも極端な差があり、それぞれ職業に
も、向き不向きがあると考えていたからです。別にそんなに努力してまで男が
保育士や看護師になったり、女が建築士や整備士にならなくてもそれぞれにあ
った仕事で得意分野を生かせば、よい社会がつくれると思っていました。けれ
ど最近はこういう考えでなく、
『やりたいことが平等にできる社会』の考えが高
まりました。はじめはそれが正しいのかも半信半疑でしたが、今はとてもよい
考えだなぁとつくづく思います。
少し前の話になると、学校教育で男子に家庭科を教えるようになったり、最
近では県立高校のほとんどが男女共学になってきたりと、少しずつではあるけ
れど、男女間の厚い壁が取り払われてきたような気がします。そのおかげで工
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業高校にも女子が増えたりもしています。
私の父は自動車整備士ですが、最近では女性の入社数も増えたそうです。こ
ういうところで、男女平等の考えはだんだん人々に伝わっていくことでしょう。
まだまだ人々の心の中にある社会的・文化的な性差は、そう簡単にはなくな
りません。でも、それをみんなで真剣に考えて、なくそうと頑張れば、女性で
あろうが男性であろうが受け入れてもらえる日が来ると思います。
女はあぐらをかいてはいけない、とか、女性や男性の「らしさ」を求めるの
なら問題はないけれど、やっぱり職業や生活に不平等な状況が出てきてしまう
のはいけないと思います。職場でも、男女の外見で決めつけてしまうより、本
当にその仕事をやりたいという意欲や、どれだけその能力があるのかを中身で
決めるべきだと思います。そうすれば、自然と差別はなくなっていき、いつの
まにか男女平等が実現できるのではないでしょうか。
近い将来、私が社会に出るときには、男女間に壁のない、新しい快適な社会
になっていてほしいなぁと望んでいる今日この頃です。
講
評
「やりたいことを平等にできる社会」の重要さを両親の仕事をとおして的確
に指摘し、身近にあることを例に挙げ考察しています。
13
優
秀
賞
私 の思 う男 女 差 別
第二中学校
2年 大 越 奈 々
私が身の回りで感じる男女差別、私には学校でも、私生活でもこの日本には、
昔から男女差別というものが深く根付いていると思います。
まず、学校生活で私が思う男女差別は、出席番号がなぜ男子が先で女子が後
ろなのでしょうか、生まれは早くても女子はいつも男子の後ろというのは、女
の私にはいやでたまらない事です。
次に制服です。なぜ雪のふっている真冬に女子はスカートをはいていかなけ
ればいけないのでしょう。寒くて私は足が氷のようになってしまいます。だか
らそんな時こそ私はズボンがはきたいと思います。女子は若い時から、体をひ
やしていると、赤ちゃんが産めなくなる事もあると聞いています。
しかし、反対の立場からの男女差別もあると思います。それは、女子だから
という理由で優しくされたり、男子という理由できびしくされたりするという
ことです。
私生活では、この前おじいちゃんが私の家に来た時、私にお茶を入れてとた
のんできました。となりにはお兄ちゃんもいるのになんで私なのかと聞くと、
おじいちゃんは、私が女の子だから、といいました。それって差別だと思いま
した。
いとこの家では、男の兄弟は遊んでいるのに、女の兄弟は、家の用事をいい
つけられています。私はその子が、一人で洗い物をさせられているのに、男の
兄弟がまったく手伝わずゲームをやっているのを見て、ひどいなぁと思いまし
た。私の家では、仕事は皆平等にやっています。
今は、男女共同参画社会といわれていますが、今でも男女差別は消えずに残
っています。それによって人にいやな思いをさせてしまう事もあると思うし、
どんなに男女共同参画社会と言っても、本当に差別がなくなるには、かなりの
14
時間がかかると思います。
私は、男女差別によるポスターで、かなり思い出に残ってるものがあります。
小さい子のおままごとで、男の子がゴハンを作って子どもをおんぶしていて、
女の子が仕事から帰ってくるというポスターでした。なぜ思い出に残っている
かというと、そういう家庭もあるのだけれど、私の生活の中では、男の人が仕
事に行き、女の人が家事をするというのが一般的になっていて、それをひっく
り返したような、そのポスターが印象的だったからです。
私は、どちらがいいというわけではないけれども、男女平等に、おたがいが
出来ること、得意な事を協力して行い、不得意なところは助け合っていく、そ
んな家庭を作っていけたらいいなと思っています。
講
評
生活の中での体験や様々な状況から感じたこと、一枚のポスターからの気づ
きなどについて、表情豊かに表現しています。
15
優
秀
賞
主婦が
主婦が仕事を
仕事を持つということ
第一中学校
1年 渋 谷 実 来
「あともう少し待って。」
時刻はもう少しで午後九時になるところだった。私と弟は、まだご飯を食べ
ていない。そんな私達に母は一言そう言った。
「大丈夫だよ。」、私は母にそう言った。父と母は共働きだが、母は家で仕事
をしているため、家に二人ともいないということはあまりなかった。父の営業
時間は午後の11時ぐらいまでで、母の営業時間は午後の6時ぐらいまで。母
の方が営業時間は少ないが、その後に家事という仕事がまだたくさん残ってい
る。
家庭を持つ女性が仕事をするのは大変なんだと、母を見て思う。私達の面倒
を見るだけでも大変なのに、男性と対等に仕事をする事は、本当に大変なこと
である。
母の仕事が、営業時間内にまで終わらず、時間を過ぎてしまうことはよくあ
った。原因は取り引き先のせいだった。夜な夜なファックスから音がする、と
思えば仕事の内容で、それを今日中にやれと言うのだ。営業時間はもう過ぎて
いるのに。しかたなく母は仕事をやる。仮にも彼女は主婦だ。その事を考えて
ほしい。
そんな母親のために、子どもを遅くまで預けられるのが保育園。しかしそこ
には小学生以下の子どもしか預けることができない。しかも、遅くまでと言っ
ても大体が夜の六時くらいまでだ。職業によっては6時まで終わらない所だっ
てあるだろう。もう少し預ける時間をのばした方が良いと思う。
小学校にあがると、子どもクラブのような所に子どもを預けることができる。
しかしそこも大体が夜の6時くらいまでだ。それにそこは小学3年生くらいま
でしか預けることができない。4年生になると部活動などに参加することがで
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きて帰りが遅くなるのだろうが、それも午後5時くらいまでだ。
このように、家庭を持ちながら男性と対等に仕事をするということは、大変
なのだ。私の母は好きでこの仕事をしているのだが、やはり子どもができると
大変だと言っていた。
子どもが病気になった時なども、必ず仕事はしなくてはいけない。しかもそ
んな時に限って外での打ち合わせなどがあるのだと言う。
そんな時でも、母親が安心して仕事ができるように、もっときちんと考えた
方がいいと思う。男性も女性も、対等に仕事ができる環境作りから始めないと
いけないと思う。
講
評
母親をとおして、女性が仕事を持つことの大変さを具体的に描写しながら、
男女の働きやすい環境整備の重要さについて指摘しています。
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