ワールド欄 サ ン・ 代 表 取締役 馬場園将 人様御 中 研 究 報 告 書 ラジウムラドン( ネルケア) における関節炎、リ ュウマチ、鎮痛、消炎効果 に関 した研究 鈴鹿医療科学 大学 保健衛 生学部 鈴鹿医療科学 大学大学院保健衛 生学研究科 漢医師 健康科学博 士 ・ 教授 ・ 具 然和 平成 20年 4月 25日 ラジウムラドン(ネルケア)における関節炎、リュウマチ、鎮痛、消費効果 に 関 した研 究 1.研 究概要 慢性関節リュウマチは、多関節炎を主徴とした全身性炎症疾患である。関節炎病変 局所では、血 管新生、CD41T―cdlを主体としたリンパ球浸潤、滑膜細胞の異常増殖、 骨破壊などが見 られ、様 々な作用 により病体 が形成されている。この作用 にはサイト カインが関与 していることが上げられており、リュウマチ(Rheumatism(RAb)病 変には、 lL-6、 lL-12また抗炎症性およ 炎症性および Thl型 サイトカインであるTNF―α、lL-1、 び 丁h2型 サイトカインなど様 々なサイトカイン、ケモカインが見つかつており複雑な環 境であることがわかる。 ヘルバーT Ch)細 胞はそのサイトカイン生産性により、lL-2、 lFN―γを産 生し細胞 lL-5を産生し、液性免疫や IgE媒 介性アレル 性免疫 に関与 した Thl型 細胞と IL-4、 ギー反応に関与 した Th2型 細胞 に分類される。多くの免疫疾患病態はこの Th1/Th2 型サイトカインのパランス異常 が見られる。ことに自己免疫疾患であるインスリン依存 型糖尿病、橋本甲状腺炎など臓器特異的自己免疫疾患においては Thl型 へ 、全身 性エリマトーデスなどの全身性 自己免疲疾患の一部 では Th2型 へ の偏りが見 られ る。 lL-6、 RAの 複雑なサイトカインカスケードの 中でも TNF―α、lL-1、 GM―CSFな どが JiJ7Jyc“ ガ a愚 百tis:CIA) 病態形成には重要である。コラーゲン誘発性関節炎(aO//ager― は、これらサイトカインの投与により増強 し、中和抗体 により抑制される。さらに 丁NF― αトランジェニックマウス °や IL-1の作用が過剰 に発現した IL-1受 容体アンタゴニス ト欠損マウスでは RA様 の関節炎が発症 し、新 しい関節炎モデルとなつていることも、 これらサイトカインの過剰な機能 が 関節炎の発症 に関与していることを示している。 CLAで は、lL-4や IL-10の投与でThl型 細胞機能抑制を介 した。治療効果があり、逆 に抗 IL-10抗体や抗 TGF―β抗体の投与 は、関節炎を増悪させることから内因性に産 生される IL-10や TGF―βが疾患防御的に作用していると考えられる。 このような、さまざまなアプローチにもかかわらず原因ならびにその根本的治療 に 関 しては現在まで原因不明である。慢性関節リュウマチの治療 には狭 い意味での抗 リュウマチ薬、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド剤、免疫調整剤などが 用いられているが 、それらの薬剤 はさまざまな副作用を伴い、難治性の患者 が少なく ない。した。がつて、有効性 が高く副作用のない抗リュウマチ治療機器 の登場 が期待 されている。 本研究では副作用のないラジウムラドン(ネルケア)による放射線ホルミシスにより 関節炎、リュウマチ効果の解析を目的とした 2.研 究試料および方法 1.Carageenan足 浮腫試験 2。 Wister系ラット雄 4週 齢 1群 6匹 を用い、22±3℃ 、湿度 60-70%の 状況下で、飼料 2群 (ラジウムラドン(ネル 及び水は自由摂取とし1週 間の予備飼育後、1群 (controD、 ケア))を毎 日暴露した. 投与開始 14日 後 に起炎物質 1.5%Caraga爾 氏No.039-09691,Wako)生理食塩水 0。 l mlを 左後肢足蹴皮下に注入し、接種 lhr後より浮腫測定装置(UGO BASILEビ ー エム機器製】こより測定 した。その後 1時 間ごとの足容積(m:)を4時 間まで計測 し、12、 24、36、48、60、72時 間後までの足容積(mDおょび浮腫率① を求め、contrd群 に対し て 5%以下の危険率で有意になった場合を有効とした。浮腫率は、以下の式より求め る。 Vo)/Vo>100 浮腫率(%)=((Vt― Vt:起 炎物質接種後一定時間経過時の足容積(ml) Vo:起 炎物質接種直後の足容積(ml) 2.2.働 牲3/aマ ウスの血液 による ToLIIgE,IgG,IgM,TN卜 α "IL-4の測定 1.実 験方法ならびに実験群 2.2。 働牲g/aマ ウス♂5週 齢 1群 10匹 を用い、22±3℃、湿度 60-70%の 状況下で、飼 2群 (ラジウムラドン(ネ 料及び水は自由摂取とし1週 間の予備飼育後、1群 (oontro:)、 lgG、 IgM、TNF―α、lL-4の 測定を行 ルケア))を毎 日暴露 した。経過時間的に総 IgE、 KaJ‖aren 75mm/75μ :を用いて う。BALB/Cマ ウスの眼底採血は 100 Haematokrit― 行う。採集 した。血 液 は遠心分離(Kubota 10min,1000rpm)にか け血清分離後、測定 に用いた。∞ntrO:群に対 して 5%以下の危険率で有意 になつた場合を有効とした。 2.2.2.TNF― α測定法 PIERCE ENDOGEN l吐 O Mouse TNF… α EuSA Kit EMTENFA(code RPN2718)を α microtitre phteに 用いて測定を行う。キットを室温 に平衡し(m)TNF― 、希釈 した。 (m)TNF― α standardお よび Samdeを 定めた wd!に 50μ:加え、その後 BiotinJated AnJbody Reagentを 50μ:加える。Cover phteにてカバーし、室温 にて 2時 間インキ バイオテック株 式会社)を用いて5回 洗浄した。洗浄後 、 ュベート後、Auto mi面 washeく dn― HRP Sdutionを てカ 作成した。Strepta宙 各 wd!に 100μ!づつ加え、Oover Jateに バーし、室温 にて 30分 インキュベー ト後、5回 洗浄した。TMB Substrate Sduぜ o nを 100μ:加え室温暗所にて30分 インキュベートし、発色確認後 Stop Sdutionを 100μ! 加え MICRO PLATE READER MPR‥ A4(TOYOSODA)を 用い ■にer450nmにて測定し た。 2 . 2 . 3 . I L - 4定 測法 Amersham Biosciences tL0 1L-4,Mouse,Biotrak EttSA System(00do RPN2712) を用いて測定を行う。キットを室温 に平衡し(m):L-4 mbrotitre Jaれ に Phte regentを 50μ:加 え、希釈した。(m):L-4 standard、 Standard dhentお よび SamJeを 定めた wdlに 50μ:づつ加える。その後 Cover dateにてカバーし、37℃±2℃で 2時 間イン キュベート後、Washe burerにて 5回 洗浄 し、Cottugateを100μl加え Oover date lこ てカバーし、37℃±2℃で 1時 間インキュベーとした。Washe buttrに て 5回 洗浄し、 Pre― m:xed TMB substrate sdutionを 100μl加え室温暗所にて30分インキュベーシ ョンし Stop so:utionを 100μ !加 え MICRO PLATE READERを 用 い 偶Ler450nmに て 測 定 した 。 2.2。 4.総 ば 測定法 BЮ TRAK社 の IgE,Mouse.Assay(code RPN2704)を 用 い て測定を行う。キットを 室温 に平衡 し(m)IgE mbrotitre Jateに、希釈 した 。(m)lgE standardおよび SamJeを 100μ :加 え、Cover dateに てカバ ーし、室 温 (20… 25℃ )にて 30分 インキ ュベ ー ト後 Wash bu■brに て3回 洗 浄 した。。その 後 、作成 した 。antibody― HRP cottugateを 各 we‖ に 100μlづつ 加 え、Oover p:ateにてカバ ー し、室温 にて 30分 インキ ュベ ー ト後 、3回 100μ !加 え室温 にて 15分 インキ ュベ ー トし、 洗浄 した 。.TMB Substrate SduJonを 発色確認後 Stop Sdutionを 100μ :加 え MICRO PLATE READERを 用 い 偶ter450nm にて測定 した。 2.2.5.Ir,IgM測 定法 ベ ッチル 社 の Mouse lgG EttSA Quanltation Kた(cataiog No.E90-131)、 Mouse lgM EttSA Quandta■ on Kた (cata!og No.E90-101)な らび に EttSA Starter Accessory g No.E101)を Package(cata:。 用いて測定を行う。96wd:plateに ng So!utionを 、Ooaぜ 100μ:加え、室温(20-25℃ 】こて60分インキュベート後、Wash buttrに て2回洗浄し、 Postcoat Sduぜ onを 200μ:加え 30分 インキュベートし、2回 洗浄した.希釈した。 (m)lgE standardお よび Sam口oを 100μ!加え、室温にて 60分インキュベート後、4回 Mouse lgG agM)―Fc―HRP So:uL:onを100μ:加 え 60 洗 浄 した 。希 釈 した 。Goat anti― 分 インキ ュベ ー ト後 、4回 洗 浄 した 。作 成 した 。TMB Sdutionを 1∞ μ:加 え室 温 にて 10分 インキ ュベ ー トし、発 色 確 認 後 Stop Sdttonを READERを 用 い 1:ter450nmにて測 定 した 。 100μl加 え MICRO PLATE 2.3.ル ミノールおよび SODに よる抗酸化測定試験 2.3.1.実験動物および投与法 胎 た″系ラット雄 4週 齢 1群 10匹 を用い、22±3℃ 、湿度 60… 70%の 状況下で、飼 料及び水は自由摂取とし1週 間の予備飼育後、1群 (oontroD、 2 群 (ラジウムラドン(ネ ルケア))を毎 日暴露した。30日 後 に、ネンブタールにより麻酔した。ラットを心臓採血 し、採血した。血液 は FUJI HEPARIN TUBEに 入れ、遠心分離(10000rpm 10mh】 こか け血清を分離 した。 2.3.2.ルミノール測定法 こて 100倍 に希釈 し、AAPH試 薬を加えたものをサンプルと 血清を 0.lM PBS(pH7】 した。ルミネッセンスリーダー(BLR-201,ALOKA】 こサンプルを挿入 し 37℃に十分加 温された時点でルミノール試薬を注入し、発光量を測定した。contrd群 に対して 5%以 下の危険率で有意になつた場合を有効とした。 2.3.3.SOD測 定法 Wako SODテ ストキット(Code No.435-70601)を 用い測定した。血清 10μ!を 96wdl プレート:こ 入れ Bhnkに は蒸留水を用い、発光試薬 100μ!を入れプレートミキサーに て 1分 攪拌 した。後、酵素液ならびにブランク液 100μlを加え、プレー トミキサーにて 1分 授拌後、37℃で 28分 間加温した。加温後、反応停止液 20μlを加えプレー トミキ サーにて 5分 攪拌 した。後、MICRO PLATE READER(MPR― A4,TOYOSODA)、 Fiher 560nmに て吸光度を測定し、吸光度よりSOD活 性値を求める。∞ntro!群に対して 5% 以下の危険率で有意 になつた場合を有効とした。 3.研 究結果 3.1.Camr翻 ″ 足浮腫試験 1.足 容積(mD 3.1。 各群とも、carage翻″ 接種 1時 間後に第 1の ビークがみられ 12時 間後に第 2の ピークが認められた。 ′群″ ジウム ラル r7sルァァ、群メま、1群 (oontrd群】こ対し接種 24、36時 間に有 0.05)、 6 0、72時 間後 にも有意な低下が 認 められた 意な足体積低下 が 認められ (p〈 (p<0.01、 pく 0.05)。 また、12、48時 間後 には統計学的優位差は認められなかったもの 5 の、contrd群に対し低値を示した。 (Hgure.1参 照)。 3.1.2.浮 腫率α) 2群 (ラジウス ラドン 存 ルタ刀 群メま、1群 (contrd群】こ対し接種 24、36、60お よび pく 72時 間後 に有意な低下が認められた(p<0.05、 0,01)。 また、48時 間後 には統計学 gure.2 的優位差は認められなかつたものの、1群 (control群 】こ対し低値を示した。 (日 参 照 ) 。 ‐‐ ‐1(oontr口 l〕 ネルケア 一 ● pく0■5‐ c『oup iCcontrO口〕 ●●pく0■ 1‐ =『 oup lCoontrol〕 1 ■ ↑ 口 ●■『 r●暮cenan inittctョ On 3 4 ■4 1■ 86 4■ 50 7■ ctOn 6r〕 Tttme■ ■er in]● Fig.1丁 his is the image of rat foodpat volum(ml).Signi・ ncant difFerences were detected between group l(contrOl)and the three treatrnent groups on 24 and 72 hours(**pく 0.01,*pく0.05). 6 7 。 ‐十 日1〔 mntro:} m ■キルケア ― 5 。 ●ntr●│〕 4 。 3 。 ” 一 R ︶ ﹁●﹄一● O L 卜● ● 一 中暉 ﹄ ” 崎 曇 ● 上﹁ ‖●●■■SE n=5 ● pく 0』疇 "BrOup lC● ●● pく0■ 11膚 G『●up 1 。 。 0 1 ■ 3 4 t Tine ane■ ●●rr●じ●enan lh卜 ●t10m ■4 1■ hhdb● 30 40 ●0 7■ o● Fig.2 Thb is the image ofrat dropsy raぜ o offood pat(%).Sign面 cant dittrences were detected between group l(oontrOI)and the three treatment groups on 24 hours (**p<0。01,*p<0。05). 3 . 2 . 働 牲 J / C マ ウ ス の 血 液 に よる T o L : 1 「 , l g G . I E M , T N F …α, I L - 4 の測 定 3.2.1. TNF― α l群 (oontrol群 】こ対し、′群(ラジ %ラ ル ″ ル マ )臓 は 統計学的優位差は見 gure.3参 られなかつたものの、低値を示した。 (日 照)。 3.2.2. lL-4 1群 (contro:群 】こ対 し、′ 瀞 ジ ウス ラル 体 ル タZ澪 期 こは 、統 計 学 的優位 差 は 見 られなか つた もの の 、高値を示 した(日gure.4参照)。 3.2.3. IEE l群 (oontro:群 】こ対 し、′瀞 ジウム ラドン ″ ル ケア)群λこは統計 学 的優位 差 は 見 られないものの 低値を示 した(日gure.5参照)。 3.2.4. IgM l群 (oontro:群】こ対 し ′J議ケ ジ ウス ラル 存 ル メリま、統 計学 的優位 差 は 見 "ゝ られなか つたものの 、低値を示 した (日gure.6参照)。 3.2.5. IgG l群 (oontrd群 】こ対 し、′瀞 ジウス ラル r/sルタzノ群)=ミま統計学 的優位 差 は 見 られなかつたものの 、高値を示 した(日gure.7参照)。 ■1〔 contrOリ ■2ネルケア 40m 38側 雪Eゝ腎J ●■L〓ト 86m 3410 32m 30m 2030 16Ⅲ 24即 22m 2●m G roups Fig.3.Blood:evels of TNF―α in ma!e mice.(pg/mD.丁here was signttcant di■ brence in b!ood!eve:s of TNF― cv between group l(oontrOl)and group 2(nerucare). 8 ■ 1〔contrOl〕 ■ 2〔ネ Jレケ フリ 40_000 35_000 り 〓 ヽ J 守 ︲ ︻ 島 曇 一 30_000 25_000 201000 15_000 10_000 5_Om O_4000 O mups Fig.4.B:ood!eve:s ofIL-4in ma:e mice.(pg/mD.There was no difFerence sign:何 cant in blood leveis of Tota:IgE between group l(contrOI)and the three treatment groups. ■1〔 ∞ntml ■2(ネルケ71 ■oト 曇Eヽビ︺Ш劇 一 2 Gmu陣 Fig. 5 Blood leve:s of Total lgE in maie micen(ng/mD. 丁here was no signttcant difFerence in blood levels of ttotallgE between group l(contrO:)and the three treatment groups. 目1〔 contrO申 ■2〔 ネルケ7D 曇Eヽ こ 〓J GmupG 降rence:n Fig.6 Blood!eve:s ofigM in ma!e mice.(ng/m!).There was no sign:ncant di憫 blood levels of TotallgE between group l(contrOI)and the three treatment groups. 10 ■1〔 cOntrtol〕 ■2〔 ネルケ71 雪 E ヽmE︺ 咀響 150■ lm■ G roups Fig.7 BloOd levels of lgG in ma!e mice.(ng/ml)。 丁here was signiflcant difFerence in blood levels of lgCi between group l(control)and grOup 2(nerucare). 3.3.ル ミノールおよび SODに よる抗酸化測定試験 (%) 3.3.1.SOD Activitソ 1群 (contrd群)に対して ′わ ジウス ラル 存 ル フアゝメリ こ有意な増加が認めら (日gure.8参照)。 れた(p<0.05)。 3.3.2.ルミネッセンスリーダー ルミノール試薬による測定において、1群 (contrd群)に対して ′わ ジウス ラル 存 ル ケzノメリ こ有意な発光抑制が認められた(p<0.ol)。 (日gure.9参照)。 ■1〔 CIDntrOI ■2〔 ネルケ71 45』 40■ ︹撃︺ゝ〓・事 りく ● 0帥 35』 30■ ■5■ ■0』 15■ 10■ 5■ 0■ Gmups ant difFerences were F i g . 8 . B : o o d l e v e l s o f S O D a c t i v i t y i n m a l.eS irgantisf,l(cり erycareJ(*p〈 0 .05). detected between group l(contrOI)and group 2(″ 12 0500 口E”一 口E●ギE日 一 ︹ ギEコ●U〓 ︺ ゝギ︼ ∽ ■ 1(contrtoll 0450 ネルケ71 ■2〔 0400 035● 8300 0■50 02● 0 0■5ロ 0■00 口■50 0■00 Groups Fig.9.B:ood leve!6 of Lurninescence count in ma!e rats.Signittcant difFerences were detected between group l(oontrO:)and the three treatment groups(**p<0.01). 13 第 4章 考察 4.1.3薇 鰺 開η 足浮腫試験 環境 の 変化や食生活の変化からアレルギー に関 した関心 が 高まっている。アレル ギー には様 々なタイプが存在 したが、その根本 は免疫異常 による炎症 によるものが 多い。また、慢性関節リュウマチは慢性 の 多関節炎であり、進行性 に関節破壊 が進 展し関節変形をきたす自己免疫疾患であるが 、原因ならびにその根本的治療 に関 し てはさまざまなアプローチにもかかわらず現在まで原因不明である。慢性関節リュウ マチの治療 には狭 い意味での抗リュウマチ薬、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ス テロイド剤、免疫調整剤などが用いられ ているが 、それらの薬剤 はさまざまな副作用 を伴 い、難治性 の患者 が少なくない。したがって、有効性 が高く副作用 の少ない抗リ ュウマチ薬、抗炎症薬 の登場が期待されている。本研究 では、消炎効果の検討 によく 用いられる aarageer7ar7足 浮腫試験 において ラジウス ラドン ″ ルケ刀 の消炎効果 の検討を行つた。 ラジウス ラル 存 ル タ刀 は、hormeds効 果 があり、次 のような消炎効果も考えられ るつ 。 本研究 の Carraga翻″ 足浮腫試験 において、1群 (oontrd群】こ対 し′〃″ ジ ウス ラだン存 ル ケZ屠 期 こ有意な足体積低 下が認められた。これは、先 ほど紹介 し た ラジウス ラだン″ ルタ刀 に温熱効果と免疫を介した抗炎症作用 によるものである と考えられる。 4.2.働 弘ルCマ ウスの血液 による Totai lgE PIgG,lgM,TNF― α ,IL-4の測定 種 々の免疫、アレルギー反応 は、アレルギー性炎症反応が主座として捉えられて '° いる の 。これに関与 した炎症性細胞 には好酸球、好中球、肥満細胞 、リンパ球、マク ロファージさらに血小板など種 々の細胞 がある。これら炎症性細胞の働きには様 々な サイトカインが関係 している。 Mosmannと の 伽 anらのグループは産生したサイトカインの分泌パターンによって 下ヘルバー細胞を 丁hl型 と丁h2型 の 2つ に分類した。マウスの CD4+T細 胞クローン を樹立し検索した結果、Thl細 胞では lFN―γ と IL-2を産生分泌し、Th2細 胞では これらの Th細 胞から産生さ lL-4,IL-5,IL… 6,IL-10を 産生分泌したことが示された 0'0。 れるサイトカインのプロファイルからThl型 細胞 は細胞性免疫 に、丁h2型 細胞 は B細 胞を中心とした液性免疫 に関与 している。近年この免疫現象を Thlと Th2の パランス 変化で理解 しようとした流れがある°。また、これらThlと Th2の バランス、およびサイ トカインに着 日した抗 サイトカイン療法 が考 えられている。RAで は、すでに lL-1、 TNF…α、lL-6を標的とした抗サイトカイン療法 が臨床に導入され、その理論が実証さ lL-1濃度および可溶性 E―セレクチン、 れているつ。抗 TNF―α 抗体治療 は、血 中 IL-6、 1)。 また、治療中には滑膜病変部 の血管の 可溶性 ICAM-1レ ベルの低下をもたらす E―セレクチン、VCAM… 1、ICAM-1の 発現低下も観察される 1ヽすなわち抗 TNF―α 抗 14 体療法は局所での炎症性サイトカインカスケー ドを制御し、さらに血 管新 生や血 管内 皮細胞に対した自血球 の接着も制御 して、病変局所へ の浸潤細胞を減少させる。さ らに、cA2は 細胞が分泌した TNF―α を中和 しただけでなく、膜型 TNF―α 発現細胞 これらの作用が相いまっ に対しても細胞障害性 に作用 し、炎症細胞を減少させる 1)。 て治療効果 が増幅され ていると考えられる。また、Sarめに=… chacar7″ らは、cat's dawが 酸化ストレスに対して細胞を守り、そして NFカ ーパ B(NF― kappaB)の起動を 否定したと報告 している の。 本研究 においてTNF―α は、1群 (∞ntrd群 )に比較し,′J敏管ジウス ラル 存 ルタ 刀 ″ ガこは統計学的優位差 は見 られなかつたものの 、低下 が認 められた。ネルタア α 生成を抑制 し、RAや 自己免疫疾患 による炎症を抑制 できると考 えられ ″s TNF― る。 IgE生産量は Th細 胞(Thl、 Th2)からの IL-4や、IFN…γを中心としたサイトカインな どによりB細 胞外部 からの調節を受けると同時に、B細 胞内部での機構 によっても調 節されている 。。lL-4によるヒトの IgE生産誘導には、抗原および IL-4に加えて何 ら かのシグナルが必要である。T細 胞とB細 胞との接触、CD40リガンド、抗 CD40抗 体 (CD40の 架橋)、 Epstdn― Barrウイルスの感染、グルココルチコイドなどである。これら のシグナルが IL-4と協同して B細 胞 に IgEクラススイッチを誘導 した。 Settbaβらは、胸腺内の CD4+CD8…細胞や抹消の CD4+CD45RC―細胞が調節性 T 細胞として働き、lL-4やTGF―βを分泌したことにより自己免疫性糖尿病を抑えること 30。 このことから、lL-4や丁GF―β などの免疫抑制性サイトカインは 自 を報告 している 己反応性 T細 胞の活性化を直接抑えることで 自己免疫抑制作用を発揮 している可能 性 がある。 マウスにおいては IgE抗体生産能が IL-4遺伝子発現能により規定されている可能 11)。 また、DAB/2マ ウスおよび SJLマ ウスに 150Rの X線 照射を 性が強いと結論 した 行い、その sdeen Cd!をOon Aで刺激 して :L-4の遺伝子発現を検討した結果、150R の X線 照射 によりIL-4の遺伝子発現 は増加し、lgE抗体生産能と IL-4遺伝子の発 lD。 現能 の相関を確認 している 本研究 において lL-4は 、1群 (∞ntrd群 】こ比較し ′わ ジウス ラル 存 ルケ刀 励 こは統計学的優位差 は見 られなかつたものの、増加傾向が認められた。IL-4を増 加させ T細 胞の活性化を直接抑え、自己免疫を抑制 したと考えられ、RAに おいての 消炎効果が期待できるものと思われる。しかし、′ わ ジウス ラル 存 ルアアヽメリま IL-4の増加傾向が示されたが、lgE生産 は逆に低下傾向を示している。この結果は、 lgE抗体生産能と IL-4遺伝子の発現能 の相関に反した.しかし、lgE生産誘導には、 抗原および IL-4に加えて何らかのシグナルが必要であることから、ラジウス ラル (学 ルア7)に はこのシグナルを抑制 した働きがあるものと考えられる。 lgM、 IgG生産は B細 胞が関与 している。免疫の流れは以下のようになつている。好 15 中球、Mφ による非特異的な一次 防御 が行われ、B細 胞 が抗原を取り込み、dassII MHCを 介 して丁h2に抗原提 示した。丁h2細 胞 が抗原提示を受け、IL-4、 13等 のサイト カインを放出、とくに IL-4は未分化の 丁hOを 丁h2へ 分化 ・ 増殖した。それ によりB細 胞がさらに増殖 ・ 分化し、形質細胞がその抗原 に特異的な IgGを産生し、lgGがオプソ ニン化した。したと、好中球貪食能 の飛躍的な増強 が起 こり、好中球やその死骸、殺 菌物質 による菌や組織 の残骸 が膿となる。lgMからIgGへのサブクラススイッチに関し 4が ク て IL-4ノックアウトマウスでは血 中の IgGl,IgE濃 度 が減少されることを示しIL… ラススイッチに重要なサイトカインであることを示している。また IFN― γは IgG2aアイソ lgGl、 lgG2bおよび IgE生 産を抑制したこと、逆 に IL-4 タイプの生産を誘導 し、lgG3、 lgG2a、 lgG2b生産を抑制したことが知られている。 は lgGlとIgE生産を誘導 し、lgG3、 これらの点から、Thl細 胞の活性化は IFN― γを介した IgG2a生産を、丁h2細 胞の活 性化は IL-4を介 した IgE産生を誘導 したことになり、即時型アレルギー誘導 には Th2 細胞の活性 が、その抑制 には 丁hl細 胞の活性化によって起 こると考えられている。 本研究 において lgMは 、1群 (∞ntrd群 )に比較し ′茄σ ジウス ラル 存 ルタ刀 ″ ガこは統計学的優位差 は見 られなかつたものの、低下傾向が見られた。この結果 は IL-4測定の結果より考えることができる。IL-4は、1群 (∞ntrd群 】こ比較 し′わ ジ ウス ラ峰ィ学ルタZノメリ こは統計学的優位差は見られなかつたものの 、増加傾向が 認められた。先ほど述べたように IL-4はlgGlとIgE生産を誘導し、lgMか らIgGへの サブクラススイッチに関与 した。このことから、4群 (OomЫnaJOn群)はIL-4産生により IgMか ら IgGに移行させ IgMの 減少とIgGの優位な増加を示したと考えられる。以上 の結果からラジウス ラだン存 ルケ刀 は 丁細胞を 丁hl型 に傾け細胞性免疫 に対し効 果を発揮し、丁 細胞を Th2型 に傾け液性免疫 に対し効果を発揮したものと考 えられ る。 4.3.ル ミノールおよび SODに よる抗酸化測定試験 の抗酸化測定をルミノール法および NttB還元法による SOD 本研究では Iv Vivoで 活性度測定 に行つた。抗酸化効果 は生体内でのフリーラジカルの発生を抑えること、 つまリラジカルスカベンジャー効果で確認できる。今回用いたルミノール法 は血清中 のラジカルスカベンジヤー能力が大きいほどその発光量が抑えられる。また NttB還 B(ニトロブルーテトラブリウム)を用い、02 発生反応 の検出剤 として N02 丁 元法は、02… とSODに よる不均化反応とを共役させ、02 による還元低下の程度を阻害率(SOD AcJ宙ty)と して求めた。 )に対 して ′わ ジウス ラだン(学 、1群 (control群 本研究の結果、SOD AcJvity(%)は ルケZ帰 り こ有意な増加が認められた。 5.参 考文献 16 1。 FelttmmLM.et al.:Rolo of cytokines in rhematoid mhritis.Amu Rev lmmШ Юl。 1996;14:397‐ 440。 2.FeldnIIⅡ L M . e t a l . : R h e l m a t o i d d h r i t i s . 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