足立区食育推進計画中間のまとめ(案)概要

足立区食育推進計画中間のまとめ(案)概要
第1章
1
計画の策定にあたって
計画策定の趣旨
(1 ページ)
区民の食生活や健康についてみると、成長期にある児童・生徒の朝食欠食者も多く、小・中
学生の肥満傾向は全国、東京都に比べて高い現状にあります。また足立区の主要死因の上位は
生活習慣病で、特に糖尿病を起因とする死亡率が高い状況です。そこで国の「食育基本法」「食
育推進基本計画」を受け足立区においても、こうした食をめぐる状況の改善をめざして食育推
進計画を策定します。
2
計画策定の背景
(1 ページ)
平成17年7月15日に施行された食育基本法は、食育の考え方及び、食をめぐる状況につ
いて示し、これらの問題は、個人だけでなく社会全体で考える必要があるとし、国、地方公共
団体の責務を明らかにしています。
3
計画の期間と性格
(2 ページ)
計画の期間は国の基本計画に合わせ平成22年度までとします。ライフステージ全般を対象
としますが、平成20年度までの2年間は乳幼児から中学生までの子どもと、その親の世代に
重点を置きます。
4
計画の位置付け
(2 ページ)
本計画は、足立区の食育を推進する基本的な考え方や事業等を示した計画です。推進にあ
たっては、地域保健福祉計画・教育基本計画・地域経済活性化基本計画等の食育に係わる事業
との連携を図ります。
野菜を毎日食べている人の割合
平成13年度
平成16年度
80
第2章
1
食生活をめぐる現状と課題
食習慣の乱れと栄養の偏り
(3 ページ)
40
比較すると、野菜や脂肪の取り方に改善が見られま
20
すが、まだ十分な状況ではありません。今後さらに
40
45
20~39歳
なげていくことが課題です。
40~64歳
65歳以上
全体
朝食を毎日食べている人の割合
平成17年度
(4 ページ)
足立区の小学5年生と中学2年生の朝食の摂取
足立区
82.1
中2
た成人では、若年層ほど朝食をとる割合が少なく
91.0
小5
93.6
なっており改善が必要です。
子どもの頃からの肥満傾向の増加
東京都
86.9
率は、東京都と比べてともに低くなっています。ま
3
59
52
0
健康の基礎である栄養バランス等、食生活改善につ
朝食の欠食や生活リズムの乱れ
61
51
食習慣について平成13年度と平成16年度を
2
75
68
60
%
(5 ページ)
70
80
90
足立区学校保健統計によると、足立区の小・中学生の肥満傾向者の割合は、国や東京都と
比較すると、ほとんどの学年で上回っています。また、足立区が実施している40、50、
60歳節目健診では、男性受診者の約3人に1人が肥満です。
1
100
肥満傾向者の割合 平成 17 年度
中3
中3
小2
小2
4%
4%
中2
中1
小4
小6
小3
0%
(女子)
0%
中1
4
中2
小3
(男子)
小4
小5
小6
小5
生活習慣病の増加 (6 ページ)
標準化死亡比(男性)
足立区 平成12年
足立区 平成15年
東京都 平成12年
東京都 平成15年
足立区の国民健康保険の医療費統計では糖尿病、高
血圧等の有病者件数が増加しています。また、足立区
160
の標準化死亡比(SMR)では、特に糖尿病が死因の第
143.6
126.9
1位(男性は増加)となっており、この改善が大きな
120
151.0
117.9 114.0
110.9
104.2
96.7
97.9
80
むし歯の多さと甘味(甘いもの)習慣
118.0
102.9
課題です。
5
足立区
東京都
小1
8%
小1
8%
92.1
(7 ページ)
40
足立区のむし歯のある子どもは年々減少傾向には
心疾患
脳血管疾患
糖尿病
あるものの、むし歯のある3歳児の割合や、DMFT(永
久歯の一人平均う歯経験歯数)は、特別区や東京都に
3歳児 むし歯のある者の割合・年次推
移
東京都
足立区
比べ、かなり高くなっています。また甘味食品、飲料
35
のとり方に気をつける必要があります。
6
30.9
消費者と生産者等とのつながりの希薄化
(8 ページ)
都市化の進展や後継者問題などにより、都内の農地、
30
26.9
28.8
28.1
25
22.0
23.9
農家は減少し、足立区も同様の状況です。また食品関
20.7
23.3
20
係小売店の減少と外食や中食が進んでおり、消費者と
平成13年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
生産者、販売業者との顔が見える関係や交流が難しく
なっています。
農地面積の減少
ha
200
7
食の安全、安心に対する関心の高まり
(9 ページ)
186.1
平成16年度の日本の食糧自給率は約4割となり、
150
食品の多くを外国に依存していますが、食品の大量廃
145.8
棄の問題が生じています。また輸入食品等に対する残
留農薬や食品添加物、生産地表示等に対する不安から、
115.6
100
安全、安心に対する関心が高まっています。
600
400
平成11年
平成13年
平成15年
食の安全に関する相談(営業許可・その他を除く)
510
平成13年度
406
206 173
200
121 178
135
115
107
122 91
97
79
35
5
0
表
示
食
中
添
毒
加
平成17年度
規
物
格
新
・基
準
規
輸
開
発
食
品
2
入
食
食
品
用
65
残
可
・不
可
43
留
に
13
マ
農
薬
関す
る疑
惑
ス
コ
ミ
報
道
に
関す
る事
項
第3章
1
計画の基本理念と目標
基本理念
(10 ページ)
区民がさまざまな体験をとおして、食への感謝と理解を深め、食を考え選択できる力を育成
し、子どもたちの健やかな成長や、生涯を通じた健康づくりが実現できることをめざします。
子どもへの重点的な考え方
○
基本的な食習慣と生活リズムを確立します。
○
食を大切にする心を育みます。
○
食を選択する力や自己管理能力を身につけます。
2
目標
(10 ページ)
国に準じた目標
(1) 食育に関心をもっている区民の割合を増やす
(2) 朝食を食べる区民の割合を増やす
(3) 学校給食における地場野菜を使用する学校の割合を増やす
(4) 菜園の取組みがなされている保育園、幼稚園、学校の割合を増やす
(5) 内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)を認知している区民の割合を増やす
(6) 食育の推進に関わるボランティアの数を増やす
足立区の目標
(7) 生活リズムが身についた子どもの割合を増やす
(8) むし歯のない子どもの割合を増やす
(9) 農家や市場でのふれあい体験をする小・中学校、保育園等の団体数を増やす
(10)毎日野菜を食べる区民の割合を増やす
(11)肥満の人の割合を減らす
(12)食の安全性や食育に対する関心の高まりを増やす
目標値については 11~12 ページ参照
第4章
1
事業計画
食育への総合的な取組み
(13~14 ページ)
(1) 家庭における食育の推進
家庭は、食育を一番身近に学ぶ場所であり、特に乳幼児期から成長期にかけて健全な心身を
育成していく上で大切です。家庭が基礎的な食習慣を身につける場であることを認識し、大切
にしていく必要があります。
(2) 小・中学校、保育園等における食育の推進
小・中学校が食育の目標を明らかにし、指導体制について位置付けを明確にするとともに、
食物を育て、収穫することで食への感謝と理解を深め、生産から消費・環境問題等の内容につ
いて指導していくことが大切です。また、子どもたちが食に対して楽しく学べる機会を積極的
に提供することが必要です。保育園や幼稚園では、野菜の栽培や調理(皮むき)等の経験を園
の生活の中で取り入れて、子どもたちに自然と食に対する興味をもたせることが大切です。
(3) 地域における食生活改善のための取組みの推進
時間に追われる現代社会においては、家庭で取組む食育に関して、地域でも支援していくこ
とが必要です。身近な地域で料理教室等の食育活動が盛んに行われるようボランティアの人材
育成を支援するとともに、ネットワークを拡げることが大切です。
3
(4) 生産者と消費者との交流促進
生産者からの情報提供や活動の紹介、消費者の体験活動は、食への興味と理解を深め、安全
なものを選択できることにつながります。農地や公設卸売市場の資源を生かして生産から流通
過程に関心を高めることが大切です。
(5) 食品関係事業者等における食育の推進
食品関係事業者は、消費者との接点を多く持っており、食育に関する様々な活動の機会や、
メニューの提供、食に関する分かりやすい情報や知識を提供することが必要です。また、消費
者との顔が見える関係は、安全・安心の食材を提供する意識を高めることにつながります。
(6) 食品の安全性、栄養などに関する情報の提供
区民が適切な食生活を選択するために、食品の安全性、栄養、食料の生産、流通及び消費な
どについて、正しい情報を提供する場が必要です。また食品添加物や食物アレルギー品目の適
正表示を進めるなど、事業者、消費者がともに食品を選んで購入できる環境づくりが重要です。
2
足立区らしさを生かした事業計画 (15~19 ページ)
足立区らしさを生かした事業計画として、家庭、保育園、幼稚園、小・中学校、保健所・保健
総合センター、地域で連携、協働して、次の4つの目標達成をめざします。
肥満と生活習慣病の予防
生活リズムの改善と朝ごはんの啓発
○
早寝早起きを心がけ、しっかりと朝
○
何をどれだけ食べたらよいかを知
ごはんを食べて、元気に一日をス
り、栄養バランスを考えた食事を
タートできるように啓発します。
とって、肥満と生活習慣病を予防で
きるように啓発します。
か
地域ぐるみの食育情報発信と
よく噛み、おいしく食べる環境
づくりの推進
○
体験の推進
子どもの頃から、歯と口の健康を保
○
身近な場所での食の情報入手や、食
ち、ゆっくり時間をかけて食事を楽
に対するさまざまな体験ができる
しむ習慣づくりを推進します。
ように関係者が連携し、足立区全体
で食育を進めます。
3
推進体制
(20 ページ)
(1) 庁内連携の強化と関係団体等との協働の推進
①
計画の効果的な展開を図るため、庁内関係部課による推進会議を設置します。
②
区は関係団体の取組みを支援し、団体間の連携を図り協働しながら食育を推進します。
4