資料編(PDF形式 660.6KB)

資料編
61
資料編
1
施策の進捗状況(平成 13 年度から平成 22 年度末まで)
旧計画における5つの基本方針に基づく15施策のうち、主な施策の 10 年間
の実績と課題は次のとおりです。
基本方針1:拠点となる「みどりと広場」を増やす
旧計画では、都市公園法に規定する基準4ha/k ㎡とは別に、豊島区独自の
3ha/k ㎡を基に 390,600 ㎡を目標値としました。また、小規模な公園等は充足
していることから、拠点となる 5,000 ㎡以上の公園整備を進めることを目指しま
した。
実
績
1.拠点となる公園の計画的な配置
①
計画期間内の達成率は4%でした。
②
0.5ha 以上の拠点となる公園は 1 箇所も整備できませんでした。
③
公園等は 11 箇所約 1.3ha 増加しましたが、都市計画道路の拡幅や保
育施設等に 14 箇所 0.7ha 転用しました。全体では、163 箇所
(18.1ha)⇒160 箇所(18.7ha)となりました。
④
公園の再整備は 8 公園を改修しました。
(㎡)
190,000
188,000
186,000
184,000
182,000
180,000
178,000
176,000
174,000
172,000
H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
(年度)
図 16 公園整備面積の推移
62
表 5 公園等整備状況の推移
平成12年4月1日時点
公園区分
面積
(㎡)
箇所
平成22年4月1日時点
1人当たり
面積
箇所
(㎡/人)
1人当たり
面積
(㎡/人)
面積
(㎡)
5,000㎡未満
37
56,355.58
0.24
41
69,553.80
0.28
5,000㎡以上
7
44,911.85
0.19
7
45,033.68
0.18
44
101,267.43
0.43
48
114,587.48
住区基幹公園 計 (A)
0.47
総合公園
0.00
0.00
運動公園
0.00
0.00
都市基幹公園 計 (B)
0
0.00
0.00
0
0.00
0.00
44
101,267.43
0.43
48
114,587.48
0.47
0
0.00
0
0.00
広場公園
4
7,216.98
0.03
4
7,216.98
0.03
都市緑地
8
8,159.28
0.03
8
8,159.28
0.03
緑道
2
11,651.45
0.05
2
11,651.45
0.05
58
128,295.14
0.55
62
141,615.19
0.58
1
2,842.73
0.01
1
2,842.73
0.01
94
41,996.69
0.18
90
41,305.77
0.17
基幹公園 計 (C)=(A)+(B)
備考
風致公園
特殊公園
特殊公園 計
広域公園
都市公園 計 (D)
庭園
児童遊園
仮児童遊園
その他の公園 計 (E)
公園等合計 (F)
10
7,942.91
0.03
8
2,048.84
0.01
105
52,782.33
0.23
99
46,197.34
0.19
163
181,077.47
0.77
161
187,812.53
0.77
まちづくり広場
18
2,415.29
0.01
23
4,114.55
0.02
公園等総合計 (H)
181
183,492.76
0.78
184
191,927.08
0.78
※1 人当たり面積には外国人を含まない
2.学校統合跡地の公園化の検討
未来戦略プランでは公共施設再構築計画を定め、施設の再構築について
具体的な検討を行っています。
近年の厳しい財政状況により、まとまりのある用地の取得は、極めて困
難な状況にあります。0.5ha 以上の近隣公園の不足地域では、今ある限ら
れた財産を有効に活用した公園利用の検討を行います。
表 6 小中学校統合跡地(公園活用検討)一覧
名称
所在地
敷地面積(㎡)
1
長崎中学校跡地
南長崎 4-13
12,000
2
千川小学校跡地
要町 3-54-16
5,000
3
高田小学校跡地
雑司が谷 2-12-1
7,200
合計
※
備考
敷地の一部
24,200
他の学校跡地計画
「朝日中学校跡地」東部スポーツセンター予定地
「大明小学校跡地」生涯学習センター等整備予定地
「真和中学校跡地」近隣公園予定地 当分の間は学校改修代替用地とし
て活用
63
「平和小学校跡地」西部地域複合施設予定地
「第十中学校跡地」屋外スポーツ施設予定地
「雑司が谷小学校跡地」オリナスふくろうの杜
「日之出小学校跡地」新庁舎予定地
「時習小学校跡地」帝京平成大学
3.野外スポーツ施設の充実
野外スポーツ施設として第十中学校跡地が位置づけされました。第十中
学校跡地は大人が使用できるサッカー場の他、多目的なグラウンドとする
予定です。
4.民有緑地の保護・保全
保護樹木と保護生垣は、建築工事や土地売買などにより減少しています
(保護樹木 531 本⇒476 本、保護生垣 876m⇒853m ) 。保護樹林は複
数以上の保護樹木の指定を受けているもののうち、まとまりのある樹林とし
て指定変更を行いました(39,513 ㎡⇒46,662 ㎡)
。
5.緑化重点地区の設定
計画当初は区内全域を緑化重点地域、区内の 6 箇所を「緑化重点地区」
として指定しました。平成 15 年の旧計画の部分改定では区内全域を緑化重
点地区として指定しました。
64
課
題
1.旧計画では、まとまりのある公園整備のため学校跡地の公園化を想定して
いましたが、学校施設活用の計画の度重なる変更の結果、想定箇所が減少
しました。また、千川小学校跡地については施設需要により大幅に公園整
備面積が減少する見込みとなっています。地域防災の観点からも貴重なオ
ープンスペースを確保する必要があります。
2.都区財調制度の活用対象となる土地面積は 1ha(旧計画時は 2ha)以上が
対象となっています。豊島区内の 1ha 以上の規模の敷地は 30 箇所です
が、現状が共同住宅や大学などであり、大規模の公園整備ができる土地は
皆無と言わざるを得ません。このような点にも考慮して公園整備量の算定
の見直しをしていく必要があります。
3.本区の大規模緑地については、大半が寺社の境内、大学、霊園などであり
緑地としては長期に安定したものとなっています。しかし、大学の新設・
増設を制限していた「首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する
法律」が平成 14 年に廃止となったことや少子社会等を背景に大学の都心
回帰の流れが大きくなってきています。
区内でも学習院大学や立教大学、東京音楽大学、大正大学、女子栄養大学
で大規模な校舎の増築・改修工事が行われ、時習小学校跡地には帝京平成
大学が開校しました。また、雑司ヶ谷の日本女子大学の寮はまとまった大
きな樹木が生育していますが今後の土地利用は未定です。
工事にあたっては緑化計画の指導を行っていますが、既存の空地等の減少
傾向は否めません。区内の貴重なまとまったみどりのスペースの一層の保
全が必要です。
4.身近な保護樹木については相続による減少、所有者の高齢化による維持管
理が困難となっています。また近隣からの落葉の苦情で伐採を決断する方
もおり、援助の仕組みが必要です。
5.東京都は平成 14 年「区部霊園の管理について」の公園審議会答申に基づ
き、区部4霊園のうち青山霊園、谷中霊園について再整備に入っています
が、豊島区内の2霊園については現時点では未定となっています。豊島区
にある雑司ヶ谷霊園、染井霊園は貴重な大規模なオープンスペースですの
で、今後の霊園のあり方や整備については都と協議をしていく予定です。
6.区内の平均地価(平成 22 年度)は住宅地が 466 千円/㎡、商業地が 1,406
千円/㎡となっています。仮に住宅地で 5,000 ㎡の公園を整備する場合約
25 億円が必要で、これらをすべて区単独費用で賄わなければなりません
(土地代 23 億 3 千万円+整備費 1 億 5 千万円)
。
65
基本方針2:日常生活でふれあえる「みどりと広場」を広げる
旧計画では、身近なみどりとして公共施設や民有地の緑化をすすめていくこと
を目指しました。
実
績
1.公共施設の緑化
①
千登世橋中学校(H14)、南池袋小学校(H16)、豊島清掃事務所
(H16)、明豊中学校(H17)池袋本町二丁目住宅(H21)など 9
箇所、都営高松三丁目住宅など 5 箇所において緑化に取組み、
12,141
㎡の緑化面積を確保しました。
②
平成 21 年に小中学校 31 校の「学校の森植樹祭」で1万本、平成
22 年には公共施設 31 箇所の「いのちの森植樹祭」で 5 千本の苗木
を植樹しました。
③
西池袋公園で 70 本(H22)、補助 172 号線(H22)で 450 本の
苗木を植えました。
④
高松小学校(H17)
、巣鴨北中学校(H20)で校庭の一部に、清和小
学校(H21)・長崎小学校(H22)・南池袋小学校(H22)3校で校
庭全面芝生化を実施し、合計 5,353 ㎡の校庭芝生化を実施しました。
表 7 校庭芝生化整備状況
施設名
整備年
面積(㎡)
高松小
H18
556
巣鴨北中
H20
298
清和小
H21
1,633
長崎小
H22
1,355
南池袋小
H22
1,511
5,353
2.身近な小広場づくり
①
小広場づくり
開発行為などにより 6 箇所(うち土地提供 4 箇所で 826 ㎡)小広場
を創出してきました。一方、居住環境総合整備事業等により創出した小
広場については、21 箇所 2,753.7 ㎡⇒23 箇所 3,912.5 ㎡と増加し
ました。
②
学校の緑縁空間づくり
学校緑縁空間づくりについては、旧計画策定当時すでに池袋第三小学
校、駒込小学校、旧道和中学校(現西池袋中学校)の 3 校において実施
され、地域に開かれたみどりの空間作りが進められており、今後の学校
づくりにも反映していくことを考えました。
しかし、旧計画実施の初年度の平成 13 年 6 月に大阪の小学校で発生
66
した無差別殺人事件(死亡 8 名負傷 15 名)により学校の安全管理の強
化が求められ、閉鎖型の学校づくりが主流となったことから小広場はつ
くられませんでした。
3.民有地の緑化
①
緑化指導による推進
旧計画策定時は、中高層集合住宅建築指導要領とアメニティ形成条例
に基づき緑化指導を行ってきましたが、平成 15 年度より、
「東京におけ
る自然の保護と回復に関する条例」と「豊島区みどりの条例」を一元化
し「豊島区みどりの条例」に基づく指導を実施しました。一元化した際
には建物上の緑化基準も設け、平成 21 年から壁面緑化の基準も設け、
旧計画の策定時における検討課題の具体化を図りました。
緑化指導による緑地面積は平成 15 年より地上部で約 25.5ha(緑被
地面積の約 16%)
、建物上についても 1.3ha が整備されており着実に
緑化面積は増加しています。人工構造物が 85%の地表を覆っている豊島
区では確実な緑地確保として一層の指導の充実が求められます。
○
地上部の緑化面積は 255,144 ㎡になりました。
○
屋上部の緑化面積は 13,601 ㎡が整備されました。
○
接道部緑化は 20,607mのみどりを確保することができました。
面積(㎡)
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
地上部緑化指導面積
図 17 緑化指導による緑化面積の推移
②
助成・支援による推進
区面積全体の約 6 割を占める住居系用途地域に緑被地の約 8 割が分
布していることから、住宅地のみどりの保護・育成が重要です。
○
ツル植物を 6,479 本配布しました。
○
ガーデニングの普及啓発
ガーデニング・菊・サツキの各区民園芸教室を年一回開催してお
67
り、延受講者は 700 名を超え、近年の環境に関する関心の高ま
りもあり相談も徐々に増えています。また、平成 10 年度~16
年度まで計 7 回(応募総数 217 件)の「花とみどりのコンクー
ル」を実施しました。
○
緑化助成
屋上緑化、接道緑化の助成制度により緑化の支援を行い、平成
20 年度からは補助の対象を壁面にも拡大しました。
屋上緑化 2,368 ㎡(テニスコート約 9 面分)、接道緑化 3,572
m≪267m(助成)+3,305m(狭あい道路整備)≫のみどりを
確保しました。
③
すきま緑化の取組み
○
大塚駅~向原駅間の都電沿線の緑地を整備し、地元の方々が新た
に植え 330 種 530 本のバラ花壇となりました。
○
まちなかの小さなスペースで、近隣の方々が相談して木を植える
「まちなか緑化」に取り組んでいます。平成 22 年度は池袋一丁
目・二丁目・四丁目で植栽しました。
○
クールシティ中枢街区パイロット事業
池袋駅周辺を、低炭素社会モデル街区形成促進事業(クールシティ
中枢街区パイロット事業)のモデル街区として指定を受け、サンシ
ャインシティと池袋病院で屋上緑化を実施(面積 651 ㎡)しまし
た。現在実施後の効果測定を行っています。
④
みどりのカーテン事業
○
平成 18 年から設置を行い学校等 67 箇所で実施しました。
○
平成 19 年度よりみどりのカーテン講習会を開催し、参加者は述
べ 280 名となりました。講習会ではゴーヤ苗を 360 本配布
(H19~H22)しました。
○
平成 21 年度よりみどりのカーテンコンテストを実施しました。
平成 22 年度の応募は 21 件でした。
68
課
題
1.学校施設の改築に際し、効率的な校舎の配置と既存樹木の保護とどちらを
優先するのか議論となる事態も見受けられました。このため庁内組織での
緑化推進の啓蒙をさらに推進する必要があります。
2.公共施設の計画的な管理が課題とされていましたが、計画的管理の方策に
ついて実際の検討は不十分です。計画的管理の必要性については、平成元
年に実施した「公共施設の緑化現況調査報告」により、維持管理体制の充
実が謳われ、施設管理者の役割と公園緑地課の役割について論じられてい
るところです。今後公共施設再構築計画に緑化管理計画を明記し、全庁的
に緑化管理に対する啓発活動を一層強化していく必要があります。
3.区民参加による花壇ボランティアを公園等において 41 団体 42 箇所で実
施しました。また、公園の清掃ボランティアを募り 30 園で実施していま
す。近年は横ばいとなっており緑に係わる区民同志のネットワークを拡大
する必要があります。
4.居住環境整備事業に伴い整備した小広場については、施設設置後 20~30
年が経過し老朽化した施設の維持管理についての検討が必要です。また、
事業地区の完了に伴い今後施設の位置づけを検討していく必要がありま
す。
5.緑化指導については、商業地域での地上部緑化と接道部緑化については、
店先利用などのため地上部での設置が難しい場合が多く、屋上への振替な
どもあり日常ふれあえる緑とはなっていません。また、接道緑化基準を満
たせないケースも見られます。繁華街を抱える豊島区の特性を生かした新
たな緑化基準の検討も求められます。
6.これまでの園芸教室を中心とする支援方法についても、現在の区主催によ
る方法や実施日・時間帯などを検討し、より多くの区民が参加できる教室
の検討が必要となっています。
7.屋上など建物上緑化に関する講演など充実させていく必要があります。助
成申請は環境問題への関心の高まりもあり例年一定の申請がありますが
年間件数はほぼ横ばいで推移しており、一層の制度活用推進のための広報
活動が求められます。
8.最も代表的な公共施設である新庁舎建設にあたっては、地上部緑化はもと
より、屋上緑化(豊島の森)やエコヴェールなどにより、まとまりのあるみ
どりを創出(クールスポット化)し、風とみどりのみちづくりを具体的に進
める必要があります。
69
基本方針3:
「みどりと広場」のネットワークをつくる
旧計画では大学や霊園などの「みどりの拠点」と道路や河川沿いの線的なみど
りをつなげ、みどりの骨格をつくりだし、この骨格に地域の身近なみどりを加える
ことでみどりのネットワークをつくることを提案しました。
実
績
1.ネットワークの骨格をつくる
①
都市計画道路の整備
○
環状 6 号線(山手通り):平成 22 年度末で完成しました。
(緑化延長 1,308m)
○
補助 172 号線:平成 22 年度末に交通開放しました。
(緑化延長 880m)
○
補助 175 号線:平成 22 年度末で完成しました。
(緑化延長 275m)
○
補助 173 号線は区事業として平成 25 年度末の完了を予定して
います。
(緑化延長 530m)
○
放射 9 号線(白山通り):
(緑化延長 996m
※
他事業中 950m)
道路緑化については、各事業者により地元意見等を踏まえ樹種
の選定をしています。
※
補助 176 号線は区施工により平成 23 年度末の完了を予定し
ています。
②
既存道路の再整備等による快適な歩行者空間の創出
○
自転車道の整備劇場通りについては、サイクリング道路として延
長 2,500mの整備が行われました。
図 18 街路樹整備等のネットワーク状況
70
2.ビオトープのネットワークをつくる
学校ビオトープについては整備・改修を 5 箇所で行いました。公園等に
ついては、池袋の森・目白の森・小鳥のさえずる公園の 3 箇所以外に新規
のビオトープ施設は設けられませんでしたが、平成 22 年に南長崎はらっぱ
公園で区民によるビオトープづくりが行われました。
3.身近なみどりのネットワークをつくる
接道緑化助成制度により 32 件 267m、狭あい道路整備事業による接道
緑化 657 件 3,305m、また条例に基づく接道部緑化は 20,607m、など
接道部の緑の形成を推進してきました。
平成 22 年度に「まちなか緑化(東京都公園協会による緑化支援制度)」制
度のエリア指定を受け、まちの緑化を通したコミュニティ形成と緑化の推進
に努めました。平成 22 年度実施は 3 箇所で実施しました。
課
題
1.個々の事業は進んでいますが、ネットワークの視点がまだまだ不十分です。
道路整備をはじめ個々の事業においてネットワーク形成を位置づけ、みど
りのつながりを着実に進める必要があります。
2.ビオトープの整備については、学校をはじめ公共施設内のビオトープの実
態調査も行っていく必要があります。
3.人々のネットワークについては、組織しきれていないのが現状です。緑化
助成申請者、園芸教室参加者、保護樹木管理者など、みどりに係わる様々
な人の繋がりを形成していくための方策を検討する必要があります。
5.新庁舎建設にあたっては、グリーン大通りや環状 5 の 1 号線とのみどり
のネットワーク形成を重視し緑化を推進する必要があります。また、ビオ
トープの創出も求められます。
71
基本方針4:地域の人々に愛され、親しまれる公園を育てる
旧計画では、公園を地域の方々に親しまれるものにしていくための日常の維持
管理の必要性について提案しました。
実
績
1.公園の維持管理
公園を安全に利用してもらうために、年 2 回集中的に遊具や施設の安全
点検と日常作業時における点検などを実施しています。
特に遊具については
3 年に 1 回業者による全数点検を実施しています。また、日常的に巡回視
察を行っている巡視員により最低 1 週間に1回は公園を巡回しています。
樹木の管理については、陳情への対応とともに、成長に応じた剪定作業
等を日常の見回りに基づき実施しています。
2.公園の利用管理
公園等の利用の苦情については年々増加し、近年は年間 4,000 件を超え
平成 20 年度は 4,500 件を超える状況となっています。
3.公園の再整備
公園を親しまれるものにするため、再整備計画の策定を提案しました。
しかし、危機的な財政状況から再整備に投入できる資金は乏しく、主に下水
道や水道工事の復旧費用、
また国庫補助により財政負担を少なくする方向で
再整備を行ってきました。
西池袋第二(環 6 拡幅により H14 部分整備)、南長崎花咲公園(住環境
整備事業 H15 拡張整備)、東池袋公園(下水道工事 H17 全面整備)、椎名
町公園(下水道工事 H18 全面整備)
、日之出町公園(再開発第二地区 H2
1部分整備)、池袋西口公園(ユニバーサル H20 便所・電気設備改修)、宮
仲公園(水道工事 H21 半分整備)
、南長崎はらっぱ公園(豊島プール解体
H22 旧西椎名町公園、全面整備)
、南池袋公園(東京電力 H26 全面整備予
定)
72
課
題
1.樹木の管理については、高木の成長に伴う大規模な剪定、さらには必要な
伐採など中長期の計画を持つ必要があります。一方、公園管理への区民参
加については、軽度の清掃について、現在維持管理ボランティア 30 団体
により 30 施設で清掃活動を実施しています。
2.不特定多数の利用を前提としている公園では、利用方法についての苦情が
後を絶たないのが現状です。苦情の内容・対象者・場所など千差万別であ
り、抜本的な解決は困難です。
上池袋東公園では、運営協議会を年 4 回開催し住民参加のもと利用に関す
る意見交換をしています。
南長崎はらっぱ公園でも育てる会が立ち上がり公園利用者と利用マナー
についての検討を進めています。このような成果を基に問題が多い公園に
ついて解決の道筋を模索していく必要があります。
3.公園の再整備計画は、区財政状況などから投資的経費が抑制されてきた経
緯もあり、計画策定を見合わせました。今後、未来戦略推進プランの公共
施設再構築計画に基づく、学校跡地の公園整備を推進するとともに、既存
公園についても再整備計画を持ち社会情勢変化を踏まえた整備を図る事
が必要です。
73
基本方針5:
「みどりと広場」をみんなでつくり・育て・考える
旧計画では、うるおいのあるまちをつくるために、区民主体の活動を進めまし
た。また、区は、区民の主体的な活動をより一層支援するなどの展開を図りました。
実
績
1.区民参加によるみどりの街づくり
①
区民のボランティア活動として、以下の制度を実施しました。
○
清掃ボランティア:平成 13 年度発足し、登録数は 30 団体。
○
花壇管理活動:平成 9 年度発足。登録数は4団体から 41 団体へ
と増加しました。
○
特定地区の街づくり支援:特定の地区の街づくり事業の一環で緑
化に取り組み、約 15 年程度事業が継続しています。池三小みど
りの会(池袋第三小学校)、駒小みどりの会(駒込小学校)、みど
りの小径の会(雑司ヶ谷霊園)、椎小花づくりの会(椎名町小学
校)で花づくりやみどりの維持管理を行っています。
②
みどりの基金の積み立て・運用を平成 20 年度から開始し、平成 21
年度末現在、約 8,940 万円となっています。
また、みどりの基金から緑化活動の支援として、屋上・壁面緑化助成
を実施しました。
2.みどりの啓発事業の推進
①
みどり啓発事業として以下の事業を実施しました。
○
花とみどりのコンクールの開催:平成 10 年度~16 年度まで計
7 回(応募総数 217 件)の「花とみどりのコンクール」を実施
し広報での紹介などを行ってきました。しかし、応募者数の減少
や区財政状況を背景にした事業見直しの対象となり平成 17 年度
休止しました。
○
緑化講習会の開催:ガーデニング・菊・サツキの各教室を年一回
開催し継続しています。この間の延受講者は 700 名を超えてい
ます。
74
課
題
1.公園整備にあたっては、区民参加の視点から「協議会方式」
「説明会方式」
「ワークショップ」などを、それぞれの地域の状況に応じて方式を採用し、
区民参加を追及してきました。引き続き、計画段階からの区民参加の手法
について研究していく必要があります。特に、繁華街にある公園整備につ
いては、公園の果たす役割について、個々の利用者や近隣の町会組織や商
店街組織にとって様々な視点と評価があるため、区民参加の方法について
さらなる研究が必要です。
2.平成 21 年度から学校の校庭全面芝生化が行われていますが、その維持管
理について学校関係者や地域住民を中心とした維持管理グループ(芝ふれ
んず清和)が組織され区民参加が図られています。平成 22 年度は南池袋
小学校と長崎小学校で全面芝生化工事が行われて、区民参加の新しい方式
として注目されています。
3.これまでの園芸教室を中心とする支援方法についても、現在の区主催によ
る方法や実施日・時間帯などを検討し、より多くの区民が参加できる教室
の検討が必要となっています。屋上など建物上緑化に関する講演など充実
していく必要があります。
4.みどりの基金は、使途を明確にするとともに財源を増やすための新たな方
策が必要です。
75
2
計画改定の経緯
豊島区みどりの基本計画策定小委員会
委 員 長
亀山土木部長
副委員長
増田都市整備部長
委
小澤企画課長
員
委員名簿
齋藤危機管理担当課長
田中施設計画課長
常松環境政策課長
鮎川都市計画課長
増子住環境整備課長
奥島都市開発課長
園田建築指導課長
石井公園緑地課長
岡部学校施設課長
事 務 局
公園緑地課緑化推進グループ
豊島区みどりの基本計画策定小委員会
開催年月日
第1回
平成 22 年 7 月 7 日
第2回
平成 22 年 10 月 1 日
第3回
開催状況
委員会次第
議題
(1)基本計画策定小委員会設立について
(2)改定の考え方について
(3)現行計画の到達状況
(4)社会情勢変化
(5)課題の整理
議題
(1)旧計画の評価と課題の整理
(2)改定の視点整理
(3)理念・将来像・目標
議題
平成 22 年 11 月 10 日 (1)施策展開の方向
第4回
平成 22 年 12 月 6 日
第5回
平成 23 年 3 月 11 日
議題
(1)豊島区みどりの基本計画(案)について
議題
(1)パブリックコメントの実施結果
(2)豊島区みどりの基本計画(案)について
76
3
用語の説明
あ行
池袋副都心整備ガイドプラン
池袋の将来あるべき姿の実現のために、公民連携・協働
により都市計画や街づくりを展開していくための指針。
27 ページ
か行
開発諸制度
都市開発諸制度とは、公開空地の確保など公共的な貢
献を行う建築計画に対して、容積率や斜線制限などの
建築基準法に定める形態規制を緩和することにより、市
街地環境の向上に寄与する良好な都市開発の誘導を
図る制度のことで、次の 4 制度のことを呼ぶ。
1. 再開発等促進区を定める地区計画
39 ページ
2. 特定街区
3. 高度利用地区
4. 総合設計
風とみどりの道
居住環境総合整備事業
郊外から都市内に吹き込む風を利用して都心部で熱くな
った大気を冷やすための風の通り道。
池袋副都心整備ガイドプランでは、アゼリア通りやグリー
ン大通り、雑司ヶ谷霊園、立教大学などの大規模な緑地
を有機的につなぐことで、みどりの骨格を形成するとして
いる。
道路や公園などの都市基盤が未整備のまま過密都市化
が進んだ、特に木造老朽住宅等が密集して立地している
地区を対象として、老朽住宅の建て替えの促進と公共施
設の総合的な整備を行い、住環境の改善を図ることを目
的とする事業。
27 ページ
41 ページ
クールスポット
ヒートアイランド現象が顕著な街区において、二酸化炭素
削減効果を有する施設緑化や、保水性建材、高反射率
塗料、霧噴射装置、緑地など複数の対策を組み合わせ
て、一体的に実施することで涼しい場所を創出しようとす
るもの。
27 ページ
ゲリラ豪雨
狭い地域において短時間に大量の雨が降る局地的な豪
雨。
10 ページ
公園面積率
ある一定の区域に占める公園の面積割合。
19 ページ
公開空地
総合設計制度により設けられた空地で一般に開放された
区域。
39 ページ
高密都市
平成 20 年 11 月に人口密度 20,054 人/k ㎡となり中野区
を抜いて人口密度日本一となった。
2 ページ
77
さ行
市区改正
住区基幹公園
震災復興事業
生態的回廊
明治時代から大正時代に行われた都市改造事業。
明治 21 年に東京市区改正条例が制定され、近代的な都
市計画の第一歩を踏み出し、明治 36 年には日比谷公園
49 ページ
が開設された。
豊島区は地理的位置から当初の旧「東京市」の区域外に
あり都市計画の区域から外れていた。
街区公園、近隣公園、地区公園に種別される。
街区公園はもっぱら街区に居住する者の利用に供するこ
とを目的とする公園で誘致距離 250m の範囲内で1箇所
当たり面積 0.25ha を標準として配置する。
近隣公園は主として近隣に居住する者の利用に供するこ
とを目的とする公園で近隣住区当たり1箇所を誘致距離
500m の範囲内で1箇所当たり面積2ha を標準として配置 49 ページ
する。
地区公園は主として徒歩圏内に居住する者の利用に供
することを目的とする公園で誘致距離1km の範囲内で1
箇所当たり面積4ha を標準として配置する。
(参考図 都市公園法での住区基幹公園の配置の考え
方)
大正 12 年 9 月 1 日に発生した関東大震災後に行われた
都市基盤の復興事業で、現在の豊島区の東部で行わ
れ、豊島区には直接影響はなかった。逆に地震の被害を
49 ページ
受けた多くの民家が豊島区に移転することにより、田畑
に住宅が建ち人口が増加した。
野生生物の生息地を連結し生物の移動路として役立た
32 ページ
せるための空間。
た行
地区計画等緑化率条例制度
都市緑地法に基づき、地区計画等において緑化率を定
め建築物の緑化率規制を行う制度。
38 ページ
東京芝生応援団事業
芝生化に取組む学校・PTA 等及び芝生化事業に賛同す
る団体・個人で構成され、芝生の維持管理等に携わる学
校・PTA 等の支援と各学校・PTA 等の相互支援の促進を
図るための事業。
30 ページ
東京都景観条例
良好な景観の形成に関し、景観法の規定に基づく景観計
画の策定や行為の規制等について必要な事項を定めた
東京都条例。
28 ページ
都市公園法
豊島区環境基本計画
豊島区環境基本条例
都市公園の設置及び管理に関する法律。平成 16 年に一
部改正が行われた。
環境基本法に基づいて環境分野を対象とした分野別計
画で、「豊島区環境基本条例」の規程に基づく環境の保
全に関する施策の総合的かつ計画的推進を図るための
計画。
区民誰もが幸せを実感できる健やかで美しく豊かな環境
を未来の世代へ継承することができる地域社会を目指
し、基本理念や区・事業者・区民等の責務を定めた条例
で平成 20 年 3 月に策定。
78
13 ペーシ
3 ページ
13 ページ
豊島区基本計画
地方自治法を根拠法とした基本構想を具体化するために
区の各分野の計画を総合的に調整するための計画。
3 ページ
豊島区基本構想
地方自治法を根拠法とした地域社会づくりの基本的な方向
を定め区政運営の指針とするための基本的な構想。
3 ページ
豊島区都市計画マスタープ
ラン
都市計画法に基づき基本構想の目指すべき将来都市像
を実現するための都市計画および街づくりに関する基本
方針。
3 ページ
豊島区みどりの条例
豊島区におけるみどりの保護及び育成について必要な
事項を定めることにより、区、区民及び事業者が一体とな
ってみどり豊かなまちの形成を図り、もって区民の健康で
快適な生活環境を確保することを目的とした条例。
34 ページ
豊島区緑化基準
豊島区みどりの条例第 16 条に基づき作成する緑化計画
書で定められた緑化の基準。
(参考表 公共施設緑化基準)
34 ページ
都市緑地法
都市における緑地の保全及び緑化の推進に関し必要な
事項を定めた法律。都市緑地保全法が平成 16 年に改正
され都市緑地法となった。
2 ページ
は行
ヒートアイランド現象
都心部の気温が郊外に比べて島状に高くなる現象。
10 ページ
ビオトープ
野生の動植物が生息・生育する空間。
10 ページ
ビオトープネットワーク
生物の生息・生育空間を生態的回廊で相互につなぐこ
と。孤立するビオトープはネットワーク化されることにより
大きな効果が生じる。
10 ページ
防災生活圏促進事業
防災都市づくりに係わる事業の一つとして、地域住民と
区がそれぞれの役割を果たしながら、防災の観点で協働
の街づくりを進めていく事業。
41 ページ
まちなか緑化モデル事業
まちなか緑化活動支援事業は、東京都公園協会が、「東
京都都市緑化基金」の運用益等を活用して、民有地の緑
化を推進するために、平成 20 年度より実施している事
業。
41 ページ
みどりの新戦略ガイドライン
平成 18 年 1 月に東京都が策定した東京のみどりの目標
の実現に向け、公共・民間事業者・都民等の緑づくりを誘
導するための指針。
27 ペーシ
緑の東京 10 年プロジェクト
平成18年12月に策定した「10年後の東京」で掲げた
「水と緑の回廊で包まれた、美しいまち東京を復活させ
る」ことを目指した東京都の全庁あげた取組み。
28 ページ
木質バイオマス
木材からなる再生可能な生物由来の有機性資源。
45 ページ
ま行
79
ら行
立体都市公園制度
土地の有効利用を図りつつ都市公園を効率的に整備す
るため、都市公園の地下の有効利用や人工地盤・建築
物の上部に都市公園が設置できる制度。
51 ページ
緑被率
ある一定の区域に占める樹木被覆地、草地、屋上緑地
の面積割合。
6 ページ
緑化施設整備計画認定制度
都市緑地法に基づく民間建築物緑化を区長が認定する
制度。
39 ページ
緑化地域制度
都市緑地法に基づき一定の規模以上の建築物の新築・
増築の際に緑化を義務づける制度。
80
38 ページ
表 8 公共施設緑化基準(平成 22 年 4 月現在)
施設の
種 類
学校
庁舎
その他の
公共施設
道路
公園
広場
緑 化 基 準
接道部緑化
敷地面積 1,000 ㎡未満
接道部延長の 10 分の 6 以
上緑化する。
敷地面積 1,000~30,000 ㎡
接道部延長の 10 分の 7 以
上緑化する。
敷地面積 30,000 ㎡以上
接道部延長の 10 分の 8 以
上緑化する。
地上部緑化
敷地面積 250~5,000 ㎡
A,Bのうち小さい面積以上
A:緑化面積≧(敷地面積-建
築面積)×20/100
B:緑化面積≧(敷地面積-
(敷地面積×法定建ぺい率×
80/100)×20/100
建築物上の緑化
敷地面積 250~5,000 ㎡
緑化面積≧屋上の面積×
20/100
敷地面積 5,000 ㎡以上
敷地面積 5,000 ㎡以上
緑化面積≧屋上の面積×
A,Bのうち小さい面積以上
A:緑化面積≧(敷地面積-建 25/100
築面積)×25/100
B:緑化面積≧(敷地面積-
(敷地面積×法定建ぺい率×
80/100)×25/100
・地上部緑化は樹木により緑化する。
・建築物上の緑化は樹木、芝、草花等により緑化する。
・歩道幅員 2.5m 以上の道路…状況に応じ街路樹、植樹帯、花壇等の設置による緑化
・歩道幅員 2.5m 未満の道路…交通、道路形態を考慮し可能な範囲内の緑化
・児童遊園、街区公園、広場公園、運動公園…敷地面積の 10 分の 3 以上の緑化
・緑地の機能を主とる公園…敷地面積の 10 分の 7 以上の緑化
・上記以外の公園…敷地面積の 10 分の 5 以上の緑化
・敷地面積の 100 分の 15 以上の緑化
2km
【概念図】
1km
1km
住区
地区公園
近隣公園
街区公園
【1住区(1k㎡程度)当たりの標準配置公園】
公園種別
面積
標準公園箇所数
地区公園
4ha
0.25 箇所
近隣公園
2ha
1箇所
街区公園
0.25ha
4 箇所
図 19 都市公園法での住区基幹公園配置の考え方
81
備 考
4 住区当たり 1 箇所
豊島区
みどりの基本計画
平成 23 年(2011 年)3 月
発行
編集・発行:豊島区土木部公園緑地課
〒170-8422
東京都豊島区東池袋一丁目 18 番 1 号
電話 03-3981-4908
豊島区ホームページ:http://www.city.toshima.lg.jp/