プラグ輸送 - 日本大学理工学部

K3-28
粉体プラグ輸送における粒子流動および圧力損失の測定
Measurement of Particle Fluidity and Pressure Drop in Powder Plug Transportation
○小池好満 1, 越智光昭 2, 河府賢治 2,平井康裕 3
Yoshimitsu KOIKE,Mitsuaki OCHI,Kenji KOFU,Yasuhiro HIRAI
The particle fluidity and pressure drop in the horizontal plug transportation have been measured. In
order to measure them, high speed camera, particle image velocimetry, static electricity sensor,
photoelectric sensors were used. In this experiment, 4 kinds of powders were used, i.e. Saleratus,
Gelatin, Guar-gum, Nonpareil. As a result, it was revealed that particle velocity in the plug dose not
change in vertical and horizontal directions. In short, plugs move as a lump similar to in case of
granular particle. Additionally, it was also shown that the ratio of particle velocity in the plug to
superficial air velocity is approximately 0.6, and the Brooke Benjamin’s equation can be applied for
the relationship between particle velocity and plug velocity.
Table1 Particle properties
1. 緒 言
管路による粉粒体の空気輸送方式の一つとして、
輸送管を粒子でプラグ状に塞いで輸送するプラグ輸
送がある。この方式は、粒子を低速で輸送するため
必要な空気流量が少なく、所要動力の低減化が期待
できる。また、粒子はプラグ状で流れるため、管壁
と衝突することがなく、管路の摩耗や粒子の破壊を
大幅に低減できる利点を持つ。本研究室では粒体に
おける実験を行い、プラグ流の特性を調べその結果、
圧力損失などの正確な予測を可能としてきた 1)。そこ
で本研究では、粉体を用いた実験を行い、その流動
特性を調べることを目的として研究を行った。
2. 実験装置および方法
研究で使用するプラグ輸送ラインを Fig.1 に記す。
プラグ輸送実験装置として管内径 D=50mm の管を使用
した。減圧弁設定圧 Pr および粒子輸送量 Ms、混合比
mT、空気流量 QF を調整、設定し実験を行った。
Fig.1 より、輸送ラインのプラグが形成している付
近にビデオカメラを設置、カメラを挟むかたちで光
電センサを設置した。カメラで平均プラグ速度WP を
測定。さらに、光電センサで個々のプラグ長さ lp と
プラグ速度 wP を測定し、そこから各条件の平均プラ
グ長さ Lpと平均プラグ速度WP を得た。また、水平管
において、6 ヵ所で圧力測定を行い、圧力損失を求め
る。プラグのサンプル数は 20∼70 個とする。さらに
プラグを高速度カメラを用いて撮影し、解析を行い
プラグ内粒子速度 us の測定を行った。実験で使用す
る粒子は、重曹、グァーガム(以下、GHK と略す)、
ゼラチン、ノンパレルで、物性値を Table1 に示す。
Friction
Mean
Angle of
Bulk
Particle
coefficient
particle
internal
density
density
against
Particle
diameter
friction
3
3
acrylic
ρ s [kg/m ] ρ b [kg/m ]
d p [µm]
φ [deg]
µ w [-]
Saleratus
129
2220
1200
0.341
34.0
122
1490
679
0.382
28.8
GHK
Gelatin
467
1350
681
0.228
31.9
Nonpareil
444
1570
799
0.245
21.0
3. 実験結果および考察
Fig.2(a)に各粒子を各5条件で実験を行い、解析
値 us と 管 底 部 か ら の 距 離 y と の 関 係 を 示 す 。
Fig.2(a)から重曹、GHK およびゼラチンの場合、垂直
方向に速度変化がほとんどないことが分かる。ノン
パレルは、管底部と比べ y=35mm においてやや速度が
速くなるが、鉛直方向位置による速度の相違は、最
大で 0.1m/s程度と平均の粒子速度と比べ小さいの
で、ノンパレルも鉛直方向の速度変化が小さいと考
えられる。故に、全粒子の us は鉛直方向位置に関せ
ず一定値であると考えられる。
Fig.2(b)に各粒子を各5条件で実験を行い、主流
方向の位置 x と解析値 us との関係を示す。Fig.2(b)
から、us が x に関わらず全条件ほぼ一定の値を示し、
主流方向に対して us の変化はないと言える。これら
の結果、粒体同様に粉体でもプラグは一つの塊で輸
送している事が言える。以上より、これ以降ではプ
ラグ内の個々の粒子速度の平均値を us とし解析を進
める。
Fig.3 にWP と us の関係を示す。この関係に Brooke
Benjamin2)の気液二相流理論が適用され、Eq.(1)のよ
うに表されている。この Eq.(1)が粒体において成り
立つことが確認されている。3)
(1)
W p = u s + 0.542 gD
Bag filter
Receive tank
Fig.3 より、Eq.(1)と実験値とが同様の傾向を示すこ
とが分かる。故に、WP と us の関係に Brooke Benjamin
の気液二相流理論が粒体同様、適用できることが言
える。
Fig.4 に管内空気速度 Ua と us の関係を示す。粒体
において Ua と us の関係は、
(2)
us ≒ 0.6U a
Transport pipe
Video camera
Load cell
Photoelectric Sensor
Air chamber Flow
meter
Compressor
Reducing valve
Static electricity Sensor
で近似できることが示されている 4)。 Fig.4 からや
やバラつきはあるものの Eq.(2)と実験値とが同様の
傾向を示すことが分かる。故に、粒体同様、Eq.(2)
High speed camera
Fig.1 Experimental apparatus
1:日大理工・学部・機械
2:日大理工・教員・機械
3:日大理工・院・機械
876
Particle velocity in plug us [mm/s]
P r [kPa] M s [kg/s] m T [-]
70
50
70
70
70
70
70
60
0.193
0.115
0.142
0.183
0.251
0.357
0.361
0.369
29.7
26.6
26.5
33.9
29.7
77.4
91.2
60.1
P/LT [kPa/m]
50
Saleratus
Saleratus
GHK
GHK
Gelatin
Gelatin
Nonpareil
Nonpareil
40
30
Pressure drop
Particle velocity in plug Distance from pipe bottom
us [mm/s]
y [mm]
Particle
■
□
◆
◇
▲
△
●
○
20
10
0
500
1000
1500
2000
Particle velocity in plug us [mm/s]
(a) Vertical direction
2000
1500
1000
500
0
2
4
6
8
10
Position in the horizontal direction x [mm]
(b) Flow direction
Fig.2 Connection of particle velocity in plug and each direction
Mean plug velocity
WP [m/s]
3.5
3.0
Saleratus
2.5
Gelatin
2.0
Nonpareil
GHK
1.5
1.0
0.5
Eq. (1)
0.0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
Particle velocity in plug
us [mm/s]
Particle velocity in plug us [m/s]
Fig.3 Plug velocity and particle velocity in plug
2.5
Saleratus
GHK
Gelatin
Nonpareil
2.0
1.5
1.0
0.5
us=0.6Ua
0.0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
Air velocity in pipe Ua [m/s]
Fig.4 Air velocity in pipe and particle velocity in plug
Mean Plug length Lp
Plug velocity wP [m/s]
を粉体にも適用できると言える。
Fig.5 に us と LPの関係を示す。us と Lpの関係につ
いて、us が大きくなると Lpが大きくなることが分か
る。これは、us、つまり Ua が速くなることにより空
気エネルギーが大きくなり、長い Lpでも輸送できる
ためと考える。
800
700
600
500
400
300
Saleratus
GHK
Gelatin
Nonpareil
200
100
0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
Particle velocity in plug us [mm/s]
Fig.5 Particle velocity in plug and plug length
877
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
0
200
400
600
800
1000
Plug length lp [mm]
Fig.6 Plug length and plug velocity
(Gelatin :Pr=70kPa, Ms=0.356kg/s, mT=77.4)
6.0
5.0
4.0
3.0
Saleratus
2.0
GHK
1.0
Gelatin
Nonpareil
0.0
0
20
40
60
80
100
Solid-air mass flow ratio mT[-]
Fig.7 Solid-air mass flow ratio and pressure drop
Fig.6 に、粒子がゼラチン、Ms=0.356kg/s, mT=77.4
における wP と lp との関係を示す。これより、lp が長
くなると、wP は遅くなる。この図における輸送条件
は一定のため、空気エネルギーが一定である。lp が
長くなるとアクリル壁面との接触面が増え、摩擦抵
抗が大きくなる。個々のプラグに作用する空気エネ
ルギーは一定のため、長い lp のプラグは輸送し難く
なり、wP は遅くなると考える。
Fig.7 に mT と圧力損失 ΔP/LT を示す。mT が増加す
ることによって粒子が空気に占める比が大きくなる
ので、輸送管に占める割合が大きくなる。よって、
ΔP/LT は増大すると考える。
4. 結言
1) プラグ内粒子速度はプラグ内の鉛直方向、主流方
向に関わらず一定で、プラグは一つの塊として流
れていると考えることができる。
2) プラグ速度とプラグ内粒子速度の関係に Brooke
Benjamin の気液二相流理論が適用できる。
3) 管内空気速度とプラグ内空気速度の関係を、粒体
と同様に表すことができる。
4) 混合比を高く設定し、輸送管内のプラグ密度を濃
くすると、圧力損失は増大する。
5. 参考文献
1) 河府賢治、越智光昭、武居昌宏:水平管粒体プラ
グ輸送における圧力損失予測式の導出(粒子種類
および管内径に対する高応用性)
、日本機械学会論
文集(B 編)、73 巻 733 号、pp.1868-1875 (2007)
2) Brooke Benjamin, T., Gravity currents and
related phenomena, The Journal of Fluid
Mechanics, Vol.31, Part2, section3 pp.209-248
(1968),
3) 辻裕、空気輸送の基礎、養賢堂、pp.114-132(1984)
4) 佐々木渉、粒体のプラグ輸送における圧力損失に
関する研究、日本大学大学院理工学研究科機械工
学専攻修士論文、pp.60 (2003)