10-037

東久留米市授業改善研究会小学校音楽部科会
音楽科
第5学年
学習指導案
1.単元名 「心をこめて演奏しよう」
2.単元の目標
①歌詞の内容や曲想から感じ取ったことを生かして,表現を工夫する
②友達の歌い方を聴いていいところに気付き,歌い方を工夫しようとする。
3.児童の実態と題材設定の理由
全体的に明るい。歌うことは好きである。高い音を長く出すときは声をきれいに響かせられる。
しかし細かいリズムになったり低音域や中音域の音になったりすると声が弱くなったり話をす
るときと同じ声になったりしてしまうことがある。
そこで本題材では歌詞の内容から曲に込められた思いを感じ取り,また,リズム・フレ-ズ・
反復という音楽を形づくっている要素に気づいて歌い方の工夫をする楽しさを経験させたいと
考えた。それにより,自分の表現の仕方が広がったり友達とハーモニーをきれいに響かせたりす
る意欲や技術が高まっていくと考えられる。そして近くに行われる連合音楽会ではその成果が十
分に発揮できるようになってほしいと思う。
4.教材について
「心の中にきらめいて」 作詞 田崎はるか 作曲 橋本祥路
ニ長調 4分の4拍子
やや遅めの速さで前半はシンコペーションがたびたび使われ細かい音符が連続する。最初は低音域
の音が多くユニゾンであるため,リズムや発音を正確にそろえることが要求される。途中から二部に
分かれ音域もしだいに高音域へと移っていく。また,細かいリズムが尐なくなっていく。ここでは和
音をきれいに響かせることが大事である。中間部は特定の歌詞がなく「ラ」のみで歌われる。フレ-
ズの感じ方や強弱,和音の響きといった音楽を特徴付けている要素のみで音楽を表現することになる。
この部分の主旋律はべ-ト-ベン作曲のピアノソナタ「悲愴」の第2楽章の主題である。後半になる
と前半と同じメロディが現れることで特にその部分が印象づけられる。最後は長くて高い音が連続し
て終わるので,合唱をしたときの感動を得やすい曲である。また,歌詞は以前の経験を思い出すよう
な内容で貫かれていて,この曲に込められた作詞者の思いや意図がわかりやすいと思われる。尚,原
曲はハ長調だが低音域が連続するところがあること(特に下声部)ともっと明るい感じにしたいとい
う観点から今回はニ長調に移調した楽譜を使用する。
5.研究主題との関連
音楽を聴いて音の重なりや拍の流れなどから曲想を感じ取ったり,曲名や歌詞の内容から場面を想
像したりすることは,音楽を表現する上でとても大切なことである。そうすることによって,思いや
意図を持って音楽を表現させたいと考えた。そのためにリズム,速度,旋律というような音楽を特徴
付けている要素や反復,問いと答え,変化というような音楽の仕組みについて教師が指導し児童に気
付かせて曲想をとらえさせることが必要であると思う。
また,「聴く力」を育てることも大切なことである。その基本となるものは「聴こうとする意欲」
であろう。
「友達がどんな歌い方をするか聴く」とか「範唱のCDを聴いて曲想を感じる」というよ
うな活動をしていくうちに表現の仕方やその曲に込められた思いが尐しずつ分かっていく。そうする
と次は自分から聴こうとする意欲が起こってくる。「聴こうとする意欲」を高めることが「聴く力」
を育てることにつながり,そこから曲のイメ-ジが広がると思われる。本題材では友達どうしで聴き
合う場面も設定し,そこで意見を交換するようにした。
この題材では,音楽を形作っている要素のかかわり合いについて気付かせてそれを生かして表現を
工夫することと,友達のいいところを見つけ自分の表現に生かしていくことで,表現の幅を広げ技能
が上達することをねらった。この活動で「きれいに響いた」とか「思った通り歌えた」という成就感
を持てれば生き生きと表現することにつながっていくと思う。
ア 音楽への関心・
意欲・態度
イ
音楽的な感受や
表現の工夫
ウ
表現の技能
エ
鑑賞の能力
歌詞の表す気持ちや
曲想にふさわしい表
現を工夫し,どのよう
に歌うかについて自
分の考えを持ってい
る。
楽曲を構成している
様々な要素を感じ取り
ながら,声の出し方に気
を付けて歌っている。
① リズム,音の重な
り,旋律の流れを
聞き取り,歌詞の
具
表す情景を想像し
体
たり言葉の意味を
の
評
理解したりしなが
価
ら表現の仕方を工
規
夫している。
準
② 歌詞の内容や曲想
にふさわしい表現
を工夫し,どのよ
うに歌うかについ
て自分の考えを持
っている。
6.単元の評価規準及び具体の評価規準
① リズムや音の重な
り,旋律の流れなど
に気を付けて歌って
いる。
② 旋律の重なり合う響
きを生かして表情豊
かに歌うことができ
る。
題
材
の
評
価
規
準
友達と声を合わせた
り心を込めて歌った
りすることを楽しん
でいる。
①歌詞の内容や楽曲
の特徴に関心を持
って歌っている。
7.指導計画(7時間扱い)
時 ●主な学習活動 ・学習活動
●「心の中にきらめいて」の全体像をつかむ
・歌詞を読んだり朗読を聞いたりする。
1
・範唱のCDを鑑賞する。
・上声部と下声部を歌う。
2
3
●楽曲の特徴を理解して歌い方を工夫する。
・楽譜に出てくる記号・用語について確認
する。
・音程やリズムに注意して歌う。
・歌詞の内容にあった歌い方を工夫
する。
●前半の部分を練習し表現の工夫をする。
・友達と表現を工夫する。
・二人組になって歌を聴き合う。
・互いに評価し,認め合う。
○指導上の手だて ◆評価項目(方法)
○歌詞を提示してどんな内容を歌っているのか
意見を出させる。
○楽曲の特徴や注意して聴いてほしい観点を示
す。
○シンコペ-ションのリズムがあるところを丁
寧に歌わせる。必要があればフレ-ズに分け
て練習させる。
○中間部には#ラや#レなど臨時記号の出てく
るところがあるので音程に注意させる。
◆ア-①歌詞の内容や楽曲の特徴に関心を持っ
て歌っている。
(活動の様子の観察)
○特にmfやmp等の強弱記号,rit.や
a tempoなどの速度に関する表示につ
いてよく説明する。
○部分的に二部合唱をしながら進める。
◆イ-①リズム,音の重なり,旋律の流れを聞
き取り,歌詞の表す情景を想像したり言葉の
意味を理解したりしながら表現の仕方を工夫
している。
(発言の内容や活動の様子の観察)
○お互いの表情を見合える距離になるように隊
形を指示する。
○聴く(見る)ときのポイントを押さえる。
○全員で前半の部分を合唱する。
4
5
6
本
時
●中間の部分を練習する。
・パ-トごとに練習する。
・お互いのパ-トの強弱の変化をよく聴き
合う。
●ベ-ト-ベン作曲ピアノソナタ第8番「悲
愴」第2楽章を聴いて,その主旋律が「心
の中にきらめいて」の中間部に使われてい
ることに気付く。
●後半の部分を練習し表現の工夫をする。
・初めの方は前半と同じふしであることを
確認する。
・友達と表現を工夫する。
・二人組になって歌を聴き合う。
・互いに評価し,認め合う。
・始めから終わりまで通して歌う。
●「心の中にきらめいて」を曲想に気を付け
て歌う。
・歌詞の内容を確認する。
・1曲通して歌う。
●中間の部分を練習し表現の工夫をする。
・友達と表現を工夫する。
・二人組になって歌を聴き合う。
・互いに評価し,認め合う。
・歌い方を工夫して二部合唱する。
●「心の中にきらめいて」を声の重なりや曲
想に気を付けて歌う。
7
・自分たちの演奏を録音して聴く。
・録音を聴いて感想を持ち,自分たちの演奏
について意見を出し合う。
・出された意見から自分の課題を持つ。
・
「心の中にきらめいて」を二部合唱する。
・口径(口の開け方)
・言葉がはっきりしているか
・長い音符がのびているか
等
○長い音や臨時記号がある音の音程に注意して
練習させる。
・必要ならば1フレ-ズごとに取り出して練
習させる。
○前半の部分と同じメロディが出てくるが,後
の方は曲の山場になっているので強弱や速さ
の変化に気を付けて歌うように助言する。
◆ウ-①リズムや音の重なり,旋律の流れなど
に気を付けて歌っている。
(表情の観察や歌声
の聴取)
○今まで学習した曲の内容や歌い方について確
認(復習)する。
・この曲に込められた思い
・シンコペ-ション
・音程 特に中間部は臨時記号が多い
○歌詞が「ラ」のみなのでフレ-ズの感じ方や
強弱の変化が大切であることに注意させる。
◆イ-②歌詞の内容や曲想にふさわしい表現を
工夫し,どのように歌うかについて自分の考
えを持っている。
(表情の観察や歌声の聴取)
○この曲の曲想にあった歌い方を工夫するよう
に助言する。
・和音がきれいに響いているか
・強弱及び強弱の変化
・フレ-ズの歌い方
○聴くときの観点を確認する。
・声の響き
・リズム,特にシンコペ-ション
・上声部と下声部でフレ-ズの終わり方が揃
っているか
○これからの学習でさらによい表現を目指すよ
うにさせる。
◆ウ-②旋律の重なり合う響きを生かして表情
豊かに歌うことができる。
(歌声の聴取)
8.本時の展開(6/7 第3次 第1時)
①ねらい 曲想を生かした表現を工夫しよう。
②展開
●主な学習活動 ・学習活動
●既習曲「つばさをください」を歌う。
●「心の中にきらめいて」の歌詞の内容や歌い方
について復習する。
・どんなことを歌っているか確認する。
・音程やリズムで特に注意するところを確認す
る。
●中間の部分(25小節目)を練習し表現の工夫
をする。
・パ-トごとに歌う。
・どんな感じで歌ったらいいか考える。
・友達と表現を工夫する。
・二人組になって歌を聴き合い,いいところを
見つける。
・お互いに気付いたことを言う。
・友達に言われたことを意識して再度歌う。
・中間の部分を二部合唱する
●通して二部合唱する。
・半分ずつ歌って聴き合う。
・工夫していたところともっと工夫した方がい
いところを見つけるように聴く。
・何人か聴いた感想を発表する。
・全員で「心の中にきらめいて」を歌う。
○指導上の手だて ◆評価項目(方法)
○学習に対する意欲を持たせる。
・いいところを指摘する。
○前時までの学習内容を思い出させる。
○歌詞を大きく拡大したものを用意する。
○どんな感じで歌ったらいいかヒントになる
項目を提示する。
・なめらかな感じ(長い音符が続いている
ところから)
・静かな感じ(悲愴の鑑賞からのイメ-ジ)
・フレ-ズを意識した歌い方の工夫(ブレ
スの仕方に気をつけて)
・上行形,下行形の動きからクレシェンド,
ディミヌエンドを感じ取る。
○自分が工夫したところや友達の歌でよかっ
たところを発表させる。
○聴き役の友達の意見を大切にするように言
う。
◆イ-②歌詞の内容や曲想にふさわしい表現
を工夫し,どのように歌うかについて自分
の考えを持っている。
(表情の観察や歌声の
聴取)
○次時の学習の確認をする。