非溶血性輸血副作用 神戸大学輸血部 西郷勝康 非溶血性輸血副作用 症状と関連血液製剤(日本赤十字血液センター1996 年) 140 120 PC RCMAP FFP WB LPRC WRC combined 100 80 60 40 20 0 蕁麻疹 アナフィ アナフィ 血圧低下 呼吸困難 ラキシー ラキシー ショック 反応 発熱 【ケース】 ①抗白血球抗体 •患者血清中に同種白血球に対する抗体が存在し、血液製剤 に含まれる白血球に対し何らかの作用(直接反応、抗原抗体 反応、補体、等、詳細不明)で結果的に患者体内で発熱性サ イトカインが産生され発熱 ②血液製剤 •製剤中の発熱性サイトカインは製剤中の白血球数が多い程、 保存期間が長い程、高濃度。高濃度サイトカインが患者体内 に入る事で発熱 ③血液製剤の汚染 •製剤中のエンドトキシンにより患者体内で発熱性サイトカイン が産生され発熱 非溶血性発熱反応 Non Hemolytic Febrile Transfusion Reaction (NHFTR) 1)抗白血球抗体によるもの Pyrogen, cytokines放出 好中球 Cytokines産生 単球 C5a 2)輸血血液中のサイトカイン等によるもの 保存血液中の白血球、血小板による産生 IL-8 IL-6 IL-1 TNF 白血球 サイトカイン ケモカイン 血小板 RANTES TGFβ PF4 βTG 血小板由来成長因子 CD40L(CD154) アラキドン酸代謝産物 血管内皮細胞 LTB4 TNF, IL-1, IL-12 3)細菌汚染血液によるもの PGE2 MIP-1α 非溶血性発熱反応 【病因】:発熱性炎症性サイトカイン(IL-1,IL6,IL-12,TNF-α)が関与して起こる 【機序】:発熱性サイトカインが脳下垂体の発熱 中枢でアラキドン酸、プロスタグランディンカ スケードに働き、体温上昇 【予防】 ①抗白血球抗体 製剤中から白血球を取り除く(白血球除去フィルターの使 用、保存前白血球除去、等)、HLA適合血の準備は対費用 効果から? ②血液製剤 保存前白血球除去、製剤中から発熱性サイトカインを取り 除く(洗浄製剤) ③血液製剤の汚染 汚染血液を使用しないこと 保存前白血球除去 輸血時ベッドサイドでの使用 白血球除去フィルター 保存前に血液センターで除去 保存前白血球除去 保存前白血球除去の効用 ・白血球由来の副作用関連炎症性サイトカイン (IL-1,2,6,8, TNFα)の蓄積減少 ・細菌感染の減少
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