SHIMADZU APPLICATION NEWS 島津アプリケーションニュース ●粉粒体測定 No. Powder Property Analysis LAAN-C-PT021 Q101 SALD-2200 によるアイスクリームの測定 Particle Size Distribution of Ice Creams by SALD-2200 アイスクリームは,その形態や乳成分の量,フレー バーの違いなどのバリエーションが豊富で,多くの種 類のものが市販されています。今回,同一銘柄でフ レーバーの異なる 3 種のアイスクリームの粒度分布を, Fig.1 レーザ回折式粒度分布測定装置 SALD-2200 湿式システム Laser Diffraction Particle Size Analyzer SALD-2200 wet system Fig.2 はバニラタイプのアイスクリームを,水で希 釈し粒度分布を測定した結果です。アイスクリームで すから基本的には O/W エマルジョンであり,測定さ (ファイル 名)vanilla-2200-1001 (サンプル ID)バニラ 屈折率=1.65 - 0.05i メディアン径: モード径: レーザ回折式粒度分布測定装置 SALD-2200(Fig.1)を 用いて測定しました。その結果,フレーバーの種類, 食感などと相関があるデータが得られましたのでご 紹介します。 れている粒子は水中に浮遊している油脂の粒子と考 えられます。 (サンプル #)bc w u10-1 2.314 2.145 平均値 : 標準偏差: 2.565 0.313 25.0%D : 50.0%D : 75.0%D : 1.502 2.314 4.086 Sレベル : 0 分布関数:無 : 0 Dシフト Q 3 (%) 100 q 3 (%) 20 90 18 80 16 70 14 60 12 粒 50 10 子 40 8 30 6 20 4 10 2 相 対 量 0 0.01 0.05 0.1 10 5 粒子径(μm) 50 100 0.5 1 Fig.2 バニラアイスクリームの粒度分布測定 Particle size distribution of vanilla ice cream 500 1000 0 5000 No.Q101 (ファイル 名)GreenTea-2200-1001 (サンプル ID)抹茶 屈折率=1.65 - 0.05i メディアン径: モード径: (ファイル 名)RedBean-2200-1001 (サンプル ID)あずき (サンプル #)bc w u10-1 3.640 2.642 平均値 : 標準偏差: 4.356 0.450 25.0%D : 50.0%D : 75.0%D : 2.043 3.640 7.632 Sレベル : 0 分布関数:無 Dシフト : 0 Q 3 (%) 100 屈折率=1.65 - 0.05i メディアン径: モード径: q 3 (%) 20 18 80 16 70 14 60 12 対 粒 50 10 子 40 8 30 6 20 4 10 2 対 量 0 0.01 0.05 0.1 0.5 1 5 10 粒子径(μm) 50 100 25.0%D : 50.0%D : 75.0%D : 53.974 81.420 107.785 Sレベル : 0 分布関数:無 Dシフト : 0 q 3 (%) 20 18 80 16 70 14 60 12 粒 50 10 子 40 8 30 6 20 4 量 10 0 0.01 Fig.3 抹茶アイスの粒度分布 Particle size distribution of green-tea ice cream 2 0.05 0.1 0.5 1 5 10 粒子径(μm) 50 100 500 1000 0 5000 Fig.4 小豆アイスの粒度分布 Particle size distribution of red-bean ice cream Fig.3 と Fig.4 には抹茶入りアイスクリームと小豆入 りアイスクリームについて,バニラタイプと同様,水 で希釈して測定した粒度分布を示します。比較のため, これら 3 種の測定結果を重ね描きしたグラフを Fig.5 に示します。 抹茶入りタイプはバニラの分布に 30µm 付近を中心 とする小さいピークを加えた粒度分布を持っていま すし,小豆入りタイプはバニラの分布に 80µm 付近の 大きいピークをくわえた分布になっています。追加さ れたピークがそれぞれ,抹茶の粒子の分布であり,小 1. 2. 3. 46.534 0.633 90 相 0 5000 500 1000 平均値 : 標準偏差: Q 3 (%) 100 90 相 (サンプル #)bc w u10-1 81.420 91.146 豆の粉砕物のピークであることは明らかです。特に小 豆については,目視による分散液の観察でもはっきり わかるほど,粗大な粒子が存在しています。 当然,この 3 種のアイスクリームを食べたときの食 感も,バニラタイプでは滑らかなのに対し,抹茶タイ プでは多少のザラツキ感があり,小豆タイプではさら に強いザラツキ感があります。粒子径と舌でのザラツ キ感には相関があり,人間の舌で粒子を検出できる限 界は 20~30μm と言われています。今回のデータは, この点でもよい相関を示しています。 vanilla-2200-1001 GreenTea-2200-1001 RedBean-2200-1001 Sレベル : 0 分布関数:無 Dシフト : 0 q 3 (%) 10 9 相 対 8 7 6 粒 5 子 4 量 3 2 1 0 0.01 0.05 0.1 0.5 1 5 10 粒子径(μm) 50 100 500 1000 5000 Fig. 5 3 種類のアイスクリームの粒度分布測定 Particle size distribution of ice creams 初版発行:2007 年 4 月 分析計測事業部 応用技術部 ※本資料は発行時の情報に基づいて作成されており,予告なく 改訂することがあります。改訂版は右に示す島津 WEB で閲覧で きます。 試験計測グループ ●秦野 ●京都 TEL (075)823-1153 会員制情報提供サービス「Shim-Solutions Club」にご登録下さい。 https://solutions.shimadzu.co.jp/ いろいろな情報提供サービスが受けられます。
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