エタネルセプトによる関節リウマチ治療中に増悪をきた - 日本呼吸器学会

312
日呼吸会誌
48(4)
,2010.
●症 例
エタネルセプトによる関節リウマチ治療中に増悪をきたした
肺非結核性抗酸菌症の 1 例
紀浩1)
杉本 峯晴1)
森
山下 明寿1)
松本 充博1)
興梠 博次4)
江
俊輔2)3)
要旨:症例は 81 歳の女性.腫瘍壊死因子阻害薬であるエタネルセプトによる関節リウマチの治療中に湿性
咳嗽と血痰が出現し,胸部 CT で両肺野に小結節陰影,気管支拡張およびその周囲の浸潤影が認められた.
喀痰および気管支鏡で採取された痰から Mycobacterium
intracellulare が検出され,非結核性抗酸菌症と
診断された.エタネルセプトやインフリキシマブの副作用として,肺炎,結核,ニューモシスチス肺炎など
の合併が知られている.しかし,非結核性抗酸菌症の合併については,これまであまり注目されなかった.
エタネルセプトやインフリキシマブ投与に合併した非結核性抗酸菌症では,比較的急速に悪化することと有
効な治療薬が少ないことから,エタネルセプトやインフリキシマブを使用する際には,結核や真菌感染症は
もちろんのこと,非結核性抗酸菌症の合併にも注意する必要がある.
キーワード:関節リウマチ,エタネルセプト,肺非結核性抗酸菌症
Rheumatoid arthritis,Etanercept,Nontuberculous mycobacteriosis
緒
言
急速に肺病変の増悪をきたした RA 症例を経験した.
NTM 症に対しては有効な治療薬が少ないことから,治
関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)の薬物療
療に苦労することも多い.RA の治療において TNF 阻
法は,疾患活動性と関節破壊の抑制効果を持つメトトレ
害薬あるいは抗 TNF 抗体などの製剤を使用する際に
キサート(methotrexate;MTX)と腫瘍壊死因子(tumor
は,NTM 症の発症や増悪にも注意を払う必要があると
necrosis factor;TNF)阻害薬あるいは抗 TNF 抗体な
考え報告する.
どの導入により大きく変化した.これらの薬剤を,最も
症
高い治療効果が期待される時期(window of opportunity)に集中的に使用すれば寛解導入も夢ではないと言
1)
例
81 歳,女性.
われている .しかし,これらの薬剤の投与は患者の感
主訴:湿性咳嗽,血痰.
染防御能を低下させることにもなるため,日和見感染症
既往歴:肺炎,慢性 C 型肝炎,甲状腺機能低下症.
2)
∼8)
の合併に注意する必要がある
.
家族歴:特記すべき事項はない.
TNF 阻害薬あるいは抗 TNF 抗体などに合併する呼
現病歴:約 8 年前の 2001 年 2 月に RA を発症し(RF
吸器感染症として,細菌性肺炎,結核,ニューモシスチ
陽性,stage 4,class 2),サラゾスルファピリジンと非
ス肺炎はよく知られているが,非結核性抗酸菌(Nontu-
ステロイド性抗炎症薬で治療を続けていた.しかし,こ
berculous
れらの抗リウマチ薬では充分な治療効果が得られず,
mycobacteria;NTM)による肺感染症の合
併に関しては報告例も少なく,あまり注目されていない.
2008 年 6 月から TNF 阻害薬であるエタネルセプトによ
今回,我々は TNF 阻害薬の一つであるエタネルセプト
る治療が開始された.同時に,結核発症を予防するため
の投与中に M. intracellulare 肺感染症を合併し,比較的
イソニアジド(INH)を内服していたが,治療開始 2 カ
月後に肝機能異常が認められため INH の内服を中止し
〒861―1102 熊本県合志市須屋 2659
1)
国立病院機構熊本再春荘病院呼吸器科
2)
同 リウマチ科
3)
同 臨床研究部免疫アレルギー研究室
4)
熊本大学大学院医学薬学研究部呼吸器病態学分野
(受付日平成 21 年 9 月 11 日)
た.肝庇護療法により肝機能は改善されたためエタネル
セプト治療を継続した. 2009 年 3 月下旬から湿性咳嗽,
さらに同年 4 月下旬からは血痰を認めるようになり,精
査加療の目的で当科に紹介入院となった.
入 院 時 身 体 所 見:身 長 148cm,体 重 33.3kg,体 温
エタネルセプト治療に合併した肺非結核性抗酸菌症
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36.5℃,SpO2 96%,血 圧 126!
56mmHg,脈 拍 78!
分で
750mg,クラリスロマイシン 800mg の 3 剤による多剤
整,眼結膜に貧血および黄疸なく,頸部,胸部および腹
併用療法を開始した.治療 2 カ月後には咳と痰は減少し
部に異常を認めなかった.四肢には関節リウマチによる
たが,胸部陰影の改善はわずかであった.喀痰の検査で
両手指関節および両趾の著明な変形が認められた.
は,まだ排菌は続いていたが,外来治療を継続すること
入院時検査所見:血液一般検査では,白血球数 4,930!
で退院となった.
µl,CRP 0.07mg!
dl,RF 陽性であったが,その他に異
考
常は認められなかった.クオンテイフェロン(QFT-TB2G)
は陰性であった.呼吸機能検査では%肺活量 87.1%,
察
近年,肺 NTM 症の増加が報告されているが,その要
一秒率 84.6% で異常は認められなかった.早朝喀痰の
因として,診断基準の改定9)10),画像技術の進歩,発症
検査で抗酸菌塗抹は陰性であったが,PCR 検査で M. in-
危険因子をもつ対象の増加などが考えられている11)∼14).
tracellulare が陽性であった.喀痰培養では 5 週目で M.
水や土壌中など自然環境に広く生息している NTM
intracellulare が培養同定された.
胸部 X 線写真では,エタネルセプト導入前(Fig. 1)
は,人から人への飛沫感染の報告はなく,菌を含んだ水
滴や塵埃の吸入によって感染すると考えられている.喀
において,右中下肺野外側に浸潤陰影と索状陰影,左下
痰から NTM が検出されても,気道への混入や検体汚染
肺野外側に浸潤陰影が認められ,今回の入院時において,
の可能性があるので,肺 NTM 症と診断することには慎
これらの陰影は増加していた(Fig. 2)
.
重でなければならない.我々の症例は,臨床所見と細菌
エタネルセプト投与前の胸部 CT
(Fig. 3)
で,右 Seg.
学的所見から,日本結核病学会非結核性抗酸菌症対策委
2,4,5,8,10,左 Seg.1+2,5,8,9 の胸膜下に小
員会と日本呼吸器学会感染症・結核学術部会の報告10)に
結節影が存在し,一部に気管支拡張像が認められており,
示されている診断基準を満たす肺 NTM 症である.
今回入院時の胸部 CT(Fig. 4)では,同部位の小結節
本症例は,肺病変増悪の危険因子に関して,二つの問
影,気管支および細気管支の拡張とその周囲の浸潤影が
題がある.第一は,TNF 阻害薬であるエタネルセプト
拡大し,一部に胸膜の肥厚も伴って増悪していた.小結
の感染防御機構に対する影響であり,第二にエタネルセ
節・気管支拡張型(nodular bronchiectatic type)の肺
プト投与前にすでに細気管支炎や気管支拡張症が存在し
NTM 症に矛盾しない画像であった.
ていた点である.
気管支鏡検査では,気道分泌物が多く,その塗抹標本
まず,第一にエタネルセプトの感染防御機構の影響に
で抗酸菌陽性,PCR では M. intracellulare と確認され.
ついて考察する.TNF はリンパ球やマクロファージに
培養でも同定された.
よって産生される Th1 タイプのサイトカインであり,
以上の結果からエタネルセプト治療により増悪した肺
インターロイキン 12 やインターフェロン γ との相乗作
NTM 症と診断した.そこでエタネルセプトを中止し,
用によって,細胞内寄生菌に対する感染防御能を効率的
NTM に対してリファンピシン 450mg,エタンブトール
に発揮している4).したがって,TNF 阻害薬の投与によっ
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エタネルセプト治療に合併した肺非結核性抗酸菌症
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てこの感染防御機構は障害され,結核菌,真菌あるいは
薬の投与で潜在性結核の活性化がおこり発病すると考え
NTM に対する感染防御能の低下をきたすことになる.
られているが,NTM 症ではそのようなエビデンスが得
Wallis らの報告では,TNF 阻害薬投与に合併する感染
られていない.現状では,TNF 阻害薬治療を開始する
症の中では結核の頻度が最も高く,TNF-α モノクロー
前に NTM 感染の有無を知ることは難しい.しかし,本
ナル抗体であるインフリキシマブが投与された 233,000
症例のように,TNF 阻害薬治療前の胸部画像で細気管
症例中 335 例(0.14%)
,エタネルセプト投与 113,000 例
支炎や気管支拡張所見が認められた場合には,喀痰検査
中 39 例(0.03%)が結核を合併しているが,NTM 症に
等を行って可能な限り肺 NTM 症の存在を否定しておく
ついてはそれぞれ 30 例(0.01%)と 7 例(0.006%)で
こと,否定できた場合でも生物学的製剤(TNF 阻害薬)
ある15).結核合併に比べれば NTM 症合併の頻度はかな
治療中は,肺 NTM 症の合併も念頭において注意深く経
15)
16)
り低い
.日本における市販後調査では,インフリキ
過を観察する必要がある.本症例は,TNF 阻害薬治療
シマブ投与 5,000 例中,肺炎 2.2%,ニューモ―シスチ
前に,既に肺 NTM 症が存在していたことが疑われるが,
ス肺炎 0.4%,結核 0.3%,エタネルセプト投与 7,091 例
喀痰検査等の検査は十分には行われていないと思われ
ではそれぞれ 1.4%, 0.2%, 0.1% が主な感染症であり,
る.TNF 阻害薬使用に際して,呼吸器内科医が果たす
NTM 症の合併については報告されていない5)6).米国の
役割は大きい.
新興感染症ネットワークを利用して行われた TNF 阻害
引用文献
薬 投 与 に よ る NTM 症 の 調 査 で は,逆 に 結 核 よ り も
NTM 症の合併頻度が高いという結果である7).報告に
よって,合併する疾患とその頻度に違いがあるが,その
理由は明らかではない.結核と異なり,NTM 症には報
告義務がなく,潜行性に発症し緩徐に進行する特徴をも
ち,診断が難しい等の理由から,実際には報告されてい
ない症例も多いのではないかと推測される.さらに,日
本での市販後調査は投与開始後 6 カ月までの調査であ
り,本症例のようにそれ以降に診断された場合には報告
されていない可能性がある.
1)森 俊輔.エビデンスに基づく最新リウマチ薬物療
法.金原出版,東京,2005.
2)Keane J, Gerson S, Weise RP, et al. Tuberculosis associated with infliximab ; A tumor necrosis factor α
neutralizing agents. N Engl J Med. 2001 ; 1098―
1104.
3)Gomez-Reino JJ, Carmona L, Valverde VR, et al.
Treatment of rheumatoid arthritis with tumor necrosis factor inhibitors may predispose to significant
increase in tuberculosis risk ; A multicenter active
本症例の第二の問題点として,投与前の胸部 CT で胸
膜下の小結節影や小葉中心性陰影など細気管支炎と思わ
surveillance report. Arthritis Rheum 2003 ; 48 :
2122―2127.
れる病変および気管支拡張像が認められていたことがあ
4)森 俊輔,今村文哉,清藤千景,他.関節リウマチ
る.このような CT 画像は進行した RA に多く認められ
に対する TNF 阻害療法に伴う副作用―感染症と間
るものである17).しかし,小結節・気管支拡張型(nodu-
質性肺炎―.呼吸 2006 ; 25 : 447―457.
lar bronchiectatic type)の NTM 症でも類似した画像を
5)Takeuchi T, Tatsuki Y, Nagomi Y, et al. Postmar-
示すことから,エタネルセプト治療導入前に す で に
keting surveillance of the safety profile of inflikimab
18)
NTM 症も存在していた可能性は否定できない .
一 般 に 検 出 さ れ る NTM の 中 で は,M. aviumintracellulare
complex(MAC)の頻度が最も高く 70∼
80% を占めている.我々の症例は M. intracellulare 感染
であるが,TNF 阻害薬治療に合併する NTM 症では必
in 5000 Japanese patients with rheumatoid arthritis.
Ann Rheum Dis 2008 ; 67 : 189―194.
6)Koike T, Harigai M, Inokuma S, et al. Postmarketing
surveillance of the safety and effectiveness of etanercept in Japan. J Rheumatol 2009 ; 36 : 898―906.
7)Winthrop KL, Yamashita S, Beekmann SE, et al. My-
ずしも MAC 症が多いわけではない.MAC 以外では,
cobacterial and other serious infections in patients
M. abscessus,M. chelonae,M. fortuitum,M. peregrinum,
receiving anti-tumor necrosis factor and other
M. marinum,M. szulgai を原因菌とした肺 NTM 症も報
newly approved biologic therapies : case finding
告されている7)16)19).
through the emerging infections network. Clin In-
通常,肺 NTM 症,特に MAC 症は永年にわたって緩
fect Dis 2008 ; 46 : 1738―1740.
徐に進行する疾患であるが,TNF 阻害薬あるいは抗
8)Mori S, Cho I, Sugimoto M. A follow-up study of as-
TNF 抗体などの製剤投与に合併する場合は急速に進行
ymptomatic carriers of Pneumocystis Jiroveci during
することがある .本症例では,エタネルセプト投与開
immunosuppressive therapy for rheumatoid arthri-
始 9 カ月後に湿性咳嗽と血痰が出現し,その時点で肺病
tis. J Rheumatol 2009 ; 36 : 1600―1605.
20)
変の増悪に気付かれている.結核の場合は,TNF 阻害
9)Griffith DE, Aksamit T, Brown-Elliott BA, et al. On
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日呼吸会誌
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,2010.
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other
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than
tuberculosis
(MOTT)
infection ; an
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2004 ; 38 : 1261―1265.
Abstract
A case of pulmonary nontuberculous mycobacteriosis aggravated during treatment with
etanercept for rheumatoid arthritis
Toshihiro Esaki1), Mineharu Sugimoto1), Shunsuke Mori2)3), Akihisa Yamashita1),
Mitsuhiro Matsumoto1)and Hirotsugu Kohrogi4)
1)
Department of Respiratory Medicine, Kumamoto Saishunso National Hospital, National Hospital Organization
2)
Department of Clinical Research Center of Rheumatic Diseases,
Kumamoto Saishunso National Hospital, National Hospital Organization
3)
Department of Rheumatology, Kumamoto Saishunso National Hospital, National Hospital Organization
4)
Department of Respiratory Medicine, Kumamoto University Hospital
A 81-year-old woman with rheumatoid arthritis (RA) was admitted to our hospital because of a productive
cough and bloody sputum. She had been treated with etanercept, a tumor necrosis factor (TNF) antagonist, for 9
months before admission. A chest CT scan on admission showed small nodules, bronchiectasis and consolidations
in bilateral lung fields. A diagnosis of pulmonary nontuberculous mycobacteriosis (NTM) was established by positive cultures for Micobacterium intracellulare both in her sputum and bronchial secretions obtained by bronchoscopy. It has been reported that bacterial pneumonia, tuberculosis (TB) and pneumocystis pneumonia (PCP) occur
during treatment with etanercept or infliximab. However, there were few reports of NTM in post-marketing surveys of etanercept or infliximab in Japan. As pulmonary is NTM related to treatment with etanercept or infliximab and may progress rapidly with few drugs effective against NTM, we should be aware of pulmonary NTM as
well as TB and PCP in the treatment of RA with etanercept or infliximab.